漕艇部
2022.05.21
第100回全日本選手権 5月12-15日 東京・海の森水上競技場
全日本選手権で5つのメダルを獲得!
2020年東京オリンピックパラリンピックの会場として整備された海の森水上競技場で、5月12日から15日にかけ第100回全日本選手権が行われた。早大は計11艇が出艇し、7艇が決勝進出。金メダル1つ、銀メダル2つ、銅メダル2つ、合計5つのメダルを獲得した。
女子軽量級ペア
男子は6艇中3艇が決勝Aに進出。舵手なしフォアはスタートで出遅れ3,4位争いに。「予定では400からだったが、結構出られていた」(菅原陸央副将、政経4=秋田・本荘)ため、ラスト500メートルでスパートをかけ3位を掴み取った。ダブルスカルは決勝でスタートで飛び出し、社会人クルーとトップ争いを見せる。しかし、青木洋樹(スポ3=東京・成立学園)が「1000からが課題」と振り返るように1000メートル付近から社会人2クルーに徐々に差をつけられ、そのまま3位でゴールした。シングルスカルの岡山凜之(スポ1=愛知・松山東)は前半3位争いに絡むものの、中盤で勝負をかけた相手についていけず4位に。「ラスト上げたが追いつけなかった」(岡山)と悔しさをにじませた。
女子は5艇が出艇し3つのメダルを獲得した。4年生全員が乗る舵手付きフォアは、決勝で強豪・立命大に対し、序盤はリードをつくるも後半に差をつけられ準優勝。「勝って(立命大の)連覇を止めたい」(中尾咲月主将、スポ4=三重・津)とリベンジを誓った。軽量級ペアは「長い距離一体感を持って2人で合わせてこげた」(桐原初菜、文構3=早稲田佐賀)と大差で関学大との2艇レースを制し金メダル。軽量級女子ダブルスカルはスタートで頭を取ったものの、中盤で中部電力の追い上げにあい2位に。「ラストもっとあげて攻められたら良かった」(猪野 日向子、スポ2=岐阜・加茂)と後半の粘りが足りずそのまま2位でフィニッシュした。1年生の横田紗弥(スポ1=岐阜・加茂)が乗ったダブルスカルは決勝で6着。「個々の成長はできた」(田中紗貴、スポ3=埼玉・早大本庄))と手応えを感じた。
男子舵手なしフォア
それぞれのクルーが力を尽くした全日本選手権を終え、大きな大会は集大成である全日本大学選手権(インカレ)を残すのみだ。下級生の頃から活躍してきた選手が多い4年生の最後の大会となる。クルーは組み直すが、「チーム全体を盛り上げて結果を残したい」(菅原副将)と意気込んだ。
(記事 冷水睦実、写真 永留琴子、髙田凜太郎、出口啓貴、横山勝興)
※記事の掲載が遅くなり申し訳ございませんでした。
男子結果
▽エイト
C 澁谷光太郎(政経2=東京・早大学院)
S 上路達也(基理2=東京・世田谷学園)
7 村岡浩旗(文構3=東京・早稲田)
6 丸山渓太(スポ2=神奈川・逗子開成)
5 中舛蒼士(社学2=東京・早大学院)
4 市ヶ谷成真(スポ4=早稲田佐賀)
3 川名航平(政経4=東京・早大学院)
2 榎本拓海(商2=東京・早大学院)
B 沢木優介(スポ2=青森)
6:48.61(決勝B6着)全体12位
▽舵手付きフォア
C 片倉潤樹(法3=早稲田佐賀)
S 中島湧心(スポ4=富山・八尾)
3 濵野圭吾(商4=埼玉・春日部)
2 松並大智(基理2=静岡・沼津東)
B 森長佑(スポ4=福井・若狭)
7:06.20(決勝B1着)全体7位
▽舵手なしフォア
S 越智竣也(スポ4=愛媛・今治西)
3 三浦武蔵(商4=山梨・吉田)
2 小林里駆(スポ4=静岡・浜松西)
B 菅原陸央(政経4=秋田・本荘)
6:30.95(決勝A3着)全体3位
▽舵手なしクォドルプル
S 瀬川武志(商4=東京・本郷)
3 植原佑太(商4=埼玉・本庄東)
2 原田燿輔(スポ1=静岡・浜松北)
B 谷口俊之輔(政経2=東京・早大学院)
7:16.98(決勝B6着) 全体12位
▽ダブルスカル
S 阿部光治(スポ4=愛知・猿投農林)
B 青木洋樹(スポ3=東京・成立学園)
7:11.80(決勝A3着)全体3位
▽シングルスカル
岡山凜之(スポ1=愛知・松山東)
8:09.94(決勝A4着)全体4位
女子結果
▽舵手付きフォア
C 勝又真央(スポ4=東京・小松川)
S 髙田涼花(社学4=静岡・浜松西)
3 中尾咲月(スポ4=三重・津)
2 郡磨璃(スポ3=東京・文京学院大女)
B 茂内さくら(スポ4=秋田)
7:51.12(決勝A2着)準優勝
▽軽量級ペア
S 桐原初菜(文構3=早稲田佐賀)
B 長谷川理実(政経3=東京・早実)
8:12.10(決勝A1着)優勝
▽軽量級ダブルスカル
S 猪野日向子(スポ2=岐阜・加茂)
B 武井愛奈(スポ3=長野・諏訪清陵)
7:40.87(決勝A2着)準優勝
▽ダブルスカル
S 横田紗弥(スポ1=岐阜・加茂)
B 田中紗貴(スポ3=埼玉・早大本庄)
8:28.78(決勝A6着)全体6位
▽シングルスカル
片上日菜子(スポ2=愛媛・今治西)
8:54.43(敗者復活戦E3着)予選敗退
コメント
男子舵手なしフォア
――率直な気持ちを教えてください
越智 悔しいです。
菅原 この大会で優勝することを早慶戦後から目標にやってきたので悔しい気持ちが大きいです。
――今日のレース展開は
越智 スタートでトップ層と争うか出ちゃうくらいにするというのがレースプランだったんですけど、慣れないうねったコースで自分たちのペースを掴むことができませんでした。最後は500からのスパートで頑張って詰めたつもりではいるんですけど、一番肝心なスタートが上手くいかなかったのが敗因かなと思います。
小林 レース全体通して意識するところは決めていたところを全員で声かけあって反応して一体感を持って漕ぎきれたのは良かったと思います。思い切って漕げたので自分的には楽しいレースでした。
――風とうねりは予選のときより大きかったですか
菅原 予選と同じくらいで、風もうねりも大きくて難しかったです。
三浦 5レーン(観客席側)だったので予選と敗者復活戦より風の影響が大きかったかなと思います。
小林 1位狙っていたのに他の学生クルーに少し出られていてやばいと思いました。
三浦 最後菅原が上げてくれました。
菅原 予定では400からだったんですけど、結構出られていたので、500からスパートしました。「行くぞ」と言ったらみんなしっかり反応してくれたので、自分も思いっきり攻められるなと思いました。
――インカレへの意気込み
越智 早大の対抗はおそらくエイトで行くと思うので、そこに乗って今年こそ優勝を勝ち取って気持ちよく引退できるようにこれからまた練習していきたいです
三浦 僕もエイトに乗って優勝したいです。まずはエイトに乗れるように頑張ります。
小林 自分含めてチームで最高の結果を残せたらいいなと思います。
菅原 自分はこの中だと唯一中学校からボートをやっていて今年10年目で、ボートの集大成なので残すは日本一だけです。絶対優勝します。副将としてもチーム全体を盛り上げて結果を残して気持ちよく引退したいと思います。
三浦 このみんなでエイトに乗って優勝したいです。
小林 黄金世代を作るというのも自分たちの目標なので最後優勝で飾りたいです。
男子ダブルスカル
――レースを終えた今のお気持ちは
阿部 負けて悔しいなって思います。社会人速かったです。
――1、2位のデッドヒートは気づきましたか
青木 歓声がすごかったので気づきました。
――今日のレースプランは
青木 スタートから出るという感じだったのですが、1000過ぎからあっちのほうがだいぶ速くて、そこからどんどん引き離されちゃいました。1000からが課題です。
阿部 スタート出たのは良かったんですけど、そこから差をキープできなかったのは、次の試合に向けての改善点かなと思いました。
――インカレへの意気込みをお願いします
阿部 インカレはエイトで出るので、部員全員と協力して頑張っていきたいです。
青木 インカレは優勝目指して頑張りたいです。
男子シングルスカル
――どんなレースでしたか
1000mくらいまで3位で並んでいて、そこから3位になったひとに出られてついていけなくて、ラスト上げたんですけど追いつけなくて。後半伸びたと思うのですが、相手がそれ以上に伸びて詰められなかったのが詰めが甘かったかなと思います。
――今日のコースのコンディションは有利に働きましたか
僕は逆風のほうが好きなので、今日のコンディションがすごい好きで。逆風は軽いひとより重い人のほうが有利なので、軽量級の選手に負けていてはいけないのですが2,3位取られてしまったのでもっとこれからの練習に力を入れていかなければいけないなと思いました。
――今後の意気込み
シングルスカルで精度を上げて世界で戦えるレベルまで持っていけるようにすることと、スイープ種目も乗れるようにしてどちらでも世界で戦えるようにしたいです。
女子舵手付きフォア
――率直な気持ちをお願いします
髙田 やっぱり立命大は速かったです。敵わなかったなって感じです。
――レース展開を教えてください
髙田 早大はいつもスタートは前に出るんですけど、後半立命大に出られるという定番の流れがあるんですが、それを今回は脱したくて練習頑張ったのですが、結果的には後半抜かれる形となってしまったので、インカレでリベンジしたいです。
――コンディションはいかがでしたか
中尾 今日はこのコースにしては悪くなかったですが、戸田に比べてうねりとかがあって、漕ぎやすいコースではないです。
――インカレへの意気込み
中尾 立命大がずっと連覇していて、今日は夏に向けて勝っておきたかったのですができなかったので、私達にとっては最後の夏になるので勝って連覇を止めたいなと思います。
女子軽量級ペア
――優勝した今の気持ちを教えてください
長谷川 多くの困難があっていろんな人に迷惑をかけながらここまでやってきて、サポートしてくれるコーチの方々とかいろんな人の思いを背負って、2艇レースではあったんですけど、ちゃんと大差で勝とうというところは実践できたので、周りのサポートのありがたみを感じることができました。
桐原 体調を崩している間に埼玉会長杯があって、みんなよりもレースの経験をこのクルーで踏めなかったので2000を初めてのコースで通せるかという不安でしたが、しっかりと今まで練習してきたことを出せたので良かったと思います。
――先日の予備レースとの違いは
桐原 今日は相手の方がスタートが良くて、内心出られてると思ったのですが、一本ずつ詰めて落ち着いてできたので、良かったです。
長谷川 2000の中で昨日良かったところと今日良かったところがあって、トータルで今日が全部良かったというわけではないのですが、今日の方が長い距離一体感を持って2人で合わせてこげたので、スタート以降は今日の方がいいレースだったかなと思います。
――今後への意気込みをお願いします
長谷川 次の大きい大会はインカレなので、どの競技に出るかわからないですが、この経験を生かして今度は全員大学生という中でどれだけ頭一つ出られるか日々の練習で着実にやっていきたいと思います。
桐原 早慶戦の荒れた隅田川の経験を、この海の森という波とかが難しいコースで体験できたので、さらにステップアップできたらいいなと思います。
女子軽量級ダブルスカル(武井愛奈、スポ3=長野・諏訪清陵)
――今の率直な気持ちを教えてください
勝ちたかったです。
――レースの序盤先頭に立つことができたのは狙い通りでしたか
はい。一番大きな狙いはやはり勝つというところだったのですが、その勝つためのプロセスとして、まずは得意のスタートでしっかり差をつけておいて、中盤で相手がくることはある程度予想はしていて、反省としてはそこで粘りたかった。そこですんなり相手にいかせてしまうと、ボート競技って先に出ている選手からは全部の艇が見えるのですが、出られた側としてはこちらの動きが読めないので、どうしてもレースのプランを練りづらくて精神的に不安になるのですが、逆に言ってしまえば、(後ろの選手が前の選手を)とらえた時って絶対スピードがでているんです。そこですんなり抜かれてしまうと心理的デメリットはこちらの方が大きいので、そこでもっと粘るための、こちらもスピードを出す正しい漕ぎに戻していくというところができたらよかったと思います。
――中部電力に追いつかれるかたちとなってしまいましたが、どのような印象でしたか
予想通りでした。ダブルスカルって割と選手の個性が大きく反映される種目になるので、4月の頭に日本代表選考があって、中部電力の選手2人ともシングルスで出場していて、私はそれぞれと当たっていたので、どっちの選手も中盤が強いことは分かっていたし、相手も勝ちたいので、スタートで出られたら中盤で中盤でも追いつけなかったらラストで上げてくるというのは分かりきっていたことでしたが、そこに対応できなかったというのは自分たちの実力不足かなと思います。
――会場のコンディションはいかがでしたか
すごく良かったと思います。普段練習しているところに比べると、波の高さが出やすくて、それが予選など多くの試合では、漕いでいるところ以外のフォワードというところ、オールがはじかれてミスにつながることがとても多いコースなのですが、そこはすごく今日は穏やかで、自分たちの持ってきやすいコンディションではあったかなと思います。
――レース中実践できたと思うところはありますか
ロケットスタートです。一番見せ場だと思います。
――インカレに向けての意気込みをお願いします
まだ負けた悔しさが大きくて、もちろんインカレに向けてはまた切り替えていきたいのですが、しっかり悔しさを自分の中で納得いくかたちに落とし込んで、まずは負けた悔しさを、なんで負けたか悔しいのかという気持ちをしっかり飲み込んで、もう一度エネルギーに変えて、みんなを引っ張っていくクルーの中核、インカレの時も女子の総合優勝を奪還するための大きな経験値にはなっているはずなので、そこを少しでもチームに還元できるようにまた練習を積んでいきたいなと思います。
女子軽量級ダブルスカル(猪野 日向子、スポ2=岐阜・加茂)
――今の率直な気持ちを教えてください
悔しいです。
――このレースの狙いはどういうものでしたか
私たちの強みとしている、スタートでしっかり(前に)出て、中盤も段々攻めていくという狙いだったのですが、スタートのロケットスタートと2人で言っているところは、しっかりスタートから1本ずつ質を高めて、(前に)出ることができたのでそこは良かったと思います。
――反省点はどのようなところですか
スパートとかのラスト上げるということをたくさん練習してきたのですが、コンスタント線過ぎたくらいで、じわじわ中部電力に来られてしまったので、そういった詰められた場面でも私たちはアタック、中部電力が段々攻めてきた時にアタック入れたんですけど、もっとそこの1本の質を中盤でも高めて、ラストもっとあげて攻めれたら良かったと思います。
――中部電力の印象はいかがでしたか
中盤段々じわじわ来るって感じでした。
――会場のコンディションはいかがでしたか
予選の時とかは結構うねりとかがあって、そこに負けてしまった感じはあったのですが、今日はすごく水面が落ち着いていて良いコンディションでした。
―—レース中実践できたと思うところはありますか
スタートからリズム良く作っていけたところが良かったと思います。
――インカレに向けての意気込みをお願いします
このレースがすごく悔しかったので、この悔しさを忘れずに、毎日の練習で目標を持って成長し続けて、去年はインカレで総合優勝をできなかったので、次のインカレでは絶対優勝して、早稲田みんなで高めあって必ず優勝したいです。
女子ダブルスカル
――率直な気持ちをお願いします
田中 自分たちなりに満足いくレースができたかなと思います。個々の成長はできました。
横田 結果は6位だったのですが、自分たちで大きく漕ぐ楽しく漕ぐという目標を立てていて、それは達成できました。悔しくはありますが、達成感が大きいです。
――コースのコンディションは影響しましたか
田中 戸田は静水なことが多くてやりやすいコンディションでいつも練習していたのですが、ここに来る前に荒川で波が強いコンディションで2000通しました。それが生きたかなと思います。6位だけど(笑)。
横田 今後につながるレースはこういう初めての環境でもできたかなと思います。
――インカレへの意気込みをお願いします
横田 まずは部内レース頑張って、先輩たちと乗れるようにしたいです。
田中 部内選考頑張るというのと、出れたら今度は入賞ではなく、メダル目指して頑張りたいです。