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2019.09.30

ラグビーW杯2019「8Kスーパーハイビジョンパブリックビューイング」 9月28日 早稲田アリーナ

早稲田アリーナ初の学外イベント大成功! ラグビー日本代表の勇姿に1401人が熱狂!

 2019年9月28日、ラグビーW杯2019日本大会、日本代表VSアイルランド代表。この日、早大にとっても歴史的な1ページが刻まれた。なぜなら、1000人規模のパブリックビューイングというNHK主催のビッグイベントを早稲田アリーナ初の学外イベントとして試みたからだ。

8Kの高画質映像が映し出された600インチのスクリーン

 14時30分、早稲田アリーナ開場。老若男女、国籍問わず、さまざまな人が絶え間なく、会場に足を運んできた。来場者全員がこのイベントを心待ちにしていただろう。さらにその気持ちを加速させたのは、入場すると同時に視界一面に広がる600インチの8Kスーパーハイビジョン。圧巻の大きさに多くの人が「すごい」「大きい」と感嘆の声を漏らしていた。その後も入場者の列は一度も途切れることなく、1部開始の15時15分に。第1部の「応援アトラクション」では、早大ラグビー蹴球部OBであり、元日本代表の堀越正己氏(平3人卒=埼玉・熊谷工)をゲスト解説として招待し、両チームの注目選手や試合の見どころを紹介。日本代表の注目選手は3人。SO田村優(キヤノン)、フランカー/NO・8姫野和樹(トヨタ自動車)、そして最後の一人は今大会で初スタメンを勝ち取ったFB山中亮平(平23スポ卒=現神戸製鋼)だ。山中は早大ラグビー蹴球部OBで、堀越氏も「体を張ってキャッチして、『いくら蹴られても俺がいるから大丈夫』というところを見せてほしい」と期待を口にした。また、イベントで見どころだったのは、来場者全員による両国の応援パフォーマンス体験。「ニッポン、チャチャチャ」と「Come on you boys in green」というパフォーマンスを両国の観客で交わす参加型のアトラクションであり、繰り返すうちに会場全体の雰囲気が高まっていくのが感じられた。

 

ゲストには早大ラグビー蹴球部OBであり、元日本代表の堀越氏が訪れた

 そして待ちに待った試合開始時刻16時15分。観客の拍手と共に始まった前半、優勝候補アイルランド代表に対して後手を踏むかと思われていたが、序盤からチャンスを演出した日本代表に会場が盛り上がる。さらにタッチキックで危機を脱するなど山中の活躍も早々に見られた。13分に先制点を献上したものの、17分には相手ペナルティーを逃さず、PGを選択。田村選手が見事に決めると拍手喝采が沸き起こった。しかし、さすがは世界ランキング2位のアイルランド代表、正確無比のキックパスですぐさまトライを奪い、3-12となる。その後は両国一進一退の攻防を繰り広げ、会場全体も息をのむ展開が続いた。空気が変わったのは前半30分から。フランカーリーチマイケル主将(東芝)が交代で出場し、体を張るプレーを度々披露。すると相手がミスを連発し、そこから33分、39分と立て続けにペナルティーキックを成功する。日本代表の猛追に観客のボルテージも上昇。さらに終了間際にもチャンスをつくったが、ここは惜しくもトライとはならず前半終了。9-12と手に汗握る接戦に会場は熱狂した。

 前半の興奮冷めやらぬ中、後半の笛が吹かれた。開始早々、両国一歩も譲らない展開が続いたが、WTB福岡堅樹(パナソニック)、SH田中史朗(キヤノン)の途中出場に会場の熱気は高まった。その数分後、スクラムからの素早いゲインと展開で敵陣ゴール前まで攻めると、ラストは福岡が逆転のグラウンディング。この日初の日本代表のトライに、会場には万雷の拍手が鳴り響いた。その後もアイルランドの猛攻をチームディフェンスでしのいだ日本代表は、71分にもペナルティーキックを決め、点差を7点に広げる。堀越氏の「残り10分切りました」という声と共に高まる会場の期待が届いたのか、全く相手を自陣深くに寄せ付けないまま試合は進み、試合終了間際には福岡がインターセプトから敵陣深くまで独走。そのまま相手を陣地にくぎ付けに。最後はアイルランド代表が蹴り出し試合終了。前回大会に続く快挙に会場はスタンディングオベーションで日本代表の大活躍をたたえた。

日本代表が得点し、観客は歓喜の表情を見せた

 試合終了後に会場では歓喜の渦の中、アイルランドの観客と共に惜しみない声援を送り合う、まさにノーサイドの精神を感じる機会があった。来場者数1401人と非常に多くの観客が集まった今イベント。「みなさんと一体感が出て良かったなと思います。楽しませていただきました」と堀越氏が振り返ったように、全体が一丸となって盛り上がった。また、早稲田アリーナ初の学外イベントが日本代表のジャイアント・キリングという歴史的な1ページで飾られた貴重な機会となった。ありがとう日本代表。

(記事 千葉洋介 写真 平林幹太、横澤輝)

  • 堀越正己氏(平3人卒=埼玉・熊谷工)独占インタビュー

    イベント前

    ――本イベントに臨むにあたり、どのようなお気持ちですか

    母校の早大に戻ってきて、こういう場所、こういうかたちで解説などができるのはすごく光栄なことだと思っています。たくさんのお客さんが来られていると思うので、一緒に盛り上がれればと思っています。

    ―きょうの試合でファンの方々に見てほしいポイントはどちらですか

    先ほど見ましたが本当に大きな画面ですし、8Kで映るとのことなので、プレーの精密さや選手たちの表情、ぶつかったときの衝撃など、テレビでないと見られないリプレイやスローモーションを、それこそ目の前に立っているかのごとく見ることができる迫力を感じてほしいですね。

    ――早稲田アリーナは1964年の東京五輪のフェンシングの競技会場として使われていた場所でもあります。そのような場所で本イベントが実施されることに対して、どのようなお考えをお持ちですか

    もともと聖地だった場所、入学式や卒業式も行うこれからの早大の象徴になる場所でこういった新たなスポーツイベントを行うのは初めての試みだと、先ほど友添理事(友添秀則オリンピック・パラリンピック事業推進担当理事)からも伺いました。こういったかたちでスポーツと何か関わり歴史が積み重なることで、ここが大隈講堂のような場所になったらいいなと思います。

    ――日本でW杯が開催される意義についてはどのようにお考えですか

    日本にとってはまさにここからがスタートで、ラグビー人口など、ラグビーが盛り上がっていくためにも日本で開催できたことは意義があると思います。ただ南半球の3カ国やイギリスの4カ国、フランス以外でやるのは初めてなので、この日本大会が成功しないとこの国では開催できないと思われてしまう危機感もありながら、日本のラグビー界の方々は準備をしていたと思います。日本で開催することはワールドラグビーとしてもチャレンジだったと思いますし、日本もそのチャレンジの乗っかってできるということで、いろいろな意義があることだと思います。

    ――現段階でのW杯の盛り上がりはいかがですか

    すごく盛り上がっていると思います。南アフリカ対ニュージーランドの一戦で、オールブラックスがお辞儀をして挨拶をしたというのがニュースになりましたが、日本のお客さんに感謝するためにお辞儀をするというのは、盛り上がりもそうですけど日本のホスピタリティ、おもてなしがすごく伝わっているのではないかと思います。ボランティアの精神がすごく素敵だと思っていて、熊谷ラグビー場の試合も会場まですごく遠くて懸念があったのですが、全くストレスを感じずにバスがどんどん来て、帰りも全部信号を青にしているんじゃないかと思うくらいほぼ止まらずスムーズに進みました。バスを相当用意していたようなのですが、そういったことをいろいろとやっているので、サポートしてくれる方々のおかげで成り立っているということもすごく感じています。

    ――埼玉ラグビーアンバサダーを務められていると思います

    特に何かやっているということではなくて、熊谷のパブリックビューイングで少し話すなどをやっているくらいです。とにかく何か外に発信できることがあればということで、そういった名前をいただいた方がやりやすいと思ってやっています。ご縁があって月曜日に『ひるおび!』に出させていただいているのも、何とかラグビーを分かってもらいたい、W杯が開催されているというのを広めたいなというところです。

    ――ご自身の日本代表と現在の日本代表を比較してみていかがですか

    強くなっていると思います。僕らの時は年に1度しかテストマッチがありませんでした。ティア1のチームと試合ができるわけではなく、ティア2同士の戦いでしたね。あまり勝てないことが多いような状態でした。経験値という部分に関して僕らの時と比べて、違います。なので、『慣れ』があると思いますね。いろいろな経験、訓練を積んで試合に臨むから僕らの時よりもすごく強くなっています。ただ、たまに自分たちの代の日本代表の人たちと話すと、外国人選手が5、6人いたらスコットランド、アイルランドに勝てたのではないかということを思ったりはしますが、比べるとすごくいろいろな意味で恵まれているし、強くなっていると思います。

    ――早大OBである山中選手(FB山中亮平、平23スポ卒=現神戸製鋼)に期待することはどのような点ですか

    南アフリカ戦、ロシア戦、二試合を通してハイパントに弱みがあるのではないかと言われています。それを山中選手には体を張って、しっかりとボールをキャッチして「いくら蹴られても俺がいるから大丈夫だ」というところを見せてほしいなと思いますね。

    ――アイルランドはキックを多用してくるとお考えですか

    キックを使ってくると思います。基本的にはFWを前面に押し出して、SHとSOのキックでさらに前に来ると思いますね。キックの処理がキーになってくると思います。戦前の予想ではそうですが、キックに日本が備えているとボールを展開してくるでしょう。そこはHB団の状況でいろいろと変わってくると思います。

    ――スコアとしてはどれくらいになると予想していますか

    負けるとしたら一桁得点で40失点ぐらいですかね。ディフェンスが前にいけて反則をしないでいければ20失点ぐらいで、競っていければ勝てます。負けても7点差以内の敗戦であれば、これからの試合に向けても自信を持って挑めるかなと思います。

    イベント後

    ――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

    最初に言っていたようにFWが互角に戦えれば勝てるんじゃないかと僕も思っていたのですが、スクラムも最初はペナルティーを取られましたけど、対応して押し切って逆にペナルティーを取ったことがすごく日本にとっていろいろな意味で勇気を与えてくれたプレーだと思います。あそこがキーになったんじゃないかなと。FWに勇気を与えましたし、逆に言うと少々のノックオンなどが起こったとしても、スクラムでやられてまたペナルティーはないので、思い切ったプレーもできるようになったんじゃないかなと思いますね。あとはラインアウトモールも全然前に行かせませんでした。日本はトライを取るのは最後はBKですけど、これはFWの勝利ですね。最初トライを取られた時はやっぱり駄目なのかなと正直思いながら、頑張ってディフェンスディフェンスして、どちらかというとアイルランドに寄りそうなレフリーを最後は味方に付けて、日本はすごく集中していたと思いますね。

    ――きょうの勝利は日本にとってどのような意味があると思われますか

    4年前の南アフリカに勝った時よりもいろいろな意味で日本代表の成長が証明できたという点ですごく意味のある試合だったと思います。これからティア1と言われるチームの仲間入りができる、特にファイブ・ネーションズには全然勝てていないですよね。僕の恩師の宿澤さん(故・宿澤広朗氏、昭48政経卒)がイギリスに赴任されたことがあって、「絶対にここの4カ国を倒したい」とずっと言っていて、宿澤さん自身スコットランドに勝ったけど、スコットランドはテストマッチだと言って認めていないので、その中でW杯でしっかりアイルランドを倒したのはすごく意味があると思いますし、感慨深いものがありますね。

    ――山中選手のプレーはいかがでしたか

    すごく頑張っていたと思います。ちょっとノックオンしてしまうところもありましたが、あれはしっかり競りにいってチャレンジしてのノックオンだったので、そのミスした後がピンチに広がることがありませんでしたね。今回は山中選手すごく良かったと思います。

    ――前半にはタッチキックがありました

    よく飛んでいましたね。プレッシャーの中、しっかりキックも蹴れて、頭突っ込んで入っていたので良かったと思います。それから1対1ですね。あの場面は大外でまだスペースがあったので抜かれるかなと思ったけど、足の速い選手をしっかり抑えていました。山中選手は100点でいいんじゃないでしょうか。100点はダメか、90点くらいで(笑)。本当にいいプレーができていたと思います。

    ――最後に、本イベントはいかがでしたか

    すごくみなさん乗ってくれて、フレンドシップということだったのですが、すみません最後は日本ばっかり応援してしまって(笑)。けどみなさんと一体感が出て良かったと思います。楽しませていただきました。