ラグビー部
2022.10.31
関東大学ジュニア選手権 対慶大 10月30日 早大上井草グラウンド
慶大に僅差で敗戦 2勝2敗で終える
翌日に関東大学対抗戦の帝京大戦を控える早大は、肌寒さを感じるこの日、関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)総当たりの最終戦を迎えた。対するは、慶大B。試合序盤は張り合う展開が続くが、19分、CTB平田楓太(スポ4=福岡・東筑)のトライで早大が先制点をものにした。その後は幾度もピンチを迎えるが、FW陣の粘りで見事に回避。早大の1トライのみで迎えた後半は、SO守屋大誠(政経3=東京・早実)のショットで得点するものの、タフな試合を強いられる。終盤に粘りを見せた早大Bであるが、好機を生かせず10ー14の黒星で本リーグを終えることとなった。
前半は、慶大ボールでキックオフとなった。開始早々から、次々とゲインラインを突破する早大B。所々で細かなミスが相次ぐものの、徐々に敵陣でのチャンスをつかむ。すると18分、敵陣右22メートル内でのマイボールラインアウトからフッカー安恒直人(スポ2=福岡)がボールを持ち出し前へ。守屋の鋭いパスからBK陣がパスを刻み、左際でゲインを切ったWTB磯崎錬太郎(商3=徳島・城東)のすぐそばへ平田が駆け寄ると、そのまま先制トライを挙げた。直後には守屋が左際から冷静にコンバージョンゴールを沈め、得点を7ー0とする。以降は、シーソーゲームの展開に。慶大Bのモールでゴール直前に迫られるシーンも見られたが、FW陣の我慢強さでピンチを回避。両校共に耐え凌ぎ、7ー0の早大リードで前半を折り返した。
トライ寸前のCTB平田
後半に入るとすぐに、ノットリリースザボールの反則から早大Bはショットを選択。22メートルの中央付近から守屋がPGを成功させ、3点を追加した。直後には、ロック藤井将吾(スポ3=大阪・早稲田摂陵)のキックチャージからインゴールに近づくが、ノックオンで惜しくもグラウンディングとはならなかった。慶大Bに反撃のトライを挙げられたのは12分。ラックサイドを突破した慶大Bに失点を許し、点差を3とされる。22分にもディフェンスの綻びを突かれ、被トライ。粘り強い相手ディフェンスを崩すことができず、「自分たちがしたいラグビーができなかった」(守屋)。終盤まで攻守共に粘りを見せたが、得点を奪い返すことができないまま、最終スコアは10ー14に。春のリベンジを果たせず、僅差での悔しい敗戦となった。
攻撃を図るプロップ平山
後半は慶大Bのブレイクに苦しめられ、無失点に抑えられてしまった。しかし、悲観してばかりではない。ロック細川大斗(社3=東京・早実)や藤井の相手キックのチャージに挑む集中力の高さ、フランカー植野智也(法4=東京・早実)の突き刺さるタックル、平田の安定したキックなど果敢に攻め入る姿勢が多く見られた。「ごくわずかなチャンスをどれだけ生かせるか」という藤井の言葉のように、今試合を通して得点の決定力にはまだまだ改善が求められる。試合を終え、ゲームキャプテンを務めた平田は「80分間やり通せるようなスキルとメンタルの部分をチーム全体として伸ばしていかないといけない」と厳しく評価した。後半戦となる秋シーズン、全体の連携に磨きをかけ、決勝トーナメントこそは全員がこだわる『一勝』を掴み取りたい。
(記事 谷口花、写真 川上璃々)
コメント
CTB平田楓太ゲームキャプテン(スポ4=福岡・東筑)
――本日のゲームテーマは
ゲームテーマは、ゲインラインバトルというところで、相手が慶應ということもあったので、アタックとディフェンス共にゲインラインを取りに行くというような強いキャリーであったりだとか、前に出るディフェンスというところを前提としてテーマを掲げました。
――その中でタフな試合となりましたが、試合全体を振り返っていかがでしょうか
前半はスコアできて、ゴール前に攻められたシーンもあったのですが、しっかり我慢できたという風に思っています。でも後半はディフェンスラインをブレイクされてスコアされたりだとか、キックゲームになったところで、バックスがうまくチーム全体を前に出してあげられなかったというところが敗因だと思います。
――キックゲームに関して、どういう作戦だったのですか
元々よく蹴ってくるチームだということは知っていたので、自分たちの中で基準を設けて、対応するようにしていたのですが、ゲームの中での焦りだったりだとか、個人個人の判断というところで、うまくいかなかったところもありましたね。
――反対に収穫を挙げていただけますか
自分たちがやってきたことをしっかりやれている時間もあり、うまく我慢できたりというところまでできていたと思います。前半はボールをスペースに動かすというところもできていたので、それを80分間やり通せるようなスキルとメンタルの部分をチーム全体として伸ばしていかないといけないという風に思いました。
――最後に残りのシーズンへの意気込みをお願いします
ジュニア選手権はここからまたトーナメントが始まって、リベンジするというか、まだまだ修正できると思うので、しっかり勝ちを積み重ねていきたいというところと、結果にこだわっていきたいです。チーム全体としては、やはり『荒ぶる』という目標が全員の一つの目標としてあるので、それに向かって部員一人一人がしっかりと当事者意識を持って、自分に何ができるのかというところを突き詰めていかなければいけないという風に思います。
ロック藤井将吾(スポ3=大阪・早稲田摂陵)
――本日の最終戦に向けてどのようなお気持ちで挑まれましたか
慶應というのはやっぱり早稲田ラグビー部として意識する相手だったので、これまでのジュニア選手権の成績や順位に関わらず、勝ちにこだわることを意識して挑みました。
――今日の試合を振り返っていかがですか
ロースコアになるというか、相手の粘り強いディフェンスっていうのは元から分かっていたので、数あるチャンスを取り切れなかったっていうのとディフェンスで粘り切れなかったっていうのが全体的な感想です。
――セットプレーの評価はいかがですか
スクラムのところでは随所で押せる部分があったので良かったと思います。ラインアウト、ディフェンス、アタックを通して精度を高くやれたのですが、ポイントのモールの前のところでノットストレートだったり、取り切れなかったりという試合のターニングポイントでのセットプレーのミスがありました。そこが今後の課題かなと思います。
――チャージするなど積極的なプレーが多く見られましたが、意識したことはありますか
数少ないチャンスになることは分かっていたので、ゴール前での集中力だったり、ごくわずかなチャンスをどれだけ生かせるかっていうところを意識していました。常に相手の小さなミスだったり、チャージする場面だったりの集中力は高く持っていました。
――では今回見つかったチーム全体の課題と個人の課題を教えてください
チームとしてはゴール前での取り切る力、っていうのが今後の課題かなと思っています。個人としてはラインアウトのセットプレーでのテンポだったり、ボールキャリーの部分で高くなってしまったりという点が課題であると思います。これからどんどん強い相手と戦っていくうえでその点を改善していかなければと思います。
――今後の試合ではどのような部分を強化していきたいですか
ブレイクダウンのところはすごいチームとしてもフォーカスしている部分なのでそこをより強くしていきたいと思います。また、アタックの継続をもっと高め、取り切るところでしっかり取るというのをチームで意識していきたいです。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
この試合で見つかった課題が個人としてもチームとしてもあるので、そこにフォーカスしていきたいです。時間はないですが、一つ一つ練習の中で潰しながら成長できたらなと思います。
SO守屋大誠(政経2=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがですか
FWが健闘していた部分が大きかったと思います。BKの細かいミスがいくつか見られたり、エリアのところで相手にうまくとられてしまったりして、それが大きな敗因になったのかなと思います。
――今おっしゃったBKのプレー以外で何か結果の原因と考えていることはありますか
相手のディフェンスに対して自分たちがしたいラグビーができなかったことが原因なのかなと思います。
――今日の試合では鋭く仕掛けるプレーが印象的でした。パスで意識していたことはありますか
相手が出てくるディフェンスっていうのは分かっていたので、うまく相手の強い部分をいなしながら前にFWを出すことを意識していたのですが、そこまでうまくボール動かすことができませんでした。相手の一番いいディフェンスのところにFWがミスをかってしまっていたので、そこは自分の反省点かなと思います。
――次の試合への課題は何ですか
僕自身としては、エリアマネジメントのところで後手に回ってしまったので、ハーフとかともっとコミュニケーションをとるようにしたいです。チームとしては取りきるところ、ゴール前でスコアする部分の精度がまだまだ足りないと思うので、そこを高めていけたらいいなと思います。
――残りのシーズンの意気込みをお願いします
シーズンも深まってきて残りの試合数も少なくなってきたので、まず自分自身がしっかり一個一個の試合からアピールして、メンバー争いにからめるようにしたいです。
関東大学ジュニア選手権 | ||||
---|---|---|---|---|
早大B | スコア | 慶大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
1 | 0 | T | 0 | 2 |
1 | 0 | G | 0 | 2 |
0 | 1 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
7 | 3 | 計 | 0 | 14 |
10 | 合計 | 14 | ||
【得点】▽トライ 平田 ▽ゴール 守屋(1G、1PG) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
---|---|---|---|
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 山口 湧太郎 | スポ1 | 神奈川・桐蔭学園 |
2 | 安恒 直人 | スポ2 | 福岡 |
3 | 平山 貴喜 | スポ4 | 北海道・函館ラサール |
4 | 細川 大斗 | 社3 | 東京・早実 |
5 | 藤井 将吾 | スポ3 | 大阪・早稲田摂陵 |
6 | 永嶋 仁 | 社3 | 東福岡 |
7 | 植野 智也 | 法4 | 東京・早実 |
8 | 小池 航太郎 | 商3 | 東京・早実 |
9 | 島本 陽太 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
10 | 守屋 大誠 | 政経2 | 東京・早実 |
11 | 磯崎 錬太郎 | 商3 | 徳島・城東 |
12 | 岡本 大輝 | スポ3 | 東京・本郷 |
13 | ◎平田 楓太 | スポ4 | 福岡・東筑 |
14 | 細矢 聖樹 | スポ2 | 国学院栃木 |
15 | 福島 秀法 | スポ1 | 福岡・修猷館 |
リザーブ | |||
16 | 佐々木 柊 | スポ2 | 東京・本郷 |
17 | 後藤 良太 | 文3 | 埼玉・早大本庄 |
18 | 門脇 浩志 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
19 | 若松 泰佑 | 文構2 | 東京・早実 |
20 | 中島 潤一郎 | 教1 | 神奈川・桐蔭学園 |
21 | 金子 礼人 | 法1 | 福岡・西南学院 |
22 | 久富 連太郎 | 政経3 | 島根・石見智翠館 |
23 | 今駒 有喜 | 文4 | 東京・早実 | ※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工) |
関東大学ジュニア選手権カテゴリー1星取表 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明大 | 帝京大 | 早大 | 東海大 | 慶大 | ||||
明大 | * |
●12-38 2T1G |
●26-33 4T3G |
◯31-30 5T3G |
○33-5 5T4G |
|||
帝京大 |
○38-12 5T5G5PG |
* |
○52-0 8T6G |
〇41-24 6T4G1PG |
◯68-14 10T9G |
|||
早大 |
〇33-26 |
●0-52 |
* |
○47-24 |
●10-14 1T1G1PG |
|||
東海大 |
●30-31 4T2G2PG |
●24-41 3T1G1PG |
●24-47 4T2G |
* |
◯50-24 8T5G |
|||
慶大 |
●5-33 1T0G |
●14-68 2T2G |
◯14-10 2T2G |
●24-50 4T2G |
* | |||
※早大Gは早大上井草グラウンド、帝京大Gは帝京大百草園グラウンド、東海大Gは東海大湘南グラウンド、明大Gは明大八幡山グラウンド、慶大Gは慶大日吉グラウンド