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アーチェリー部

2022.09.23

第60回全日本学生個人選手権 9月13日、14日 大阪・服部緑地公園陸上競技場

2年ぶり開催のインカレ 入賞者ゼロに終わる

 大学ナンバーワンアーチャーを決める全日本学生個人選手権が大阪・服部緑地公園陸上競技場にて開催された。昨年は新型コロナウイルス感染症拡大により中止となったため、全日本学生王座決定戦(王座)の予選を兼ねて行われた2020年大会以来2年ぶりの開催となる。早大からは男子6人、女子7人の計13人が出場した。1日目に行われた予選ラウンドでは園田稚(スポ2=エリートアカデミー)が7位、廣木円華(人3=茨城・水戸二)が30位に入り、上位32位が進める決勝ラウンドに進出。2日目に行われた決勝ラウンドでは廣木が1回戦、園田が準々決勝で敗退し、早大勢からは入賞者ゼロで終わる結果となった。

 日本中の大学生アーチャーの精鋭が集うこの大会。3度目の出場となる矢原七海(スポ4=福岡・柏陵)、2年前に初出場を果たした中野勇斗(商4=東京・早大学院)、浦田大輔(基理4=東京・早大学院)、髙見愛佳女子主将(スポ3=エリートアカデミー)の4人を除いた9人が初出場と早大から出場する面々にはフレッシュな顔ぶれが並んだ。

現役男子最高点を記録した山下

 初日の行われた予選ラウンドは1人72射が与えられ、その合計点の男女それぞれ上位32名が翌日の決勝ラウンドに進むことができる。「自分が思っていたよりもインカレに緊張していた」と廣木が語った独特の緊張感の中、1エンド目で50点を超えたのは園田だけと、実力者揃いの早大女子が思わぬ苦戦を強いられる。それでも2エンド以降に持ち直し、徐々に順位を上げた廣木が30位に滑り込み、着実に得点を重ねた園田と共に予選通過を果たした。一方の男子は前主将の中野勇斗(商4=東京・早大学院)、8月の関東学生個人選手権で3位に入った浦田大輔(基理4=東京・早大学院)、そしてインカレ初出場の山下健友(スポ2=愛知・東海)が一時は予選通過圏内に入ったものの、最終的には上位32位に入れず。早大男子は全員が予選で姿を消すこととなった。

予選では徐々に順位を上げた廣木

 2日目の決勝ラウンドはトーナメントによって争われる。1試合の勝敗はオリンピックラウンド制(※1)によって決められる。廣木は予選3位の桝岡千乃(近大4年)と対戦。「いつもの自分の射ち方ができなかった」と振り返ったように普段の安定した行射が鳴りを潜め、0-6で初戦敗退となった。一方、園田は1回戦で昨年の全国高校総合体育大会で個人準優勝を果たした真柄結衣(近大1年)相手に危なげなく勝利を収めると、続く2回戦では3エンド全てで30金をマークし、上田愛奈(近大3年)相手にストレート勝ちを収めた。準々決勝で対戦したのは園田と同じくナショナルチームメンバーで、予選を2位で通過した居樹佳奈江(近大4年)。園田は最初の2エンドを連取され、窮地に陥るも、続く2エンドを奪い返し、試合を振り出しに戻す。勝負は第5エンドまでもつれたものの、このエンドで29点を記録した居樹に及ばず。優勝候補にも挙げられていた園田は準々決勝で涙を呑む形となったが、優勝した居樹から最もポイントを奪った選手となり、初のインカレで確かな爪痕を残した。

決勝ラウンドで行射する園田

 早大からは総勢13人が出場した今大会だが、2020年大会で準優勝した中村美優氏(令4スポ卒)以来となる入賞者輩出とはならなかった。しかし、「大きな大会になると自分が力を出せないことであったり、決勝トーナメントで力を発揮することができなかったりといったことがわかった」と廣木が振り返ったように、初の個人での全国大会となる選手が多かった現役の選手たちにとって今回のインカレで1人のアーチェリー選手として学べたことは大きいだろう。新チームの主力を担うことが嘱望される今回のインカレ出場選手には多くのトップクラスのアーチェリー選手に触れた経験を活かし、個人として大きく成長することが期待される。さらに、今後はチームとしての団結を深める定期戦シーズンを迎える。来年の関東学生リーグ戦優勝、そして、悲願の王座制覇に向け、鍛錬の秋、冬が始まる。

※1 1セット3射のセット制でそれを最大5セット行う。各セットで得点の高い選手が2ポイント、同点の場合は共に1ポイントを獲得し、先に6ポイントを獲得した選手が勝ちとなる。

(記事 星野有哉 写真 髙田凜太郎、星野有哉)

※掲載遅くなり、申し訳ありません

結果

▽男子

◇予選ラウンド ※上位32名が決勝ラウンドへ進出

浦田 38位 602点

山下 59位 590点

丸尾 75位 583点

山本 90位 572点

中野 94位 570点

杉田 96位 569点

▽女子

◇予選ラウンド ※上位32名が決勝ラウンドへ進出

園田 7位 630点

廣木 30位 591点

矢原 41位 579点

髙見 44位 577点

塚本 64位 549点

廣瀬 73位 538点

渋谷 74位 538点

◇決勝ラウンド

1回戦

〇園田6-0真柄(近大)

●廣木0-6桝岡(近大)

2回戦

〇園田6-0上田(近大)

準々決勝

●園田4-6居樹(近大)

◇最終結果

園田 7位

廣木 17位

コメント

浦田大輔(基理4=東京・早大学院)

――2年ぶりのインカレとなりましたがいかがでしたか

 全日(全日本ターゲット選手権)出られなかったらこれが最後の70(メートル)の試合にのるので、アーチェリー7年間やったんだなという気持ちです。

――射を振り返って

 全体的にさえない感じでしたね。体力関係なしに矢がどこ行くかがわからなくて、感覚がいまいちでしたね。最後(のエンド)でやらかしてしまって、予選落ちとなってしまって悔しいです。内心「予選は通るだろう」と思っていたところがあったので……。甘くなかったですね。でも楽しかったです。

――矢がどこ行くかがわからないというのは

 風もたまに吹いていたのですが、たまに風が吹くと(風向きが)一定じゃない分、「今のがそっちいっちゃうの?」となって惑わされてしまうので、それも相まってわからなくなってしまいました。射型も「どういう風に引いていたっけ」となってしまって。アーチェリーの奥深さを感じました。

――3週間前の関東学生個人選手権と比べていかがでしたか

 体力が落ちたと言えど、あまりコンディション的には変わりませんでした。風と感覚が狂ってしまって点数が伸びませんでした。

――今後の競技予定は

 全日が通ったら、今回のことを反省してしっかり練習を積んだ上で臨もうと思います。インドアまで出るかは未定です。

山下健友(スポ2=愛知・東海)

――どのような目標で臨みましたか

 自分の実力的にはベストを尽くせば予選を通れると思っていたので、予選通過を目標にしていました。

――中盤崩れてしまった場面があったがその原因は

 前半に苦手意識があって、メンタルに(原因が)やはりあるかなと思います。立て直すのに3立かかったのがかかり過ぎかなというのがあって、そこが1立とかだったら予選を通れた点数になったと思うので悔やまれます。

――終盤に盛り返しましたが

 緊張感も抜けましたし、後半は苦手意識があまりないので自信を持って臨めたかなと思います。

――今回の結果をどのように受け止めていますか

 前半でのメンタルの弱さであったり、それでフォームが崩れることがあるので、これからの定期戦シーズンで緊張した場面でもちゃんと射てるように練習していきたいと思います。

――今後への意気込みをお願いします

 今回のインカレも6人中4人が4年生ということで、(現役は)僕が引っ張っていかないといけないと思っているので、自分の点数も上げつつ、チームの点数も上げられるように頑張っていきたいと思います。

廣木円華(人3=茨城・水戸二)

――初のインカレはいかがでしたか

 まずは目標であったトーナメント(決勝ラウンド)に残ることができて嬉しいです。でも、昨日は自分の射ち方が全然できなくて、予選通るのがギリギリになってしまい、トーナメントの初戦で強い相手と戦うことになってしまったのて、来年はもっといい順位で残りたいです。

――予選の最初のエンドが振るいませんでしたが

 思ったよりもすごく緊張していました。いつも通りにとは思っていて、最初の入りはいつも通りの試合と一緒だったのですが、体が思ったより動かなくて、震えたり緩んだりしてしまいました。それで2点を射ってしまい41点になってしまいました。自分が思っていたよりもインカレに緊張していたのだと思います。

――そこからは立て直した印象がありますが

 前半は41点もあってなかなか伸びなかったのですが、後半は切り替えていつも通りの点数に戻せたので、及第点という感じです。

――改めて予選の順位はどのように捉えていますか

 予選を通れたのはよかったです。後半の途中でボーダーに乗ったと聞いたので、もっと安心して通れるくらいいい点数を射てるようになれるといいなと思います。

――決勝ラウンドを振り返って

 昨日よりも緊張していたので、気をつけるポイントを一つに絞って射っていたのですが、いつもの自分の射ち方ができず、1ポイントも取れなかったので、そこは反省しています。

―気をつけるポイントとというのはどのような点でしょうか

 引き込みが甘くなってしまうので、ちゃんと強く引くというのを気をつけていたんですけど、押し手がすごく震えてしまって、弓が真っ直ぐ飛ばなかったです。

――インターハイとの違いにはどのようなものを感じましたか

 インターハイはインカレよりも決勝トーナメントに進める者の点数に幅があるので、1回戦は楽々に勝てることもあるのですが、インカレは決勝トーナメントに上がれる点数が高いので、レベルの高さを感じました。

――王座の予選とインカレの予選の違いはどのように感じましたか

 王座は4人しか出られないので、大学の代表という思いがすごく強かったのですが、インカレは大学の代表というよりは自分が勝ち上がりたいという自分の思いが強かったので、そこで目標の立て方が違うのかなと思いました。

――今後への意気込みをお願いします

 今回で大きな大会になると自分が力を出せないことであったり、決勝トーナメントで力を発揮することができなかったりといったことがわかったので、もっともっと総合的に力をつけて、練習をたくさんして挑みたいと思います。

園田稚(スポ2=エリートアカデミー)

――初のインカレはいかがでしたか

 久しぶりの全国大会だったので、楽しくアーチェリーできたかなと思います。

――予選を振り返って

 11月の(ナショナルチーム)選考会に向けて最近弓を変えて、調整している最中だったので、しっかりバランスよく射つということを特に意識していました。ミスも多くあった試合ではあったのですが、ちゃんと射てる場面も多くて、これからの試合につながるいいものになったと思います。

――7位という予選の順位をどのように捉えていますか

 32位に入れるかなという感じに思っていたので、その中で7位に入れてよかったと思っています。もっと本当は上の順位を狙いたいと思っているので、来年は1位を目指して頑張りたいと思います。

――勝利した決勝ラウンド2試合を振り返って

 2試合とも得点のムラがあったのですが、安定して射てた場面も多く見られたので、世界大会でも活躍するために、良く射てたものをしっかり振り返りたいと思います。

――準々決勝を振り返って

 自分のミスも目立つ場面があって、大事なところで決め切れる選手にまだなりきれていないので、次のトーナメントでは最初から高得点を出せるようにしたいです。

――決勝ラウンドでは相手にスコーパーがいて相手の得点がわかる状況でしたが

 相手の得点が分かってても落ち着いて射てた試合でした。

――今後への意気込みをお願いします

 しっかり自分の精いっぱいを出せるように練習や調整を行って試合に臨みたいと思います。