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ラグビー部

2022.11.06

関東大学対抗戦 11月6日 対帝京大 埼玉・熊谷ラグビー場

痛感した王者・帝京大の壁 宿敵に無念の敗北

 やはり王者の壁は高かったーー。雲一つない青空の下、早大は関東大学対抗戦第5節、帝京大戦を迎えた。埼玉・熊谷ラグビー場には多くのファンが集い、両校の校歌斉唱から緊張感のある雰囲気が流れる。前半は開始早々にトライを献上するものの、自陣深くに攻め入る帝京大を次々と押さえつける早大。WTB槇瑛人(スポ4=東京・国学院久我山)のキックチャージから生んだトライで得点を挙げるが、7ー21で試合を折り返す。後半は果敢に攻め込む帝京大に主導権を握られ、4トライを献上。終盤の反撃も及ばず、17ー49で帝京大に敗れた。

 試合開始直後、勢いよく早大陣営に攻め込んだ帝京大に先制トライを献上。攻めては自陣に引き戻されることを繰り返し、しばらくは守勢が続いた。そんな中、相手キックをCTB吉村紘(スポ4=東福岡)がチャージし果敢にアタックを仕留める場面や、フッカー佐藤健次(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が次々と相手を振り切り突破を図る。しかし、帝京大の前に出るディフェンスにより得点機を生み出すことができない。前半25分には、素早い展開からフッカー江良颯(帝京大)の猛進を止めきれず、被トライ。だが35分、相手パスの乱れに反応したFB小泉怜史(文構4=東京・早実)が敵陣内にキックを放つ。そこから相手のキックをチャージした槇が、持ち前の俊足を生かした好走を見せ、インゴールでボールを押さえつけた。緊張が高まる会場で、吉村がキックを成功させ、早大に待望のトライが生まれる。だが終了間際には連続攻撃の末にインゴールを明け渡し、7ー21と大きくリードを許して前半を折り返した。

 

スペースを見定めるWTB槇。前半早大初トライを挙げた

 後半も開始早々にモールトライを許し、相手優勢の試合運びとなる。互いに競り合う展開が繰り広げられ、迎えた後半21分、佐藤のタックルで相手のペナルティーを誘い、敵陣左5メートル付近で早大ボールスクラムを獲得。スクラム戦からNO・8相良昌彦主将(社4=東京・早実)がボールを持ち出し、ラックからこぼれたボールを拾った吉村がスペースに切り込んでトライを挙げる。42分には、SH宮尾昌典(スポ2=京都成章)のグラバーキックをものにしたCTB岡﨑颯馬(スポ3=長崎北陽台)がインゴールに飛び込んだ。追加点を得た早大であるが、ロスタイムには帝京大に本日7つ目のトライを許すと、勝利の望みを断ち切るノーサイドの笛が鳴り響いた。

 

ボールキャリーするCTB岡﨑。果敢にタックルを仕掛け攻守共に奮闘

 「自分たちの力が足りなかった」(相良主将)。特に際立ったのは、ラインアウトの精度だろう。フランカー村田陣悟(スポ3=京都成章)や相良主将のジャッカルでカバーできた部分があったものの、細部の修正が不可欠だ。しかし、自陣深くでの13フェーズに及んだ帝京大の猛攻を仕留めるなど、今試合を通して選手一人一人が相手に立ち向かう集中力を切らすことはなかった。「気持ちを切り替えて上を目指していきたい」(佐藤)。無念の敗北となった今回の悔しさを、次節の早慶戦でいかに生かせるか。王座奪還に向かう早大の挑戦はまだまだ終わらない。

(記事 谷口花、写真 山田彩愛)

コメント ※記者会見より

大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)

――今日の試合を振り返って

 今日の試合に臨むにあたり、いろいろなことを準備してきました。それを前提として組み立てたのは昨年とは違うセットプレーを自分たちが手に入れたと思ってやりました。スクラムはペナルティーこそ取られたものの、ゲームが崩されるような印象はなく、よかったと思います。ゲームを作る上でのプレー、ラインアウトとハーフからのキックのところであまりうまくいかなかったところがゲームが苦しくなった部分だと思います。今までやってきた準備のところに自信を持ちながら、またチームを作っていければいいなと思います。

――アタックのミスに関してはいかがですか

 上から見ているよりも選手たちはプレッシャーを感じていたのかなと思います。シュミレーションではもう少し前でやる予定のプレーも、下がった場所でやらざるを得なくなり、最初のフェーズでなかなかうまくいかない状況になってしまったなと思います。昨年とは違い帝京大さんのプレッシャーに耐えられるかなと思いましたが、そこで選手が少し受けてしまったのかなと思います。

――ポジション変更もある中で、今日のメンバーの狙いを教えてください

 今回の帝京戦に向けてチーム内で部内マッチを行い、そこでプレーがよかった選手を評価して起用しました。その中で、小西(泰聖)と野中(健吾)のハーフ団はボールがよく動くハーフ団で、吉村(紘)に関しては12番の位置でプレーした方が彼の良さが生きやすいと感じたので、起用しました。山下一吹に関しては、部内マッチで力を出してきたので、その辺を買ってゲームに出場させました。

――新しく起用した選手たちの評価をお願いします

 問題としてはコンビネーションのところではなく、個人のスキルの部分かなと思います。野中はよくやっていたかなと思いますし、正しい方向に正しい選手にパスをし、悪くはなかったかなと思います。一吹(山下)が吉村のキックパスを取っていたら違ったかなと思いますが、あのような場面で顔を出せるのは評価したいかなと思います。泰聖(小西)に関しては久しぶりに本物のプレッシャーを感じた印象で、練習のときとはパフォーマンスが違っていたなという意味で、後半から宮尾を入れました。

――全国大学選手権の決勝から見て、この試合の位置づけは

 決勝から見て逆算しすぎることもよくないですが、今日は準備してきたものがとれだけ出せるかということを1週間や10日単位ではなくて1年間かけて準備してきたものをどれだけ出せるかということをターゲットにしていました。もちろん勝利することを狙いにいくことは大前提ですが、自分たちが自分たちの今年のラグビーを表現する場、信じて出す場としては一番強い相手に対してどれだけできるかということを思っていました。全部が全部悪かったってわけではありませんが、結果として30点差というところで、非常に追っていかなければいけないなと思いました。

――ディフェンスについて、高本幹也選手(帝京大)にプレッシャーをかける意識をされていたと思いますが、その辺りで良かった点や悪かった点について教えて下さい。

 高本選手は非常に能力が高く、プレッシャーをかけることを意識していました。それについてはある程度上手くいったと思います。しかし最初のタックルのところで2、3人かけ人数を減らしてしまい、そこからのBKの対応力が課題かなと思います。BKのディフェンスの人数が足りない部分やそもそものファーストタックラーやセカンドタックラーの仕事についてはもっと見直す必要があると思います。

NO・8相良昌彦主将(社4=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

 今日の試合のためにいろいろなことを詰めて準備してきましたが、それがグラウンド上で100パーセント出し切れたかというとまだまだできていない部分があると思います。今年やるゲームの中で一番プレッシャーを感じたゲームでしたし、自分たちの力が足りていないなと思いました。これからセットプレーに課題があるので、そこを詰めていきたいです。

――相手のプレッシャーという点はいかがでしたか

 ブレイクダウンのところできれいに球が出ず、出したいところでハーフがさばけない結果、そこで少しずつずれてしまっていたなと思います。

フッカー佐藤健次(スポ2=神奈川・桐蔭学園)

――今日の試合を振り返って

 ペナルティーを取ってからのラインアウトのミスが多く、これから戦う慶應さん、明治さんは身長の高い選手が居て、早稲田は身長が高い選手が少ない中で、どういうラインアウトを組んでいかなければならないかをもう一度考え直さなければならないと思います。また、帝京大のスクラムに勝つために僕たちは取り組んできましたが、帝京大との差を感じたので、まだまだ成長できると思いますし、対抗戦残り2試合をいい準備をして臨みたいと思います。

――江良颯選手(帝京大)とマッチアップする機会が多かったと思います。率直な感想を教えてください

 大学で一番のフッカーだと思っているので、江良選手に勝つということがチームを勝たせることにつながると思って臨みました。結果的にはモールでもフィールドでもトライを取られてしまいました。まだまだ遠い存在であるということが認識できたので、チームとしても個人としても気持ちを切り替えて上を目指していきたいと思います。

――スクラムが上手くいかなかった要因について教えてください

 帝京大学さんのベクトルと合わず、それを修正するのに時間がかかってしまいました。後半は立ち位置や頭の置く位置を変えて少しずつ良くなっていきましたが、1、2本で修正すべきでしたが、僕の修正力が足りなかったと思います。亀山(昇太郎、スポ2=茨城・茗渓学園)や井元さん(井元正大、文4=東京・早実)もしっかりと組んでくれていましたが、僕が間合いを取ることなどを工夫していく必要があると感じました。そこはまだまだ成長できる部分だと思います。

 

関東大学対抗戦
早大 スコア 帝京大
前半 後半 得点 前半 後半
10 21 28
17 合計 49
【得点】▽トライ 槇 、吉村、岡﨑 ▽ゴール 吉村(1G) 
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
井元 正大 文4 東京・早実
後半36分交代→17川﨑
佐藤 健次 スポ2 神奈川・桐蔭学園
亀山 昇太郎 スポ2 茨城・茗渓学園
前田 知暉 社4 東海大大阪仰星
池本 大喜 文構3 東京・早実
後半22分交代→19栗田
村田 陣悟 スポ3 京都成章
粟飯原 謙 スポ1 神奈川・桐蔭学園
後半18分交代→20永嶋
◎相良 昌彦 社4 東京・早実
小西 泰聖 スポ4 神奈川・桐蔭学園
後半0分交代→21宮尾
10 野中 健吾 スポ1 東海大大阪仰星
11 山下 一吹 教1 東京・早実
後半22分交代→23福島
12 吉村 紘 スポ4 東福岡
13 岡﨑 颯馬 スポ3 長崎北陽台
14 槇 瑛人 スポ4 東京・国学院久我山
15 小泉 怜史 文構4 東京・早実
リザーブ
16 安恒 直人 スポ2 福岡
17 川﨑 太雅 スポ3 東福岡
18 平山 貴喜 スポ4 北海道・函館ラサール
19 栗田 文介 スポ1 愛知・千種
20 永嶋 仁 社3 東福岡
21 宮尾 昌典 スポ2 京都成章
22 久富 連太郎 政経3 島根・石見智翠館
23 福島 秀法 スポ1 福岡・修猷館
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)
 
関東大学対抗戦Aグループ得点表(11月6日現在)
チーム 勝ち点 試合 得点 失点 得失 トライ
帝京大 25 363 43 320 55
早大 19 211 50 161 32
明大 24 319 52 267 49
慶大 19 146 91 55 20
日体大 34 397 -363
筑波大 109 131 -22 16
青学大 59 246 -187
立大 77 253 -176 10
 
 
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  帝京大 早大 明大 慶大 日体大 筑波大 青学大 立大
帝京大

〇49-17

7T7G

11/20 14:00

秩父宮

12/3 14:00

秩父宮

〇129-6

19T17G

〇45―20

7T5G

〇52-0

8T6G

〇88-0

14T9G

早大

●17ー49
3T1G

12/4 14:00

国立

11/23 14:00

秩父宮

〇102-0
16T11G

〇23-17
2T2G3PG

〇38-3
6T4G

〇31-7
5T3G

明大

11/20 14:00

秩父宮

12/4 14:00

国立

〇54-3

8T7G

〇74-0

12T7G

〇33-22
5T4G

〇70-27

10T10G

〇88―0

14T9G

慶大

12/3 14:00

秩父宮

11/23 14:00

秩父宮

●3-54

1PG

〇43-8
7T4G

〇16-12

2T1G

〇48―10

7T5G1PG

〇36-7

5T4G1PG

日体大

●6-129

2PG

●0-102

 

●0-74

 

●8-43

1T1PG

12/4 14:00

熊谷

11/19 14:00

江戸川

●10-63

2T

筑波大

●20-45

2T2G2PG

●17-23

3T1G

●22-33

5T4G

●12-16

2T1G

12/4 14:00

熊谷

〇38―14

5T5T1PG

11/19 11:30

江戸川

青学大

●0-52

 

●8-38

1T1PG

●27-70

2T2G2PT2PG

●10-48

2T

11/19 14:00

江戸川

●14―38

2T2G

12/4 11:30

熊谷

立大

●0-88

 

●7-31

1T1G

●0-88

 

●7-36

1T1G

〇63―10

8T8G1PT

11/19 11:30

江戸川

12/4 11:30

熊谷

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、国立は国立競技場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、敷島は群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場、新潟は、新潟市陸上競技場、月寒は北海道・月寒野外競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、太田は群馬・太田市運動公園陸上競技場、小田原は神奈川・小田原市城山陸上競技場、大和は神奈川・大和スポーツセンター競技場、駒沢は駒沢オリンピック公園陸上競技場。

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