メニュー

アーチェリー部

2022.06.23

第57回全日本学生女子王座決定戦 6月18・19日 静岡・つま恋リゾート彩の郷

王座制覇まであと一歩に迫るも、わずかに届かず

※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。

  アーチェリーのナンバーワン大学を決める全日本学生女子王座決定戦(王座)が今年も聖地・つま恋リゾートで行われた。悲願の優勝を目指す早大アーチェリー部女子は予選ラウンドを2位で通過すると、決勝ラウンドも順調に勝ち進む。準決勝では3年連続で敗北を喫していた同大を下し、創部史上2度目となる決勝の舞台へ。決勝では近大と対戦。一進一退の攻防で昨年の覇者を追い詰めるも、あと一点を取り切れず。3-5で破れ、悲願達成はならなかった。

主将としてチームを盛り立てた矢原

 王座では予選ラウンドで4人が72射を射ち、そのうち上位3人の合計点で決まる順位で決勝ラウンドのトーナメントの組み合わせが決まる。早大は矢原七海女子主将(スポ4=福岡・柏陵)、廣木円華(人3=茨城・水戸二)、園田稚(スポ2=エリートアカデミー)、渋谷樹里(スポ1=エリートアカデミー)の4人で予選に臨んだ。大粒の雨が降る中の難しい行射となったが、それぞれが悪天候をものともせず、早大は歴代最高位となる2位で予選を通過した。

1年生ながら堂々の行射を披露した渋谷

 3人による5ポイント先取のセット戦で行われ、15チームで争われる決勝ラウンド。早大の命運は矢原、園田、渋谷の3人に託された。早大は初戦の東北学院大戦を不戦勝で制する。2回戦の専大戦では1セットを奪われるも、流れを渡さず、6-2で快勝した。

 準決勝で対戦したのは同大。昨年まで3年連続で敗れている因縁の相手である。「すごく意識してしまった」と矢原が語ったように、早大は本領を発揮できず、同大に第1セットを先取されると、第2セットを引き分け、窮地に追い込まれる。しかし、第3セット以降渋谷が4射で38点を叩き出す高水準の行射でチームをけん引する。園田、矢原も全行射で8点を切らない粘りのアーチェリーで第3、第4セットを連取。2009年以来13年ぶりとなる同大からの勝利を逆転で手にし、決勝へ駒を進めた。

昨年に続き2度目の王座となった園田

 初の王座制覇をかけて臨んだ決勝の相手は近大。昨年の覇者であり、今年も予選ラウンドを1位で通過した強豪校である。第1セットでは1番手の園田が1射目で10点を射抜き、チームを勢いづけるが、近大に食らいつかれ、引き分けに終わる。第2セットでは全6射を8点以上にまとめるも、近大に2点上回られ、1-3となる。後がない早大は先攻となった第3セット、6射中4射で9点以上をマークして近大にプレッシャーをかけ、このセットを奪い返す。運命の第4セット、最初の3射で29点を記録する最高の滑り出しを見せ、「勝ったと思っていた」と園田が振り返るほどの納得の6射となったが、近大にわずか1点及ばず。早大の2度目の決勝は3-5の惜敗に終わった。

決勝の合間も笑顔は絶えなかった

 初の決勝進出となったおととしの王座では、2022年アジア大会日本代表に選出された安久詩乃(現・HORIBA)擁する同大相手に0-6のストレート負けを喫した。しかし、今年はあと1セットまで迫り、決勝での総得点では優勝した近大と同点であった。記録上では一昨年に並ぶ早大史上最高タイの2位だが、確実に王座制覇までの距離は縮まっている。この大会をもって、代替わりとなり、4年生は引退となる。新チームは今回あと一歩のところで涙を飲んだ園田、渋谷、決勝での行射がかなわわなかった廣木、前回の準優勝メンバーである次期主将・高見愛佳(スポ3=エリートアカデミー)を中心に王座制覇への渇望、そして機運も過去最高に高まっていると言える。緊張をも楽しみ、笑顔を絶やさない、「早稲田らしさ」を体現した今回の王座を糧に宿願達成へ新たな一歩を踏み出す。

(記事 星野有哉、写真 朝岡里奈氏、星野有哉)

結果

▽予選ラウンド

女子団体 2位 1890点

▽決勝ラウンド

1回戦 不戦勝(対東北学院大)

2回戦 ○早大6-2専大

準決勝 ○早大5-3同大

決勝 ●早大3-5近大

▽最終成績 2位

コメント

矢原七海主将(スポ4=福岡・柏陵)

――今の率直な気持ちを教えてください

めっちゃ悔しいです。

――決勝直後は「楽しかった」という言葉が出ていましたが

いや、悔しいです。でも本当に楽しかったし、もうできることは全部やったし、雰囲気もすごくよかったし、早稲田が下手で負けたわけじゃないし、近大さんも早稲田もうまくて負けちゃったっていう結果なので。だからこそ素直に楽しいっていう言葉が最初に出てきたのかなと思います。

――不戦勝からの専大はどうでしたか

不戦勝だったからこそ、試合の雰囲気を試せないまま専修大学になってしまったので、その時はすごく緊張しました。でもすぐ早稲田の雰囲気をつくることができて、雰囲気の流れを持ってこれたので、それがすごくよかったなと思います。1回波に乗ったらそのまま勝てたのでよかったですね。

――準決勝は同志社が相手でしたが

同志社は今まで何回も負けてきたし、先入観で同志社ってことをすごく意識してしまってたところもあって。だから緊張して、何なら私は山場だなと思って、決勝戦よりも緊張してました。でも3-1まで追い詰められても、そこから早稲田らしさを発揮できてそのままの流れで勝てたので、あの試合は本当によかったです。みんなかっこよかった。

――早稲田らしさというのは

王座で積極的に声をかけていたのは、「つま恋を早稲田でジャックしよう」と言っていて。早稲田の明るい雰囲気や楽しい感じなど、雰囲気勝ちしようとずっと言っていました。それができた時に、同志社なんかも、やっぱり勝てていると思います。その試合の展開は作戦通りというか、自分たちの目標通りに試合できたという感じですね。

――専大戦も同大戦も緊張されたとのことですが、決勝はどれくらい緊張していましたか

決勝は、意外と最初の練習の時に緊張していて。本番よりも練習ですごくドキドキしていて、近大のこととかどういう雰囲気とか考えながらやっていたので、そのおかげで本番は少し落ち着いて臨めたのかなと。あと3年ぶりの有観客で応援がすごく近くて。近くに同期とか今まで一緒に頑張ってきた仲間たちがいたのですごく安心したし、落ち着いて射てました。自分では気づいてない緊張を一番してたのかもしれないけど、思い返すと安心していたような気がします。

――決勝では今までで一番風が吹いている印象でしたが、気になりましたか

やっぱり気になりましたね。一番手の園田ですらちょっと(矢が)流れてしまうと言っていたので。でもすぐにどこを狙ったらいいかを経験から教えてくれたので、それは助かりました。だから風を意識した部分もあったし、声かけの時にちょっと風あるよとかは絶対言う、教えるようにはしました。

――最初の同点から、離されて追いついて、最後に惜しくもという展開でした。1点差でポイントを逃すことが重なりました

勝ちきれなかったですね。勝ちきれなかったけど、本当に楽しかったんですよ。練習はずっと54点以上射っていて。でもこういう決勝という場でずっと50点以上、しかも風のある状況で射てたのはみんな頑張ってくれたおかげだし、一つになれたからこそだと思います。だから楽しめました。

――最後4セット目の終わりも喜んでいたのは

みんなもそうかは分からないんですが、私は合計点とかずっと分かっていなくて。相手も何点なのか分かっていなくて、ただただその一射を全力でやっていて。その一射に対する喜びだったので、全体の結果はその後聞きました。ああ負けちゃったのねと思ったんですが。1射1射本気で打てました。

――負けと最初に聞いた時は

ちょっと最初はふわふわしていて、「あ、負けたのか」と最初は思って、その後に「あ、終わりなんだ」と思った時にすごくくるものがありました。でもみんなで戦った結果だし、本当に素直に一緒に戦ってくれた仲間への感謝というか、楽しかったとかありがとうをめちゃくちゃ連呼してしまいました(笑)。本当にそういう気持ちでいっぱいでした。

――王座は3年出場されましたが、今年の戦いを振り返ると

今年が一番輝いていたと思います。全員楽しそうだったし、応援も含めてみんな笑顔だったし。試合中に結構みんなの顔を見て落ち着いていたんですが、その時にすっごい笑顔だったし、本当に早稲田アーチェリーでいられることに誇らしく思えたので、私だけじゃなくて早稲田アーチェリー全体が輝けた、そういう試合だったかなと思います。

――次の試合は

インカレと全日は出ようと思っているので、またそこに向けて挑戦者の気持ちで頑張っていこうと思います。またこの先は後輩たちに託します。

――今日で主将としての仕事が終わりました

こんな主将にみんながついてきてくれたのが本当にありがたいです。自分は雰囲気を楽しくしようとかしていたんですが、それだって1人じゃできないことだから、みんなが協力してくれたおかげで私にとってこの王座がすごいいい思い出になりました。本当にみんなに感謝しかないです。早稲田アーチェリーの主将になれてよかったです。

園田稚(スポ2=エリートアカデミー)

――試合が終わった今の率直な気持ちをお聞かせください

 去年は4位で悔しくて、(今年は)2位という進歩はあったんですが、悔しいというのが率直な気持ちで。でもその分、すごく楽しい試合だったので、その思いを忘れずに来年につなげていけたらいいなと思います。

――予選では渡辺麻央選手(日体大)と同的だったと思うのですが、いかがでしたか

 すごく楽しい試合になって。あんまりいい結果ではなかったんですが、60点が出たときに、「稚のおかげで自分も58出た」とか、「こういう風あったよね」とか、いろいろ情報交換をしました。お互いに相乗効果がすごくあって、楽しく予選をすることができました。

――予選はどのように評価されますか

 予選は、もうちょっと最初から力を出して、2位だったので、1位を取れるように頑張りたいと思います。歴代で2位は初めてということで、それに貢献することができて、とてもうれしいなと思いますし、次はどこにも負けずに1位を取れたらいいなと思います。

――応援を背に受けての、はじめての決勝ラウンドはいかがでしたか

 すごく楽しいというか、良い緊張と興奮というか、頑張ろうみたいな力が湧いてきて。やっぱり大学の試合は楽しいし、勝ちたいと思える試合でした。

――1番手として出場されました

 すごく緊張して。自分が「緊張する」とか言っちゃったので、周りに緊張が伝染しちゃったと思います。ですが、10点を毎回決めれなくて。流れを取ることができませんでした。これから団体を組む機会はたくさんあると思いますが、自分が流れを作っていけるような選手になりたいと思いました。

――昨年3位決定戦で敗れた同大へのリベンジだった準決勝を振り返っていかがでしょうか

 楽しかったというか、緊張はしてたんですが、自分がミスしても仲間が10点を代わりに決めてくれたりとか、励ましてくれたりとか。みんなで力を合わせて、取れた勝ちだなと思いました。

――園田選手にとって、王座では初のゴールドメダルマッチとなった決勝振り返っていかがでしたか

 とても楽しい試合で。いつも緊張して何もわからないんですけど、今回は楽しい試合でした。勝ったかなっていう感じを持ってたんですが、負けちゃって。楽しかった分、すごく悔しいので、来年はそれを忘れずにチーム作りたいです。

――勝敗が決まったときの気持ちどのようなものでしょうか

 「勝ったやん」って思っていたのに負けて、「え?」って。最後までやっぱ勝ちを取りに行けないというか、まだ足りない部分があるなと思ったので、それを早稲田のチームでみんなで成長していけたらいいなと思いました。

――今回見つけた課題はなんですか

 必要なときに、10点を入れられる力とか、チームを安心させられる、頼りがいのある選手になりたいなと思いました。

――試合を通して得られたものは

 チームで信頼しあったら、お互いカバーでき、緊張は分散できて、うれしさは倍になるというか。そういう感じを得られたので、来年からは自分がそういうチームを作っていけるようにしたいなと、先輩たちから教わりました。

――これから、代替わりとなります。今後への意気込みをお願いします

 来年の王座が終わったら自分たちの代になるので、先輩たちの背中をしっかり見て勉強したいです。来年も王座を制覇しますが、自分の代でも王座を制覇できるように、チームのみんなに信頼されて、頼られる先輩になって、チームを作っていけるように頑張りたいです。

渋谷樹里(スポ1=エリートアカデミー)

――2位という結果になりましたが、振り返っていかがですか

楽しく試合ができて、このメンバーでできたのがすごくうれしくて。3人のメンバーに入って試合で実際に射って参加できたのが自分としてはうれしかった、いい試合ができたなと思います。でもその中で、最後決勝という場面でうまく決められなかったところがすごく悔しい思いがありますし、やっぱりまだまだだなと実感しました。

――初戦は不戦勝で、専大戦が実質初戦になりました。緊張はされましたか

最初から結構緊張していて、でも先輩たちの声かけもあってその中でも明るく楽しい試合ができました。

――次が山場の同志社との試合でした

私はまだ1年生ですが、先輩方は同志社にあまり勝ったことがないと聞いていて、やっぱりここは勝たなきゃという思いはありました。先輩たちも決めつつ、私も結構得点になる点数を入れられたのは大きかったし、そこは普段通りの練習の成果を発揮できたのでよかったなと思います。

――同大戦に限らずですが、試合中の迫力あるガッツポーズがとても印象的でした

やっぱり緊張していたので、普段はあんなに声を出さないんですが、飛ばそうと思って(笑)。盛り上げるのも含めて、声出しは頑張りました。

――決勝は近大と当たりましたが、最初はどう思いましたか

去年の優勝校というのもあって、上がってくるだろうなというのは頭の隅にありました。上手な選手たちがそろっている学校なので、先輩たちとチャレンジャーの気持ちでいこうと言っていて。でも決勝という多くの人に囲まれる舞台はすごく緊張しました。

――たしかに、緊張を周りにほぐされているシーンも見られました

そうですね(笑)。「緊張します」と感情の共有やコミュニケーションをしつつ臨みました。でも結構最後まで緊張していましたね。そんなにガチガチになって不安になるという緊張というより、勝ちたいという思いの中でドキドキするような緊張でした。

――決勝の場面でも、9、10点に入れる場面が多かったですが

ほとんどの矢を思い切って自信持って射てたのはよかったですが、その中で最後の6点というのは、自分の中でも練習でもよく出る右下の6点で。射った瞬間に分かって、すごく悔しい思いをしたので、これからの練習でそこは改善していきたいなと思います。

――風が読めないなどではなかったのですね

それよりかは、入れたいという思いが強くて。守りにいってゆるむというよりかは、ちょっと強くいきすぎたというか、普段と違うようなことをしてしまった部分がありました。

――そのエンドの1回目は10点を入れていました。悔しかったのでは

はい。もう少し冷静に試合に臨めるように、淡々と射てるように練習します。

――世界ユース選手権などで団体の経験もありましたが、大学での団体戦は初めてでした。雰囲気はいかがでしたか

矢原先輩がすごく明るいので、試合の最初から最後まですごくポジティブな声かけがあって。暗い雰囲気になることが本当に一回もなかったので、こっちまで明るくなれて、本当に楽しい試合でした。

――2位が分かった瞬間の気持ちはいかがでしたか

先輩たちは、みんなの得点と、一人のせいじゃないというふうにおっしゃってましたけど、やっぱり自分の6点というのは影響のあるもので、すごく申し訳ない気持ちになりました。練習不足というよりかはまだ自分に足りない部分が見えてきたので、つながるものはあったかなと思っています。

――最後に、来年以降の王座に向けて一言お願いします

すごくいいところまできたところで、すごく悔しい思いをしましたし、まだこれから改善していく点も多く見えた試合でした。よかったところも伸ばしつつ、もっとチームとしても個人としても強くなっていけるように練習に励んでいきたいと思います。