バレーボール部
2022.06.25
東日本大学選手権 6月24日 神奈川・小田原アリーナ
接戦となるがアクシデントにも見舞われ敗戦 3位で東日本インカレを終えた
今季初のダブルヘッダーというタフなスケジュールの中行われた東日本大学選手権3日目。1試合目で明大に勝利した数時間後、早大は準決勝で筑波大と対戦した。第1セットから相手に主導権を握られ、なんとか食らいつくも逆転できずセットを先取される。第2セットは終盤にブレイクを重ねて奪い、試合を振り出しに戻した。しかし、第3セットを4回のデュースの末落とし、再びセットカウントでリードを許すと、そのまま第4セットで追い上げられなかった。接戦の末、セットカウント1ー3(23–25、25–20、27–29、23–25)で準決勝敗退となった。
第1セットの序盤、相手に鋭いスパイク決められ、いきなり点差を広げられる。一時は9ー15と6点差をつけられたが、そこから重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田)のスパイク、山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)の相手の正面を突くサービスエースなどで4連続得点をし、追い上げを見せる。伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園)や水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)のブロックでさらに点差を縮めると、重藤が落ち着いてプッシュ攻撃を決め、20ー19と勝ち越しに成功。しかしその後、相手のクイックやスパイクに苦しめられ、接戦の末このセットを落としてしまう。続く第2セットも流れを引き寄せられず、試合を優位に進めることができなかった。だが17ー18で迎えたセット終盤。相手の反則や力強いブロックなどで4連続得点。最後も水町のサービスエースやリベロの荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西)のブロックフォローが効き、またも4連続得点。25ー20で第2セットを奪った。
積極的な声かけでチームを支えた荒尾
第3セット序盤は、3枚ブロックや水町のバックアタックで得点を重ねた。だが9ー7の場面、サーブレシーブの乱れやミスが目立つように。そして一気に10ー13と突き放され、流れは完全に筑波大へ。その後一進一退の攻防が続き、18ー20、ここで荒尾がチームを救う好レシーブをみせ、得点に貢献すると逆転に成功した。しかし、焦りが見られてしまい、サーブミスやスパイクアウトで得点を献上するとデュースにもつれ込む。両者譲らず4回のデュースとなるが、最後は自らのミスを吐き出し、第3セットを奪われた。第4セットは水町がバックアタックやスパイクで躍動し、筑波大に食らいつく。しかし荒尾と山田が同時に足をつるアクシデントが。それでもチーム全員で戦い抜き、接戦となるがブロックアウトを決められ試合終了。僅差をものにできず、セットカウント1ー3で敗戦となった。
攻撃的な姿勢で得点を量産した水町
接戦となった準決勝、『チーム力』の部分で筑波大に勝れなかったことが敗北につながったと選手たちは振り返る。「線でつながれないというか、最後の25点目までつながれないところがある」(岩本主将)、「自分たちは個でやってしまっている」(山田)。春シーズンを経て、『チーム力』やまとまりの部分に課題が残った。それでもここまで戦い抜いてきた早大なら、きっとこの試練を乗り越え、大きなチームを形づくっていけるだろう。秋に向けもう一段階レベルアップするべく、鍛錬の夏が始まる。
(記事 臼井恭香、写真 山田彩愛)
セットカウント | ||||
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早大 | 1 | 23-25 25-20 27-29 23ー25 |
3 | 筑波大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西) アウトサイドヒッター 山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘) ミドルブロッカー 岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎) ミドルブロッカー 伊藤吏玖(スポ3=東京・駿台学園) オポジット 重藤トビアス赳(スポ4=神奈川・荏田) セッター 前田凌吾(スポ1=大阪・清風) リベロ 荒尾怜音(スポ3=熊本・鎮西) |
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途中出場 | ||||
布台駿(社3=東京・早実) 浅野翼(スポ2=宮城・東北) 中島明良(法4=京都・洛南) |
東日本インカレ3位
コメント ※準々決勝の明大戦の記事と併せたコメントとなっております
岩本大吾主将(スポ4=兵庫・市立尼崎)
――今の率直なお気持ちは
ずっと2点差で負けるゲームをし続けていて、それはチームを引っ張る4年生というか、主将である僕がダメだからということを、春リーグ(春季関東大学リーグ戦)で感じてはいました。ですが結局同じことになってしまったので…。
――接戦を勝ち切ることができないなかで、今何が足りないと考えますか
4年生で何回もミーティングを重ねてきたのですが、それを結局行動に移せていないので。もっと僕が変わればチームは変わるのかなと思っています。
――試合中、ブロックについての声かけがすごく聞こえてきましたが、明大、筑波大と試合を重ねるなかでブロックの修正はできましたか
タイプは違いますが、ミドルがしっかりと叩いてくる2チームだったので。(ブロックは)真ん中もサイドも対応しきれていないところは終始あったので、ブロックで何か良いところがあったのかと考えるとそれはそうではないのかなと思っています。
――課題として挙げられていた入りの部分、明大の入りは良かったように感じましたが
単純に明大戦では自分たちのやりたいバレーが初めから展開できたのでその部分については良かったのかなと思っています
――筑波大では自分たちのやりたいバレーはできなかったということでしょうか
そうですね。25点を先にとるゲームの中で、1点1点を行き当たりばったりで取っているところがあります。ずっと松井監督(松井泰二、平3人卒=千葉・八千代)からも言われているのですが、線でつながれないというか、最後の25点目までつながれないところはあるのかなと思います。
――秋に向けて鍛えていきたい部分は
鍛えていきたいところでいうと、すべてにはなってしまうのですが。体力であったり基礎基本の部分であったりをもう一回チーム全員で見直して、秋に向けてもう一回り二回り大きくなったチームで頂点を取りに行きたいと思うので、夏しっかり頑張りたいです。
水町泰杜(スポ3=熊本・鎮西)
――敗戦となりましたが、今の率直な気持ちは
大学に入って初めてのダブルヘッダーの試合で、結局2点差で負けてしまって。最後は早稲田が体力負けして、勝ちきれなかったというところがあります。これから秋まで時間があるので、そこでしっかりトレーニングとか積んで、体力負けしないように、2点差で競り勝てるように、チーム的にもう一つギアを上げていけたらなと思います。
――レセプションアタックが課題として挙げられていたなかで、サーブで狙われていたと思うのですがその部分を振り返っていただけますか
今回の東日本インカレは、レセプションがそんなに良くなかったので。少し攻撃に集中していたのもあって、ちょっとレセプションが疎かになっているところがあったのかなと思います。攻撃だけでなく守りもしっかり安定させて、勝ちにつながる点を取れるプレーヤーになれるように練習したいです。
――トスを託される場面が多かったですが、フィジカル的にはいかがでしたか
そうですね、高校時代に結構本数打っていたので懐かしいなというか。7セットやったのでそんなハードにやったのも久々なので。疲れましたけど大学に入って体力的に練習量がやっぱり減っているので、そういうところの質をもっと上げて体力が落ちないようにしないとなと思います。
――秋に向けての意気込みを!
全日本インカレに向けてその前の大会になるので、しっかりとここから、もう一つチーム的にレベル上げて、最後2点差で勝ちきれるように。全日本インカレに100パーセント持っていけるようなチーム作りというのを秋に向けてやっていきたいなと思います。
山田大貴(スポ3=静岡・清水桜が丘)
――今の率直なお気持ちは
やっぱりスパイカーとしてすごく不甲斐ないなという感想が一番ですかね。筑波大戦でも最後に足をつってコートから出てしまいましたし、つる前も点数を決めるとこができていなくて。1年生セッター前田(凌吾、スポ1=大阪・清風)に上級生がどれだけ楽をさせてあげられるかということが大事なはずなのに、上級生である自分がスパイカーとして決め切れないところがあって。不甲斐ないなって思います。
――今日の試合について振り返っていただけますか
(筑波大戦については)筑波大の方がチームとしてまとまっていたのかなと思います。早稲田の方が少しバラバラになってしまっていたのかなって。筑波大がチームとしてやってきているのに対して、自分たちは個でやってしまっていて。チームとして勝てていなかったなと思います。
――明大戦でのサービスエースなど、今日はサーブが光っていましたね
最近、笛を吹かれてから自分の時間をしっかり作るようにしていて、心を整えてから打つことでサーブの調子が上がってきたのかなと思います。
――秋に向けて鍛えていきたい、成長していきたい部分は
挙げだしたらキリがないのですが、自分の長所である得点能力に磨きをかけてもっとミスを減らして決定力を上げること。課題であるサーブレシーブやブロックとかで失点につながるプレーを減らして、もっと安定感をつけていきたいと思います。
前田凌吾(スポ1=大阪・清風)
――負けてしまいましたが今の率直な気持ちは
自分たちのミスで負けてしまった部分がやっぱり春リーグと一緒の感じで負けてしまったので。相手は最初フルセットを経てという状況でも粘ってきたのですが、こっちは足がつるとかそういうことがあったので、やるべきことができなかったなと思います。
――明大戦について振り返っていただけますか
明治の試合は良い試合内容になったと思いますし、クイックも使ってパイプも使えるっていう。早稲田らしいバレーができたと思うので、良かったなと思っています。
――筑波大戦ではセンターラインを使っていない印象を受けましたがそちらについてはいかがですか
やっぱりまだ自信持って上げられてないというか、どうしても使いづらい、合わないから点数的にも競っている場面でも使いづらいということがありました。そこは課題として秋までに絶対やらないといけないかなと思います。
――この悔しさを次にどうつなげたいですか
帰って練習することもそうなのですが、やっぱりもっと(チームとして)まとまらないといけないと思います。1年生だからといって大学に入ってから遠慮をしていたので、そこで自分からもっとしゃべって、できてないことがあったら先輩と話したりとかそういうことをしないといけないなと。負けたというより自分たちができていなかったことが多かったので、練習したいと思います。