ハンドボール部
2022.08.25
関東学生秋季リーグ展望 8月27日~10月2日 東京・国士館大学多摩キャンパス体育館ほか
関東学生秋季リーグ展望
8月27日から、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)が開幕する。11月の全日本学生選手権(インカレ)に向け、試金石となる重要なリーグ戦だ。早大は、ベスト4を最低ラインとして、優勝を目標に掲げる。インカレ前最後の実戦となる今大会で結果を残したいところだ。
関東学生春季リーグ(春季リーグ)は、5勝4敗で5位に終わった早大。大差で勝利する試合があった一方で、接戦を落とすことも多かった。課題として挙げられたのは、試合終盤の体力不足によるミスの多さだ。守備から速攻での得点を狙う早大にとって、運動量の維持は不可欠となる。この夏はコロナの影響で練習できない期間があったが、体力面の強化を重視して練習に励んできた。秋季リーグでは最後まで足を動かし、持ち味である「堅守速攻」を発揮して白星を重ねたい。
練習後に話し合いをする選手たち
早大オフェンスをけん引するのは、高い得点力を誇る山田和直副将(スポ4=群馬・富岡)。鋭いカットインとミドルシュートを武器に相手ゴールを陥れる。同じく4年生の神前怜(スポ4=埼玉・浦和実)も得点源になるだろう。サイドシューターとしての活躍もさることながら、スピードを生かした速攻にも期待がかかる。下級生の注目株は、白築琢磨(文構2=東京・早実)と外種子田崚汰(スポ1=鹿児島・国分)。白築は自らシュートを決める場面も多く見られるが、攻撃の起点としての役割も担う。得意のパス回しで味方を生かせるか。外種子田は、1年生ながら春季リーグで堂々としたプレーを見せ、チームに貢献した。左手から放たれる高精度のシュートに注目だ。
後輩を指導する山田
ディフェンスの中核は、永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)。主将としてはもちろんのこと、守備の要としてもチームを引っ張る。その永橋主将が「ハンドボール偏差値が非常に高い」と評するのが、田井健志副将(スポ3=香川中央)。ディフェンスの体型を問わず高いパフォーマンスを発揮し、堅守に貢献する。さらに、GK塚本智宇(スポ3=富山・高岡向陵)からも目が離せない。春季リーグでは安定したキーピングを見せ、勝利を手繰り寄せた。秋季リーグでも粘り強く相手の攻撃を防ぎ、早大に流れを呼び込めるか。持ち味である速攻を軸に試合を展開するためにも、堅い守りで主導権を握りたい。
仲間に指示を出す田井
初戦の相手は、春に1点差で敗北を喫した法大。リーグ制覇のためには、接戦をものにできるかどうかが大きなカギとなる。まずは初戦を勝利で飾り、幸先の良いスタートを切りたいところだ。集大成のインカレに向け、実りの秋となるか。早大の戦いぶりに注目だ。
(記事 澤崎円佳、写真 宮島真白、栗田優大、澤崎円佳)
コメント
ディフェンスをする永橋
永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)
――関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)開幕直前ですが、今のチームの雰囲気はいかがですか
チームとしてはあまりまとまっていないですね。というのも、7月の後半にコロナの陽性者が何人か出てしまい、練習が2週間くらいできませんでした。体力や今まで練習してきたことが落ち込んだ中で、8月の前半に合宿があったのですが、体力を戻すのがやっとみたいな感じになってしまいました。自分たちが完成させたいと思ってやってきたことが、今は発展途上かなという感じです。発展途上なのでいろいろな意見が出てきてまとまっていないのですが、意見交換が活発という意味では、ある意味良いチーム状態だとも思います。ただまとまりという意味では、試合前としてはどうなのかな、という感じです。
――夏に強化したポイントはどこですか
コロナで夏前半がうまくいかなかったので、やはり体力という面に重点を置いていました。人数が少なくて走るチームなので、体力面は重視してやっています。あとはディフェンスです。今までやってきたものだけではなく毛色を変えたディフェンスも必要だということで、立体ディフェンスを取り入れて練習しています。
――チームの春から成長した点はどこですか
得点力が上がっているかなと思います。元々、僕らは得点力が低いからディフェンスから速攻を頑張ろうということを言っていたのですが、合宿を通してどんなチームからも得点をしっかりとることができていて、速攻とセットオフェンスのどっちも良くなってきていると思います。
――課題はどのようなところですか
課題を挙げたらキリがないのですが、やっぱり体力です。人数の少なさや層の薄さが今の早稲田の弱点で、誰かがケガしたらもう代わりがいない、誰かが後半疲れてきても誰も替えがいないとか。そういったところで、スターティングメンバーの体力、他のメンバーの実力アップが課題なのかなと思います。
――春からの成長を感じる選手は誰ですか
僕としては、外種子田(崚汰、スポ1=鹿児島・国分)と角辻(尚樹、スポ4=奈良・畝傍)ですかね。崚汰は、小中高と強いチームでプレーして全国でも活躍した選手で、僕らの中でも貴重な左利きの選手です。春リーグ(関東学生春季リーグ)でも活躍してくれたのですが、たくさん出すことはできませんでした。最近はディフェンスとそこからの速攻も良くなっていますし、シュート精度もすごく良いので、慣れもあるかもしれないですが、成長しているかなと思います。角辻は、とても成長したなと思っています。春リーグでリーグ戦初得点を挙げたのですが、サイドとしてもそこそこの精度で決めますし、速攻やバックチェック、ディフェンスに関してもガッツをもってやっているので、今の早稲田らしい選手だなという感じがします。強豪校の出身ではないのですが、そんな中でも1部リーグで自分を表現できている感じがしていいなと思います。
――秋季リーグのオフェンス面での注目選手を教えてください
オフェンスは、神前怜(スポ4=埼玉・浦和実)ですね。僕が勝手にそう思っているだけかもしれないのですが、他大からプレースタイルが一番嫌われている選手だと思います。サイドシューターとしても割と決めてきますし、すばしっこいので。よくやるのが、相手の退場を誘うプレーとか。背が低くてフェイントが速いので、手を出している大きな相手選手と当たって神前が倒れると、相手は退場になってしまいます。彼の小ささとすばしっこさは圧倒的な武器だと思います。あとは、速攻の出だしのスピードです。めちゃくちゃ速いです。神前が走り始めたら追いつける選手はいないので、そういった面で他大に嫌がられていると思います。僕らにとっては速攻の要になっていると思います。
――ディフェンス面での注目選手を教えてください
ディフェンスは、健志(田井健志副将、スポ3=香川中央)です。彼は、ハンドボール偏差値が非常に高いです。1-5みたいな立体ディフェンスのときにトップをやってくれているのですが、何だろう…。普通にうまいんですよね(笑)。高校で三冠したときもトップをやっていて、1-5のトップもうまいし、0-6に下がったときの2枚目もすごくうまくて。しかも両2枚目ができますし、一対一も守れてフリースローも取れて、ディフェンスにおいていろいろなことをこなしてくれるので、早稲田のディフェンスを支えてくれているなと思います。
――秋季リーグの目標を教えてください
目標は優勝、最低ベスト4以上です。ベスト4にいくとインカレのシード権がもらえるので、そこはいきたいなと思います。ただ、狙うべきは優勝です。さっき、まとまっていないとか層が薄いとか言いましたが、決して優勝を狙えないわけではなくて。春リーグでも今回の合宿でも、どのチームともしっかり競ることができています。僕らは一昨年から1点差に泣く試合が多いので、そこにこだわっていけば優勝も狙えると思っています。
――最後に、秋季リーグに向けて意気込みをお願いします
僕にとっても最後のリーグ戦で思い入れもあるので、4年生が中心になって早稲田らしさをしっかり体現していきたいなと思います。