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2015.08.03

WFDF2015世界U―23選手権 7月12~18日 英国・ロンドン

SONICSから世界一の選手が誕生

 走る、飛ぶ、投げる、捕る。さまざまな身体能力が求められる『究極』のスポーツ、それがアルティメットだ。その究極のスポーツの頂点を決めるWFDF2015世界U―23アルティメット選手権が英国・ロンドンにて開催。ワセダの公認サークル・SONICSから島杏璃(スポ4=神奈川・公文国際学園)、岩岡優奈(スポ4=東京・城東)、田崎真帆(成城大)の三人が日本代表に選考され、見事に世界一の座を勝ち取った。

笑顔でメダルを手にする岩岡(左)、島(中)、田崎

 今大会のために、月に2回ある厳しい代表練習をこなしてきた選手たち。練習の最後に体を酷使した状態で行うゲーム形式が、選手たちに極限状態での点への執着心を身に付けさせた。「他のどのチームよりも走ってきた自信が、どんな状態であっても前向きにしてくれた」(岩岡)。その言葉通り、日本は世界のトッププレーヤー相手に好戦。予選ではカナダ、米国に苦杯を喫するものの、他の対戦相手を倒し本戦に駒を進めた。

大会で攻撃の要となった島

 最終決戦の相手は常に頂点の座に君臨してきた米国。予選は惜敗したものの、日本の精度の高いパスから生み出される攻撃が米国を苦しめる。「雲の上の存在だと思っていたが自分たちでも通用する」と島が話すように、選手は自分たちの強さを実感。その後チームで話し合いを重ね、新たにディフェンスを改善し決勝に臨んだ。大柄な体格からつくり出される幅のあるコースをふさぐポジショニングが功を奏し、一時は16―12の4点差に引き離す。しかし相手も前回王者の意地を見せ、必死に食らい付き3連続ポイント。優勝まであと1点のところで米国の猛攻が仕掛けられるが、厳しい練習を乗り越えてきた選手たちが下を向くことはなかった。「(心に)あったのは、大丈夫、いけるという気持ちだけ」(島)。攻撃の主軸・島を中心とした細かいパスで着実にゲインを重ね、ついにディスクはエンドゾーンへ。その日一番の歓声がフィールドに鳴り響く。それは個の身体能力では及ばなくとも、一人一人が力を結集し、まさにチーム力でつかんだ勝利だった。

プレー中も取材中も息の合った連携を披露した三人

 「個ではなくてチームで勝つ」。それは日本代表だけでなく、SONICSにも当てはまることだと田崎は言う。いまの4年生がタイトルを獲得したのは3年前の新人戦のみ。常に宿敵・日体大の後じんを拝してきた。レベルの高い選手も多く在籍するが、体格差、身体能力の差をチームオフェンス、ディフェンスで押さえ込んだ日本代表の経験がSONICSに新しい風を吹き込むはずだ。次に控える全日本大学選手権で4年生は引退。「代表経験で学んだ自分の経験を後輩たちに伝えたい」(島)。世界一の技術をどれだけ、チームに還元できるかが日本一への大きなカギとなるだろう。「絶対に、本当に、優勝したい」。岩岡の言葉に田崎と島は顔を見合わせ力強くうなずいた。世界一の栄光を手にした三人は慢心することなく最後のステージへと歩を進める。SONICSが一丸となり勝利を手にするその日まで――。選手たちの戦いは続く。

(記事 三佐川唯、写真 豊田光司)