ラグビー部
2023.05.07
関東大学春季大会 5月7日 対東海大 神奈川・小田原市城山陸上競技場
11年ぶりに関東大学春季大会で東海大に勝利!
激しい雨が降りしきる中、小田原の地で東海大との関東大学春季大会初戦(春季大会)が行われた。これまでの春季大会では、東海大に1勝5敗という対戦結果を収めており、春の早大にとって天敵とも言える相手である。前半4分、フィジカルを強みに持つ東海大相手にモールの真っ向勝負で勝利し、フッカー佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がトライを獲得。その後も、果敢に攻め入り、19ー0まで点差を広げる。しかし、東海大も負けじと本領を発揮し、早大は2トライを献上。26ー14で前半を折り返した。後半は、前半とは一変し、スコアレスな状況が続く。最終的に、両校1つずつトライを獲得し、33ー19で早大が勝利を収めた。
モールでトライを狙う早大
前半はFW、BKが一体となり、敵陣でのプレーが続いた。開始3分、東海大のオフサイドが続き、自陣22メートル付近から敵陣ゴール15メートルまで前進。ラインアウトからモールを組んでドライブしていき、先制点を獲得した。前半10分には、敵陣ゴール10メートルのセンタースクラムからフェーズを重ね、SH宮尾昌典(スポ3=京都成章)がディフェンスの隙を見事に突いてキック。WTB磯崎錬太郎(商4=徳島・城東)が素早く反応し、走り込んでトライを挙げた。試合の主導権を握った早大が、前半14分までに19点を獲得する。「試合の入り、モールでの押し勝ちともに良かった」(佐藤)、「試合のスタートは非常に良かった」(大田尾竜彦監督、平 16 人卒=佐賀工)と立ち上がりの早大は好調であった。その後、東海大は度重なるオフサイドによりシンビン。数的有利な状況が続くも、東海大の素早く、力強いプレッシャーに押され、2トライを献上する。前半34分、宮尾が得意とするランでディフェンスの隙間をブレイク。最後はフランカー永嶋仁(社4=東福岡)がインゴールへ押し込んだ。中盤、東海大に流れをつかまれたが、相手に刺さるタックルでリードを守り26ー14で前半終了。
ゲインする伊藤
後半、悪天候の影響により両チームにハンドリングエラーがみられ、キック、セットプレーが多くなる。そのなかでも、ラインアウトでは「今年はマックスリフトといってジャンパーの選手が良い高さでリフトを上げてくれるので、投げやすい」と佐藤が語るように、ロック池本大喜(文構4=東京・早実)らを筆頭に抜群の安定感をみせる。また、公式戦初出場の両プロップ門脇浩志(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、下村勇貴(文3=東京・早実)は、安定したスクラムに大きく貢献した。後半14分、またしてもモールで東海大を圧倒し、佐藤がグラウンディング。その後は、一進一退の攻防が続き、後半39分に自陣ゴール5メートル前からモールで押し込まれ、トライを許したが、早大が逃げ切り試合は終了。
昨季、課題となっていた試合の入りで相手を圧倒できたことが、今日の勝利の一因となった。また、コンディションが悪く、セットプレーや接点が重要となる試合で、東海大に勝利できたのは大きな収穫であろう。今季から見直したタックル評価方法や強度の高い練習が、早大のレベルをさらに引き上げる。大田尾監督が言及した「試合の波」を修正し、次戦の明大戦での白星を期待したい。
(記事 長野恵治、写真 川上璃々)
コメント
大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)
――試合を振り返っていかがでしたか
春季大会初戦ということで、2月から準備してきたことをどれだけ出せるかなというのを楽しみにしていました。メンタル的な部分だったり、プレーだったり今出せるものを出してくれたかなと思います。春季大会初戦で勝てたのは僕が監督に就任して初めてですし、東海大学さんに春季大会で勝てたのも初めてなので今日は出場してくれた選手にとても感謝しています。
――開始序盤の様子を見ていかがですか
最初の20分、試合のスタートは非常に良かったと思います。今日の課題は試合に波があって、仕掛けがうまくいかなかったりしたことがありました。ただ、どこかに自分たちのアクションを起こすことは非常にいいことだと思います。8対7のスクラムが非常に良かったので、そこを今後どう生かすかが課題でしょうし、試合の中で自分たちが仕掛けるという意図は悪くないのかなと思います。あとは状況判断と精度の部分だと思います。
――全体的にタックルが決まっている印象を受けましたが、その部分はいかがでしょうか
今年は昨年の決勝を受けてコンタクトの部分をかなり見直していました。タックルの取り組み方を変えたり、練習内容も接点に注力してやっていたりするので、相手を倒せるタックルが増えてきたと思います。練習の成果が出ているなと思います。
――タックルの取り組み方は具体的にどのような点を工夫してるのでしょうか
倒し方の種類や、成功の種類をノミネートして見直しています。
――昨年を受けてこの1年どう過ごしていきたいと考えていますか
しっかり練習の強度をあげて、勝つためにリーダー陣と話し合ってうまく練習を進めていけたらと思います。
――これから期待する選手はいますか
昨年から試合に出ていた選手が多くいます。昨年からのレベルアップでいえば、伊藤に引っ張ってもらわないといけないというのが、まず一つあります。 永嶋(フランカー永嶋仁、社4=東福岡)とかは昨年のプレーよりも断然に成長している様子が伺えます。昨日も練習試合がありましたが、新しいポジション、新しい選手というよりも、去年までの姿やプレーを超えてきてる選手がかなりを多いなという印象です。
SO伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)
――試合を振り返っていかがでしたか
自分たちがやりたいことを出せたり出せなかったりしたのですが、しっかり勝てたことは自信になりました。さらに来週は明治戦があるので、そこに向けてトレーニングして今週よりいい状態で、相手がどうこうというよりも、自分たちがいい状況で試合ができるように頑張ります。
――『WASEDA FIRST』というテーマはこの春の開幕戦で実行できましたか
最初キックオフレシーブだったのでだいぶ難しい『WASEDA FIRST』になったと思いますが、そこはなんとかみんなでディフェンスを頑張って最初の20分は反則なくプレーできたので良かったかなと思います。『WASEDA FIRST』 は全てのプレーで先手を取るという意味も込められていますが、僕自身体現できない部分があったので、そこは主将としてもう一回見つめ直していかなければならないと思います。
――セットプレーから用意していたプレーがなかなかうまくいかない場面があったと思いますが、その点についてはいかがでしょうか
まず、スクラムが押せていたので、もう少しその中でシンプルにプレーができたら良かったなというのが一つの反省です。あとはキックを蹴って結構うまくいってたので、そこは今後も継続していきたいなと思います。
――恐らく春季大会東海大戦で勝つのは11年ぶりくらいだと思いますが、その点どう考えていますか
5月上旬にこの東海大戦に向けてみんなでターゲットを絞ってやっていたので、目標を達成できて嬉しいという思いがあります。ただ終わって見れば次の明治戦があるので、今はそこに向けて気持ちを切り替えています。
フッカー佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)
――試合を振り返っていかがでしたか
『WASEDA FIRST』というチームスローガンのもと試合の入りは良かったと思いますが、スクラムやフィールドプレーに関してまだ波があったり、自分たちの軽いミスで相手に流れが渡ってしまうことがあったりしました。また次に向けて反省して明治戦に向けて1から積み上げていければいいなと思います。
――雨の中でしたが、セットプレーがうまくいっていた印象があります。振り返っていかがでしょうか
ラインアウトに関しては自分の個人的なスローが昨年から課題でしたが、今年はマックスリフトといってジャンパーの選手がいい高さでリフトを上げてくれているので、すごく僕も投げやすくて上手くいったかなと思います。スクラムに関しては、最初の高麗大戦であまりうまくできませんでしたが、もう一回そこから自分たちのやりたいスクラムを見直しました。1番の門脇(プロップ門脇浩志、スポ3=神奈川・桐蔭学園)や3番の下村(プロップ下村勇貴、文3=東京・早実 )は今日初めての公式戦だったのですが、すごくいいスクラムを組んでくれたと思います。今シーズン継続して帝京や明治の大きいFW陣に勝てるようなスクラムを組んでいけたらいいかなと思います。昨年の春季大会の東海大戦でもモールでトライをとったシーンがありましたが、それは相手の力をうまくそらして前進するモールでしたが、今年は全員が前の圧力をかけてモールトライを2本取れたので、すごい練習の成果が出ているなと思います。
――昨年に比べて練習の質はいかがですか
練習の強度も昨年に比べて高くなっていますし、それがいい試合ができた理由だと思います。ですが、まだ相手の強いランナーに追いついていないところだったり、ここ一本刺さればターンオーバーというところを引いてしまったり課題はまだまだあります。この強度がゴールじゃないので、今日の反省を生かして今後もっと高いレベルで練習していこうと思います。
関東大学春季大会 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | スコア | 東海大 | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
4 | 1 | T | 2 | 1 |
3 | 1 | G | 2 | 0 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
26 | 7 | 計 | 14 | 5 |
33 | 合計 | 19 | ||
【得点】▽トライ 佐藤(2T)、磯崎、岡本、永嶋 ▽ゴール 伊藤(4G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
東海大戦早大メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 門脇 浩志 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
2 | 佐藤 健次 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
3 | 下村 勇貴 | 文3 | 東京・早実 |
4 | 藤井 将吾 | スポ4 | 大阪・早稲田摂陵 |
5 | 池本 大喜 | 文構4 | 東京・早実 |
6 | 粟飯原 謙 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
7 | 永嶋 仁 | 社4 | 東福岡 |
8 | 村田 陣悟 | スポ4 | 京都成章 |
9 | 宮尾 昌典 | スポ3 | 京都成章 |
10 | ◎伊藤 大祐 | スポ4 | 神奈川・桐蔭学園 |
11 | 磯崎 錬太郎 | 商4 | 徳島・城東 |
12 | 岡本 大輝 | スポ4 | 東京・本郷 |
13 | 岡﨑 颯馬 | スポ4 | 長崎北陽台 |
14 | 細矢 聖樹 | スポ3 | 国学院栃木 |
15 | 久富 連太郎 | 政経4 | 島根・石見智翠館 |
リザーブ | |||
16 | 安恒 直人 | スポ3 | 福岡 |
17 | 山口 湧太郎 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
18 | 亀山 昇太郎 | スポ3 | 茨城・茗渓学園 |
19 | 細川 大斗 | 社4 | 東京・早実 |
20 | 栗田 文介 | スポ2 | 愛知・千種 |
21 | 鈴木 風詩 | 社3 | 国学院栃木 |
22 | 島本 陽太 | スポ4 | 神奈川・桐蔭学園 |
23 | 京山 秀勇 | 人4 | 福岡・東筑 |
24 | 守屋 大誠 | 政経3 | 東京・早実 |
25 | 金子 礼人 | 法2 | 福岡・西南学院 |
26 | 高栁 壮史 | 創理2 | 東京・早大学院 |
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦監督(平16人卒) |
関東大学春季大会Aグループ星取表 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
帝京大 | 明大 | 早大 | 東海大 | 東洋大 | 流通経大 | |
帝京大 | * |
6/3 13:00 静岡・エコパ |
6/25 13:00 埼玉・熊谷 |
6/18 13:00 東海大G |
○92-14 |
5/14 13:00 帝京大G |
明大 |
6/3 13:00 静岡・エコパ |
* |
5/14 13:00 熊本・えがおS |
5/28 13:00 山梨・JITス |
6/25 13:00 明大G |
5/7 13:00 流通経大G |
早大 |
6/25 13:00 埼玉・熊谷 |
5/14 13:10 熊本・えがおS |
* |
○33ー19 5T4G |
5/21 13:00 早大G |
6/11 13:00 早大G |
東海大 |
6/18 13:00 神奈川・小田原 |
5/28 13:00 山梨・JITス |
●19ー33 3T2G |
* |
5/14 13:00 東洋大G |
○40-21 6T5G |
東洋大 |
●14-92 2T0G |
6/25 13:00 明大G |
5/21 13:00 早大G |
5/14 13:00 東洋大G |
* |
6/18 13:00 東洋大G |
流通経大 |
5/14 13:00 帝京G |
5/7 13:00 流通経大G |
6/11 13:00 早大G |
●21-40 3T3G |
6/18 13:00 東洋大G |
* |
※帝京大Gは帝京大百草園グラウンド、静岡・エコパは静岡県エコパスタジアム、熊本・えがおSは熊本県えがお健康スタジアム、山梨・JITスは山梨県JITリサイクルインクスタジアム、早大Gは早大上井草グラウンド、神奈川・小田原は神奈川県小田原市城山陸上競技場、東洋大Gは東洋大川越ラグビーグラウンド、流通経大Gは流通経大第一ラグビー場、埼玉・熊谷は埼玉県・熊谷ラグビー場