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ハンドボール部

2022.04.14

関東学生春季リーグ 東京・国士館大学多摩キャンパス体育館ほか

関東学生春季リーグ展望

 関東学生春季リーグ(春季リーグ)が男女ともに4月16日に開幕する。今年度初の公式戦となるこの舞台で、新チームはどのような戦いを見せてくれるだろうか。

 男子部は、全日本学生選手権(インカレ)でのベスト4以上を目指す。昨年度のインカレでは初戦敗退と涙を飲んだ。主力として試合に出場していた選手が残る今年度、さらなる経験を積んだチームの飛躍に期待がかかる。新体制となった早大を率いるのは、昨年度から早大ディフェンスを支えてきた永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)。守備での活躍もさることながら、チームをまとめる手腕に注目だ。オフェンスの中核を担うのは、鋭いカットインが光る山田和直副将(スポ4=群馬・富岡)。巧みな身体操作で積極的にゴールを狙う。また、成長株の狩野直樹(スポ3=埼玉・浦和学院)も新たな得点源になるだろう。これまでなかなか出場機会が無かったものの、長身から放たれるシュートは威力抜群。新チームに勢いをもたらす存在となれるか。守備では、GK塚本智宇(スポ3=富山・高岡向陵)のキーピングがカギになる。以前から非凡なセンスに定評がある塚本。絶対的な正GKであった中村匠氏(令4スポ卒)が引退し、早大の躍進のためには新たな守護神の活躍が欠かせない。さらに、攻守両面で注目したいのが、山田とともに副将を務める田井健志副将(スポ3=香川中央)。両利きを目指して左手でのシュートを特訓中だという田井。ディフェンスに対する理解度も高く、攻守にわたる活躍が期待される。今年度も「堅守速攻」を軸に据え、徹底した守備と確実な速攻で勝利を狙う早大。永橋主将は、目前に迫った春季リーグについて「自分たちの武器と課題をしっかりと見つけられるリーグ戦にしたい」と語った。春季リーグを飛躍の足掛かりにできるか。新チームの健闘に期待したい。

ゴールを守る塚本

 2022年、女子部の目標はインカレでメダルを獲得することだ。昨年度と同様、部員数の少なさに不安を抱えているが、新たに主将に就任した江連織圭主将(スポ4=千葉・昭和学院)は「誰が何年生なのかわからないくらい、学年関係なく仲が良い」と語り、チームワークの良さが窺える。日々の練習でも、学年関係なく意見を常に交換している様子が目立つ。今年度初の公式戦となる春季リーグに向けて、江連主将はチーム全体へ信頼を寄せながらも、唯一の同級生選手である佐藤優花副将(スポ4=東京・佼成学園女)が特にカギになると言う。佐藤は昨年度の後半ケガに苦しみ秋は出場が叶わなかったため、リーグ戦での復活に挑む。また、4年生が抜けたRBのポジションには同じくケガもあり出場がなかった鶴田文乃(スポ2=山梨・日川)が起用されるか。さらに、3年生ながら佐藤とともに副将を務める村上楓(スポ3=福岡・明光学園)にも注目だ。持ち味であるフェイントの速さもさることながら、そのリーダーシップにも期待がかかる。チームのディフェンスを担うGKは、昨年度川村夏希(スポ3=東京・佼成学園女)が主戦の座をつかみとったが、今年度は江連主将がスタメンを奪取するのかにも注目だ。今季のリーグ戦に向けて基礎的な練習や走り込みを中心に取り組んできた分、細かいミスを減らしインカレでのメダル獲得に弾みをつけていきたい。

後輩に指示を出す佐藤

 昨年度もリーグ戦の中止など思わぬ事態が続いた。今年度はそんな混乱した状況の中でも与えられた試合を飛躍のための実りある機会にしていきたい。新チーム初の公式戦となる春季リーグでチームの課題や強みを見つけ、今後の関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)やインカレに向けてつなげることができるか。新体制となった早大ハンドボール部の活躍に注目だ。

(記事・写真 澤崎円佳、野中美結、落合俊)

コメント

永橋優太朗主将(スポ4=千葉・市川)

――今年のチームの特徴を教えてください

最近の早稲田にはいわゆるスター選手がいないのですが、全員が真面目で頑張り屋でそういうところで他のチームを抑えて勝ってきているので、今年もその色は濃く出ていると思います。

――プレーをする上で、コンセプトがあれば教えてください

コンセプトは、堅守速攻です。これは毎年早稲田が言っているのですが、やっぱり根底にあるのはすごい選手がいないということで。しっかり頑張ってディフェンスをして頑張って走るという感じです。ハンドボールのディフェンスって、うまさや体の大きさも大事なのですが、人柄もすごく大事で。最後あと一歩頑張れるかとか、あと少し強く当たれたかとか、一つ一つの頑張りが大事になってくるので。そこを自分たちの持ち味である真面目さとか勤勉さでカバーするという意味で堅守速攻をコンセプトにしたいなと思います。

――この春休み中に強化してきたところはありますか

堅守速攻を目標にするということで、一にも二にも基礎体力が必要かなと思って、走り込みをしたりフットワークの力を鍛えたりしてきました。

――現時点で、チームに課題はありますか

いっぱいあるのですが、今僕が一番思っているのは、AチームとBチームの差です。日本一になるようなチームはBチームがとても強いんですよ。Aチームが一番試合をするチームってBチームじゃないですか。でも、今の早稲田を見ると、あんまりBが強くない。だから今の課題としては、Bチームを強くする、選手層を厚くしていくことが大事かなと思います。

――永橋選手の理想の主将像を教えてください

僕は結構でしゃばるタイプというか、しっかり声を挙げていきたいタイプなのですが、僕がそんなに何かを言わなくても周りが主体的に行動してくれて、少しいきすぎてしまったときに、軌道修正してうまくまとめるというのが理想です。自分がプレーで引っ張るとか、自分についてこいというよりは、みんながやりやすい環境をつくってまとめる。特に下級生は今年は自由にという感じがあるので、好きにやらせた上でまとめてあげたいなというのが僕の理想です。

――新1年生にはどのような印象を持っていますか

すごくいいなと思っています。僕らが1年生のときはチームカラーが全然違って、1年生からコートに立つことはできなかったので。でも今の僕らからしたら、1年生が頑張って入ってくれないと、練習も成り立たないですし。1年生がどんどん自分を出してわからないことがあったら聞いてくれるし、できることがあったら自分でやってくれているので。その積極性がうれしいなと思っています。

――オフェンスとディフェンスでそれぞれ注目選手を教えてください

オフェンスだと狩野(直樹、スポ3=埼玉・浦和学院)ですかね。狩野は僕達の中でも規格が大きい選手なのですが、多分これまではちょっとさぼっていたんです(笑)。高校時代は身体能力が高くて世代別とかに入っていたくらいですし、最近コーチが変わって、しっかり見抜かれて指導されている感じがあって。今が伸び時でどんどん良くなっているなと思います。ディフェンスは、田井健志(スポ3=香川中央)ですね。彼は高校時代にキャプテンとして三冠を経験していて、経験値という部分でこの部で圧倒的なので。ディフェンスではトップを担っていてディフェンスに対する理解度が圧倒的なので、堅守速攻を目標にするこのチームには欠かせない選手だと思います。

――関東学生春季リーグ(春季リーグ)の日程が出ましたが、意識している相手や試合はありますか

やっぱりまず初戦が大事だと思います。法政大学との試合なのですが、練習試合もしていますし、キャプテンが僕の高校の同期なので負けたくないなと。去年の秋リーグ(関東学生秋季リーグ)の最終戦で、どこか勝てるだろうみたいな気持ちがあって負けてしまったので。今年一発目ということで、しっかり勝ちきりたいというか、勝たなければいけない試合ですね。

――春季リーグの目標と意気込みをお願いします

自分たちの武器と課題をしっかりと見つけられるリーグ戦にしたいなと思います。勝ち負けもすごく大事で勝ちにいくのは当たり前なのですが、自分たちがどこまで通用するのかとか、自分たちの課題を新たに見つられる期間にしたいなと思います。

江連織圭主将(スポ4=千葉・昭和学院)

――今年のチームの目標は

インカレ(全日本学生選手権)でメダルを取るという目標があります。

――新チームの特徴は

誰が何年生なのかわからないくらい、みんな学年関係なく仲が良いという点です。学年が下の子もいろいろ言いやすい環境になっているのではないかなと思います。

――新チームの雰囲気は

4年の選手が2人と少ないというのもあって、下級生が先輩についていくというよりは一緒になってチームを盛り上げてくれています。頼もしい後輩が多いです。

――主将になってから心境の変化は

責任感を持たないといけないなと思うようになりました。今までは自分がどうやってプレーを上手くなるかを考えてやってきたのですが、それだけじゃなくて、チーム全体のことも自分のことと同じように考えないといけないという点に非常に責任を感じています。

――チーム全体で強化してきた点は

人数がとても少なくて、最近やっと試合ができる人数が集まったので、とにかく基礎的な練習をいっぱいやってきました。あとは今までで一番走ってきました。

――試合形式の練習で通常の試合の人数より少ないかたちで行っていたことについては

本当は6対6なのですが3対3で練習しています。1チーム3人でやる分コートも広いので、いっぱい走らないといけないです。

――練習の中で見えてきた課題などはありますか

いっぱいありますが、中でも常に言われている課題はシュートミスです。周り(のチーム)が結構強いので、シュートチャンスがとても少なくて、その時に確実にシュートを決めないといけないというのはずっとある課題です。ちゃんとチャンスを作ってディフェンスを抜けたらしっかりシュートを決めるところまでやるというのはチームで常に言っています。

――春季リーグでカギになりそうな注目選手は

みんなです。本当に人数が少なくて、誰か1人でもいなくなってしまうと大変で、一人一人の力が必要なのでみんな大事です。強いて1人信頼している選手を挙げるなら、4年の佐藤優花(スポ4=東京・佼成学園女)は、今までケガをしていて今も色々痛いところがあると思うのですが、頑張ってやっているので、楽しみつつも最上級生として一緒に2人で引っ張っていきたいので信頼していますし、カギになると思います。

――春季リーグへの意気込みをお願いします

今までは2対2とかで6対6(の練習)なんてめったにできないという感じだったのですが、最近は監督やコーチの方がOBやOGを呼んで試合形式で練習をやってもらっているので、そういった意味でもいろんな人に感謝をしながら、一つでも多く勝って、関わってもらった方々に恩返しできるように全員で頑張っていきたいと思います。