スケート部
2023.03.01
WASEDA ON ICE 2023 2月25日 東京・ダイドードリンコアイスアリーナ
初の有観客開催で観客魅了! 引退生は応援を胸に笑顔の舞
フィギュア部門セルフプロデュースのアイスショー、WASEDA ON ICE。今回は3回目の開催にして、ついに有観客で行われた。会場には大勢の観客や関係者が集まり、終始温かな拍手や声援が響いた。普段の試合では見られない和気あいあいとした雰囲気や、競技を離れて新たな道へと進む4年生を涙とともに送り出す後輩部員の姿が見られ、笑顔と涙があふれるアイスショーとなった。
★現役生演技
『風よ』を披露した岩野
オープニングを終え、トップバッターで個人演技を披露したのは岩野桃亜(人通1=ルネサンス大阪)。青紫のチュールの衣装を身にまとい、指先まで丁寧で感情のこもった演技を披露。演技終了後は笑顔で観客の拍手に応えた。
『Once Upon a December』を披露した嶋田
続いて登場したのは嶋田輝(教2=千葉・昭和学院秀英)。初めてのアイスショーに「緊張すると思う」と話していたが、それを感じさせない演技を見せる。初めて作ったプログラムを丁寧に、柔らかく演じた。
『愛の夢』を披露した千葉
千葉紫織(文構2=東京・筑波大付)は、淡いピンク色の衣装をまとって登場。曲調にあわせた軽やかなステップや全身を大きく使った表現、観客を引き込む笑顔で魅せた。
『ドラゴン桜』を披露した岡島
岡島右京(商3=東京・早大学院)は、昨年も使用した『ドラゴン桜』の音楽に乗って演技。迫力のある音楽とともに、力強くもしなやかなステップを見せる。ジャンプもしっかりと着氷し、ガッツポーズで演技を終えた。
『La Campanella』を披露した西浦
鮮やかなピンクの衣装で登場した西浦穂香(スポ3=東京・隅田川)。ヴァイオリンの音色に合わせ、チャーミングな振り付けと軽やかな滑りを見せる。最後は笑顔で手を振りながらリンクを降りた。
『Megapolis』を披露した馬場
第1グループ最後の滑走者は馬場はるあ(社3=東京・駒場学園)。スポットライトを浴びた馬場が体を大きく使ったステップを刻むたび、衣装が光り輝く。力強いピアノに合わせた迫力のある滑りを披露した。
『Crystalier』を披露した妻鹿
第2グループに登場した妻鹿愛(政経1=大阪桐蔭)。胸元にスパンコールが散りばめられた華やかな衣装をまとって演技をした。切なげな音楽に合わせた滑らかなスケーティングで魅せ、大勢の観客に見守られる中初のWASEDA ON ICEでの演技を終えた。
『Skyfall』を披露した木南
2番滑走の木南沙良(人通2=東京・日大一)は濃紺の衣装で登場した。クールな表情で滑り出すと、映画007の世界観を表現。スピード感とメリハリのある滑りで、観客を魅了した。
『It's gonna be alright』を披露した廣田
廣田聖幸(スポ2=千葉・東邦大東邦)は作ったばかりの新しいショートプログラムをお披露目。客席から大きく鳴る手拍子とともに、全身を使ったダイナミックなスケートを見せた。
『I got rhythm』を披露した中村
中村華(人3=群馬・高崎女)は、シルバーのラメが光る衣装を身に付け登場。アップテンポな曲調に合わせて観客からは手拍子が起こり、会場は楽しげな雰囲気に。丁寧なステップやスピンで会場を沸かせた。
『歌の翼に』を披露した川畑
川畑和愛(社3=沖縄・N)は新しく作ったプログラムを初披露。春らしい淡いピンクの衣装をまとい、リンクの寒さを忘れるようなあたたかく柔らかい演技で会場を魅了。ジャンプで会場を沸かせ、最後まで美しく力強いスケートで盛り上げた。
『Friend like me』を披露した西山
西山真瑚(人通3=東京・目黒日大)はファンのアンケートで一番人気だったというプログラムを披露。生き生きとした表情と、明るい雰囲気で一気に会場を引き込み、最後まで軽やかで美しいスケーティングで舞った。
第2グループの最後には、今回は現地で演技をすることが叶わなかった島田高志郎(人通3=岡山・就実)がビデオ出演。エキシビションプログラム、『Moulin Rouge』の演技を届けた。画面越しの演技となったものの、客席からは拍手や声援が響いた。
★グループナンバー
現役生演技が終了した後に行われたのはグループナンバー。部員たちはお揃いのTシャツ、サングラスとスカーフを着用し登場。『Footloose』に合わせ、今回演技に参加することができなかった島田が一部プロデュースしたというプログラムを演じた。弾けるような笑顔で演技を楽しむ様子からは、仲の良さが伝わってくる。元気あふれる躍動感のある踊りで会場を盛り上げると、全員で花道を作りスペシャルゲストであるOGの永井優香(令3社卒)、OBの石塚玲雄(令4スポ卒)を迎える。現役の部員に囲まれながら、永井と石塚も笑顔で息のあったダンスを披露した。
グループナンバーで会場を盛り上げた部員たち
ゲストの2人とともに、次は『Uptown funk』を披露。リンクを目一杯使ったグループナンバーならではの迫力のあるプログラム。観客に近づき、一緒に踊りたくなるような振り付けを披露すると、会場内が朗らかな雰囲気に。後半、曲が盛り上がる部分ではスケーターが円になり、息のあったダンスで観客を魅了した。最後は1列に並び、笑顔で観客に手を振りながらリンクを後にした。
グループナンバー後、挨拶をしたゲストの永井(左)と石塚
★引退生演技
休憩を挟み、次に行われたのは引退生4人による個人演技。客席からの歓声に応えるように笑顔で挨拶をした4人は肩を寄せ合い、最後の6分間練習へと向かった。
『Hallelujah』を披露した土屋
引退生トップバッターで登場したのは今年度副主将を務めた土屋凜菜(国教4=東京・頌栄女学院)。淡いブルーのグラデーションが美しい衣装に身を包み、最後の演技に臨んだ。スピードにのった幅のあるジャンプを次々と着氷させると、ふわりしたと優雅な滑りで『Hallelujah』の歌声を表現。最後の丁寧なスピンでプログラムをまとめあげ、笑顔で最後の演技を終えた。観客に向け深いお辞儀をして感謝を表してリンクを後にし、後輩たちの元へと向かった。
『Speechless』を披露した正村
続いて登場した正村暸子(文構4=東京・早実)は鮮やかな色にゴールドの装飾が映えるエレガントな衣装で映画アラジンの挿入曲、『Speechless』を披露。演技冒頭から豊かな表情と指先まで美しく繊細な動きで会場を魅了する。長い手足を活かしたスピンやジャンプで力強く曲を表現。最後の演技を心から楽しむような晴れやかな笑顔も見られた。手を上に差し出し空を掴むような最後のポーズを決めると、観客からの大きな拍手に応えるように丁寧に挨拶をした。
『Fantasy for violin and orchestra』を披露した高浪
高浪歩未(国教4=ケイ・インターナショナルスクール東京)が最後のWASEDA ON ICEのプログラムに選んだのは、高浪の母がずっと滑って欲しいと語っていたという曲、『Fantasy for violin and orchestra』。新調した淡い紫色の衣装で登場した高浪は、観客席からの応援に表情を和らげ、優雅にゆったりと滑り出す。力強くなっていく音楽に合わせてしなやかに、一つ一つの動きを丁寧に行う。美しく感情豊かな演技を披露し、満面の笑みでフィニッシュ。最終滑走の小室笑凜(スポ4=東京・開智日本橋学園)にエールを送り、リンクを去った。
『オペラ座の怪人』を披露した小室
最後に部員たちに送り出されたのは主将の小室。披露したプログラムは今シーズンのフリー、『オペラ座の怪人』。歓声に迎えられながらポジションにつくと、優しい音色に合わせて滑り出した。徐々に盛り上がっていく曲に合わせて緩急のある滑りを見せ、会場を物語の世界観へと引き込む。演技中盤、1週間前に行われたバレンタインカップでは決めることができなかった3回転サルコウを着氷すると笑みがこぼれ、客席からは大きな歓声が上がった。美しいスピンで演技を終えると、感極まったような表情を見せた。鳴り止まない拍手の中、深々とお辞儀をした小室。スケート人生を締めくくる、感情のこもった滑りを届けてくれた。
フィナーレ後の集合写真で笑顔を見せるフィギュア部門の部員たち
ひとりひとりの個性が光る個人演技に、こだわり抜かれた完成度の高いグループナンバー。それらを一気に堪能できるWASEDA ON ICEは、さまざまなバッググラウンドや級、個性を持つスケーターが集まる早大フィギュア部門の魅力を感じられる唯一無二の場だ。また、フィギュア部門の伝統を受け継ぎ、後輩たちを引っ張ってきた4年生を送り出す特別な場でもある。ショーの最後には新たな道へ進む引退生とその背中を見つめる後輩部員が互いに感謝の気持ちとエールを送った。部員たちの笑顔と涙、会場に集まった全ての人々の温かさが合わさった時間はかけがえのないものであり、多くの人の心に刻まれたことだろう。
(記事 梶谷里桜、立野すず奈、荒川咲愛、水平櫻子、吉本朱里
写真 及川知世、吉本朱里、荒井結月)