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アーチェリー部

2022.11.25

2023年ナショナルチーム・U21ナショナルチーム選考会  11月5、6日 東京・夢の島公園アーチェリー場

早大勢の日本代表選出ならず

 11月5日から6日にかけて東京・夢の島公園アーチェリー場にて2023年ナショナルチーム選考会(NT選考会)が開催された。早大からは初の選出を目指す浦田大輔(基理4=東京・早大学院)と園田稚(スポ2=エリートアカデミー)が出場。浦田は25位、園田は25位で1日目を終え、上位21位が進める2日目の進出を逃し、2023年ナショナルチーム選出はならなかった。また、同時に開催された2023年U21ナショナルチーム選考会には渋谷樹里(スポ1=エリートアカデミー)が出場。12位に終わり、2023年U21ナショナルチーム選出を逃した。

 浦田は2020年の棚田歩氏(令2スポ卒)以来の早大男子からの出場を果たした。「めちゃくちゃ良かった」と振り返った最初の36射では322点をマークし、順調な滑り出しを見せる。その後も36射で300点を切ることはなく、「今できる限りの点数にはまとめられた」と1246点で144射を射ち切ったが、ナショナルチームの壁は高く、2019年度の野村翼コーチ(平31スポ卒=愛知・岡崎北)以来となるナショナルチーム選出はならなかった。

初のナショナルチーム選考会に臨んだ浦田

 5年連続となるナショナルチーム選出を目指した園田。成年3位に輝いた国民体育大会(国体)や予選ラウンドを3位で通過した全日本フィールド選手権(全日)など、直近の大会で好成績を残し、ナショナルチーム選出は固いと見られていた。園田は前半を627点で回り、ナショナルチーム選出圏内の12位に付ける。しかし、後半、「射っても当たらないから余計に不安になって、もっと当たらなくなるという感じになっていた」と点数が安定せず、72射の合計は605点に留まった。2日目に進出できる上位21人にわずか6点届かず、まさかの1日目で姿を消す結果となった。

6年連続6度目のナショナルチーム選考会となった園田

 エリートアカデミー時代のU-17ナショナルチームに続く世代別のナショナルチーム選出を目指した渋谷だったが、「今年に入ってからの点数では厳しいなと思っていた」という不安が的中してしまう。1日目の144射では50点を越えたエンドは7回に留まった。2日目は少しずつ点数がまとまり、「最近のいつも通りくらいの点数には戻すことができた」と最後の72射では616点まで点数を伸ばしたが、順位の追い上げはならず。「想像以上に緊張して上手くいかない試合でした」と振り返り、悔しい一戦となった。

悔しい結果となった渋谷

 浦田は高校時代、全国高等学校総合体育大会や国体といった全国の舞台とは無縁の選手だった。それでも大学入学後、着実に実力を伸ばし、浦田本人も「恐れ多い」と語ったナショナルチーム選考会の舞台まで登り詰めた。そんな浦田の活躍は早大男子の後輩たちの大きな励みになるだろう。浦田の成長曲線に続く後輩が次々現れることに期待したい。一方で女子から出場した園田、渋谷は非常に悔しい結果に終わった。特に園田は直前まで好調を維持していただけに、その悔しさは並大抵のものでは無いだろう。それでも、試合後のインタビューでは二人とも「これを糧に頑張りたいと思います」(園田)、「ここを乗り越えないと強くはなれないと思うので、頑張っていこうと思います」(渋谷)と前を向いた。これまで世代のトップランナーとして駆け抜けてきた二人にとって、今回の結果は大きな壁となっただろう。今年の全日本学生王座決定戦では準優勝に貢献するなど、下級生ながら早大女子をけん引する二人がこの壁を乗り越えることは早大女子全体の成長にも必ずつながるはずだ。

(記事 星野有哉 写真 早稲田大学アーチェリー部提供、星野有哉)

※掲載遅くなり、申し訳ありません。

結果

▽ナショナル男子

浦田大輔 1回目 630点

     2回目 616点

     合計 1246点 25位

▽ナショナル女子

園田稚 1回目 627点

    2回目 604点

    合計 1231点 25位

▽U21女子

渋谷樹里 1回目 557点

     2回目 587点

     3回目 592点

     4回目 616点

     合計 2352点 12位

コメント

浦田大輔(基理4=東京・早大学院)

――初の選考会となりましたが緊張はされましたか

 緊張はしませんでした。正直ナショナルチームにはなれると思っていなかったので、最後を楽しむ試合かなと思っていました。なので、特に緊張はなかったです。

――全日からどのような練習をされましたか

 全日でやっぱり当てにいったところがあって、射型が崩れてしまっていたので、近射をして射型を直してから70メートルを射ってといった感じです。

――今回の目標は

 2日目までは残りたいと思っていました。

――最初の36射を振り返って

 自分の中でめちゃくちゃ良くて、体力がまだ余っていたので、よく狙えました。最初の方は緊張なく当たりました。

――続く36射を振り返って

 60射目くらいで体力的な問題で震えが止まらなくなってしまって、どこにいくかわかんないという状態に陥ってしまったという射になってしまいました。

――後半の最初の36射を振り返って

 震えはなくならずにあったのですが、その中でも振ったりエイムオフをしたりという感覚が冴えてきてだんだん当たってきたという感じですね。

――最後の36射を振り返って

 最後はもう射つしかないなという気持ちで監督(遠藤宏之監督、平2政経卒=東京・早大学院)と一緒に頑張っていたので、なんとか310に乗りました。

――遠藤監督や野村コーチからどのようなアドバイスを頂きましたか

 遠藤監督はずっとコーチとして後ろについてくださっていて、学院の時から数えて教わるのは7年目で、一番信頼しているというか尊敬している方なので、落ち着いてリラックスして射てました。野村さんは元々すごい上手い方なので、技術的なアドバイスであったり、「気楽にいきな」という励ましであったりを頂きました。

――今回の得点を自身ではどのように評価されますか

 欲を言うともうちょっと当てたいといえば当てたかったのですが、今できる限りの点数にはまとめられたかなと思っています。

――今後の競技予定は

 一応王座で一区切りしたはずだったのですが、たまに射ったりしていました。これからは本当にもう気が向いた時に射つだけで、部内の試合だけはたまに出ようかなという感じです。

園田稚(スポ2=エリートアカデミー)

――今の率直な気持ちを教えてください

 悔しいのですが、これを糧に頑張りたいと思います。

――今回どのような目標を立てて臨みましたか

 ナショナルチームに入ることを目標としていました。入ってその次の試合につなげたかったので、いつも通りの330(点)を射ちたいと思ったのですが、まずは2日目に残ろうということで頑張りました。ですが、あまり良くなかったという感じです。

――自分の調子について自身ではどのように捉えていますか

 練習前までは良かったのですが、(選考会が)始まってからは緊張感なのかまだ分からないのですが、ミスが大きかったりだとか、自分の状態を把握し切れていなくて、そういうところから崩れてしまったのかなと思います。

――327点だった前半についてはいかがですか

 良くはないのですが、良くない中でその点数で耐えられたのは良かったといえば良かったです。

――後半自身で違和感はありましたか

 射っても当たらないから余計に不安になってもっと当たらなくなるという感じになっていたので、そういうところを振り返って次につなげられたらと思います。

――最後の2エンドは55点を超えましたが

 すごい感覚はよかったのですが、出すのが遅かったなと思います。

――直近の目標を教えてください

 再来週に早慶戦があるので、そこで早稲田を勝ちに導けるように頑張りたいと思います。

――早慶戦への意気込みをお願いします

 去年勝ったので、今年も勝てるように早稲田を引っ張っていきたいと思います。

渋谷樹里(スポ1=エリートアカデミー)

――2年ぶりとなる選考会はいかがでしたか

 今までの練習で自信持っていけるくらいの点数を射てていて、緊張するというイメージは持っていたのですが、大学に入って、緊張した中でのコントロールというのが上手くできなくなっていて、想像以上に緊張して上手くいかない試合でした。1日目の時点でボーダーとだいぶ点が離れてしまって、正直追いつくのが厳しい状態だったので、次につなげられるように、自分なりのポイントを探しながらできた試合だなと思います。

――先週の関東個人新人選手権を振り返って

 最初の36射はそんなによくなかったのですが、途中から後半にかけて自分なりに掴めた気がしたので、その時は選考会につなげられるいい試合になったかなと思いました。

――今回どのような目標で臨まれましたか

 通過できたらいいなと思っていたのですが、今年に入ってからの点数では厳しいなと思っていたので、自分の射ち方とか考え方の面でネガティブになったりしないように、そういうところで満足できる試合にすることを目標に臨みました。

――先週の新人戦も含めて全日から選考会までの2週間をどのような練習をされましたか

 夢の島が3週連続になるので、新人戦も選考会の練習になってよかったです。平日の練習では基本的に70メートル射ってどういうところを意識するかという風にポイントを絞って練習をしました。

――具体的に絞ったポイントとというのは

 上手くいかなかったことが多かった全日で、細かいところばかり考えて上手く射てない試合だったので、基本に戻って、真っ直ぐ、強くというところを意識していました。

――2日間の射を振り返って

 1日目はかなり緊張してしまったというのがありました。力んでしまい、足まで力が入ってしまい全然上手くいきませんでした。2日目は通過できないというのが分かっている状況で臨んだのですが、最後の72射では最近のいつも通りくらいの点数には戻すことができたので、これから基本を一からやり直そうと思えた試合でした。

――尻上がりに点数が上がりましたがその点はいかがですか

 大学入ってから特になのですが、試合の初めに緊張してしまって全然上手くいかないことが多くて、最後の方になるにつれて自分なりにつかめることが多いのですが、スローなスタートになることばかりなので、最初の方から自信を持って、大きく射ったり、緊張した中でも自分をコントロールできるようにしたりしないとなと感じました。

――3日間帯同された野村コーチからはどのようなアドバイスを頂きましたか

 射ち方が小さくなってしまっているとか、当たらなくて笑顔が減ってるよという風に声掛けしてもらいました。上手くいかなかったですが、野村さんのおかげで全日の時よりは笑顔で臨めた試合だったと思います。

――今回の結果はご自身ではどのように評価されますか

 ナショナルチームの選考会に初めて出たのが中3で、その時から去年を除いてずっと出ていたのですが、初めて選考会でこんなに低い点で、順位も結果的に最下位だったのが自分としても悔しいし、辛いです。でもここを乗り越えないと強くはなれないと思うので、頑張っていこうと思います。

――今後の早慶戦やインドアシーズンへ取り組みたいこと

 これからは大学同士のチーム戦というのが増えてくると思うので、自分のアーチェリーの面でもしっかりとして、コミュニケーションを自分から取っていって、チームに貢献できるように頑張っていきたいと思います。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします

 早慶戦もまた夢の島で行われる予定なので、全日本や選考会で感じたこととか学んだことを活かして早稲田に貢献できるように頑張ります。