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ヨット部

2022.07.07

関東学生個人選手権スナイプ級・470級 6月25、26日・7月2、3日 江の島ヨットハーバー

安定した強さを見せて全国へ なおも成長の余地を残す

 燦燦(さんさん)と照りつける日差しの下、江の島で全国への切符をかけた関東個人選手権が開幕した。6月最終週にはスナイプ級が、7月初週には470級がそれぞれ開催。スナイプ級では5艇中4艇が、470級では6艇中4艇が全日本個人選手権への出場権を手にした。

 終日強風の予報であったスナイプ級初日、一度は出艇をしたもののやはりノーレースに。続く2日目でもまさかの1レースのみを終えての閉幕。「早稲田大学の代表として海に出ている以上は勝ちを持って帰ってくる役目がある」と熱を見せた服部陸太(スポ2=神奈川・鎌倉学園)率いる服部・大野誠真(社2=東京・国学院久我山)組が2位、白石誉輝(スポ3=神奈川・深沢)・青柳健佑(法3=早稲田佐賀)組が3位と安定した強さを見せるも、首位は中大に譲る結果となった。たった1レースのリザルトで出場権が決定するという緊張感のある状況となったが、4艇が出場圏内に入った。この結果に対して、スナイプリーダーである大久保優輝(創理4=東京・早実)は「他大学に対しても、強風時の早稲田の総合力を証明できた」と語った。

出艇直後の大久保・河﨑元紀(スポ3=神奈川・鎌倉学園)組

 翌週に行われた470級。初日は4レースを終え、倉橋直暉(スポ4=福岡・中村学園三陽)・松山大祐(創理1=神奈川・逗子開成)組が4位、安永昂生(スポ1=上智福岡)・田中丸武(商3=早稲田佐賀)組が5位につけた。今大会を「初陣」だとする松山、そして470リーダーである倉橋のペアは迎えた2日目、3レースをそれぞれ2位、1位、3位とする好成績を残す。総合順位を2位に押し上げて全国へと向かうこととなった。対する安永・田中丸組は、安永が印象に残っていると挙げた最終レースで無風地帯に捕まり順位を大きく落とす。それでも総合10位と、ルーキーながらチームを盛り立てる走りを見せた。

レースを終えハーバーに帰る470級の選手たち

 スナイプ級が異例の1レース開催となった一方で470級は7レースを終えるなど、まさに「不確実性が高いセーリング競技」(服部)が体現された今大会。全日本への出場権を手にしたことに安心感を見せつつも、各クラスリーダーをはじめとする4年生はチームのさらなる伸びしろをうかがわせた。ルーキーたちもだんだんとチームの中心となってきている様子である。早大ヨット部はこれから全日本個人選手権、そして連覇を見据える全日本学生選手権(全日本インカレ)に挑む。しかし、まずは今週末に控える伝統の早慶戦だ。5月に王座を明け渡した関東春季学生選手権(春インカレ)のリベンジへ。因縁の相手に勝利を誓う。

(記事 宮島真白、写真 小澤慶大、栗田優大、宮島真白、野中美結)

結果

 
▽スナイプ級
服部・大野組 2位
白石・青柳/鶴岡組 3位
大久保・河﨑組 9位
桔川・根本組 10位
河田・中尾組 54位
 
▽470級
倉橋・松山/高田組 2位
石川・吉本組 6位
安永・田中丸組 10位
飯田・吉野組 16位
青山・金子組 21位
藤村・藤倉組 29位

コメント

スナイプ級スキッパー 大久保優輝(創理4=東京・早実)

――本日のレースを振り返って

サバイバルゴンディションでしたが大きなトラブルなく、全日本個人戦(全日本個人選手権)の出場圏内に入れてほっとしています。大会2日間、コンディションが悪く一発勝負となりました。通常ヨットは自然相手のスポーツで不確定要素が高いため、4~8レース程の合計で順位が決まります。しかし今回は1レースのみとリスクの高い大会になりました。85艇出場する中、大きなトラブルにも巻き込まれず、出場圏内の18位以内に入れて良かったです。ただ優勝が目標だったので、簡単なミスで順位を落としてしまい悔しいです。昨年の関東個人戦(関東個人選手権)2位から9位まで落としてしまい、後悔があるのでこの思いは全日本個人戦で晴らします。

――スナイプリーダーとして今回のスナイプ個人選全体を振り返って

早稲田4艇上位10艇に入り、全日本個人戦の出場権を獲得できました。夏合宿に向けて弾みをつけられたと思います。他大学に対しても、強風時の早大の総合力を証明できました。ただ慶大・中大相手にどんなコンディションでも勝てるチームができあがっているとは全く言えません。夏合宿前までに早稲田各艇の実力が遜色(そんしょく)ないチームをつくり、夏合宿、チーム内で互角に戦える競争環境をつくることが目標です。慢心することなく、圧倒的に強いスナイプチームをつくりあげられるよう精進します。

――先月の春インカレを2位で終えての今大会でしたが、どのような意気込みで臨みましたか

春インカレで慶大に負けて全員非常に悔しい思いをしました。ただこの悔しさをバネに、今大会には全艇気合いを入れていました。サバイバルコンディションで危険性があったものの、良い緊張感で冷静に戦い切れたと思います。スキッパー陣は全員学年が異なるのですが、オフに遊んだりする程、親しい仲です。どうしたら全日本インカレで勝てるか、早大に足りないことなどを気軽に話す機会もあります。今年のスナイプチームの強みは後輩の知恵や考え方が生きていることだと思います。学年問わず相互研鑽し、次の秋インカレ(関東学生秋季選手権)団体戦では確実に優勝できるように、細かい要素を指摘し合い、緊張感のあるチームを作っていきたいと考えています。また、春インカレは早大自らがリコール(※1)やケース(※2)を起こし、敗戦しました。春イン(カレ)後、ケースやトラブルについては今まで以上に徹底しています。まだ私自身もケースやトラブルは多いので、お互い細かい部分を詰めていく必要があります。

――今後への意気込みを聞かせてください

来週関東スナイプ(級選手権)、再来週早慶戦とレースシーズンが続きます。早慶戦で優勝し、夏合宿で良いスタートを切れるよう勝ち切りたいです。目先の目標を一つ一つ達成し、11月の全日本インカレ優勝に貢献します。

 
※1 フライングした際に、再スタートのために呼び戻すこと
※2 レース中の事件、ルール違反などによって抗議の対象になる出来事

スナイプ級スキッパー 服部陸太(スポ2=神奈川・鎌倉学園)

――本日のレースを振り返って

1レースしかできませんでしたが、順当に運んでいけたかなと思います。スタート前のレースの雰囲気、コース展開の仕方の想像がしっかりとできていて、落ち着いてレースを終えることが出来ました。

――1レースのみでの関東個人選手権閉幕となりましたがそれについては

不確実性が高いセーリング競技はレース数をこなしてこそちゃんと選考ができることは確かだと思います。しかし、1レースしかできない状況で、目の前の1レースをしっかりと走って帰ってきたのは、成績表を見返すと実力のある選手ばかりでさすがだなと思いました。今回このようになってしまったのは、運営の不手際という声が上がっていますが、それをも味方につける選手になりたいと感じたレガッタでした。

――土曜日は午後になりノーレースが決まりましたが、どのような意識で日曜日を迎えましたか

正直、大会前日の時点でレース数が少なくなることは容易に想像できたので、1日ずれただけだと特に変化はありませんでした。ただ個人戦とは言え、早稲田大学の代表として海に出ている以上は勝ちをもって帰ってくる役目があるので、その部分でのプレッシャーは強く感じていました。

――今後に向けた意気込みをお願いします

全日本個人戦まではあと2ヵ月しかないので、そこで優勝するためには何をしなくてはならないのかを良く考えて、絶対に優勝し、チームに勢いをつけたいです。

スナイプ級スキッパー 桔川翔太郎(政経1=イギリス・ACSインターナショナルスクールヒリンドン)

――本日のレースを振り返って

今大会の目標はまず全日本個人選手権への出場権を勝ち取ることだったので達成できて一安心です。非常に不安定なコンディションの中、限られたレースしかできないということで、確実にリスクのないレースをしようという意識がこの結果につながったと思います。しかし満足のいく内容、順位ではなかったのでまだまだ伸びしろを感じるレースとなりました。

――土曜日はノーレースとなってしまいましたが、その時の気持ちは

予報通りのコンディションとは打って変わって想定外の展開となりイレギュラーなことが多々起こる1日でした。レース数が少なくなればそれだけ巻き返すチャンスもなくなるということなので最初から順位を崩してはいけないというプレッシャーは感じていたと思います。それでも日曜日1レースだけでも絶対に決め切るぞという前向きな気持ちに切り替えられました。

――早大ヨット部の雰囲気は

個性豊かな部員が揃っていて楽しく、1年生にとっても居心地の良い雰囲気があります。お互いが意見を言い合えたり高め合えたりする環境を先輩方が作り出してくれていて部訓にもある『相互研鑽』が体現されていると感じます。一方で、チームとしてもっとまとまりがあれば今後団体戦が行われる中でさらに良い雰囲気を作り出せるのではないかと思います。

――今後に向けた意気込みをお願いします

まずは今回出場権を獲得した全日本個選で結果を残すことです。今大会は保守的でなかなか攻めたレースができなかったので、次は挑戦者として果敢に攻めて表彰台に立てるように成長していきたいです。そして最終的には全日本学生選手権で総合優勝に貢献できる選手にまで上り詰めます。

470級スキッパー 倉橋直暉(スポ4=福岡・中村学園三陽)

――2日間を通して率直な感想は

もっと実力が発揮できたなと思うシーンがあって、全体を通せばすごく悔しい2日間だったのというのが今の気持ちです。ただ、全日本個人戦に向けて、予選突破という最低限の結果が残せたので安心しています。

――470リーダーとして今大会全体の感想は

全体は6艇中4艇が通過したのですが、そこは全く満足していなくて、全艇突破というのを目標に掲げていたので、残念な気持ちです。僕の不甲斐なさというか、その目標に導けなかったというのがあったので、今自分でもなんでそうなってしまったのかなというのと、もっとできることがあったのではないかというのはとても思っています。

――特に印象に残っているレースは

今日の2レース目なのですが、スタートを少し下から出て、即タック(※3)で一気に抜け出して、大分差をつけて1位になれたので、それがとても気持ち良かったです。

――春インカレを2位で終えての今大会でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

まずはリベンジすることです。日大がいなかったのですが、日大に勝つことにシフトしてやっていました。春イン(カレ)の悔しさは絶対晴らしてやろうというのは全員が統一して思っていて、そこは慶大に対してはクリアできたのですが、日大に対してはまだ全然劣っているので、まだ思いは晴らせていないというか、悔しい気持ちが大きいです。

――今後の目標は

まずはしっかり初心に帰ることです。現状だと、470チームとして日本一のチームかと言われたら、そうではないと思うので、まずこのレースを終えて、個々の反省とチームとしての反省をしっかり明確にすること、そこからどんなレース方法が良いかというのをみんなで考えていきたいです。8月から夏合宿で練習の日々が始まるので、そこで全員でレベルアップしていければと思っています。8月の活動が肝心で、全日本インカレや全日本個選の結果に大分直結するので、質を高めるために、これまでの反省をしっかりして、改善点を明確にしてから練習したいなと思います。

 
※3 タッキング 風上に向かって方向転換し、風が吹いてくる方向をこれまでとは逆側の舷に変えること。

470級クルー 松山大祐(創理1=神奈川・逗子開成)

――今大会の率直な感想を聞かせてください

僕は1年生で、4年生の直暉さん(倉橋直暉、スポ4=福岡・中村学園三陽)と乗ったのですが、周りと競っている時に周りの船と比べて自分の未熟さを感じました。直暉さんはうまいのですが、僕は乗りはじめたばかりなので動作で差が出たり抜かれたりしているなというのがあって、そこは悔しかったですね。

――具体的にはどのような動きで差がついたなと感じましたか

ランニングといって風下に向かっている時にスピン(※4)を張るのですが、昨日は風が強くて波もあったので、そのスピンのトリム(※5)が追いつかないということがありました。

――リーダーである倉橋さんと組んでみていかがでしたか

どんな局面でも周りを見れていて、風も見れてるので頼りきっちゃってます。頼ってばっかりですね、本当に(笑)。全部任せっきりで、まだ自分は自分のことに集中しています。

――そういったことを踏まえて、これから頑張っていきたいところはありますか

風を見たり、相手艇に対してのポジション取りだったりいろいろあるのですが、それは一旦直暉さんに任せて、自分はとりあえず動作に集中して今回の夏合宿で頑張っていこうと思ってます。

――入部からまだ数ヵ月ですが、いかがですか

僕は乗り出したのがほんとに最近で。高校の時にヨット部でやっていたのですが、1年浪人していて1年間ブランクがあって、3月から10キロ減量したんですよ(笑)。10キロ痩せてやっと乗れたので、6、7回練習して今回レースに出させていただいて、初陣という感じです(笑)

――部の雰囲気はどうですか

みんな楽しいですね。みんな明るくて楽しみながら、やる時はちゃんとやっています。

――今後の目標をお願いします

(全日本)インカレ優勝の戦力になれるような人材になりたいです。

 
※4 スピネーカー 追い風用のセール
※5 セールの調節

470級スキッパー 安永昂生(スポ1=上智福岡)

――今大会の率直な感想を聞かせてください

今大会の目標としては全日本(個人選手権)の(ための)予選の通過だったのですが、それは何とかクリアできていそうなのでそれが素直に一安心です。早大内の先輩や他大学の先輩の艇にも予想以上に食らいついていくことができたので、それは収穫でもありますし、うまい選手と近くで走ることでそこから課題点っていうのも見えたので良かったです。

――具体的に課題というのは

いつもより速い選手と走っている分、今までは遅い選手と走っていて自分が強みだと思っていたところもそれは普通であると分かりました。例えば、追い風で走るランニングというレグ(※6)があるんですけど、そこで僕は強みだと思っていたのですが、今大会でたまたま前を走った時に全然前に出られなくて逆にそこで抜かれるっていうケースがあったので、そこは基準を高く持って練習に取り組まないといけないなって思いました。あとはこれまでは中盤で埋もれつつレース展開をすることが多かったんですけど、上位で走っていると周りに艇がいない状態で自由に走ることができて、そういう状況だったらしっかり自分の走りができ、スピードでは向かい風の上りレグでは上位の選手に負けていなかったので、そこは自分の強みが分かったのかなと思います。

――特に印象に残っているレースなどはありますか

昨日と今日の最終以外のレースの記憶が飛んじゃっているんですけど、今日の最終レースも結構印象的で、レースの終わり3分の1くらいまでは上位で走っていたんですけど、僕の艇だけ無風地帯みたいなちょっと凪っているところに入ってしまって、フィニッシュが30番くらいまで落ちてしまって。そこは結構雲の流れだったりとか海面の濃さだったりとかを見れば避けられたのかなと思ったのでそういうのもあるんだなと思ったのが印象的でした。 

――部の雰囲気はいかがですか

楽しいですけど、まぁミーティングがちょっと長いです(笑)。ミーティングはちょっと長いですけど、楽しいです(笑)。 

――部員の方々とは仲良くなられましたか

一応立場上は先輩なので敬意は払いつつも、普段の合宿所生活ではみんな仲良くやってます。 

――今後の目標や意気込みをお願いします

11月に全日本インカレ団体戦が開催され、それの優勝を目標に部として動いているんですけど、それに270級、スナイプ級って2種目あって、僕は470級チームのレギュラー3艇の中に入ること、レギュラーで出場して優勝に貢献することと、もう一つは今回が予選だった全日本個人戦が9月の頭にあるんですけど、それで入賞することです。

 
※6 真後ろから風を受けて走る区間のこと