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ハンドボール部

2023.09.18

関東学生秋季リーグ 9月17日 東京・国士舘大学多摩キャンパス体育館

魅せたチーム力!全員が得点し、順大に完勝!

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)は早くも第6戦目を迎えた。早大は、2部から上がってきた順天堂大学と対戦した。試合の立ち上がりからサイド陣を中心にリードを広げ、18-11で前半を折り返す。メンバーやポジションを入れ替えながら臨んだ後半も、出場したメンバー全員が得点し、34-21で順大に完勝した。山野紗由(スポ2=北海道・釧路江南) が「楽しい試合でした」と振り返るように、公式戦初得点を飾った後藤明香里(スポ2=東京学芸大付) 、小原彩理(スポ2=東京・成蹊) 、大野蒔絵(スポ1=埼玉・市立浦和) の得点時にはより大きな盛り上がりを見せた。特に後藤と小原の得点の裏には、並々ならぬ努力と早大のチーム力があった。

 試合の立ち上がりはサイドシューター陣の活躍が光った。井橋萌奈(スポ1=東京・白梅学園) がループシュートで先制点を奪うと、青木里奈(スポ4=東京・白梅学園) も前半6分までに3本のサイドシュートを決め、リードを広げる。その後も早大は勢いのあるプレーで順大を圧倒する。前半中盤には、杉浦亜優(スポ2=愛知・名経大市邨) がこぼれ球をゴールにねじ込み、村上楓主将(スポ4=福岡・明光学園) が力強いプレーで相手を退場させ、ペナルティスローを獲得する。途中出場の鶴田文乃(スポ3=山梨・日川) や、里村采音(商1=岩手・不来方) も両サイドから得点し、攻撃の手を緩めることはない。ディフェンスでも石坂美紀(スポ1=千葉・昭和学院) を前に出し、ワントップディフェンスで相手オフェンスのリズムを崩す。「自分のプレーは秋リーグでは出し切れていない」と話す山野が、試合終盤に豪快なロングシュートを放つと、前半終了間際にはカットインからも得点した。ここから先の試合でも、山野の爆発力が、早大の勝利の鍵となってくるだろう。攻守共にリードした早大が、18-11で前半を折り返した。

ジャンプシュートを放つ山野 

 メンバーやポジションを入れ替えながら臨んだ後半は、より一層盛り上がりを見せた。後半序盤はスピードに乗った勢いのあるプレーで相手の反則を誘発する。まずは山本桃虹(スポ3=東京・佼成学園女)がカットインで、2名を退場させると、村上がキレのあるフェイントでペナルティスローを獲得する。続けて浦野詩織(スポ4=愛知・旭丘) がスピードを持って走り込み、またもペナルティスローを獲得する。後半12分には、公式戦初出場の大野がペナルティスローで初得点を飾ると、喜びの声が上がる。そして、最大の盛り上がりを見せたのは後藤と小原のシュートだ。後半18分、山野のパスから後藤が放ったサイドシュートが遠目のゴールに突き刺さると、後半25分には、速攻の場面で山田梨央(スポ2=千葉・昭和学院) からのロングパスを小原が受け取り、公式戦初得点を決めた。2人のシュートが入った瞬間、会場は歓喜の渦に包まれた。試合終了間際には、山野のパスから小原がサイドシュートを決め、34-21で順大に完勝した。

得点後、ベンチに駆け寄る後藤(真ん中)と、喜ぶベンチメンバー 

 「あの2人は練習が終わった後も1年生の時からずっと2人で練習を続けていて、みんなが帰った後も自主練を続けていました。そういうのを見ていて、シュートを2人に決めてほしいという思いが強かった」と後藤と小原について話すのは、2人の同期の山野だ。公式戦初得点を決めた後藤と小原は、「たくさんの人に教えてもらっていたので、その成果が出せてよかった」と感謝の思いを語っている。強豪校出身ぞろいの部員に比べて、2人の経験値は少し浅い。そんな厳しい環境の中、毎日人一倍練習を積み重ねてきた2人。そんな努力を知っているからこそ、初得点を決めた瞬間、誰よりも喜んだのはチーム全員だった。この後藤と小原の並々ならぬ努力と、この2人のゴールを喜ぶチームの姿は、早大女子ハンドボール部の魅力が感じられる一場面となった。2人のさらなる活躍と、チーム力が武器である早大の勝利に期待がかかる。

(記事 渡辺詩乃 写真 近藤翔太)

 

関東学生秋季リーグ
早大 34 18-11
16-10
21 順大
スタメン
GK 川村夏希(スポ4=東京・佼成学園女)
LW 井橋萌奈(スポ1=東京・白梅学園)
LB 浦野詩織(スポ4=愛知・旭丘)
PV 杉浦亜優(スポ2=愛知・名経大市邨)
CB 村上楓(スポ4=福岡・明光学園)
RB 山本桃虹(スポ3=東京・佼成学園女)
RW 青木里奈(スポ4=東京・白梅学園)
途中出場
 鶴田文乃(スポ3=山梨・日川)
山田梨央(スポ2=千葉・昭和学院)
山野紗由(スポ2=北海道・釧路江南)
後藤明香里(スポ2=東京学芸大付)
小原彩理(スポ2=東京・成蹊)
石坂美紀(スポ1=千葉・昭和学院)
里村采音(商1=岩手・不来方)
大野蒔絵(スポ1=埼玉・市立浦和)
 
コメント

山野紗由(スポ2=北海道・釧路江南)

――今日はどのような気持ちで試合に臨まれましたか

 昨日があまりいい流れで試合ができなかったので、昨日のことは切り替えてという感じでした。今日は自分たちの全力のプレーが出せるように、練習でやったことが出せるようにというのを考えて臨みました。

――試合全体を振り返っていかがですか

 楽しい試合でした。やっぱりみんなが得点できたということと、あとは同期の小原(小原彩理、スポ2=東京・成蹊)と後藤(後藤明香里、スポ2=東京学芸大付)が得点できたことがものすごくうれしいです。みんな盛り上がってすごく楽しかったです。

――カットインからもロングシュートからも得点がりましたが、個人としてプレーを振り返っていかがですか

 自分のプレーは秋リーグ(関東学生秋季リーグ)では出し切れていないなという感じです。今日もいいミドルだったかと言われると少し(相手との距離が)近かったですし、自分の100%のシュートはまだ打てていないので、この後には上位のチームと戦うことになるので、そこでは自分の本来の距離でいいシュートを打てればと思います。

――小原選手、後藤選手の初得点はどちらも山野選手からのパスからでしたが、あの時のプレーを振り返っていかがですか

 あの2人は練習が終わった後も1年生の時からずっと2人で練習を続けていて、みんなが帰った後も自主練を続けていました。そういうのを見ていて、シュートを2人に決めてほしいという思いが強すぎて、全然アウトが空いていないのにパスしたりとかしていました。今までの2人の練習を見ている分、パスを出したいなと思いました。

――次戦への意気込みをお願いします

 来週はどちらの試合も相手が強いので、自分たちのやれることを発揮して、100%を出してしっかりと練習でやってきたことを出せるようにして勝ちたいです。

後藤明香里(スポ2=東京学芸大付)、小原彩理(スポ2=東京・成蹊)

――途中出場で、どのような気持ちでコートに入りましたか

小原 皆さんが、ゲームをつくってくださってからの環境だったので、チャレンジする良い機会をいただいたと思ってます。そこで何とか皆さんに教えていただいたことを出せて、すごくうれしいです。

後藤 点差も開いて、後は思いっきりやるだけの環境に飛び込ませてもらったので、すごく挑戦できる雰囲気の中でプレーできました。

――お2人とも公式戦初得点でした。決めた時の気持ちは

小原 喜びはもちろんあるのですが、必死すぎて頭の中が真っ白でした。まず最初にパスをくれた同期の山田梨央(スポ2=千葉・昭和学院) にすごく感謝していますし、みんながディフェンスをしてからパスをつないで、私に回してくれて、最後私がやっと打てたと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです。

後藤 私も大きくサイドにずらして、同期の山野(紗由)がパスをくれました。たくさんの人にサイドシュートを教えてもらっていたので、その成果を出せることができたのが良かったです。

――お2人が練習前後に自主練を毎日していると山野選手が話していましたが、努力が実ったという思いはありますか

小原 1年生の時から、卒業されたマネージャーさんや織圭さん(江連織圭、令5スポ卒=千葉・昭和学院) や、1年生も含めて、もれなく皆さんに教えていただいていました。なので、皆さんに教えていただいたその成果が出せたのがうれしいです。

後藤 初心者からだったので、どうしても入れないメニューの時に、半面のコートで、トレーナーの阿部史歩(スポ4=岩手・不来方) さんに特別メニューを教えてもらって、練習方法も学んでいたので皆さんに見守られながら、たくさん教えてもらいながら、やっていました。

――お2人のシュートは、どちらも同期からのパスでした

小原 同期が自主練に付き合ってくれたのももちろんあるのですが、同期からは安心感をもらっています。

後藤 この1年半で同期には本当に色々なところで助けてもらいました。もちろんプレーもそうなんですけど、練習終わりにシュートを打っていたら、パスを出しにきてくれたり、教えてくれたり、いつも一緒にやってくれているのは本当にありがたいです。

――これからの目標をお願いします

小原 法大戦の時に初めて試合に出て、今日初めて得点を決めて、それまではベンチに座っているだけで皆さんのすごさを100分の1もわかっていなかったことを実感しました。コートに立ってる皆さんのすごさを、少しだけ学べたと思うので、体力面でもディフェンスの判断面でも、自分の課題が見つかったので、しっかり精度を上げて練習していきたいです。

後藤 この秋リーグに出場したのが2試合目で、一緒にプレーさせてもらって、練習の時に(村上)楓さんが「試合を意識しながらやるよ」という声かけをたくさんしてくださっているのですが、その意味がやっとわかりました。自分のミスがチームに伝染すると思うのでやらせてもらっている以上は責任を持ってきちんとやっていきたいと思います。今まで助けてもらってばかりだったので、どのようなかたちでも、このチームに将来的には貢献できるような人になっていきたいと思います。