相撲部
2022.09.30
第47回全国学生個人体重別選手権 9月25日 大阪・堺市大浜公園相撲場
栗田、無念の初戦敗退 リーグ戦とインカレでのリベンジへ!
階級別の学生日本一を決める全国学生個人体重別選手権(全国体重別)が堺市大浜公園相撲場で開催された。早大相撲部からは、東日本学生個人体重別選手権(東日本体重別)を3位で通過した栗田裕有(スポ3=新潟・海洋)が無差別級に出場。優勝を目標に臨んだが、押し倒しで悔しい初戦敗退となった。早稲田スポーツ新聞会(早スポ)OBで、6月より相撲部で稽古を積んでいる大貫潤太(政経4=東京・早大学院)も65キロ未満級に出場したが、初戦で西日本王者に敗れた。
反撃を試みる大貫
大貫は相撲部員から勧誘を受けたことをきっかけに、早スポ引退後の6月から稽古を積んだ。東日本体重別では初戦で敗退するも、全国体重別選出トーナメントではフェンシングで培った相手との距離の保ち方、早スポで取材をすることで得た分析力を活かして勝利し、今大会への切符を手にした。最初で最後の全国体重別は、なんと初戦で西日本王者と対戦することに。それでも大貫は「すごくワクワクしたというか、未経験者の自分がチャンピオンを倒したら面白いな」と決して悲観はしていなかった。取組では立ち合いで相手の低い当たりを受け懐に入られると、左の下手と右の前みつを許す苦しい姿勢に。腰を下げ、巻きかえを狙いながら反撃を試みるも、最後は相手に体ごと持ち上げられ、吊り出しで敗れた。初の全国の舞台を終えて、大貫は「本当にこの全国の舞台に上がれるとすら思っていなかったですし、負けてしまったのですがそれでも楽しさとかが勝って」と語った。
取組に臨む栗田
無差別級に出場した栗田は、昨年は115キロ未満級で東日本、全国を制している。連覇を狙うこともできたが、今年は次のステップとして無差別級に挑戦。「優勝するつもりで挑んでいた」と言う栗田は、普段の試合前は部員と一緒にリラックスしながらウォーミングアップをしているが、この日は一人で黙々と準備していた。取組では立ち合いで当たった後やや左に動き、頭を下げて懐の中に入ろうとする。しかし、相手に突き放されて突き押しの応酬に。再び懐に潜ろうと頭を下げて当たったところ、腕をたぐられバランスを崩された。そこを一気に押されて押し倒しで敗退。悔しい初戦敗退に終わった。取組後、栗田は「少し気持ち的な準備や駆け引きの部分とかが上手くいかなかった」と悔しさをにじませた。
10月にはAクラス昇格がかかるリーグ戦、11月にはインカレが控えている。夏合宿を機に結束力を増した相撲部の力を最大限に発揮し、Bクラスから再びAクラスへ返り咲くことができるのか。4年生や「しっかり1点を取ってチームに流れが来るように頑張りたい」と意気込む栗田を筆頭に、部員全員で勝利をつかみ取る姿を見せてくれるはずだ。
(記事・写真 上野慶太郎、横松さくら)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)
――栗田選手の取組はいかがでしたか
本人が一番、負けた原因を分かっていると思います。具体的には、正面ではなく変化気味に行ったと思うのですが、相手もそれが計算済みでした。そこは栗田が直していかないといけない部分かなと思います。もちろんそれで勝った相撲もありましたが。楽して勝つわけじゃないですけど、栗田は別にそういうつもりはないのですが体がやはり反応してしまうというか、もう1回稽古でやり直していかないといけないかなと思います。
――大貫選手の取組はいかがでしたか
本当に大健闘だと思います。おそらくああいう体制には稽古場ではなったことがないので。自分が中に入られるようなことが全くなかったので。
――大貫選手は6月から稽古を積んでいますが、稽古の様子や東日本体重別、今大会での戦いぶりはいかがですか
最初は少し基礎をやっただけでも具合が悪くなったりもしていたのですが、それが積み重ねで段々と基礎がついてきて、体力もついたのかなとは思います。
――現在のチーム全体の状態はいかがですか
夏合宿を9月の上旬に2泊3日でやったのですが、そこでまたチーム力といいますか、3年ぶりに短い期間でしたけどやったことによって意識は変わったと思います。あとは1カ月と少ししかないので、自分たちが積極的にやるだけ。Bからのスタートなので上がっていくのは本当に大変だと思いますし、そこをどうしようかというのはみんなに言っています。チーム状況はそんなに悪くないと思います。
――団体戦でキーマンとなる選手はいますか
やはり栗田、それから一年生の川副楓馬(スポ1=熊本・文徳)、あとは4年生かな。やっぱり4年生には頑張ってもらいたいかなと思いますね。
――最後にリーグ戦やインカレに向けての意気込みをお願いいたします
リーグ戦はとにかくもう1回Aに上がりたいので、人数は少ないですがなんとかAで出られるように頑張りたいと思います。Aに勝つためにはまずはBで優勝しなければいけないので、まずはそこが目標ですね。あとは、インカレに関してはどうしてもAにもう一度返り咲きたいので、ベスト8には入りたいなと思っています。そこは最低限の目標としてやらないといけないかなと思っています。
栗田裕有(スポ3=新潟・海洋)
――大会を終えての率直な感想をお願いします
自分なりに作戦を考えていたのですが、相手はそれに対応するようにちゃんと作戦を考えていて、(作戦を)読まれていたというような点がありました。体のコンディショニングは結構良かったのですが、少し気持ち的な準備や駆け引きの部分とかが上手くいかなかったなという部分がありました。そこをしっかり修正していきたいなと思います。
――今大会はかなり集中して臨んでいると聞いているのですが、何か強い思いがあったのでしょうか
特別な思いというよりは、シンプルに優勝する気持ちで挑んでいたので、そこに関しては集中していたし、「やるぞ」という強い気持ちで挑んでいたというのはありますね。
――今大会での反省はやはり駆け引きの部分ですか
そうですね。駆け引きの部分ですね。あとは、自分自身が気持ちで負けてしまって、しっかり当たれなかったというのも敗因かなと思います。
――今大会を今後に生かすためにどのように取り組んでいきたいですか
今言った部分が自分の弱点であったり、修正しないといけない部分なので、そこをしっかりと考えながら一日一日稽古をして修正して、11月5、6日に大学の中で1番大きな大会のインカレがあるので、そこで結果を残せるように頑張りたいです。
――最後にリーグ戦、インカレに向けての意気込みをお願いします
リーグは負けてしまって2部に落ちたので、2部の選手にしっかり勝つことを目標にしています。団体戦ということもあって自分だけ勝っても(チームは)勝てないので、周りの人たちを盛り上げて、チームとして戦えるようにしたいです。インカレも同じような感じで、自分は勝つのは当たり前と思われている立場だと思うので、しっかり1点を取ってチームに流れが来るように頑張りたいです。
大貫潤太(政経4=東京・早大学院)
――早スポ引退後に相撲を始めて全国大会にまで出場しましたが、周囲の人からの反応はいかがでしたか
家族は自分が相撲が好きということもあって、好意的に応援してくれることが多かったです。友人は前回の早稲田スポーツ新聞会のWebの記事とかを読んでくれて、かなり昔の友人からも応援のメッセージをもらうなど温かい反応が多かったです。
――初めての全国大会を終えての率直な感想を教えてください
一言で言うとすごく楽しかったです。本当にこの全国の舞台に上がれるとすら思っていなかったですし、負けてしまったのですがそれでも楽しさとかが勝って、やって良かったなという感想が強いです。
――相手が西日本チャンピオンと決まった時はどのように感じましたか
すごくワクワクしたというか、未経験者の自分がチャンピオンを倒したら面白いなという意味で結構ワクワクしました。
――今日の取組を振り返っていかがですか
全く自分が予想していなかった体勢になってしまったので頭が真っ白になってしまって、防戦一方になってしまいました。自分が低い姿勢で相手の懐入っていくのは練習していたのですが、逆に相手が自分の懐に入ってくるのは未経験だったので、対応力不足というか経験不足なのかなって感じです。
――最後にリーグ戦への意気込みをお願いします
チームに勢いをもたらせるような激しい相撲をとりたいっていうのと、少しでも白星をあげてリーグ戦のBリーグ優勝に少しでも貢献できたらなと思います。
結果
▽65kg未満級
大貫潤太(政経4=東京・早大学院)
一回戦 ●対那須(朝日大)吊り出し
▽無差別級
栗田裕有(スポ3=新潟・海洋)
一回戦 ●対江連参段(東洋大)押し倒し