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ア式蹴球部

2023.10.30

第37回関東大学女子サッカーリーグ 10月29日 大東文化大東松山キャンパス総合グラウンド

最終節は開幕節以来のスコアレスに 関カレ、自力で2位フィニッシュ決める

第37回関東大学女子サッカーリーグ
早大 0-0(前半)
0-0(後半)
大東文化大
【得点】
(早大)なし
(大東文化大)なし

 関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)は後期第11節、最終節を迎えた。序盤から主導権を握ったア式蹴球部女子(ア女)だったが、前半は相手の堅いブロックに苦戦し中々決定機を作ることができない。後半からFW千葉梨々花(スポ1=東京・十文字)を投入し攻勢を強めたが、最後まで得点は生まれず。試合はスコアレスドローに終わり、ア女は今シーズンの関カレを2位で終えた。

 

パスを出すMF笠原綺乃(スポ4=横須賀シーガルズJOY)。ピッチの至る所に顔を出し、存在感を見せた

 前前節の東洋大戦(10月14日、〇3-1)、前節の帝京平成大戦(10月21日、〇1-0)の連勝で、一気に関カレ2位に浮上したア女。引き分け以上で2位フィニッシュが確定する状況で今節を迎えた。今季初となる3-4―3のシステムでセットしたア女は、序盤から主導権を握る。11分にDF堀内璃子(スポ4=宮城・常盤木学園)のロングパスを受けたMF三谷和華奈(スポ4=東京・十文字)が仕掛け、コーナーキック(CK)を獲得。そのCKは中でMF築地育(スポ3=静岡・常葉大橘)が合わせたが相手守備陣にブロックされ、こぼれたボールも押し込むことができない。27分にも堀内のアーリークロスを笠原が折り返し、MF白井美羽(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が合わせたが枠外に飛んだ。得点こそ生まれない中で、違いを作り続けたのは左サイドだ。DF浦部美月(スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)、笠原、三谷らが好連携を見せ、繰り返しゴールに迫った。

 

途中3バックのサイドCBに移った堀内。90分間通して何度も際どいクロスを上げた

 前半を0-0で折り返したア女。得点を奪うべく、ハーフタイムに千葉を投入し戦況の好転を期した。56分にはMF大山愛笑(スポ1=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)が前線のMF白井美羽(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)とのパス交換でフリーになり、エリア外からのシュートを打ったが惜しくも枠の外。63分にも笠原のパスを受けた大山が、ダイレクトで強烈なミドルシュートを放ったが今度は相手GKに阻まれた。繰り返しゴールに迫りながら、素早い切り替えで相手を上回り、反撃の隙を与えないア女。「奪われたとしてもすぐ切り替えて、相手陣地で奪い返せるシーンが多かった」と笠原が話すように、セカンドボールを回収し続け波状攻撃を繰り出した。79分、堀内のくさびのパスを白井がフリックし、千葉が反応してシュートを放つがキーパー正面。80分には右サイドでスローインを受けた白井が相手DFをかわし、思い切りよくシュートを放ったが、惜しくもニアポストに嫌われた。最後まで攻め続けたア女だったが、試合は0-0のまま終了。関カレでは開幕戦以来のスコアレスドローとなった。

 

後半投入の千葉は最前線で体を張った

 自力でリーグ2位の結果をつかんだものの、試合後の選手たちの表情には悔しさがにじんだ。最下位で2部降格となった大東文化大を相手に、ホーム、アウェイ両方のゲームで引き分け。ア女にとっては、少々後味の悪い最終節となった。「『各駅停車』でパスを回していても変わらないし、1つ飛ばさないといけない。飛ばすから間が空いてきて、中での崩しも効いてくる」と後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)。後半終盤に見られた、大胆なロングパスやクロス、ゴール前での関わり合いを前半からさらに出せていれば、結果は異なっていたかもしれない。

 

 今季のア女の関カレを振り返ってみれば、前期は勝ち点20、後期は26と数字を伸ばし、前期は苦手とした上位校を相手にも後期は勝利した。山梨学院大、帝京平成大、東洋大以外の大学には一度も敗戦がないなど、格下相手の「取りこぼし」の少なさにも、今季のア女の強さが表れている。「『優勝はできていないけど、やれることはやり切った』という意味では、この結果はすごく良いメッセージ」(後藤監督)。ほろ苦くとも、群雄割拠の関カレにおいて2位は誇るべき結果だ。一方課題になるのは、重要局面でのゲームマネジメント、フィジカルな相手に対して押され気味になるプレー強度、そして今節の試合終了後に浦部や笠原が課題として述べた「ゴール前での質」。シーズンを通して右肩上がりに成長し続けてきたア女だからこそ、これらの課題はさらなる伸びしろとしてポジティブに受け止められるはずだ。全日本女子サッカー選手権(皇后杯)の初戦まで、残り約3週間。この期間でどれだけ強く、まとまれるか。それが今体制での残り試合数に直結する。悔しさはエネルギーに、胸にはプライドを。全国の舞台へ、歴史を残しに行こう。

(記事、写真 大幡拓登)

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 丸山翔子 スポ3 スフィーダ世田谷FCユース
DF 夏目歩実 スポ4 宮城・聖和学園
DF 堀内璃子 スポ4 宮城・常盤木学園
DF 浦部美月 スポ4 スフィーダ世田谷FCユース
MF 笠原綺乃 スポ4 横須賀シーガルズJOY
MF 白井美羽 スポ3 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
MF 10 築地育 スポ3 静岡・常葉大橘
MF 30 大山愛笑 スポ1 日テレ・東京ヴェルディメニーナ
FW ◎9 三谷和華奈 スポ4 東京・十文字
MF 27 新井みゆき スポ1 埼玉・浦和レッズレディースユース
→HT 26 千葉梨々花 スポ1 東京・十文字
FW 28 﨑岡由真 スポ1 埼玉・浦和レッズレディースユース
◎=ゲームキャプテン
コメント

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

――関カレを2位で終わりました。今日の試合を振り返っていかがですか

 自分たちのまだまだ足りていないところが、また顕著に出た試合だったかなと。これがインカレだったらPK戦でどっちに転ぶかわからない展開になったと思いますし、帝京平成大戦もそうですが、皇后杯、インカレを前に自分たちの課題を突きつけられました。良い意味での課題と前向きに捉えたいと思います。

――前節とは異なる意味での課題が見つかったかと思いますが、今節は具体的にどのようなところが課題になりましたか

 前節の課題はフィジカル面で、今節に関しては後半の終盤にかけてようやく、サイドへのロングボールやそこからの崩しができるようになっていったという感じでした。最初(サイドへのロングボールを)何本か出してみて引っかかった後に、やめてしまった感があって。「各駅停車」でパスを回していても変わらないですし、1つ飛ばさないといけない。飛ばすから間が空いてきて、試合終盤になってできた中での崩しも効いてくるんだと思います。(ショートパスばかりであれば)相手はあのブロックのままスライドすれば良いわけですから。ただ、じゃあできないのかと言われたら後半はできていましたよね。できないのではなくやらなかったのであれば、必ず後悔が残ると思うので、そういうことは今後ないようにしていきたいです。あとは大東文化大さんもリーグの残留がかかっていたことで気持ちが入っていたと思いますし、それに対して自分たちのゴールをこじ開けようとする思いが上回らなかったというところ。インカレや皇后杯でも、「負けちゃいけない」というところで相手によっては今日のようにブロックを引いてくる可能性がある中で、そういう強さみたいなものを身につけていかないといけないなと思いました。その2つの課題に関しては、私はできないのではなくやらなかった部分もあったんじゃないかと感じています。

――チーム事情もあると思いますが、守備ラインの構成はこれまでと異なっていました

 このシステムをやりたかったというよりも、今うちのメンバーは中盤の、それも中の選手が多い状態です。その選手たちをシステムに当てはめることもできるのですが、そうではなく、選手たちの良さを生かす上でどういう配置が良いのかと考えた中での試みでした。

――結果的に、1つのオプションにできればというイメージですか

 そうですね。関東リーグの週とトレーニングマッチの週で2週間分ありますし、愛笑(大山)はいなかったですがこの子たちは似たようなシステムでやっていたので、大丈夫かなと思います。

――皇后杯を前に改善する課題として第一に挙げるとすれば、どのポイントになりますか

 やっぱりうちはつながりが良い時はすごく良い崩しができていますし、かといって中だけではなくワイドにも怖い選手がいます。その辺りのバランスをしっかり整理することと、皇后杯に関しては1回戦の相手にどのシステムが合うのかというところを考える必要があると思います。結局つながりとかワイドとかって、100あるプレーの中から選ぶというよりもある程度パターンがありますよね。いかにしてそこでチームとして共通認識を持っていくか、今はサイド、今は中というようにいかに全員が同じ絵図を描けるかというところを詰めていく必要があると思っています。現時点でみんなが同じ絵図を描けているかというと、描ききれていないから時間がかかる部分もあると思うので、その辺もしっかりと詰めて、自信を持って試合に臨みたいと思います。

――今節をもって関カレが終了しましたが、リーグ全体を振り返ってどのような印象ですか

 今日の勝ち点1によって2位が決まったんだと思いますが、この結果は積み重ねの成果だと思います。そういう意味ではしっかりと評価できる部分が大いにあったんじゃないかと思う反面、恐らく選手たちもそうだと思いますが、順位が云々というよりもこれからの皇后杯とインカレに向けてのことを考えていると思います。今日の試合もネガティブなことばかりではなくて、私にとっては収穫もたくさんありました。この2位をご褒美と捉えるかどうかは難しいところですが、「優勝はできていないけど、やれることはやり切った」という意味では、この結果はすごく良いメッセージだと思います。

 

浦部美月副将(スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)

――今日の試合を振り返って率直にいかがですか

 試合全体を通してパスのズレや判断のところでのミスが多い中で、後半は噛み合ってきた部分も見えて、シュートまでいけているシーンもあったので決めきれなかった、勝ちきれなかったということが悔しいです。

――3バックの左CBで、普段より低い位置でのプレーになりましたが、攻守のバランスなどで意識したことはありますか

 前のシステムは少し違いますが、去年も3バックは経験していて、普段やっているSBではないため攻守においてバランスはいつも以上に意識していました。ただ、試合中に中盤の選手がタイミングよく自分と中央のCB間に落ちてくれることがあった中で、もう少しポジショニングや動くタイミングは改善していきたいと思いました。

――試合結果は悔しいものとなりましたが、セカンドボールの回収や局面の崩しについては良いプレーもありました。その辺りについての手応えはいかがですか

 お互いが良い距離感で崩せたことや、早い切り替えからボールを奪い切れた部分はもちろん良かったですが、いくら良いテンポ、距離感で回せていても最後はゴールネットを揺らさなければ勝つことはできないので、ゴール前での(プレーの)質という部分はもっとこだわっていきたいです。

――昨年のインカレなど、今後も今日のような崩しきれない展開はあると思います。どのように改善していきたいですか

 ゴール前での(プレーの)質はもちろんのこと、あとは後半になってやっと噛み合ってきたという意味では前半がもったいなかったなと思うので、入りも含めた前半の部分を改善していきたいです。あとは決めきれなくても決して焦れずにやっていきたいです。

――今期の関カレ、ア女は2位でのフィニッシュになりましたが、リーグ全体を振り返ってどのような印象ですか

 とにかく一戦一戦闘って、その結果が関カレ優勝に繋がればと思っていたので、2位で終わってしまったことは正直悔しいです。ですが、大敗してしまった試合や逆転負けの1点が遠かった試合から逆転勝ち、また1点を守りきった試合まで、どの試合も全員で闘ってきたので「2位まで登り詰めた、けどまだ足りなかった」ということを自信とこれからの向き合うべき課題にして進んでいきたいです。

 

笠原綺乃(スポ4=横須賀シーガルズJOY)

――自力で関カレ2位を決めましたが、今日の試合を振り返っていかがですか

 相手がブロックを引いてくるということは想定していたのですが、その中で点を決めきれずに勝ち切ることができなかったのは悔しいです。ただ今日のシステムは今季初めてですし、チャレンジできたこともあったかなという試合でした。

――攻め続けた中で引き分けに終わった要因はどの辺りだとお考えですか

 シンプルにパスミスやボールロストが多かったかなと思います。相手が(守備を)固めてきていたのもありますが、自分たちのパスミスだったり意図が合わなかったりとズレが生まれてしまったので、コミュニケーションをとりながら質の部分を上げていかなければいけないと感じました。

――後半終盤にかけて崩しで良いチャンスを作っていた印象ですが、前半と比較してどのように感じていますか

 後半の方が、インサイドハーフの自分もポケットで前を向くことができるシーンが多かったと思います。あとはりり(千葉)が入ったことで1度当ててワンタッチでパスをつなぐなど、そういった関わりは増えたのかなと思います。

――中盤のセカンドボール回収はほぼ完璧だったと思いますが、手応えはいかがですか

 守備の部分は、奪われたとしてもすぐ切り替えて相手陣地で奪い返せるシーンが多かったので、そこは続けていきたいです。

――昨年のインカレなど、今後も今日のような崩しきれない展開はあると思います。どのように改善していきたいですか

 監督も言っていたのですが、この試合がインカレであればPK戦で分からなくなっていたと思いますし、ゴール前の質の部分、こういった展開の試合では1本のパスのつける足のズレなども命取りになると思います。何度も言っていると思いますが、練習からもっともっとこだわらなければならないと思いました。あとは新しいシステムの中でコミュニケーションをとりながら、まだ始めたばかりでまだズレはあると思ますが、精一杯頑張っていきたいです。

――関カレは今節で終了しましたが、リーグ全体を振り返っていかがでしたか

 前半戦は東洋大や帝京平成大に負けてしまったのですが、後半戦になって少ない点差でも勝ち切れるようになったという意味では、チームとして強くなってきていると思います。その粘り強さを残しつつ、今日のような展開の試合が今後も難しくなってくると思うので、皇后杯やインカレに向けてパスの質や、コミュニケーションで意図を合わせる部分をもっと詰めていけたらなと思います。