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2023.07.05

【連載】早慶クラシコ特集『Refuse to Lose』【第12回】ア式主務インタビュー 山田怜於

 第12回には今季のア式蹴球部(ア式)で主務を務めるGK山田怜於(社4=神奈川・鎌倉)が登場。学生主体で運営されている早慶戦において、運営の中心となる主務の存在は欠かせない。加えて今季の山田怜は早関定期戦やアミノバイタルカップで先発出場を果たすなど、選手としても活躍を見せている。主務として選手として、ピッチ内外から早慶戦をかたちづくる山田怜に、自身の早慶戦に懸ける思いなどを伺った。 ※この取材は6月10日に行われたものです。

 

どんなに難しくてもやり続けられれば自分に返ってくると分かった

質問に答える山田怜

 

――今シーズンここまでを振り返ってください

山田怜 4年生までやってきた中で、やはり1から3年までっていうのはなかなかうまくいかない時期もあったんですけど、実際去年副務になって、チームの全体のことだったりそういったものが見えてきたことによって、自分自身のプレーというものも4年になって上がってきてました。実際に天皇杯とかもスタメンで出させていただいたりとかやらせていただいた中で、結果的に脳震とうで1カ月の離脱をしてしまい、前線から外れてしまったんですけれども、やはり自分自身のプレーの強みっていうところは出せているというのが今の私のプレーの状態かなと思います。

――シーズン前と比べて、ここまでの自身の姿は想像通りですか、それとも全然まだまだだなって感じますか

山田怜 正直なこと言うと、やっぱりまだまだいけるなっていうのがあります。どうしてもこの脳震とうで1カ月の間が空いてしまったと。それがシーズンの本当に最初だったっていうものもあって、やはり脳震とうになってなかったらというたらればの話になってしまいますけれど、そこで継続してやれていた時の自分自身のプレーとかメンタルのそういったところがどうなってたか、今の自分の状態よりもその1カ月分がやっぱり積み重なっていってれば、もっといいプレーができていたのかなと正直思ってしまっています。やはりまだまだ 1カ月分を取り返せるだけのモチベーションもありますし、それはしっかり繰り返して、最終的に自分自身が元々想像していたものに近づけられたらいいなと思っています。

――昨シーズンの拓大戦でリーグ戦デビューを果たしたと思います。4失点と苦い経験でもあったのかなと思いますが、あの試合を振り返っていかがでしたか

山田怜 正直一言で言えば、いい経験だったなと今は思ってます。もちろん今言っていただいたように苦い経験ですし、そこはもう受け止めているので全然問題ないです。 やっぱりあそこで出れたことによって、関東っていう当たり前じゃないものに実際に自分が出て、(みんなが)どういう気持ちを背負って今まで戦ってきたのかというのを感じられました。やっぱり出てみないと分からないというのがあったので、実際にそのシーズンの最初で自分自身がそこに出て、物怖じせずにやることができました。なので、そこで出すっていう判断をしてくれた監督であったりとか、キーパーコーチには感謝しています。

――いい経験になったという感じなのですね

山田怜 本当に自分自身、今はもういい経験だったと思っています。

――あの1試合をきっかけに今の自分が一番変われたなと思うところはどこですか

山田怜 やっぱりメンタルなのかなと思っています。どうしても自分もスポーツ選手なので、うまくいく時といかない時っていうのがあるんですけど、でも結局最終的にあの場に立って、チームのために活躍して貢献して、チームが勝つってことが本当に重要なことだと。だから自分自身の良い悪い関係なく、最終的にそこで少しでもチームへの貢献として成り立てばそれでいいかなっていうところがあるので、やっぱりそこのメンタルに左右されることなくやることが大事だみたいなところは、ありきたりかもしれないですけど、自分の中でも一番大事だと思います。どんなに難しくてもやり続けられれば結局自分に返ってくると分かったので、そこがこう継続できるようになったのが非常に大きいかなと思います。

――先ほども話にあった通り、今年は開幕前の早関定期戦と天皇杯の法大戦でレギュラーをつかまれてたと思いますが、 手応えは結構ありましたか

山田怜 そうですね。シーズン当初から兵藤監督(兵藤慎剛、平20スポ卒=長崎・国見)に代わって、非常にアグレッシブな戦術になったんですけども、そこに自分がうまくマッチできたなっていう感覚はありました。

――法大戦で脳震とうになってしまったのは、ご自身としても痛いところだったと思いますが、瞬間とかって覚えていらっしゃいますか

山田怜 いや、それがもう当日の記憶が完全になくて。会場に行ってバス降りたところからプチって切れてます。そのあと病院に行ったところからまた始まってるわけなんで、もうほぼほぼ抜け落ちちゃってて。だから逆にフラッシュバックがなく、練習に戻ったタイミングでそのまま参加することができたので、そこが逆に良かったかなと思います。

――脳震とうから復帰された後はメンバーから外れている時期もありましたが、どのようなことを考えていましたか

山田怜 多少の焦りはありました。せっかくここで(レギュラーを)取れたのにという。ヒル袈依廉(スポ3=鹿児島城西)がいますけど、やっぱりあいつは圧倒的にうまいですし、たっぱもあってハイボールも強いし、そこではやっぱり自分自身がどうしてもこう比べてしまうと難しいところもあると思っています。焦りはあったんですけど、そこで主務をやったっていうのがやっぱり大きかったです。自分自身が貢献できる場っていうのが、もちろん選手と主務で貢献できるのが一番いいラインではあるけれど、それだけじゃなくて選手としての活動ができなくなって、主務としてチームが勝つために戦えるっていうのは本当に大きかったです。だから、自分自身がそこでできることっていうのを今やろうと思っていました。ただ、やっぱり脳震とうなので、どうしても脳っていうところで、トレーナーの方とも相談しながらなんですけど、やっぱり早くやってしまうと危ない、またしちゃうかもしれないってこともあったので、そこは慎重に行きつつ、自分がやれることをやっていたって感じです。

――復帰したての頃は怖さとかもなかった感じでしたか

山田怜 あんまりなかったです。もちろん、脳震とうをやっちゃったっていうのはあるけれど、さっきも言ったんですけど覚えてないから、逆になんかこうふわふわしてる記憶が残ってるだけなんで、そこは物怖じせずにいけたかなと思います。

――復帰されてから、(6月10日時点で)ベンチが続いてると思いますが、今の自分に今一番足りないなと感じているところはどこですか

山田怜  やっぱり足りないっていうところだと、それこそ自分自身の強みっていうところをより伸ばしていくことかなと思ってます。やっぱり自分自身、キーパーコーチの方とかに評価されているように、 総合的な力はあると言っていただいてて。それは自分自身もあると感じています。よりこう自分自身のビルドアップであったりとか、1対1(の対応)であったりとか、そういったセービングのところを伸ばしていくことができれば、出た時に活躍できるのかなと思います。

――ポジション争いをヒル選手とされていますが、山田選手にとってヒル選手はどのような存在ですか

山田怜 やっぱり圧倒的な選手だなと思っています。1、2年の頃から試合に出てて。その時は確かに安定感とかそういったところも不安視とかもされてたと思うんですけど、そこが本当に今は安定してきたと思います。1人の選手として、自分自身がそこに対してどれだけ追い越せるかというのはやっぱり楽しみでもあるので、そういう意味ではやっぱりいいライバルであり、後輩です。めちゃめちゃなめてくるんですけど、まあやっぱりいい後輩だなと思います。

――なめられてるっておっしゃられましたけど、ア式のGKは学年を問わず仲が良いですよね

山田怜 仲良いですね。本当に仲が良いと思います。そこはやっぱり早稲田のキーパチームだから。 内田さん(内田謙一郎氏、平11卒)、キーパーコーチとも飯行ったりもする。やっぱりそこはいいチームだなと。そうですね、やっぱり誰かが出てるから、俺は出れねえやっていうのが全くないので、そこに対してどれだけ自分がこういけるかとか応援できるかとか、そういったところもやっぱりこう、キーパーチームの総合力として上がっていく要因かなと思っています。 そこは引き続き、自分がいるうちもそうですし、来年もそうですけど、続いていったらいいなと思います。

――ここ最近、練習の時に後ろから見ていたりとか、試合中にベンチから見ていたりとかで、チームの雰囲気はどのように感じられていますか

山田怜 去年とかは非常に難しい試合も多くて、下に下に落ちてしまうようなこともあったと思います。それこそ先週も負けてしまって、 順位も4位になってしてしまったっていうのはあるんですけども、やっぱりその中でも前を向いて、自分たちがやってることは間違ってないなっていうところを、全員がこう確信を持って今週の練習であったりとかでもやれていると思います。そのポジティブさというのを、本当にみんなが持っているチームかなっていうのは、今、 自分自身がこうチームの中心としてやっている中で感じている点にはなります。

――GKはベンチにいたとしても、試合中からセットプレーの指示などさまざまな声掛けをすることがあると思いますが、具体的にどのようなことを指示されていますか

山田怜 基本的にはリスクのところであったりとか、袈依廉に対するコーチングとかも多いんですけど、やっぱりチームが失点して難しいっていう状態の時に、どれだけ前を向かせられるという、その気持ち的な部分も含めてコーチングをしています。

チームに対して1人の人間として貢献できるってことに喜びを感じると再認識した

アミノバイタルカップ3位決定戦の試合前に浅木柊人(スポ4=広島)と話す山田怜

 

――ここからは主務の話に移らせていただきたいんですけど、そもそも主務に就いた経緯みたいなものを教えてもらってもいいですか

山田怜 3年生の5月頃かな。B(チーム)とかでやった時に膝のケガをしちゃって。半年ぐらい外れてる時期があって、本当にその時は(自分の中で)全然うまくいってなくて。その時、社会人のチームだったんですけど、試合に出て自分もいいプレーができてるけれど、 試合には負けちゃう。チームが勝てない状況が続いてしまっていて、その中でやっぱり何かを変えなきゃいけないってなると、メンバーが変わるなどにつながっていくと思うんですけど、そこで自分がこうスタメン落ちをしてケガしちゃって、こうメンタルがこう下に下に落ちていった時に、 ちょうど副務になるタイミングになりました。ケガで外れたというのは、そのタイミングが初めてだったんで、ケガで外れた時に本当に周りのマネジャー、佐藤(慧一、政経4=東京・早実)だったりとか、藤間(英吉、スポ4=神奈川・鎌倉)であったりとか、そういった外でチームに対してプレーできないけど、貢献するというところを改めて見ました。選手として自分がやれない時に、チームに何かをできないっていうのは本当に苦しいし、チームスポーツをやってきて、チームに対して1人の人間として貢献できるってことに、自分自身が喜びであったりとか、そういったところを感じるっていうところを再認識しました。それで今自分自身ができることって言ったらなんなんだろうなと考えた時に、副務っていう役職が出てきて、自分自身がチームの運営のトップとしてなって、少しでもチームが目標に前向きになれるパワーを持っていけたらな、土台をつくれたらなというふうに考えたのがきっかけです。

――そのタイミングまでは主務や副務になるとはあまり考えていなかったのですか

山田怜 多少はありました。役職とかは就いてなかったんですけど、学年のミーティングとかも、1年生の頃は少しまとめたりとかもさせてもらってた部分もあったので、そういった役職に就こうかなというのはありました。でもじゃあ、それが副務なのかっていうところで言うと、そこまで確信を持ってはいなかったかなと思います。

――では、そのケガをしたというタイミングも一つ決断に影響したという感じなのですね

山田怜 そうですね。

――今、主務としてやられていることを教えてください

山田怜 主務というと、一番直近で大きいのは早慶戦のところであったりとか、それからOBとの連絡もあります。 例えばチームがより良い環境をつくるために、物品を買いますと。何を買いたい追加したいですとか、そういったところでOBに対して相談をしたりとか、それから、OB会の常務理事会っていうのがあるんですけど、そこに参加して部の活動を報告しつつも、OBからの要求や指摘もいただいて、よりチームに還元するみたいなところ、本当に外部とのつながりを介してチームに還元する、チームから逆に持ってくるみたいなところは、主務としての仕事かなと思っています。会計業務とかは、主に副務とかがやってくれるので、より本質に近いというか、外のところっていうのは基本的に主務がやっています。それこそプロ内定者のリリースとかも、主務が中心となって先方と連絡して、いつリリースしますみたいなこともやっているので、より外部とのつながりは大きくなったかなと思います。

――外との連携がやはりメインとなりますか

山田怜 そうですね。主務ともなると、それこそ大学とか。連携っていうのは、すごくやれる幅も大きいですし、やることも大きくなったなっていうのは感じます。

――主務に就く前と比べて、思っていたより大変だとか、逆に何とかなるなとかはどのように感じていますか

山田怜 副務の時は正直とても大変で。業務量がめちゃめちゃしんどかったんですけど、うちの代はマネジャーが多くて、結構手伝ってもらいながら多くのマネジャーに支えてもらいながらもやれたました。やっぱりきつかったですけど、不安視はしてなくてやれるなっていう実感がありました。主務になって業務量自体はそんなに多くないんですよ、副務と比べたら。(副務は)会計とか、そういう煩雑な部分があるので、そこはやっぱり手間と時間がかかる難しさ煩雑さっていうのは少なくなりつつも、やっぱり責任を背負うみたいなところは非常に大きくなって、そこに対する責任感は大きくなりました。けど、難しさみたいな感じじゃなくて、ただ部が良くなるために自分が責任を背負うべきところは背負う、やらせるところはやらせるみたいなところの割り振りっていうのは、うまく自分の中でできてるので。たまになんか、あーお前仕事しろみたいに言われたりもするのですが、でもそこはやっぱり自分の中である程度ちゃんと線引きはして、よりこう任せられる部分は任せて。それだけやれる人たちもいるし、それがチームに対する向き合い方につながったりとか、貢献度合いっていうもので、実感を持ってもらえればいいなと自分の中では考えてやれてるので、まあやれてるなっていうところがあります。

――同期のマネジャー陣の支えは大きいですか

山田怜 はい。ほんとに動いてくれますし。自分の意見持ってくれてるんで。恵まれたなと同期が少ないながら思っています。

――今季は関東リーグのベンチに入られてるということで、選手との両立ってところも結構大変なのかなと思うんですけど、そこについてはいかがですか

山田怜 やっぱり自分自身は選手ありきだと思っています。副務を目指したタイミングでも、やっぱり選手と副務や主務というものを両立しようっていうふうに考えてやる決断を下したので、そこの難しさっていうのは正直そこまで嫌だなみたいに感じるネガティブなところはないです。ただ確かに、業務のところと選手としてのバランスみたいなところは、時々難しくはなったりするんですけど、それは自分自身が決めたことなので、残りのあと約半年ちょっと、自分はできる範囲以上にやるべきところはしっかりやって。やり切って終われるよう、1部昇格をしたり、10周年につながる何かを残せたらいいなと思ってるので、そこは自分自身のやるべき部分をしっかりと全うしてやっていけたらと思います。

――もっと選手としての時間を割きたいのに、主務があるからみたいな感じではなかったのですね

山田怜 そうですね。他の部活って選手と兼任することもあんまりないですよね。でも、逆にその主務と選手を兼任できることによって、 外の仕事とかそういったところで得た信頼とか、知識とか、そういったものはぱっと見つながんないように見えて、グラウンドの中とつながってるなっていうのはあって。自分自身が運営側としっかりとやれているっていうものを持った状態でピッチに入れるから、自信を持ってプレーができるんだ。そういったところも非常に大きいなっていうのはやってみての収穫ですけど、やっぱり難しいっていうよりかは自分の中では大きいことですし、自分のこの大学人生、サッカー人生の中で非常に大きい決断だったけれど、それがいい方向に動いたなっていうのは今本当に実感してます。

――本当につながっているなという感覚なのですね

山田怜 今、新人監督をやっている大橋(優貴、社4=東京――早実)も結構言ってるんですけど、ピッチの中と外はめちゃめちゃつながってるからと。やっぱり本当ににそうだなと思っていて、そこがつながってるからこそ早稲田っていう、そのア式蹴球部の良さっていうのもあるし、他の大学ではない、サッカーだけじゃないよねというところを理解してる人間が多いからこそ、チームに対して向き合えてるのかなっていうのはあります。

――――自身の中での主務としての理想像は

山田怜 試合にしっかり出て、かつしっかり主務として、早慶戦をつくったりとか、1部に昇格させるっていう結果を出したりとか。そういったところはやっぱり自分の中で理想の、今自分が手に持ってるだけのものを全て生かして、それぞれで自分の思い描く選手としても主務としての理想像をしっかりと達成できれば、それが自分のもしかしたら存在意義かもしれないし、そこをひたすら、もしかしたら将来のことなんでできないかもしれないですけど、そこに向かっていく過程っていうのもやっぱり今の自分には必要だし、それが結果的に将来的につながっていくなっていうふうに思ってるので、そこはもうブレずにやっていけたらなと思います。

夢の舞台をつくる

ワセダカップで司会を務める山田怜

 

――山田選手にとって早慶戦はどのような舞台ですか

山田怜 夢の舞台かな。やっぱり自分自身も高校の時には等々力(での早慶戦)を見てたので。

――加藤拓巳選手(令4スポ卒=現清水エスパルス)が最後に決めた試合ですか

山田怜 そうですそうです。そこを見ていてやっぱり熱気とか本当に劇的だったので。ああいうのって、いざグラウンドレベルで感じられるのは、入んないと分かんないですし、なおさら試合に出てれば、もう一生忘れられない思い出っていうのももしかしたら軽いぐらいのレベルになると思うんですよ。あれを見に来た人たちが、じゃあ早慶戦っていうものに対して、ポジティブなイメージだったりとか、早稲田のサッカー慶応のサッカー、それぞれの大きさみたいなのを感じられる場。そこにもしかしたら子供たちが見に来て、めちゃめちゃいいなと思い、将来を十分に想像しうる。そんな可能性みたいなのを提示できればなと思っています。 もっとわかりやすく言うと、実際に試合に出た人がプロの目にとまって、プロになりますと。本当に夢が詰まってる場所かなって思ってます。

――山田選手自身も、あれを見たからこそ早稲田に来たという部分はありますか

山田怜 はい、そうですね。鎌倉高校の以前の監督の小柴総監督が、ア式で自分が入学する1年前まで総監督を務めていて。その方の勧めもあって早稲田に決めたんですけど、早慶戦っていうのもやっぱり本当に素晴らしい部活なんだなっていうのを感じたきっかけでした。そして(入部を)確信づけたのが、やっぱり早慶戦とか、ここで実際に練習に参加して活躍している選手見てっていうのが大きかったかなと思います。

――早慶戦は全てが学生主体で動かされていると思います。そこについてはどう感じていますか

山田怜 本当に感じるのは、普通の大学生ができないことをやってるっていうとおろです。お金回りとか、一からこう企画や自分たちでそれぞれの役割を持って一つのものをつくり上げるみたいなところって、 社会人になれないと経験できないことを大学生ながらも先んじてやれてるっていうのは、本当に将来の自信につながってることだと思います。サッカーっていう面だけじゃなくて、1人の人としての実力とか、その人の魅力みたいなとこにつながるなって思うので、そこは大きいなと感じてますね。そういう大きな箱を実際にどう動かすかって、めちゃめちゃ抽象的にしか分からないじゃないですか。 けど、それを実際に入ってみたら、意外とこういうふうにできてて、ちゃんと体系化されて、どういうふうに進んでるんだなみたいなのが理解できると、それを部の運営だとか、自分の課題とかに対してこうアプローチする上での知識とか、技術みたいなとこにつながるなと思っていて、そこをこうやるのが一番大きいのかなと思っています。

――今、山田選手が頭に思い描いているビジョンや早慶戦に対してのイメージみたいなのはどんな感じですか

山田怜 さっきもちょっと言わせていただきましたけど、やっぱり夢の舞台っていうところをつくれるのかなと思っています。去年は(観客が)3500人という中でも、自分としてはコロナを経験しているので、一番大きな早慶戦でした。それであの雰囲気をつくれているってことは、7200人フルで入れられるっていうところで、 どれだけの雰囲気とか盛り上がりとかをつくれるのかなっていうのは本当に楽しみですし、より多くの人が夢とか可能性っていうのを感じられるなんじゃないかなと思ってるので、より多くの人に来ていただきたいですし、それで誰かが将来の何かを感じて、自分が夢を与えてもらった舞台だからこそ、与えられる舞台にしたい。そのサイクルが回っていけば、将来的にこの早稲田の、早慶戦の価値、ひいてはア式、ソッカー部それぞれの価値っていうのは本当に上がっていくと思います。それが大学サッカーの、未来に将来的につながっていき、その中をつくった1人としてなれるのであれば、本当に自分としてはいいなと思います。

――今年に向けて新たに取り組み始めたことはありますか

山田怜 それで言うと、結構細かいところとかでやれる、それこそコロナでできなかった部分とかもできるようになってきて、それこそ大学との協力で食堂とかにビラ配りとか、野球部がコラボとかもやったりとかしてると思うんですけど、そういったところも今できないかみたいな、調整をしたりとか。それこそ今年だったら、新たな協賛先を見つけたりだとか、本当に規模感みたいなところも、自分たちができるようにさせてもらったりとかしています。コンコース企画とかもいろんな案を集めてるので、もしかしたらより新たな発見とか、いろんな楽しいことも増えてくるかなっていう状態になるのかなと思います。やっぱり早慶戦が盛り上がる、認知度が高くなるようなことができたらいいなと思います。

――注目度も高いイベントにはなると思います。そこを中心となって運営していくってとこに責任感みたいなのは感じますか

山田怜 それこそ今予算とかも組んだりとかしてて。 大学のイベントなので利益を出すわけではないんですけども、そこも結構自分の中でシビアに、もちろん赤字にはできないですし、よりそこで利益は関係ないと言いつつも、これだけ人集められるんだよとかこれだけ黒字出せるんだよっていうのがあれば来年に結局つながるんですよね。 来年とかその先々にこうつながっていって、よりできる幅が広がっていく。結局そこにつながるので、自分としては、今年の早慶戦も結果を出しながらも将来を見据えてよりつなげていけることを理想としています。

――不安は大きいですか

山田怜 やっぱり佐藤とかが中心としてやってくれているのもあって、 そんなに不安はないです。ただ、より良い結果を追い求めるにあたって、7000人が集まるのかなみたいな将来の漠然とした不安みたいなのはありますけど、そこって別に自分たちが最低限やり尽くした先にそれがあるのであれば、受け入れるし。それができなければ、来年は反省して頑張ってくれよってやれるだけのものを後輩とかに示せれば、それはそれでもう、最終的なところにつながるとは思うので。不安を持ちつつ、それは正常だと思ってるので、やれたらなと思ってます。

――やはり選手として出たい気持ちもありますよね

山田怜 それはそうですね。やっぱり自分自身が出て、 内と外でこうやれたら、それに勝るものはないと思ってるので、そこは最後まで、残りの1カ月で、自分の可能性を信じてやれたらなと思います。

――最後に早慶戦に向けて抱負をお願いします

山田怜 来年にア式は100周年を迎える。早慶戦は75回に乗せられる。その1年前っていうところで、 やっぱり自分たちはそこにつなげるってこともそうですし、より良いものを、今年の早慶戦でつくり上げる。今年の早慶戦をどれだけこう、より良いものにできるかっていうのが自分の使命だと思ってるので、 それは外からの主務として事前につくり上げる部分もそうですし、実際に当日試合に出て、自分自身がその場のそこに向けて、残り1カ月しかないですけど、自分自身ができることを精一杯やりたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材、編集 髙田凜太郎 写真 大濵愛弓)

 

 早慶クラシコに向けての思いを書いていただきました!

◆山田怜於(やまだ・れお)

2001(平13)年6月7日生まれ。177㌢、72㌔。神奈川・鎌倉高出身。社会科学部4年。早慶戦での注目選手は平松柚佑主将(社4=山梨学院)だという山田選手。自身が憧れた早慶戦で、山梨学院高出身の加藤拓巳選手が活躍されていたからこそ、同じく山梨学院高出身の平松選手に期待したいそうです!

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