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ラグビー部

2023.01.01

全国大学選手権 1月2日 対京産大 東京・国立競技場

「逃げずに向かっていく」(吉村)/大学選手権準決勝前日レポート

 1月1日、元旦。雲一つない澄み渡った青空の下、全国大学選手権(大学選手権)準決勝・京産大戦に向けた最後の練習が行われた。2年ぶりにラグビーと迎えるお正月に、選手たちも「当たり前じゃないなと(中略)、本当に幸せなことだな」(CTB吉村紘副将(スポ4=東福岡))と、ラグビーができる喜びをかみ締めた。

 午前中はAチームが明日の試合に向けて最後の調整を行った。パス練習、アタック、ディフェンスなど、ひとつひとつを丁寧に確認し練習を終えた。午後はBCチーム対CDチームの部内マッチ。試合はAチームの気持ちを熱く昂らせるような展開となった。前半を12-0とBCチームリードで終えたが、後半はCDチームが気持ちのこもったプレーで怒涛の追い上げを見せ、5点差にまで詰め寄る。終盤、BCチームが意地の追加点を挙げると、直後のラストワンプレーで再びチャンスはCDチームへ。このピンチをしのぎ、ボールを奪い取ったBCチームは、蹴りだすことなく攻めトライへと結んだ。BCチームの貪欲な姿勢、CDチームの果敢に立ち向かう姿は、きっと明日のメンバーの闘志を奮い立たせたことだろう。最後は150人全員で円陣を組み、23人のメンバーが京産大戦に向けたそれぞれの決意を表明。京産大を打ち破るべく、相良組の気持ちは一つだ。

 

前日練習の様子

 対する京産大、関西大学リーグ戦を全勝優勝で終え、さらに大学選手権準々決勝では慶大を1点差で下すなど勝負強さがうかがえる。それでも夏合宿で対戦した際は、FWを強みとする京産大に対し、モールからのトライやスクラムで押し勝つ場面も見られ、セットプレーで確実な手応えを得た。明日もFWがセットプレーで優勢に立ち、早大伝統のBK陣の展開ラグビーへとうまくつなげたいところ。「自分たちの準備してきたことを出し切りたい」(フランカー相良昌彦主将(社4=東京・早実))。持ちうる力を遺憾なく発揮し、試合を経るごとに増すチーム力を見せれば、自ずと結果は付いてくるはずだ。

 

部内マッチでパスを放つSH小西

 相良組の戦いもあと2戦。目の前の壁を突破するため、ひたむきに体を当て強い気持ちで立ち向かっていくその勇姿を見届けよう。

(記事 山田彩愛、写真 川上璃々、谷口花、戸祭華子)

コメント

フランカー相良昌彦主将(社4=東京・早実)

――明大戦が終わってから準決勝に向けてどのような準備をされていましたか

 早明戦が去年のリベンジ試合で特別な思い出が深い試合っていうのもあって、それを経て少し満足してる選手がいたので、あくまで自分達の目標は日本一だし、今週負けたら次がないっていうことを意識付けていました。マインドの部分でしっかり準備しようとしてました。

――練習メニューではどんな準備をしていたのですか

 週の初めは強度が弱めだったのですが、しっかりBチームが京産大の分析をして、コピーをしてくれる中で、相手の強みのコンタクトの部分やサインプレーとかっていうのを練習で確認してました。

――京産大の警戒するポイントはどこですか

 FWのセットプレーの部分と外国人選手4、5、14番がゴール前になるとたくさん攻めてくるのが相手の特徴だと思います。そこをしっかりマークしつつ、ダブルタックル、トリプルタックルで人数をかけてプレッシャーをしたいと思います。

――今お話にあった相手の警戒する部分を踏まえて、試合の勝敗を分けるカギとなる部分はどこだと考えますか

 接点のコリジョンの部分が1番大事だと思っています。そこが相手の強みだと思っているので、そこを出させないことが自分達の勝ちにつながってくるのではないかなと思います。

――個人として掲げるテーマや、意識したいパフォーマンスは

 チームでコリジョンを頑張ろうって言っているので、自分が率先してそれを体現したいです。コリジョンの部分で自分が一歩も引かずに先手先手でプレッシャーをかけられたらと思います。

――チームとして絶対負けたくない部分は

 コリジョンで負けたら試合で負けてしまうのがラグビーだと思うので、接点の部分で引かないというのを頑張りたいです。

――最後に明日に向けて意気込みをお願いします

 明日の準決勝も負けたら終わりの試合なので、とにかく自分たちが持つ100%を出したいです。後のことは考えず、自分たちの準備してきたことを出し切れたらなと思います。

CTB吉村紘副将(スポ4=東福岡)

――年末年始ということで、大晦日は何かされたのですか

 何人か特別なことをしていましたが、僕はずっと部屋にいて、テレビ見てといういつも通りの時間を過ごしていました(笑)。

――それでは明大戦を改めて振り返っていかがですか

 準備してきたことを出せたというのはありますが、最終的に僕たちが80分間集中力を切らさずにチャレンジし続けたことが一番大きな勝因だと思いますし、この試合でチームがまた成長できたなというふうに感じています。

――成長できたという部分で特に自信が得られたのはどういうところでしょうか

 自信を持てたところは、チーム力ですね。もちろんアタックは僕たちの強みですし、ディフェンスもそれほど取られなかったですが、やはりそのアタックディフェンスのところで、1対1だと負けてしまうかもしれない強い相手に対して、常に横でコミュニケーションを取りながらプレーし続けるというのは僕たちの強みだと思います。それも上井草でずっと出来ていたことなので、そういった面でとてもチームの成長を感じました。

――それは関東大学対抗戦(対抗戦)の時と変わった部分でもありましたか

 そうですね。対抗戦の時だとミスしてしまうとプレーの質が落ちてしまったりだとか、上手くいっている時も独りよがりなプレーに走ってしまうところはありました。でもそういった部分がだんだん減って、皆がチーム、そして横のプレイヤーがどういう風にプレーしたいのか、自分がどういう風にサポートしてほしいのかというのを常に喋って、つながりながらプレーできていることが、今こういった結果を生み出せている要因なんじゃないかなと思います。

――次の相手も強くなりますが、京産大のどういった部分を警戒していきたいですか

 ラグビー的なところで言うと、やはり留学生のボールキャリーと、自陣深くでのセットプレーですね。自陣深くのところではペナルティーをせずに、ボールキックとアタックのバランスを考えながら試合を進めていきたいです。留学生に関しては、戦うマインドのところだと思うので、僕たちが引くこともないですし、こっちから向かっていく姿勢をファンの皆様にも見せられたらなと思います。自分たちより大きな相手、パワフルな相手に対して逃げずに真っ直ぐと向かっていくところが早稲田らしさでもあると思うので、そういったところを見ていただきたいです。

――前日練習後の部内戦はいかがでしたか

 Aチームの試合も減っていきますが、やはり表舞台での試合がない、他の4年生の試合というのもこれが最後になってくる中で、今日も4年生のプレーの気迫も感じましたし、4年生以外の選手のプレーにも気持ちが込もっているなという風に感じました。トップチームだけでなくチーム全体がひとつにまとまってきている、成長しているなということを感じながら試合を見ていました。

――今日のMVPを挙げるならいかがでしょうか

 4年生はCTB金井(奨、人4=群馬・太田)ですね。タックルしてすぐ起きるだとか、早稲田がずっと大切にしてきているところをやってくれていた印象があります。あとはCDチームになりますが、フランカー山本竜大(教1=東京・早実)です。1年生ですが、バチバチにタックルも入っていましたし、皆本当にいいですね(笑)。CTB玉川(皇一、創理1=東京・青山学院)もフランカー粟飯原(謙、スポ1=神奈川・桐蔭学園)も良かったですし、(下級生は)早稲田で過ごした時間は上級生よりは少ないですが、そこに引けを取らないプレーの熱を感じました。本当に良いチームになってきているなと思いました。

――そういった思いを明日の試合へどのようにつなげていきたいですか

 明日戦うのは僕たちですが、今日の試合からも本当にエネルギーをもらいました。皆の頑張りを無駄にしないように、アイデアやテクニックの部分ももちろんありますが、自分たちよりもパワフルで大きな相手に対して、根本的なフィジカルのところ、マインドのところで逃げずに向かっていく姿勢を、一番はメンバー外の部員に、そしてファンの皆さまに見せたいと思います。

――やはり正月を上井草で過ごせるうれしさはありますか

 めちゃくちゃホッとしています(笑)。当たり前じゃないなと、周りにメンバーがいて、チームとして活動しながらの年越しというのは本当に幸せなことだなと感じています。僕も正月のテレビを見て早稲田に憧れたので、そういった早稲田以外の人たちにも何か良い影響を与えられる、そんな試合にしていきたいと思います!

ロック江島航ゲームキャプテン(法4=早稲田渋谷シンガポール)

――ラグビーと迎えるお正月はいかがですか

 部内マッチのような貴重な機会を頂けるのは他のチームではないことなので、試合ができることに本当に感謝しながら、プレーしました。

――実際に今日試合をしてみていかがでしたか

 身内ということもあり、やりにくさは少しありました。ですが相手は自分より上のチームだったので、倒せば少しでも上に上がれるかなというマインドで、目の前の相手を倒す気持ちでやっていました。

――ずっと一緒にプレーしてきたチームメートとの試合ということで、何か特別な思いなどありましたか

 ジュニアにいることが多かった中で、おそらく人生の中で最後の試合を仲間と勝てたらうれしいなと思っていました。今日は試合前に「仲間のために戦おう」と決めていました。

――ビハインドで後半を迎えてから追い上げて、BCチームに逆転する手前まで迫った場面振り返っていただけますか

 僕はプレーに絡めていませんでしたが、チームメートが良いところでトライをとってくれて、5点差くらいにまで迫ることができたので、その時は「そのまま行けば勝てるんじゃないか」と思って、チームでここでもう一段階ギアを上げようという話をしていました。

――「人生最後の試合かも」というお話がありましたが、試合を終えて今のお気持ちはいかがですか

 この4年間の後悔とかはいろいろありますが、僕としてはやり切れた部分も多いので、もしこれが最後になってしまったとしても、後悔はないのかなと思います。自分の成果としては達成できたので、あとはチームが『荒ぶる』を取れれば満足というか、後悔はないです。

――『荒ぶる』に向けて明日準決勝に挑むメンバー、特に同期の4年生に向けてメッセージをお願いします!

 外国人もいて体が大きい相手ではありますが、目の前の相手に低く刺さり続けることができれば、みんななら勝てると思っているので、今までやってきたことを信じて戦ってほしいです。

SH小西泰聖ゲームキャプテン(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――まず、今日の試合内容をふりかえっていただけますか

 お互いが今できることをやりきった試合だったと思います。

――準々決勝をどのように見ていましたか

 その試合だけではなく、これまでの(対抗戦終了から大学選手権までの)期間の準備を見ていて、チームの雰囲気や準備から(試合に)勝てるのではないかというように、自信をもって見れていました。準々決勝のときも、Bチームとして相手を分析し仮想明治としてアジャストしてやっているなかでも、プレーの質もすごく良かったです。

――準々決勝でのリベンジも、流れからみても不思議ではないという感じですか

 そうですね。必然とまではいかないですけど、勝つための準備はしていたなと思います。

――チーム全体の今の雰囲気はいかがですか

 良いと思います。25日の試合の前にあった、4年生だけの試合がきっかけなのかは分からないですが、学年関係なく全員が覚悟をもち、それぞれが今いる場所で(自分の)できること、やらなければいけないことに取り組めています。そこが、チームとして良い影響を与えていると客観的に見ていて思います。

――12月18日のジュニア早明戦がきっかけでそれぞれのやることがクリアになったという感じですか

 そうですね。(12月18日の明大戦をきっかけに)それぞれが覚悟を決めたという感じです。

――お正月にラグビーできていかがですか

 正月にできるというのは学生スポーツの醍醐味です。高校でもそうだし、正月にできるチームは少ないのでありがたいことです。

――昨日の年越しは寮でなにかされましたか

 僕は今日試合なので、普通に寝ていました(笑)。いつも通りの日常をすごしましたね。昨日今日でしっかりとキツかったので、寝ないともたなかったです(笑)。

――明日、準決勝に向かう選手へメッセージをお願いします

 もうできる準備はしてきたと思うのでやりきってほしいです。たとえどんな結果であっても僕たちの代表として戦ってくれたら僕たちも誇りです。もちろん勝ってほしいですが、最後まで見守るというか一緒に戦うという気持ちでいきたいと思います。