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ハンドボール部

2022.04.19

関東学生春季リーグ 4月17日 神奈川・桐蔭横浜大学体育館

昨年のリベンジ叶わず 終盤追い上げるも日体大に惜敗

 関東学生春季リーグ(春季リーグ)第2戦、初勝利を手にしたい早大は日体大と対戦。早大にとって日体大は昨年8点のリードを追いつかれ、延長戦の末に逆転負けを喫した因縁の相手だ。昨年のリベンジを果たすべく、試合前から早大ベンチには緊張が走る。その影響もあってか、序盤は両チームともなかなか点が入らない展開となった。しかし、オフェンスでのミスから逆速攻での失点を重ね、流れは一気に日体大へ。何とか食らいつくも前半を3点ビハインドで折り返す。後半には1点差まで詰め寄る追い上げを見せたが、大事なところで決めきることができず、試合終了。手痛い連敗となった。

 早大は序盤から積極的なディフェンスで相手のミスを誘い、CB村上楓副将(スポ3=福岡・明光学園)の速攻で先制点を挙げた。だが、オフェンスで得点の機をなかなか見出すことができず、日体大の速攻によって逆転されてしまう。しかし、序盤の流れを渡さない気合の表れか。RB佐藤優花副将(スポ4=東京・佼成学園女)が気迫のこもったプレーで相手選手の反則を誘い、ペナルティースローを獲得。最上級生としての意地を見せた。この好機にLB浦野詩織(スポ3=愛知・旭丘)がペナルティースローを確実に決め、さらに数的有利の間にロングシュートで得点し、逆転に成功。流れが早大に傾きかけた。しかし、エンジンのかかった日体大の猛攻を受け、サイドシュートや速攻などで3連続失点を喫する。GK江連織圭主将(スポ4=千葉・昭和学院)の好セーブやRW青木里奈(スポ3=東京・白梅学園)のサイドシュートで応戦するも、日体大の勢いを止めることができない。前半終了間際に山本桃虹(スポ2=東京・佼成学園女)が相手選手をうまく使ったブラインドシュートで一矢報いて前半終了。10-13と3点差での折り返しとなった。

シュートを放つ青木

 ハーフタイムでの修正が功を奏したか。後半は立ち上がりから積極的なディフェンスを見せ、日体大に得点を許さなかった。オフェンスでは村上のステップシュートやLW木村百花(スポ2=東京・白梅学園)の滞空時間の長いジャンプから繰り出されるサイドシュートで得点を重ね、後半開始5分に1点差まで詰め寄る。つかみかけたペースに乗っていきたい早大だが相手GKの好セーブもあり、なかなか得点を挙げることができない。得点を奪うことができない焦りからか。オフェンスでのミスから逆速攻で連続失点を喫し、点差を広げられてしまう。早大ベンチはタイムアウトを要求し、プレーの修正を図る。「チャージでもいいから(バックプレイヤーが)アウトを狙って攻めて、サイドにずらせる展開があったらずらせるように」(山本)という共通認識のもと、チーム全体でつないだボールが1年生山野紗由(スポ1=北海道・釧路江南)から4年生佐藤へ渡る。狭い角度も臆せず飛び込み、相手GKの頭の上を通す技ありのループシュートで再び流れを手繰り寄せる。その後は、村上や木村の得点で追い上げるが、日体大の強力なフローター陣にも得点を許し、点の取り合いに。一進一退の攻防の末、GK川村夏希(スポ2=東京・佼成学園女)がビッグセーブでチームを鼓舞すると、村上が相手ディフェンスの間を力強く割って入り得点。「上級生が声をかけて盛り上げていかなくては」(村上)という言葉の通り、江連主将を中心にチーム全体で声を出し合い、流れを引き寄せる。前半から攻守にわたって献身的なプレーが続いていたPV杉浦亜優(スポ1=愛知・名経大市邨)にもゴールが生まれ、一気に流れは早大へ。さらに、杉浦がカットしたボールをチームでつなぎ、山本が相手の意表を突くゴールで再び1点差に。チーム一丸となって声を出し、勝利を呼び寄せる。しかし、あと1点が遠く、息を吹き返した日体大の猛反撃を止めることができず。18-22と4点差で試合を終え、昨年の借りを返すことは叶わなかった。

チームに勢いを与えるゴールを決めた山本

 因縁の相手に対して今季初勝利を狙った早大。山本が「後半追い上げたときに追い越すことができなくて、チームの追い越す底力っていうのがなかった」と振り返るように、あと1点が遠く悔しい敗戦となった。競って勝てる試合であっただけに、選手たちの悔しさは計り知れないだろう。しかし、上級生を中心に声を掛け合って盛り上がる姿からはチームの雰囲気の良さが伝わってくる。次戦の相手は昨年の王者・東女体大。「何か今までとは違うことをしないと勝てない相手」と村上が語るように、簡単にはいかない相手であるが、チームとして意思統一されたプレーで勝利を手にできるか。早大の快進撃が始まる。 

(記事 小澤慶大、写真 栗本史歩、小澤慶大)

関東学生春季リーグ

早大 18 10-13
8-9
22 日体大
GK 江連織圭(スポ4=千葉・昭和学院)
LW 木村百花(スポ2=東京・白梅学園)
LB 浦野詩織(スポ3=愛知・旭丘)
PV 杉浦亜優(スポ1=愛知・名経大市邨)
CB 村上楓(スポ3=福岡・明光学園)
RB 佐藤優花(スポ4=東京・佼成学園女)
RW 青木里奈(スポ3=東京・白梅学園)
コメント

村上楓副将(スポ3=福岡・明光学園)

――今日の試合について

 昨日よりはいい試合ができたと言えるのですが、上位相手に競って勝てる試合だったのにそれを自爆してチャンスを逃してしまったという感じなので悔しいなという気持ちです。

――自爆というのはどのような展開の時に多かったですか

 ディフェンスで最後にきつくなって来た時とかに逃げてパスしちゃって、カットされてみたいなのが多かったから、もっと最後までしっかりシュートを狙って攻める姿勢を見せないとやっぱり勝てないのかなと思いました。

――個人的には今日の試合では積極的に声を出して盛り上げていた様子が多く見られましたが、何か意識していたことなどはありますか

 自分も3年でやっぱり上級生になったし、私たちは結構下級生が頑張って試合出てくれていて、真ん中の1年生が入ってきたばっかりなのに頑張ってくれてたから、やっぱり私とか周りの3年生、上級生が声をかけて盛り上げていかなくてはというところがあったので、中心となって声は出せると思って意識はしていました。

――対戦相手の日体大の対策などはなにかされましたか

 日体大は速攻が速いチームだったので自分たちのオフェンスをミスしてしまうと相手は勢いに乗っちゃうからオフェンスはシュートまで行って決めきるっていうことと、ディフェンスは相手に強力なフローターがいるのでそこにしっかりチェックにいこうという対策はしていて。後半になってからそこは結構機能してきたかなって思ったんですがエンジンかかるのが遅かったかなと思ったので、そこは次の試合の課題でもあるかなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 次が東京女子体育大学との試合で相手はやっぱり力のある相手だし、上位で、自分たちは下位のチームなので、何か今までとは違うことをしないと勝てない相手だと思います。しっかりこの一週間で、今週の振り返りもしつつ、相手のビデオとかも見ながらしっかり共通意識を持ってこの一週間追い込んでやれたらなと思います。

山本桃虹(スポ2=東京・佼成学園女)

――率直な試合の感想は

 後半追い上げたときに追い越すことができなくて、チームの追い越す底力っていうのがなかったことが今日の試合の課題だと思うんですけど。それ以前に前半で自分たちがせっかく取ったチャンスを無駄にして相手に逆速攻やられて、もっと点取れるところとかあったんですけど、少ないチャンスの中で決めきれる力がなかったので、後で追い上げるつらい展開になってしまったのだと思います。

――昨日の敗戦を経て、チームとして修正してきた点は

 昨日はバックプレイヤーがアウトを狙おうと意識して(コートに)入ったんですけど、いざ試合になると全然アウトに攻められなくて、最初から中に中に攻めて相手にボールをあげちゃう展開になってしまったので。今日はチャージでもいいから(バックプレイヤーが)アウトを狙って攻めて、サイドにずらせる展開があったらずらせるように意識してコートでも実践できるようにみんなで共通認識を持ってやりました。

――途中出場が続いていますが、難しさは感じていますか

 (味方が)退場していて一人少ないときなどチームにとってよくない展開での出場が多かったので、自分がコートに入ることでチームの流れを変えられるように積極的にプレーをするように心がけています。

――重要な局面で得点を奪いましたが、何か意識していたことは

 シュートは狙っていたんですけど、ゴールに入ったのは偶然で。ディフェンスから速攻といういい流れで、下級生がカットしてつないでくれたので、そこは絶対に走ろうって思っていました。シュートは別として、走って自分が点取ろうっていう気持ちは持ってやってました。

――次戦への意気込みをお願いします

 次戦はさらに強い相手だと思うので、これまでの2試合は追い上げる展開で自分たちのミスから始まっていたのですが、次はチャンスももっと少なくなると思うので。チャンスを自分たちでしっかり決めきって、切り替えの展開を大事にしたいと思います。