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ハンドボール部

2022.11.06

全日本学生選手権 11月3日 愛知・スカイホール豊田

東海地区の強豪・大同大に完敗 インカレ初戦で姿を消す/1回戦・対大同大

 大学日本一を決める全日本学生選手権(インカレ)が11月3日に開幕した。インカレで優勝することを目標に、1年間練習を積んできた早大。1回戦で東海地区の強豪・大同大と対戦した。序盤は一進一退の攻防となったが、抜け出したのは大同大。早大は持ち味の守備が機能せず、15-19で前半を折り返した。後半も、終始相手のペース。「堅守速攻」のかたちをつくれないまま、徐々に点差が広がっていった。最終的には31-39と今年度最多失点で敗北を喫し、2年連続の初戦敗退となった。

 「正直、良かったところを挙げるのは難しい」と永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)が振り返ったように、持ち味を発揮できず、悔いの残る試合内容となった。開始直後に先制を許したが、早大も中惣健友(スポ4=石川・小松)のポストシュートですぐさま取り返す。その後は、両者が点を取り合う展開に。早大は、山田和直副将(スポ4=群馬・富岡)のミドルシュートや角辻尚樹(スポ4=奈良・畝傍)のサイドシュートなどで得点を重ね、13分で9−9と接戦を演じた。しかし、ここから大同大が連続得点。早大は、持ち味の守備が機能せず、相手の攻撃を止められない。17分で9-13とリードされた。永橋が獲得した7mスローや、山田の得点でなんとか食らいついた早大。15-19で前半を終えた。

7mスローを撃つ山田

 逆転を目指して迎えた後半だったが、終始相手に主導権を握られた。開始直後に田井健志副将(スポ3=香川中央)が得点を挙げ、狩野直樹(スポ3=埼玉・浦和学院)のロングシュートも見られたが、相手オフェンスに苦しめられ、なかなか点差は縮まらない。何度か速攻のチャンスをつくったものの、決めきれず。後半17分には22-30とリードを広げられ、流れを引き寄せられないまま時間が過ぎていった。後半18分には白築琢磨(文構2=東京・早実)のサイドシュートと神前怜(スポ4=埼玉・浦和実)の速攻などで3連続得点を挙げて追いすがったが、万事休す。最終的には31-39で敗戦し、初戦で姿を消すこととなった。

ゴールを狙う狩野

 「ディフェンスが機能しなかったことに尽きる」と三津英士監督(平8人卒=久留米工業大附)が振り返ったように、守備を崩され、自分たちのリズムをつくれなかった今回の試合。昨年に引き続き2年連続の初戦敗退となり、「日本一」という目標は果たすことができなかった。インカレを終え、現体制のチームに残された試合は、11月27日に行われる早慶定期戦(早慶戦)のみだ。4年生にとっては引退試合となる。インカレでは涙を飲んだが、今年度最後の試合では早大らしいハンドボールが見られるか。早慶戦を勝利で飾り、1年間を笑顔で締めくくりたい。

(記事 澤崎円佳、写真 出口啓貴 澤崎円佳)

全日本学生選手権
早大 31 15-19
16-20
39 大同大
GK 塚本智宇(スポ3=富山・高岡向陵)
CP 白築琢磨(文構2=東京・早実)
CP 狩野直樹(スポ3=埼玉・浦和学院)
CP 中惣健友(スポ4=石川・小松)
CP 永橋優太朗(スポ4=千葉・市川)
CP 山田和直(スポ4=群馬・富岡)
CP 神前怜(スポ4=埼玉・浦和実)
コメント

三津英士監督(平8人卒=久留米工業大附)

――試合を終えて、今の気持ちを教えてください

 たくさんの保護者、OBOG、関係者の皆様に応援、ご支援頂いたのですが、結果で恩返しができずに大変申し訳ございません。大同大学さんは本当に強かったです。素晴らしいチームでした。

――どのような対策をしてこの試合に臨みましたか

 大同大学の両バックプレーヤーが非常に得点力ある選手でしたので、利き手側を強く守ること、2枚目を守る選手がアグレッシブに仕掛けて自由にプレーさせず圧力をかけること、1人で守らずに2人がかりで守ること、積極的に速攻、リスタートを仕掛けて、外してもバックチェックを徹底すること。早稲田らしさを全面に出して粘っていこうと話していました。

――事前に想定していた戦い方はどの程度実現できましたか

 実力的には出せたと思います。アナリスト、ディフェンス班、オフェンス班と分析、対策、練習を重ねて準備は万端でしたが、それ以上に大同大学さんがうわてでした。

――敗因はどこにあると思いますか

 ディフェンスが機能しなかったことに尽きます。0-6、1-5と準備してきたものは全部出しましたが、徹底して1対1、2対2で崩されてどのポジションからも打ち込まれて、失点を防ぎきれませんでした。

――試合後には選手にどのような話をしましたか

 1回戦負けで非常に悔しい思いをみんなしていると思う。私自身も監督としての力の無さを痛感しました。結果は伴わなかったけどこの1年間、学生主体になり、自ら考え、話し合い、どのチームよりも走る練習を取り入れて必死になって取り組んできたことは自分達にとっても素晴らしい財産になったと思う。でも全国大会で結果を出すためには、もう一段階、二段階の工夫と努力が必要なのも事実。4年生は早慶戦で今年度のチームの集大成が発揮出来るように、チームを1つにまとめて、悔いなくやりきってほしい。3年生以下のメンバーはこの悔しさを忘れずに、何が足りなかったのか、通用したのかを分析して、再度徹底的に鍛え上げて挑戦しよう。下を見るのではなく、上を向いて前に進もうと話しました。

永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)

――試合を終えて、今の気持ちを教えてください

 整理がつかない感覚です。悔しいというより何がいけなかったのが、どうしてこうなってしまったのかといった思考が頭の中で渦になっているような、そんな気持ちです。

――試合前のチームの雰囲気はいかがでしたか。緊張などはありましたか

 試合前のチームの雰囲気はとても良かったです。チーム全員がこの初戦に向けて、準備をしっかりしていて、気合もとても入っていました。入りすぎていたくらいです。
ただ、今思い返すと、慣れない試合会場やシステムにアタフタしていた場面はあったなと思います。

――今回の試合の良かったところを挙げるとしたらどのようなところですか

 正直良かったところを挙げるのは難しい。それくらい、僕らが初めて経験するひどい試合内容でした。僕らのスタイルは守って走るというものですが、その根幹にあるディフェンスが本当にうまくいかず、何もかもが中途半端に終わってしまいました。

――失点が多かったですが、思うように守備が機能しなかった要因があれば教えてください

 要因はいろいろあると思うのですが、最も大きな要因は、受け身の姿勢になってしまったことだと思います。普段の僕たちは、ディフェンスから豊富な運動量を駆使してガンガン仕掛けていき、強く当たって、抜かれてもフォローがいて、苦しいシュートをキーパーが取るといったものでした。それが関東の1部でも十分通用するレベルになっていた。
だけど、あの試合では自分達から強く仕掛けることができず、受け身になってしまい、後手後手に回ってしまいました。そこが大きな要因だと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 自分自身、ディフェンスでは、普段では簡単にやられないような1対1で抜かれる場面や退場してしまう場面があり、ひどいものでした。オフェンスは強気で攻めることができていて、7mなどを取ることができていた。しかし、後半は失速し、そこまでいいプレーはできませんでした。キャプテンとしてみんなを引っ張る、まとめるといった役割であったのにも関わらず、60分、終始あのような最悪の雰囲気を変えることができなかった自分を非常に不甲斐なく思います。

山田和直副将(スポ4=群馬・富岡)

――試合を終えて、今の気持ちを教えてください

 とても悔しい気持ちで未だに整理ができていないです。1回戦から厳しい戦いになると予想はしていたのですが、この1年間はインカレ優勝を目標に練習してきたので、不甲斐ない結果で終わってしまったなと思っています。今年のチームディフェンスに自信を持っていたのですが、それが通用せずに自分たちのハンドボールである堅守速攻が体現できなかったことが1番悔しいなと思います。

――チームのオフェンスの総評をお願いします

 セットオフェンスに関しては対策してきたことが出せた部分が多かったです。しかし、反省として、確率の高いカットインやポスト、サイドでのシュートをもっと増やすべきだったと思います。

――徐々に点差が開いた要因はどこにあると思いますか

 点差が縮まらないという焦りからシュートまでを急ぎすぎてしまったことが要因だと思います。失点が多くなってしまった中で、追いつこうという気持ちが強すぎて単発なプレーになってしまったと思います。試合前には、周りを信頼してパスを回そうという話をしていたのですが、それを実現することができませんでした。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 得点は取れていたのですが、単発なシュートや確率の低い場面でのシュートの本数が多くなってしまい、確率が低くなったのが良くなかったと思います。積極的なプレーが裏目に出てボールを回して点を取る意識が薄れてしまっていたと思います。