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　11月27日、早慶ハンドボール定期戦（早慶戦）が行われた。現体制で挑む最後の試合であり、４年生にとっては学生生活最後の舞台だ。３年ぶりの有観客開催となり、多くの観客が見守る中、早大の選手たちははつらつとしたプレーで会場を盛り上げた。序盤から４年生が順調に得点を重ねてリードを広げると、20－８で前半を折り返す。後半も、攻守で慶大を圧倒。最終的には39－23と大勝し、笑顔で１年間を締めくくった。

試合前に円陣を組む選手たち

　前半２分、小笹紘大（法４＝東京・拓大第一）のサイドシュートで早大が先制。続けて、高い攻撃力を誇る山田和直副将（スポ４＝群馬・富岡）が連続得点を挙げ、神前怜（スポ４＝埼玉・浦和実）が鮮やかな回転シュートで会場を沸かせるなど、序盤から４年生の活躍が光る展開となった。前半11分には中惣健友（スポ４＝石川・小松）のポストシュートも決まり、９－４と５点差をつけた。さらに、中惣が相手のファールを誘って７mスローを獲得すると、これを菅原七海（社４＝東京・早実）が確実に決める。菅原はケガで７mスローのみの出場となったが、味方がつくったチャンスを得点につなげ、チームを盛り上げた。一方の慶大はコートプレーヤー７人で得点を狙うが、永橋優太朗主将（スポ４＝千葉・市川）を中心とした早大の堅い守備が得点を許さない。前半15分にはその永橋主将にも得点が生まれ、角辻尚樹（スポ４＝奈良・畝傍）もサイドシュートで相手ゴールを割る。４年生全員が得点を挙げ、15－４とリードを広げた。その後も山田や白築琢磨（文構２＝東京・早実）が攻撃力の高さを見せ、20－８で前半を折り返した。

シュートを放つ神前。鮮やかなプレーで会場を盛り上げた

　後半、スタートから出場したコートプレーヤーは全員が４年生。開始直後に小笹がサイドシュートで連続得点を挙げると、その後も角辻のエンプティゴールや神前の速攻で確実に得点を重ねる。後半10分で28－12と大差をつけた。慶大オフェンスもエースを中心に徐々に機能し始めたが、早大の勢いは止まらない。後半20分には、外種子田崚汰（スポ１＝鹿児島・国分）と山田がスカイプレーを決め、より一層会場を盛り上げた。好プレーが出るたびに、尾形菜々マネジャー（法４＝東京・立川国際中教校）と空諒アナリスト（社４＝神奈川・横浜緑ヶ丘）をはじめ、ベンチの部員も大きなガッツポーズを見せて喜んだ。最後は中惣がポストシュートを決め、39－23で試合終了。一度も相手に主導権を渡さず、理想的な展開で勝利を収めた。60分間を笑顔で戦い抜いた選手たち。試合後、観客に挨拶をするその表情は晴れやかだった。

ゴールを狙う小笹。関東学生秋季リーグでは苦しんだが、この日は６得点を挙げる活躍を見せた

　今年度の早大は、例年通り「堅守速攻」を軸に据え、学生主体でチームづくりに励んできた。課題となったのは、他大学と比べて選手層が薄い中で60分間を走り切る体力と、好機を逃さず得点する決定力だ。関東学生春季リーグ、関東学生秋季リーグともに５勝４敗の５位に終わったものの、新戦力の台頭もあり徐々にチームとしての完成度を高めていった。しかし、全日本学生選手権（インカレ）では、高い攻撃力を誇る大同大に敗れ悔しい初戦敗退となった。

インカレで初戦敗退となり、うつむく選手たち

　「全力で楽しもうという気持ち」（永橋主将）で迎えた最後の舞台・早慶戦。持ち味である「堅守速攻」を存分に発揮し、生き生きとプレーする姿が印象的だった。試合後、永橋主将は今年度のチームについて「とにかく守って、走る。守るためにルーズボールや勝負際で泥臭く勝つ。それが今年の粘り強さを生んでいた」と振り返った。ハードワークを厭わず守備を徹底し、常に速攻を狙い、相手に得点されても素早いリスタートで取り返す。この早慶戦も含め、１年間を通してそのような場面が何度も見られた。

笑顔でガッツポーズをする永橋主将。主将としても守備の要としても早大を引っ張った

　現体制での活動はこの試合で幕を閉じたが、同時に、新チームが始動する。４年生は、後輩たちへ「自分の強みを存分に発揮してほしい」とエールを贈った。それぞれの強みをどのように生かし、どのようなチームをつくりあげるのか。新体制となる早稲田大学男子ハンドボール部の今後の活躍が、楽しみでならない。