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2019.08.22

夏季オープン戦 8月21日 対帝京大 長野・菅平サニアパークDグラウンド

宿敵・帝京大に勝利!さらなる高みに向かって

 時折小雨の降る長野・菅平サニアパークにて、夏の練習試合第2戦目が行われた。対戦相手は、昨年の夏季オープン戦で8年ぶりの勝利を挙げたが、春季大会では24-61で敗北を喫した宿敵・帝京大。前半、幸先よく先制点を挙げると、スクラムで優位に立ち、試合の主導権を握る。しかし、中盤からスクラムが崩れ始め、終了間際にトライを奪われて21-7で試合を折り返した。後半も序盤は有利に試合を進めたが、またしても終盤に攻め込まれる時間を持つ。油断からか突破を許し、計14点を献上して試合終了。前半の入りは狙い通りだったが、フィットネスなど新たな課題の見つかった試合となった。

 前半開始6分、好機が訪れた。ブレイクダウンでプレッシャーをかけられてこぼれたボールを、SO岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)が拾い、先制点を挙げる。そして前半14分には、スクラムで相手の反則を誘いラインアウトを選択。危なげなくボールを保持すると、そこからモールで流れるようにインゴールまで押し進め、フッカー森島大智(教4=東京・早実)が右隅に飛び込んだ。「1か月頑張ってきたことが試合で出た」と相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)が振り返るような、理想的なかたちでのトライを挙げ、これをきっかけに流れを引き寄せたように思えた。しかし、20分を経過するころ、雲行きが怪しくなった。序盤は好調だったスクラムが崩れ始め、攻め込まれる時間が続く。だがディフェンスでも力をつけてきた早大。ゴール前で粘り強く守り抜き、強豪相手にリードを保ったまま21-7で試合を折り返した。

先制点をもたらした岸岡

 後半も好調なスタートを切った。開始3分、スクラムからターンオーバーしてフェーズを重ね、CTB長田智希(スポ2=大阪・東海大仰星)からオフロードパスを受けたWTB桑山淳生(スポ4=鹿児島実)がトライを決める。その後も後半10分にラックサイドをプロップ小林賢太(スポ2=東福岡)が自慢のフィジカルを生かしてインゴールをこじ開けるなど、試合の主導権を握るが、またしても終盤に失速。たびたびゲインを許し、ディフェンスが追い付けずに2トライを献上する。ゴールも決まり、計14点を立て続けに奪われたまま、不本意なかたちでのノーサイドを迎えた。

追加点を挙げ、笑顔を見せる小林

 5月12日の関東大学春季大会、東海大戦以来3か月ぶりの出場を果たしたSH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が、チームの変化として「FWが本当に頼もしくて、あれだけセットプレーが安定してくれると戦いやすい」と振り返るように、今試合ではセットプレーの安定感やディフェンスのハードワークが試合のリズムを生み、昨年の夏季オープン戦よりも充実した内容での勝利となった。しかし、帝京大の強みである近場のディフェンスに押されてしまった後半。前半は対応できていただけに、「80分通してそれができれば」と岸岡が語る通り、最後まで持続的に動き続けられるフィットネスが、秋に向けての課題となるだろう。8月31日に開幕する関東大学対抗戦。さらなる修正力に期待したい。

(記事 山口日奈子 写真 石井尚紀)

  • コメント

    相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)

    ――天理大戦と帝京大戦の勝利はチームとしてどのようなものになりましたか

    春季大会でFWに課題があったんですけど、それを春季大会が終わってから合宿に入るまで、FWの成長なくして今年は戦えないという話をしていたので、1カ月の頑張りが少し試合で成果としてつながったかなと思います。

    ――春季大会の東海大戦では、「このスクラムでは勝てない」と仰っていましたが、スクラムに関してはいかがですか

    スクラムが成長したんじゃないですか

    ――現段階ではどのくらいですか

    まだまだだと思います。ただ春はスクラムをどうしようというところがあったんですけど、今は相手の駆け引きにやられてもすぐにポジティブに修正できるマインドになってきたので、相手によって組み方の違いがあるので、圧倒的な力をつけるというのは難しいんですけど、戦うマインドになっているのでいい傾向だと思います。

    ――「ディフェンスで粘ることができていた」という声が選手からありましたが、ディフェンス面はいかがですか

     帝京大戦は近場でくるところがあるので、そこに関してはしっかりディフェンスで粘れていたと思うので、そこも春に比べたらステップアップできているかなと思います。

    ――ラインアウトモールで得点をあげましたが、選手たちからも「自信がついた」という声がありました

     モールで(トライを)取ることができたのは、先程のスクラムと同様にFWがしっかりと戦うというところで1カ月頑張ってきたことが試合で出たので、チームとしてアタックはそんなにまだ手を付けていないというか、どちらかと言うとユニット毎でしかまだ合わせていないところもあるので、そこはこれからかなと思っています。

    ――スクラムのユニット毎の練習などは選手始動ですか

     そこは自分たちも課題に感じていたんですけど、監督、コーチ、我々でそこに取り組まないと、シーズンはきついよという話をして、FWには7月にかなり負荷をかけたので、しんどい思いをさせるよという話をして

    やってもらいました。でも学生もそこは課題と感じていたので、学生の方からもそこをやりたいですという話がきていたので。

    ――この二試合で勝てた要因はFWですか

     春に比べて安定してFWで安定して組むことができました。2点目はディフェンスが春より少しアグレッシブになったかなというところがあって、そこは合宿で取り組んでいたところでもあるので、練習した積み上げが試合の中で見えたかなと思います。

    ――日体大戦がありますが、これからどのような部分を伸ばしていきますか

     継続ですね。ディフェンスのところをアグレッシブに行く、セットプレーのところ、天理大や帝京大、いろいろな相手と合宿で組んでいるので、そういう中で自分たちのスタイルとか相手によっての修正力だとかをもう一回整理して、日体大はどういう相手か分からないし、どういうスクラムかも分からないので、その辺の引き出しをつくれればなと思っています。

    SH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

    ――今回復帰戦となりましたが心境としてはどのような思いがありましたか

     まず3か月間チームにプレーで貢献できることがなかったので、こうして40分間だけでしたが、自分がプレーして少しでもチームに貢献できたことはうれしかったです。3ケ月分取り返すつもりでプレーしました。

    ――プレー面としてはどのようなことを心掛けていましたか

     後半からの出場で、(トライ数が)3本、1本という微妙な状況でした。あのような状況は、勝ってる方が戦いづらいという気持ちがあったので。帝京大は劣勢だと自分たちの強みであるFWの近場のアタックを絶対出してくると思いました。そこに関しては「気持ちだぞ」という話をしていました。SHというポジションでも、体を張るところは張って、声を出すところは出して、気持ちのところを入りは意識していました。

    ――ご自身が出場した東海大戦との早稲田のチームの違いはどのような部分に感じましたか

     まずはやっぱりFWが本当に頼もしくて、あれだけセットプレーが安定してくれると戦いやすいですね。また、全体としてはディフェンス面です。特にハードワーク。簡単にトライを取られることがなかったのはきょうの試合をやってみての印象ですね。

    ――ラックサイドでのディフェンスを振り返ってみていかがですか

     帝京大の特徴として9番のアタックが強みなので、そこを意識しました。また、ディフェンスからリズムを作るということを常々言っていたのでそういう意味で成果は出たのかなと思います。

    ――この関東大学対抗戦直前の帝京大との対戦で勝利を収めたことはどのような意味があると思いますか

     少なからず自信にはなると思います。ですが、チームでの最後の話でも言ったのですが去年勝って喜んだ印象だったのですが、今年はもちろんうれしかったのです。しかし、それでも試合が終わってから課題の話をみんなとできたことがチームが成長したのかなと思います。勝って当たり前という文化を作って、勝って反省できる環境を作っていこうということをチームのミーティングで話しました。

    ――後半の終盤に失点してしまう場面がありましたが、原因はどこにありますか

     やっぱり、最後走れてなかったという部分ですかね。ああいうきつい時間帯に自分が声かけとかが大事ですね。自分個人として40分間の出場で、ばててしまったのは反省点ですね。

    ――齋藤主将は「試合前に緊張する」と以前お伺いしましたが、今回はどうでしたか

     しっかり前日から緊張してました。何人からか頑張れとメッセージ頂いた中に「やれることだけしっかりやりな」という言葉が自分の中にすっと落ちました。やること絞ってそれだけを遂行しようと思いました。

    ――次戦、関東大学対抗戦の開幕戦に向けて一言お願いします

     合宿でのAチームでの試合はもうないので、調整に入る訳ではなく進化し続ける気持ち。それを個人としてもチームとしても持ち続けて31日、日体大戦を迎えたいです。

    SO岸岡智樹(教4=大阪・東海大仰星)

    ――今の気持ちは

     やっぱり、うれしいっていうんですかね。だと思います。自分たちがやってきたことがこうやってかたちに出たというのは一番の自信にもなりますし、素直にうれしいと思う気持ちが一番大きいかなと思います。

    ――ご自身で決めた2本のトライを振り返っていただけますか

     1本目は、たまたまな気がする場面が多いです。2本目のトライであれば、天理大戦の時もありましたが、フォワードが前線で頑張ってくれているなかで、BKが展開していきました。天理大戦だと長田(CTB長田智希、スポ2=大阪・東海大仰星)がトライで、今回はたまたま僕だったという感じです。
    チームとして自分たちがやりたいことが相手にしっかり通用したということが大きいです。例えばスクラムなどにもそういう部分があったのではないかなと思います。

    ――3本先取しましたが、立ち上がりについて総括すると

     ちょっとヒヤヒヤする部分があるかなと思ってはいましたが、スクラムも劣勢になることもなく。試合後はプロップたちが「あんまり良くなかった」と言っていた場面もありましたが、試合を通してゲームを作るということに関しては、立ち上がりに関してはそんなに悪くなく、いい入りができたのではないかなと思います。

    ――21点先取した前半20分からキックオフのリターンを変えました

     そうですね。キックを3回とも決めて21点というのがあったので、次にどちらが得点を取るかで流れが変わるとはわかっていました。そこでトライを取れればおそらくもっと差がついていたとは思うのですが、しっかり勝ち切るということを考えた中では、しっかり中盤からディフェンスであげるということで、タッチを選択しました。

    ――前半はチームの理想形に近づいている印象ですが、ゲームメークをする視点から振り返るといかがですか

     21点差が開いてからはちょっと消極的になりすぎたのかなとは若干思ったりもします。もうちょっと攻めてもよかったな、アグレッシブにいってもよかったなとは、試合後の振り返りとしては思います。しかし、試合中の判断としては間違っていなかったので、しっかり勝ち切れたことに対しての少しヒヤヒヤさせてしまった部分への反省点が僕としてはあるので、もうちょっと選択の種類というのを攻撃的にするのもありだったかなとは思いますね。

    ――天理大戦を経て、FWから「こうしたらどうか」と提示される機会も出てきて、SOとしてはオプションが増えてきたと言っていました。今回それがさらに確信的になったのではないでしょうか

     そうですね。自分たちの強みがどこにあるのかというのが明確になってきて、それに際してどのようなプレーをFWは選択して欲しいか、逆に僕はどういうプレーを選択したいというのが試合中にコミュニケーションを取れるようになったので、プレーを選択するときに迷いがなくなったというのはあります。まっすぐそのプレーに全員が向かっていけるというのはいい方向なのかなと思います。

    ――逆に後半のラスト20分からは細かいミスやタックルミスが見られました

     帝京大の強みである「近場」だったりから、若干崩されかけたというのが要因かなと思ったりします。あそこが逆に前半にできていたのでトライを取られなかったとも思います。「80分通してそれができれば」というのが、秋に向けての帝京大への対策というか、自分たちが最後にやらなければならないところかなというところです。

    ――昨年もこの定期戦で勝ちましたが、昨年と今年の勝利の違いを述べるとしたらどこでしょうか

     去年は勝ったことがびっくりするくらいというか。喜びでした。今回は「勝つべくして勝った」というような、そこに対しての気持ちがしっかりできていたので、「勝った!」プラスαで「次に向けてしっかりやらないとな」というマインドができました。そこで自分たちが成長したというか、勝つことがしっかりまぐれでもないということができたかなと思います。

    CTB長田智希(スポ2=大阪・東海大仰星)

    ――昨年も夏季オープン戦の帝京大戦で勝利を収めましたが、その試合ときょうの試合を比較して異なる部分はありますか

     自分としては昨年はチームのために何かするというよりは、1年生として思い切りハードワークして動き続けるということを意識していたんですけど、今年2年生になって、よりチームに貢献するためにアタックでもディフェンスでもよりチャレンジしていくというのを今回のテーマとして試合に臨みました。昨年よりも多くボールキャリーできたところがあったので、そこは良かったかなと思います。

    ――きょうの試合の勝因は何だとお考えですか

     天理大戦でもそうだったんですけど、春シーズンにFWが取り組んでいたスクラムだったり近場でFWが引かなかったというのが大きかったのと、天理大戦ではBKのミスが結構大きく響いたところを修正できたのが勝因かなと思います。

    ――最後は立て続けに相手にトライを取られるかたちとなりましたが、その原因は

     早大がキックチェイスだったりディフェンスが外側から上げるところだったりで、ちょっと足が止まったかなというところがあって、そこで差し込まれることがあったのでそこは修正点かなと思います。

    ――長田選手自身はタテに強く出る場面が目立ちましたが、意識されていたのですか

     きょうの帝京大のディフェンスが結構前に出てきて僕らのところでスペースがあって、そこでタテに出ようと考えていたので、そこは出られて良かったと思います。

    ――後半の最初にはトライにつながるアシストをなさっていましたが、その場面を振り返っていかがですか

    僕がタックルに入る前に2対1ができていたので、最初に放れば良かったんですけど、あそこで放れなかったのでそこは修正点かなと思います。

    ――次戦、関東大学対抗戦の開幕戦に向けて一言お願いします

     きょう、いいかたちで勝てたんですけど、課題もあったのでそこをしっかり修正して完全な状態で臨めたらなと思います。

  • 夏季オープン戦
    早大 スコア 帝京大
    前半 後半 得点 前半 後半
    21 10 14
    31 合計 21
    【得点】▽トライ 岸岡2、桑山、小林、森島 ▽ゴール 岸岡(3G) 
    ※得点者は早大のみ記載

      

     
         

     

    早大メンバー
    背番号 名前 学部学年 出身校
    久保 優 スポ3 福岡・筑紫
    後半21分交代→16横山太
    森島 大智 教4 東京・早実
    後半21分交代→17原
    小林 賢太 スポ2 東福岡
    後半10分交代→18阿部
    三浦 駿平 スポ4 秋田中央
    後半10分交代→20相良昌
    下川 甲嗣 スポ3 福岡・修猷館
    後半36分交代→19星谷
    大崎 哲徳 文構2 東京・国学院久我山
    ◎幸重 天 文構4 大分舞鶴
    丸尾 崇真 文構3 東京・早実
    河村 謙尚 社2 大阪・常翔学園
    後半0分交代→22齋藤
    10 岸岡 智樹 教4 大阪・東海大仰星
    11 安部 勇佑 スポ3 東京・国学院久我山
    12 中西 亮太朗 商2 東京・早実
    後半21分交代→24加藤
    13 長田 智希 スポ2 大阪・東海大仰星
    14 桑山 淳生 スポ4 鹿児島実
    15 南 徹哉 文3 福岡・修猷館
    後半31分交代→26松下
    リザーブ
    16 横山 太一 スポ2 東京・国学院久我山
    17 原 朋輝 スポ2 神奈川・桐蔭学園
    18 阿部 対我 社2 東京・早実
    19 星谷 俊輔 スポ3 東京・国学院久我山
    20 相良 昌彦 社1 東京・早実
    21 小柳 圭輝 社2 東京・国学院久我山
    22 齋藤 直人 スポ4 神奈川・桐蔭学園
    23 島本 雄太 創理3 神奈川・桐蔭学園
    24 加藤 皓己 創理4 北海道・函館ラサール
    25 平井 亮佑 スポ3 福岡・修猷館
    26 松下 怜央 スポ1 神奈川・関東学院六浦
    ※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)