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ハンドボール部

2022.10.04

関東学生秋季リーグ 10月2日 東京・国士館大学多摩キャンパス体育館

東海大に逆転勝利 秋季リーグ最終戦を白星で飾った!

 8月に開幕した関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)も、いよいよ最終戦を迎えた。先週、明大に悔しい逆転負けを喫し4勝4敗となった早大は、東海大と対戦。序盤こそ相手にリードを握られたものの、その後は巻き返し、16-17で前半を終える。後半は、持ち味であるディフェンスと速攻で流れをつかみ、逆転に成功。33-28と快勝し、リーグ戦を白星で締めくくった。

 試合開始直後に白築琢磨(文構2=東京・早実)が先制点を挙げたが、序盤は東海大にペースを握られる。エース・石嶺秀(4年)を中心に波に乗る相手に連続得点を許し、前半7分で2-6とリードを奪われた。しかし、タイムアウト後、徐々に流れは早大へ。粘り強いディフェンスで相手の攻撃を防ぎ、白築が速攻で得点を挙げる理想的なかたちをつくり、リズムを取り戻す。山田和直副将(スポ4=群馬・富岡)のミドルシュートや狩野直樹(スポ3=埼玉・浦和学院)のロングシュートで追い上げると、前半17分には白築のパスカットから外種子田崚汰(スポ1=鹿児島・国分)が速攻を決め、11-11と相手の背中をつかんだ。さらには、中惣健友(スポ4=石川・小松)に代わって出場した村松涼雅(商1=岩手・不来方)が公式戦初得点を挙げ、チームを盛り上げる。しかし、その後は再び相手に連続得点を許し、12-15とされた。またも点差が広がりそうな局面だったが、狩野が相手の退場を誘いながら得点を挙げてチャンスをつくると、その隙に追い上げ、16-17と1点ビハインドで折り返した。

シュートを放つ村松

 後半開始直後、ディフェンスからの速攻で狩野と外種子田が得点し、逆転に成功。開始1分で18-17とした。さらに、白築が獲得した7mスローを、ケガの影響で久しぶりの出場となった神前怜(スポ4=埼玉・浦和実)が決めて流れを引き寄せる。続けて、山田や外種子田が得点力の高さを見せ、後半6分で23-20とリードを広げた。守備では、前半からの修正が見られた。「代わって出た悠吾(西村、人1=千葉・市川))がそこ(相手のエース)を止めてくれた」と空諒アナリスト(社4=神奈川・横浜緑ヶ丘)が振り返ったように、西村を中心に堅いディフェンスで相手の攻撃を封じ、残り10分で30-23と7点差をつけた。しかしその後、東海大も4連続得点で食い下がる。前戦の逆転負けを彷彿とさせる嫌な場面だったが、ここで西村がサイドシュートを決め、相手の流れを断ち切った。試合終了間際には、外種子田と山田がスカイプレーを見せて会場を盛り上げ、33-28で早大が白星を手にした。

ゴールを狙う西村

 1年生が役割を果たし、逆転勝利を収めた今回の試合。永橋主将と神前は、「(秋季リーグの収穫は)1年生の成長」と口を揃えた。ケガ人や体調不良者が相次いだ中で、若手の出場機会が増え、チームの底上げにつながるリーグ戦となったことだろう。しかし、結果的には春と同じ5位に終わり、永橋主将は「もったいない試合が多かった」と悔しさもにじませた。集大成のインカレまで、残り1カ月。持ち味である「堅守速攻」に磨きをかけ、チームとしての完成度を高めることができるか。大舞台での躍動が楽しみだ。

(記事 澤崎円佳、写真 吉岡直哉)

集合写真(早稲田大学男子ハンドボール部提供)

関東学生秋季リーグ
早大 33 16-17
17-11
28 東海大
GK 塚本智宇(スポ3=富山・高岡向陵)
CP 角辻尚樹(スポ4=奈良・畝傍)
CP 山田和直(スポ4=群馬・富岡)
CP 白築琢磨(文構2=東京・早実)
CP 村松涼雅(商1=岩手・不来方)
CP 永橋優太朗(スポ4=千葉・市川)
CP 外種子田崚汰(スポ1=鹿児島・国分)
コメント

永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)

――最終戦を勝利で終えました、今のお気持ちを教えてください

 5勝4敗になって一応勝ち越せてはいるのですが、その中でも惜しい試合、もったいない試合が多かったと思います。1点差の試合が2つ、2点差が1つ、3点差が1つで、それに勝てていれば(全日本学生選手権の)シード権を獲れていたと考えると、悔しいリーグ戦になったかなと思います。

――先週は明大に悔しい負け方をしましたが、どのように切り替えて最終戦に臨みましたか

 先週は、明らかに残り5分の退場のせいで負けてしまって理由が明確だったので、次はこうしないようにしようという切り替えはしやすかったです。そこに焦点を当ててゲームプランをしっかりと考えようと、そういった面で切り替えて臨みました。

――この試合の勝因はどこにあると思いますか

 1年生3人かなと思います。今日は健志(田井健志副将、スポ3=香川中央)も健友(中惣、スポ4=石川・小松)もいなくて、人が揃わないという中で、スタメンから2人の1年生が出て、後半も含めて1年生が3人出ました。3人ともディフェンスをよく頑張ってくれたと思います。僕らのやるべきことはディフェンスで、ディフェンスをしっかりとやれていると僕らのペースに持ってこられるので、1年生3人のディフェンスがすごく良かったなと思います。

――永橋選手自身のプレーについてはいかがですか

 僕自身は今日はあまり良くなくて、スリップをしてしまう場面がよくありました。シュートも前半では外してしまいましたし、僕はあまり波に乗れていなかったなというのはあります。ただ、ディフェンスはそんなに悪くなかったと思います。僕の場合、ディフェンスでしっかりとリズムをつくれれば、オフェンスは他の人に任せることができるので。オフェンスはあまり良くなかったのですが、ディフェンスはそこそこ良かったかなという感じです。

――関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)を終えて、チーム全体の成長を感じる部分はどこですか

 さっきも言ったのですが、1年生の成長が大きいかなと思います。1年生で試合に出ることが多かった崚汰(外種子田、スポ1=鹿児島・国分)、今日初めて長く出た涼雅(村松、商1=岩手・不来方)、たまに出ていた悠吾(西村、人1=千葉・市川)とか、下級生が試合に出ても、他のプレーヤーと遜色ないくらい良いパフォーマンスを発揮してくれたので。僕らは元々チームの層がすごく薄くて、極薄だったのですが、ちょっと薄いくらいにはなったかなと(笑)。インカレ(全日本学生選手権)は5日間続いて、その中で必ず層の薄さは弱点になってくるので、下級生の成長というのは秋リーグ(関東学生秋季リーグ)を通しての収穫かなと思います。

――逆に課題も見つかったと思いますが、全日本学生選手権(インカレ)に向けて、どのような点を強化していきたいですか

 僕らには課題がたくさんあるのですが、明らかに個で負けているので、チーム力を高めていきたいなと思います。チーム力というのは、僕らで言うと、ディフェンスからの速攻、バックチェックになります。そこの完成度を、勝てるレベルになるまでもっともっと引き上げて、当たりたくないチームになれるようにしたいなと思います。

神前怜(スポ4=埼玉・浦和実)(と角辻尚樹(スポ4=奈良・畝傍)、中惣)

――7mスローのみの出場でしたが、振り返っていかがですか

神前 試合前に永橋とかが、7mをたくさん獲ってきてくれると言っていて…

通りかかった中惣 なんで今日神前(インタビュー)?!

通りかかった角辻 ここも(コメントに)使ってね。

中惣 良かったね、久々に出て。これも使ってね。

神前 あっち行け(笑)。…永橋とかが7mをたくさん獲ってきてくれると言っていたのですが、後半まで無かったからこのまま終わっちゃうかなと思っていたら、出番があってうれしかったですね。

――第2戦で骨折してしまいましたが、今はどのような状態ですか

神前 1、2週間前にギプスが外れて、今は接触以外は基本的にやっている状態です。100パーセントでダッシュもできるし、ジャンプシュートとかもできているかな。あとは、接触プレーを詰められるかというところかなと思います。

――秋季リーグでは試合を外から見る期間が長かったと思いますが、チームの成長を感じる部分はどこですか

神前 1年生の成長ですね。特に、同じポジションの崚汰は、僕がケガしてから基本的にはフルで出てくれていたので、技術的にもメンタル的にもとても成長したなと思います。

――逆に、チームの課題はありますか

神前 まだシュートの決定率は悪いかなと思います。序盤からずっと課題に挙げられていたのですが、ノーマークのシュートやサイドシュートなど、決め切りたいシュートの決定率はまだ低いので、そこは少しずつ詰めていかなければいけないかなと思います。あとは、セットオフェンスに関して、ここぞの1点が欲しいときに決め切れる確率を上げていきたいなと思います。

――インカレまで約1カ月ありますが、ご自身はどのようなことを意識して練習していきたいですか

神前 技術とかメンタルももちろんあるのですが、1番はインカレのきつい日程に耐えられる体づくりが必要だと思っています。元々脚がつりやすいので、フルで出てもつらない体だったり、試合終盤でもプレーの質を落とさないようにできる体力だったり、そういった体の部分を上げていきたいなと思います。

空諒アナリスト(社4=神奈川・横浜緑ヶ丘)

――ベンチから試合を見ていて、振り返っていかがですか

 前半はエースの石嶺選手(東海大)に結構やられてしまっていて少し危ない展開があったかなと思うのですが、後半はそこをしっかりと修正して、代わって出た悠吾がそこを止めてくれたというのが勝因の一つかなと思います。

――選手のインタビューで、データが活きたと聞く機会があります、普段からどのようなことを意識してデータを出していますか

 自分が出したいデータを出したりやりたいことをやったりするというよりは、チームのことを考えて、チームが勝つために必要なデータを出すようにしています。

――具体的には、どのようなデータを出していますか

 自分のチームのことであれば、チームのコンセプトが守って速攻という部分なので、ディフェンスのデータと速攻のデータについては、他の部分より詳しくデータを取るようにしています。

――インカレまで約1カ月ありますが、どのように時間を使っていきたいですか

 組み合わせが出るまでもう少し時間があるので、そこまでにまずは秋リーグの振り返りをしっかりと行って、チームのウィークポイントとストロングポイントを明確にしたいです。組み合わせが決まってからは、初戦以外はどこと当たるかはっきりとはわからないのですが、対戦相手の特徴を可能な限り出していけたらいいかなと思います。

西村悠吾(人1=千葉・市川)

――試合を終えて、今の率直な感想をお願いします

 最終戦、しっかりと勝てて良い雰囲気で秋リーグを終えられたので、インカレにつながるかなと思います。

――後半、相手のエースとのマッチアップがありましたが、どのようなことを意識してディフェンスをしていましたか

 奈音さん(永田奈音コーチ、平30スポ卒=小林秀峰)から、変則的な1-5ディフェンスみたいな感じでとにかく前で当たるように言われていました。パスが来るときには、しっかり上げてパスを入れさせないという話があったので、とにかく高い位置まで上げて、隣の琢磨さん(白築、文構2=東京・早実)と直樹さん(狩野、スポ3=埼玉・浦和学院)のディフェンスを信じて、自分のやるべきことをやろうという気持ちでやっていました。

――シュート確率も高かったですが、その点についてはいかがですか

 試合前にアナリストの方たちが作ってくれた動画を見て、キーパーの止め方をしっかりと見てから試合に入って、考えていたことをしっかりと出せたから入ったのかなと思います。

――秋季リーグでは何度か出場機会がありましたが、ご自身の成長を感じる点はありますか

 今日で言うと、30分通してディフェンスをして、最初の方は良くなかったのですが、最後は修正して良いディフェンスができました。修正できたという点では良かったのかなと思います。

――インカレまでの1カ月間、どのようなことを意識して練習していきたいですか

 僕は試合に出る時間があまり多くないと思うので、出たときにしっかりと結果を出せるように、普段の練習から試合を意識してシュートやディフェンスをやっていきたいと思います。

村松涼雅(商1=岩手・不来方)(と角辻、中惣)

――中惣選手に代わっての出場だったと思います、試合を終えて、今の率直な感想をお願いします

村松 春から他の1年生が試合に出て活躍していて、自分も早く試合に出て活躍したいと思っていたので、今日は前半フルで試合に出て得点も決められたので、最低限の仕事ができたかなと思います。

中惣 本当に?

角辻 最低限で止まっていいのかな?

中惣 最高の仕事、しなくていいの?俺の代わりでいいの?お前はお前じゃないの?最高の仕事しようよ。…これも使ってね(笑)。

――角辻選手と中惣選手とは普段から仲が良いのですか

村松 そうですね、練習後にご飯とかによく連れて行ってもらっています。健友さんは同じポジションなので、その技術的なところも教えてもらっています。

――公式戦初得点がありました、振り返っていかがですか

村松 試合前は、得点を決めるというよりは、監督さん(三津英士監督、平8人卒=久留米工業大附)に上の選手を使うために動くように言われていて、あまり僕にボールは回さないということでした。ただ、試合中に相手のディフェンス的に通せるよねという感じになって、そこでうまく動けたので、率直にうれしかったしパスを回してくれた先輩にも感謝しています。

――ディフェンス面でのご自身のプレーについてはいかがですか

村松 相手の左利きの選手がキーマンだったのですが、大きく回ってシュートを打ってくるのに対して、チェンジで当たろうとか、カバ―で寄ろうということを話していました。完ペキではないのですが、事前に話していたことを先輩に支えてもらいながらできたので、そこは良かったかなと思います。

――インカレに向けて、どのようなことを意識して練習していきたいですか

村松 今日は健友さんがケガで僕が出られたのですが、インカレ中も何があるかわからないので、もしベンチに入れてもらってケガ人とかが出てしまったら、チームの総力を落とさないように、上げていけるように、あと1カ月もっと練習してチームの戦力として成長していきたいと思います。

角辻 健友を抜くぐらい言ってほしかったね。

中惣 そうだね、それじゃあ俺に勝てないよ。

角辻 そうだね、それじゃあ健友に勝てないよ。

中惣 (インタビュー)終わった?

――終わりました!

角辻 ありがとう!

中惣 ありがとうね!ここまで入れておいて、俺らのありがとうまで。

――わかりました、ありがとうございました!