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2024.01.05

第32回全日本大学女子選手権 1月4日 味の素フィールド西が丘

DF後藤主将が意地の一発! ア女、インカレ2年ぶり頂点まであと1つ

全日本大学女子選手権
早大 0-0(前半)
1-0(後半)
帝京平成大
【得点】
(早大)75分:後藤若葉
(帝京平成大)なし

 ここまで失点を許さない磐石の試合運びで、全日本大学女子選手権(インカレ)を勝ち進んでいるア式蹴球部女子(ア女)。年を越して迎えたこの日、ア女は関東大学女子リーグ(関カレ)3位の帝京平成大との準決勝に臨んだ。試合は序盤から我慢比べの展開が続いたが、75分にMF大山愛笑(スポ1=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)のフリーキック(FK)にDF後藤若葉主将(スポ4=日テレ・メニーナ)が頭で合わせ先制。この1点を守り切り、ア女が2年ぶりの決勝進出を決めた。

 

得点後喜ぶ後藤(中央)と大山(右)、駆け寄る浦部。後藤は試合後「愛笑が『ニアに速いボール入れる』と先に言ってくれた」と明かし、2人の技術と胆力が光る得点シーンとなった

 関カレでは1勝1敗だった難敵との一戦となったこの日。前半は両チームとも集中を切らさず、守備陣が決定機を許さない。そんな中最初にチャンスを作ったのは帝京平成大。40分、帝京平成大の素早いプレスでア女は自陣でボールを奪われると、GK石田心菜(スポ3=大阪学芸)と相手FW古賀花野の1対1の状況を作られる。しかし、「相手が下を向いてボールを見て、まだ打たないと思った瞬間に距離を詰め」たという石田の飛び出しもあってか、古賀のシュートは枠外に外れ難を逃れた。ア女はその後42分にMF築地育(スポ3=静岡・常葉大橘)がこの日チーム初となるシュートを放つが、ゴールマウスを捉えることはできず。互いにゴールを脅かせないまま、0-0で前半を折り返した。

 

DF田頭花菜(スポ3=東京・十文字)は最終ラインでのクリアや効果的な縦パスなど、強みを存分に発揮

 後半、帝京平成大はフォーメーションを1トップから2トップに変更。開始直後からFWにロングボールを蹴り込む戦法を取った帝京平成大に押される展開が続くが、ア女は統率の取れたディフェンスでこれをしのぐと、その後は前半同様せめぎ合いの時間帯が続く。試合が動いたのは74分。築地が左サイドのDF浦部美月副将(スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)にロングパスを通すと、中に切り込んだ浦部が倒されFKを獲得する。このFKを大山がニアサイドに走りこんだ後藤にピンポイントで合わせると、後藤のヘディングシュートは相手GK阿部ほのかが一歩も動けない完璧な軌道を描きゴールネットを揺らした。待望の先制点を挙げたア女は後藤、DF夏目歩実(スポ4=宮城・聖和学園)、田頭のCB陣を中心に、反撃を試みる帝京平成大からこの1点を死守。関カレ覇者の山梨学院大が待ち構える決勝へと駒を進めた。

 

ドリブルをするMF新井みゆき(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)

 堅い守りで得点を許さず、ワンチャンスをものにするというインカレを象徴する戦いとなったこの日の一戦。優勝を果たした第30回大会以来となる決勝進出を果たし、大学日本一に王手をかけた。決勝で相対する山梨学院大は今季、関カレでわずか1敗しかしておらず、ア女も連敗を喫した手ごわい相手だ。インカレでは3試合で9得点と圧倒的な攻撃力で勝ち進んでいる。この攻撃陣をいかに封じられるかが勝負の鍵を握ることになりそうだ。ア女は前回優勝時も今回と同じく決勝まで無失点で勝ち上がった。決勝も静岡産業大を零封した鉄壁の守備陣を支えたのは、当時2年だった後藤、夏目だ。2年間でさらなる進化を遂げた後藤、夏目を中心に山梨学院大攻撃陣を迎え撃ち、9度目となる頂点をつかみ取る。

(記事 星野有哉、写真 大幡拓登、永田怜、熊谷桃花)

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 石田心菜 スポ3 大阪学芸
DF 夏目歩実 スポ4 宮城・聖和学園
DF ◎3 後藤若葉 スポ4 日テレ・メニーナ
DF 田頭花菜 スポ3 東京・十文字
DF 浦部美月 スポ4 スフィーダ世田谷FCユース
MF 笠原綺乃 スポ4 横須賀シーガルズJOY
MF 三谷和華奈 スポ4 東京・十文字
→83分 27 新井みゆき スポ1 埼玉・浦和レッズレディースユース
MF 10 築地育 スポ3 静岡・常葉大橘
MF 30 大山愛笑 スポ1 日テレ・東京ヴェルディメニーナ
FW 26 千葉梨々花 スポ1 東京・十文字
→90+2分 14 生田七彩 スポ2 岡山・作陽
FW 28 﨑岡由真 スポ1 埼玉・浦和レッズレディースユース
→61分 白井美羽 スポ3 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
◎=ゲームキャプテン
コメント

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

――決勝進出を決めました。90分間振り返ってください

 前半はヒヤリとする場面もありましたし、準決勝らしい厳しい戦いだったと思います。

――強いプレスをかけるというわけではなかったような印象ですが、いかがですか

 4バックの位置取りを考えて、あまり強くいくとはがされてしまうのは関カレの後期対戦時のスカウティングでもあったので。前線から(プレスを)かけるというよりはどちらかと言えば蹴らせて、それを回収してというような狙いでした。

――お話にもありましたが、関カレ後期対戦時の1-0(10月21日、後期第10節)での勝利は一つ成功体験として生かされたところですか

 前期に私たちは内容的にも結果的にも大敗している(6月24日、関カレ前期第11節、●0-4)ので、そこを一つひっくり返すことができた後期の試合は、今日も一つの(試合プランの)材料になったかなと思います。

――相手のCK、ショートコーナーに対して完全に対応していました。スカウティングが生きたんじゃないですか

 やはり帝京平成大さんは色々なバリエーションをおもちなので、できる限りの準備をしてという感じですかね。

――逆に決勝点はア女のセットプレーでした。皇后杯1回戦然り、今季のセットプレーの得点力には手ごたえを感じるところですか

 後藤若葉は西が丘と縁が強いというか。一昨年もそうだったんですけど、今日の1点は本当にチームを救ってくれる、値千金のゴールだったと思います。

――崎岡選手を下げたのは割と早い段階だったのかなと思います。上手くいかない印象があったのでしょうか

 由真は動き出しの速さもあって、後半にかけて彼女の動き出しはちゃんと効いていました。フォワードだけではなくて、中盤のバランスの部分との兼ね合いで代えたというイメージです。

――今大会通してですが、改めて1年生の活躍にはどのような印象をおもちですか

 アシストの大山然り、千葉に崎岡、途中出場の新井もしっかりと自分の仕事をしてくれたと思います。ただそのベースには4年生が1年生たちをのびのびとプレーさせてきたというのがあって。もちろん2、3年生もそうなんですが、1年生が自分の力を存分に発揮できるようにと、特に4年生が今年やってきた積み重ねがこうして1年生のプレーに表れていると思いますし、1年生もそれを十分に分かった上で、4年生と最後の最後まで戦いたいという気持ちがあるんじゃないかと思います。

――監督から見てチーム作りという面で、今年の4年生は2年前の優勝メンバーと違いがありますか

 似ている部分もあるんですが、違う部分もあって。2年前の4年生はピりついたものもあって、それと比べるとこの学年は温かいなと思います。前期はそれが自分たちの甘さ、弱さなんじゃないかというところを一生懸命話し合いながら、自分たちのもっている温かさと厳しさをチーム力に変えてきたというところ、2年前とはまた違う強さをもった学年かなと思います。

――関カレでは前期・後期と2度負けた山梨学院大との決勝戦です。どんなことを選手に伝えて臨みたいですか

 大阪ラウンドでも言ったんですが、自分たちはこの4試合でも成長するよ、というのがまずベースで、そのことは多分みんなが分かっていると思います。今日は自分たちのサッカーをやり切ることができなかったと思うので、時間が短いですが、決勝戦に向けてもっと早稲田らしいサッカーができるようにもう一つ成長して、一番高いところに行けるよう準備したいと思います。

 

DF後藤若葉主将(スポ4=日テレ・メニーナ)

――見事な決勝ゴールでしたが、振り返っていかがでしたか

愛笑(大山)とは練習からニア(サイド)への速いボールは合わせていた中で、愛笑が「ニアに速いボール入れる」と先に言ってくれたので、自分は信じて飛び込んだら本当にマグレで当たった感じなんですけど(笑)。こういうのも思いが伝わったというか、ここまできたら気持ちの部分もあると思うので、本当に勝つことができて良かったなと思います。

――前半は苦しい時間帯もあった中で、どのようなことを考えてプレーしていましたか

前半は帝京平成大さんがロングボールを使ってくる中で、自分たちが引き出されないようにというところを意識しました。その中で組織立って奪いところを決めてプレスをかけて、自分たちのミスから決定機をつくられてはしまったのですが、他は自分たちのやりたいように守れていたとは思います。ただ、なかなかゴールには向かえなかったので、シュートを打ち切れなかったところは改善しなければならないと思います。

――相手の10番は個の力のある選手でしたが、対応する際に考えていたことはありましたか

関カレを戦う中でも10番の選手が良い選手というのはスカウティングで入っていたので、そこに良い状態で一対一をつくらせない、ロングボールを蹴らせないというのは徹底できていました。失点を0に抑えられたのは、ディフェンスラインの選手だけでなく、前線の選手がいいかたちで追い込んでくれたりもしたので、全員で守り切った勝利かなと思います。

――後半は五分五分の展開のようにも思えましたが、ハーフタイムから含めてどのようなことを意識されていましたか

ハーフタイムは守備の面でけん制して奪いにいけていなかったので、もう一つ奪いにいくという部分と、美月(浦部美月副将、スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)と和華奈(三谷和華奈副将、スポ4=東京・十文字)というパワーのある選手がいるので、もう少しそこをもっと使っていこうというかたちで入りました。(後半の)最初はそこをうまく使って入れて、サイドは自分たちの強みであると思うので、決勝でも存分に生かしていけたらなと思います。

――少し気になった点として、パスのズレが見受けられるシーンがありましたが、そこはどう感じていますか

いつもとピッチが違うというのは言い訳にはならないですし、自分たちが練習してきたものがあると思うので、最初はうまくいかなくても試合の中でどう修正していくかがポイントになると思います。そこは修正しつつ、イメージは合っていると思うのでより合わせて、決勝でも流れの中からゴールを奪って後ろは0でしっかり抑えて勝ちたいと思います。

――インカレではいまだ無失点ですけど、そこはいかがですか

 やはりトーナメントは失点しなければ負けないと思っているのですが、そこにこだわりすぎるのもよくはないですけど、自分も最終ラインの選手として絶対にゴールを割らせないというのは意識して最後までやりたいと思います。

――決勝は関カレでも2度敗れている山梨学院大との一戦です。どのような準備をして最後臨みたいですか

 山梨学院大も帝京平成大同様に縦に速く、前線に強力なストライカーがいるので、そこを自分自身がやらせないというのもそうですけど、中1日で準備の期間は短いですが、自分たちのサッカーを出せれば負けないと思うので、自分たちがやってきたことを出せるように良い準備をしていきたいなと思います。

 

GK石田心菜(スポ3=大阪学芸)

――大会を通してここまで3試合、未だ無失点ですが手ごたえはいかがですか

 ディフェンスラインが体を張って守ってくれている分、自分の仕事は少ないのかなとは思っていて、いざ仕事がきた時にも余裕をもってプレーできていますし、守備陣含めフィールドのプレーぶりを見て刺激をもらっています。最後のところは決めさせないというところを意識してやってきた結果が、この3試合の無失点という結果につながっているのかなと思います。

――前半は危ない1対1のシーンがありましたが、相手フォワードとの駆け引きは何を考えましたか

 「あ、来ちゃった」くらいであまり覚えてないんですけど(笑)。相手が下を向いてボールを見て、まだ打たないなと思った瞬間に距離を詰めることができたのは良かったんじゃないかなと思います。

――インカレ自体がご自身にとって初で、2日後には決勝戦です。どんなことを考えて臨みたいですか

 今までの3試合は緊張無く、余裕をもってプレーできているなと感じています。今までやってきたことをしっかりと出し切れているし、練習でやってきたことが自信になって、そこにつながっているのかなとは思っていて。余裕をもちすぎてもダメですけど、決勝だからといってあまり気を張り詰めず、自分らしくプレーしたいなと思います。

――対談で前期の帝京平成大戦について言及されていましたが、今日の試合前意識することはなかったですか

 そんなに意識はしなかったです。もちろんその試合も忘れられないんですが、やっぱり後期に1-0で勝った試合の方が自分の中で自信になっていて。その自信が今日の試合前のイメージにもつながったのかなと思います。

 

MF大山愛笑(スポ1=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)

――まずは得点のシーンを振り返っていかがですか

 角度的にも時間帯にも、ゴール方向にちゃんとボールが蹴れれば、何か起きると思っていました。蹴る前に若葉さん(後藤若葉主将、スポ4=日テレ・メニーナ)に「ゴールを狙うから突っ込んでって」と言って、信じて蹴ったら本当に突っ込んできてくれたので良かったです。

――後藤選手も練習してた形と言ってましたが、練習でやったことはあったのですか

 あそこの場所を狙うというのは、練習でもやっていました。

――今日はサイドまで幅広く色々なポジションをとりながらボールを散らしていたのかなと思います。意識してプレーされていましたか

 中盤の後ろというより前で自由に動きながらボールを受けて、そこからゴールに繋がるようなチャンスメイクをすることは意識していました。

―― 今日のセットプレーのアシストもそうですが、前回はゴールも含めて3得点に絡んでいると思います。調子がいいのかなと思いますが、ご自身ではどう感じますか

 今までの2試合連続で点を取ったのもそうですし、ここまでアシストできているのもちょっと初めてなので、自分でもびっくりしています。

――結構数字を残しているイメージがあるので、それも意外といえば意外ですね

 でもパスもシュートも、自分の中で良いイメージはずっと描けています。

――帝京平成大は、ここまでの2戦よりも強度が高い相手だったと思いますが、前半に苦労したところ、意識したところはありますか

 今までの2試合から、自分にマークがついてくるのはある程度想定していました。ただ相手がちゃんとそれをやってきたことで、ボールが受けられない時間が続いたり、自分の長所が出せなかったりする中で攻撃のリズムを作ることができなかったのは、難しかったところだと思います。

――その影響からか分からないですけど、サイドに流れたりとか、ボールを欲しいのかなという動きをしていましたが、そこはやはり前半からもっとボールを欲しいという時間は長かったですか

 得点にも絡まなければいけない部分もあるので、(ボールは)欲しかったですけど、途中から1周回って、自分に誰か着いてきて他が空いてるなら、そこ使ってやってくれればと思ってプレーしていました。

――帝京平成戦の後期の試合は、途中まで出場していました。あの試合も1ー0で競り勝った試合でしたが、そこから成長した部分はありましたか

 あの時はケガから復帰したばかりで、自分自身のプレーに満足はできていなかったです。今日もアシストはできたけど、自分自身のプレーには満足ができていなくて。それでも要所要所で自分の長所を出したり、何よりもチームのために結果を出せたことは良かったかなと思います。

――決勝戦への意気込みをお願いします

 ここまできたら絶対に勝つしかないので、まずはチーム、4年生のために自分の全力を尽くして、山学(山梨学院大学)に勝って優勝したいと思います。