ハンドボール部
2022.04.17
関東学生春季リーグ 4月16日 東京・国士館大学多摩キャンパス体育館
勝負所で得点できず 春季リーグ初戦は手痛い敗戦
ついに関東学生春季リーグ(春季リーグ)が開幕した。早大の初戦の相手は法大。昨年度の関東学生秋季リーグの最終戦で敗れた相手だ。前半は思うようにディフェンスが機能せず、オフェンスにもミスが目立った。勢いに乗る法大に連続得点を許し、10-14と4点差をつけられて前半を折り返した。4点を追う後半、徐々に早大の足が動き始め走る展開に持ち込むと、後半21分には逆転に成功。しかし、その後のシーソーゲームを制したのは法大だった。早大は大事な場面で得点できず、相手に再度逆転を許し29-30で敗戦した。
「(相手に)好き勝手やらせてしまった」と永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)が表現したように、前半は攻守で苦しんだ。試合開始直後に山田和直副将(スポ4=群馬・富岡)が得点すると、菅原七海(社4=東京・早実)、白築琢磨(文構2=東京・早実)も続けてゴールを割り、まずまずのスタートを切ったかに見えた。しかし、その後は得点できない時間帯が続く。二度の7mスローを得点につなげられず、流れを引き寄せられない。守備では相手の攻撃を食い止めることができず、連続得点を許した。前半終盤には早大オフェンスにミスが相次ぎ、10-14と4点差をつけられて前半を終えた。
シュートを放つ白築
追い上げたい後半。守備体形を1-2-3ディフェンスに変更したこともあり、徐々に守備が機能し始めた。さらに、足が動き始めた早大オフェンスが相手の退場を誘い数的有利な状況をつくると、流れは少しずつ早大に傾く。小笹紘大(法4=東京・拓殖第一)や神前怜(スポ4=埼玉・浦和実)のサイドシュートで得点を重ね、後半21分、狩野直樹(スポ3=埼玉・浦和学院)のロングシュートでついに逆転した。残り時間は9分。互いに点を取り合う拮抗した展開となった。しかし、広く空いたサイドのスペースから要所で得点され、再度逆転を許す。早大は勝負所での1点が遠く、目前で勝利を逃した。
ゴールを狙う小笹
「自分たちのプレーができていなかった」と三津英士監督(平8人卒=久留米工業大附)が振り返ったように、早大の持ち味である「堅守速攻」を発揮しきれなかった今回の試合。しかし、春季リーグはまだ始まったばかり。初戦から1年生の守屋雄司(スポ1=神奈川・法政二)と外種子田崚汰(スポ1=鹿児島・国分)がリーグ戦デビューを飾り、今後に明るい材料を残した。次戦は優勝候補である日体大戦。早大の戦い方を徹底し、春季リーグ初勝利を手繰り寄せたい。
(記事 澤崎円佳、写真 落合俊、澤崎円佳)
関東学生春季リーグ | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 29 | 10ー14 19-16 |
30 | 法大 |
GK 塚本智宇(スポ3=富山・高岡向陵) CP 白築琢磨(文構2=東京・早実) CP 山田和直(スポ4=群馬・富岡) CP 狩野直樹(スポ3=埼玉・浦和学院) CP 永橋優太朗(スポ4=千葉・市川) CP 菅原七海(社4=東京・早実) CP 神前怜(スポ4=埼玉・浦和実) |
コメント
三津英士監督(平8人卒=久留米工業大附)
――試合を終えて、感想をお願いします
勝つのはすごく難しいなと思いました。今までコロナで練習試合や練習の規制などがあったのですが、今回は大学からの許可があり、昨年や一昨年に比べると春リーグ(関東学生春季リーグ)に向けて練習ができていました。ですが、初戦ということもあり、みんながそれ以上に緊張していて自分たちのプレーができていなかったと思います。
――「自分たちのプレー」とは具体的にはどのようなものを想定していましたか
前半は0-6のディフェンス、後半は1-2-3というかたちでディフェンスを主体として、そこから速攻にもっていくというのが自分たちのスタイルです。ですが、そこで守りきれなかったり、オフェンスのミスがあったり。そこで逆に相手チームに速攻で決められてしまい、僕らがやりたかったことを相手にやられていたなという印象です。
――チームのオフェンス、ディフェンスをそれぞれどのように評価しますか
前半が10-14で、最悪こういう事態に陥るかなということは想定できていたので、後半はそこを追い返すということで1-2-3ディフェンスを考えていました。オフェンスに得点をつけると50点もいかないくらい。ディフェンスに関しては途中で修正ができていたというところではプラスに捉えてもいいのですが、自分たちが目指すレベルにはまだまだ程遠いかなと思いました。
――1年生の守屋選手(雄司、スポ1=神奈川・法政二)、外種子田選手(崚汰、スポ1=鹿児島・国分)の出場もありましたが、2人に関してはいかがですか
思い切り自分のプレーをして、ミスをしてもいいからがむしゃらにやっていくというのが1年生に課していることなので、彼らに関しては、出たプレーに関しては100点をあげられるかなと思います。
――次戦はどのような戦いをしたいですか
僕らがやることは変わらないですし基本的にはチャレンジャーなので、チャレンジ精神をしっかり忘れずに準備の段階から一つ一つ積み重ねていくことが大事だと思います。自分たちが今年掲げている堅守速攻、ディフェンスでしっかり守って速攻にもっていくというのをもう1回見直したいと思います。
永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)
――新チームとして初の公式戦でした。試合を終えて気持ちをお聞かせください
率直に言うと、楽しくなかったなという感じがします。楽しくなかったのは、自分たちのやりたいことができていないことが大きくて。うまくいくいかないは別として、自分たちのやりたいことができていないから、楽しくなかったし、勝てなかったなと思っています。
――具体的には
僕らは堅守速攻という目標を立てていて、ディフェンスをしっかりとやって、速攻で走り勝つチームという風にやっています。けれど今日は、前半の方からディフェンスが結構崩れていて、走ることもあまりできていなかったです。
――後半からディフェンスのかたちを変えたことに意図はありましたか
もともと1−2−3をやる予定でいました。1−2−3というディフェンスの形態も練習しておくべきということで、後半はそうしようと話していました。
――1−2−3ディフェンスのルールはチーム内でどのように決めていましたか
高さがあってミドルシュートが入りづらくなる分、サイドシュートが打ちやすくなってしまうディフェンスです。普段のサイドシュートは比較的止めてくれるキーパーなので、そこまでしっかりと持っていこうと話していました。しかし、キーパーの当たりも良くはなかったです。また法大の逆サイドはすごくうまい選手なので、本当はあちらには打たせたくなくて。正サイド側で勝負しようと思っていたのですが、そこがうまくいかなかったので、サイドシュートをたくさん打たれてしまったのかなと思います。
――後半戦では、走ることができる時間帯が増えたように感じました。その点はいかがでしたか
あれはよかったと思っていて、実際に逆転した場面もありました。自分たちはディフェンスから速攻に走るスタイルなので、そこができて、逆転ができたのだと思います。それに関してはよかったし、次につながると思います。
――その中で、勝ち切れなかったことに原因はありますか
今日のことで言うと、自分たちのやりたいことができませんでした。まずはシュートミスが大きかったかなと思っていて。シュートが入らないことには、勝てないです。今日は7メートルを2本外して、他のシュートも外していました。シュート確率を修正することは急務なのかなと思います。
――新チームとして収穫はありましたか
新1年生で守谷が出ていたのですが、1年生ながらすごく声を出してくれて、チームを盛り上げようとしてくれて。出た時には、ベンチで話していたことを伝えようとしてくれていました。アツくて周りを盛り上げることもできれば、戦術的なことも話してくれるので、すごく助かる選手だなと思っています。新チームに関しては、1人調子が悪い時に、盛り上げられる選手があまりいないことは問題点かなと思います。けがで盛り上げられる子も少なかったので、全員が盛り上げられる選手にならないといけないなと思いました。
――全体のディフェンスの流れはいかがでしたか
前半は0−6ディフェンスをひいていたのですが、相手のミドルも冴えていて、僕らの運動量も足りていなくて、好き勝手やらせてしまったような感じがします。そこは真ん中2人の僕と狩野(直樹、スポ3=埼玉・浦和学院)が修正していかないといけないと思います。打って変わって、後半はミドルシュートに対してあたることができていました。けれど一人一人が弱い場面が多くて。いい場面もあったのですが、フリースローを取りきれない、簡単に寄ってしまうなど、総合的に見ると良くないところが多かったのかなと思います。
――試合終了後の円陣では、どのようなことを話されていたのですか
今日は明らかに調子の悪い選手もいました。調子が悪い時に、何を変えるのか話していました。調子が悪いことは、誰が見ても分かると思います。ここがやられている、ここ調子悪いよねなど。けれど、そうではなくて、そこがダメだから、どこを変えようという声かけをもっとできればと話していました。敵のことはどうにもできなくて、自分たちが変わるしかないので、そのコントロールをしっかりやろうと話しました。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
次戦は日体大戦ということで、ほぼ山場みたいな感じです。今年の関東の優勝候補の筆頭でもあります。その日体大に対して、どういう戦い方をしていくのか。今日できなかった自分たちのやりたいことを、どう出せるかにかかっています。
白築琢磨(文構2=東京・早実)
――試合を終えて、感想をお願いします
勝てる試合だったのに最後追い上げきれなかったので悔しいというか、もっとできたんじゃないかなと思います
――法大戦に向けてどのような対策をしてきましたか
これといった対策をしてきたわけではなくて、自分たちの強みであるディフェンスから速攻を徹底してやろうというコンセプトでやっていました。
――チーム最多得点をあげましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
シュートシーンは何回かあったのですが、ここ1点ほしいというときに簡単に打って決まらなかったということがあったので、そこを100パーセント決められるようにしたいなというのが今日の反省点です。
――チーム全体のオフェンスに関してはいかがですか
ボールを持ちすぎた時間帯がありました。僕らはあまり身長がなくてミドルシュート打てる選手が数人しかいないので、速いパス回しを意識していたのですが、一人一人がシュートに固執しすぎてうまくパスが回っていなかったなという印象です。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
今日勝ちきれなかったというのはやっぱり悔しいのですが、引きずらずに切り替えて、明日は今日以上に走ると思うので、明日勝って来週以降の良いかたちにつなげていきたいです。