ハンドボール部
2022.04.19
関東学生春季リーグ 4月17日 埼玉 ・立教大学新座キャンパス体育館
持ち味を発揮するも、日体大に逆転負け
初戦の法大戦で惜しくも敗北した早大。初勝利を目指し、2戦目で日体大と対戦した。関東学生春季リーグ(春季リーグ)の優勝候補である日体大。しかし、序盤からペースを握ったのは早大であった。試合開始直後から持ち味であるディフェンスからの速攻が機能し、16-11と前半で5点のリードを奪う。後半もその勢いは止まらず、このまま早大が勝利を手にすると思われた。しかし、残り10分で試合が動いた。相手の猛追に遭うと、足が止まり始めた早大は逃げ切ることができず。地力で勝る日体大に大逆転勝利を献上した。
「めちゃめちゃ悔しい」と永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)が振り返ったように、良い展開を作っていただけに悔しい敗戦となった。試合開始直後から、早大のコンセプトである「堅守速攻」を体現した。連携のとれたディフェンスで相手の攻撃を阻むと、神前怜(スポ4=埼玉・浦和実)や白築琢磨(文構2=東京・早実)らが素早く攻め上がって次々と得点を重ねる。また、狩野直樹(スポ3=埼玉・浦和学院)も真ん中から果敢にゴールを狙い、高い攻撃力を示した。早大が理想的な試合運びを見せ、16-11と5点差をつけて前半を折り返した。
シュートを放つ狩野
後半も早大の勢いは止まらない。速攻を軸に攻撃を展開し、守備ではGK塚本智宇(スポ3=富山・高岡向陵)や永橋主将を中心に堅いディフェンスを見せてチームを盛り上げた。しかし試合終盤、日体大が驚異の追い上げを見せる。一方早大は足が止まり始め、ラスト10分間は攻めあぐねる展開に。オフェンス時にミスが相次ぎ得点の機会を逃すと、後半28分、ついに逆転を許してしまう。試合終了間際までせめぎ合いが続いたものの、土壇場で勝負強さを見せた日体大が勝利を手にした。白星を目前で逃してしまった早大。初戦に続きまたしても1点差での敗戦となり、肩を落とす結果となった。
ディフェンスをする永橋
終盤に綻びが見え、逆転負けを喫した今回の試合。体力の消耗が激しいラスト10分間でミスが目立ち、相手に勝利を献上するかたちとなった。永田奈音コーチ(平30スポ卒=小林秀峰)と永橋主将は、「基礎体力が課題」と口を揃える。しかし、強敵相手に攻守ともに理想的なプレーを見せたことは今後の自信になるだろう。次戦・筑波大戦で今季初勝利を手にすることができるか。勝負所の戦い方に注目だ。
(記事 澤崎円佳、写真 是津直子、澤崎円佳)
関東学生春季リーグ | ||||
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早大 | 30 | 16ー11 14-20 |
31 | 日体大 |
GK 塚本智宇(スポ3=富山・高岡向陵) CP 小笹紘大(法4=東京・拓大第一) CP 山田和直(スポ4=群馬・富岡) CP 狩野直樹(スポ3=埼玉・浦和学院) CP 永橋優太朗(スポ4=千葉・市川) CP 菅原七海(社4=東京・早実) CP 神前怜(スポ4=埼玉・浦和実) |
コメント
永田奈音コーチ(平30スポ卒=小林秀峰)
――試合を終えて、率直な感想をお願いします
まだまだいけるなという感じですね。まだまだ伸びしろがあると思います。
――どのような部分に伸びしろがあると感じますか
使っているメンバーも数人しかいないですし、戦えそうなメンバーもまだベンチに残っているので。ただ、固定したメンバーの中でも、日体大のような日本一を狙えるチームと戦えたというのは、ある意味収穫でもあります。あとは、去年からある負け癖を払拭できていないので、そこに関してはまだ伸びしろがあるかなと思います。
――初戦と比べて、ディフェンスからの速攻という持ち味を発揮できていたという印象を受けましたが、初戦から何か変えたところはありますか
自分たちのやることを徹底しなさいということしか言っていません。やることをやれば自然と結果もついてくるし、どこが相手だろうと負けることはないよという話をしていました。
――「自分たちのやること」とは具体的にはどういったことですか
利き手を強く守ろうという共通認識を持っていました。ハンドボールはシュートを打つスポーツということで、利き手側のプレーって強くいけるんですよ。強くくる方を強く守っていくのは基本だよね、ということで。相手の利き手に対しては強く守ろうねという話をしていました。
――ディフェンスとオフェンスそれぞれの評価を教えてください
ディフェンスは、残り10分までなら8割くらいやりたいことができていたかなと思います。まだまだ詰めの甘いところはありましたが。ただ、残り10分は全然ダメでしたね。そこに関しては、選手たちからも(ミーティングで)出ていましたが、基礎体力が足りないということです。足が止まってしまったというところも含めて、もう1回鍛え直さないといけないと思います。オフェンスに関しては、柔軟に動いていたなと思います。でもオフェンスも同じく基礎体力の部分で足が止まってしまって、ミスから逆速攻をやられてしまいました。こちらのやりたいことを相手にやられてしまったということで、結局体の部分から鍛え直す必要があるなと感じました。
――敗因はどのような部分にあるとお考えですか
いろいろあるとは思うのですが、大きなものは2つです。一つは、さっき言った基礎体力の面です。もう一つは、受け身になってしまったことです。どこかで守りに入ろうとしてしまいました。ベンチで、6点、7点、最後10点まで(点差を)つけるぞという話をしていたのですが、6点以降がいけなかったことが敗因かなという話をしていました。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
選手もよく言っていますが今のチームはスター選手がいないので、その分みんなで走ろうと話しています。どうにかみんなで走り勝って、まず一つ目の勝ち星を挙げられたらなと思います。選手がベストパフォーマンスを出せるように、こちらも最善の準備をしていきたいなと思います。
永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)
――試合を終えて、率直な感想をお願いします
めちゃめちゃ悔しいですね。今日は基本的に僕たちが試合の流れを握る展開だっただけに、後半残り10分の戦い方がうまくいかなくて逆転負け、日体大にしてみれば大逆転劇というかたちで、すごく嫌な記憶に残りました。
――ディフェンスが良い印象でしたが、どのようなことを意識してプレーしていましたか
昨日の法大戦で、全然足が動いていないことが印象的でした。今日はとにかく足を動かそうと考えてやりました。もう一つは、約束事として、利き腕をしっかり守ろうと決めていました。シンプルなディフェンスの約束事を決めて守っていました。
――よく声が出ている印象を受けましたが、意識していましたか
昨日の試合では盛り上がらなかったので。盛り上がらないと勝てないので、そこは今日しっかり意識して、声を出していました。自分も昨日はキャプテンシーという部分で存在感を発揮できなかったので、今日はしっかりディフェンスから声を掛けて、全体的に声を出しやすいムードをつくりました。
――キーパーとの連携について、初戦と比べるといかがですか
初戦と比べて格段に良くなっていたと感じます。初戦は僕らからの要求もキーパーからの要求もまったくなくて、コミュニケーションが取れていませんでした。そこを改善して、今日はキーパーの調子も良さそうだったので、「こっちは任せるよ」、「ここのシュートは取って、こっちは全部守るから」というように、僕ら側からもキーパー側からもコミュニケーションを取れていました。そこはすごく良かったかなと思います。
――終盤、相手に追い上げられているときはどのような心境でしたか
やることを変えたらいけないなと思っていました。あそこで僕らが一回落ち着こうとして、試合の流れをゆっくりにすると、僕らのチームカラーが全然出せなくなってしまい、負けにつながるなと考えたので、こういう場面でも走ろうと考えました。ただ、走ろうと頑張っていたのですが、体力が続かなかったかなと思いますね。
――敗因はどのようなところにあるとお考えですか
端的にいうとミスです。後半10分で7本のミスがありました。なんでミスが起きたのかなというと、体力かなと思います。
――次戦に向けて意気込みをお願いします。
後半10分以外は大変いい試合で、いい戦い方ができていました。日体大は今季の春リーグ優勝候補の筆頭かなと思っているので、その日体大に対して終始リードを握る展開をつくれたというのは、自信になります。逆に大きな反省点というのが出てきたので、そこをしっかり改善していこうかなと思います。昨年から僕らは負け癖がすごく付いていて昨年もそうですが1点差で負ける試合がとにかく多いです。最後に勝ち切れないところを僕らの代で払拭していきたいなと考えています。