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ハンドボール部

2021.12.02

早慶定期戦 11月27日  早稲田アリーナ

まさに「有終の美」 最高の舞台で最高のプレーを見せた!

 全日本学生選手権から3週間が経ち、今年度の集大成となる早慶ハンドボール定期戦が行われた。伝統の一戦であると同時に、最上級生にとっては最後の舞台だ。序盤から良いかたちで得点を重ねると、持ち味である堅い守備を見せ相手を引き離す。後半も勢いそのままに試合を進め、28-17で早大が試合を制した。「4年生全員に活躍の場があり、えも言われぬ気持ちになった」と村田恭平トレーナー(スポ4=長野・屋代)が振り返ったように、4年生のコートプレーヤーは10人全員が得点を挙げ、ディフェンスでもその実力を遺憾なく発揮。GK中村匠(スポ4=千葉・市川)は好セーブを連発した。各々が与えられた出場時間で素晴らしいパフォーマンスを見せ、チーム一丸となって勝利を手繰り寄せた。

 良いプレーが出るたびにベンチは総立ちで喜び、観客が大きな拍手を送る。チームと観客が一体となった雰囲気の中、選手たちは輝きを放った。試合開始直後、金龍洙(スポ4=兵庫・須磨学園)が持ち前のサイドシュートで先制点を挙げると、続いて佐藤法俊(スポ4=長野・屋代)、青沼健太(社4=千葉・昭和学院)が強烈なロングシュートで相手ゴールを割る。村井達也(スポ4=富山・高岡向陵)も鋭いカットインで攻め込み、4年生が順調に得点を挙げていった。一方守備では、開始10分に退場が相次いだ。しかし、ここで相手の7mスローを止めたのが中村。簡単には流れをわたさない。その後、福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)が素早い戻りで相手の速攻を食い止めると、今度は早大が一気に攻め上がり遠近拓海(教4=東京・早実)が得点。4年生が「堅守速攻」を体現し、開始15分で5点差をつけた。さらに前半中盤には、吉田京平(政経4=東京・早稲田)がチームを盛り上げた。4年間で培ったディフェンス力で相手の攻撃を阻み、鮮やかなサイドシュートを決めるなど攻守に奮闘。吉田の一つ一つのプレーにベンチから歓声が上がった。このまま早大がペースをにぎるかと思われたが、前半終盤は攻めあぐねる時間帯が続く。優位に攻撃を展開する慶大へ流れが傾きかけたところで、前半が終了。序盤のリードもあり、13-7で折り返した。

観客席に向かってアピールする青沼

 後半開始直後、神前怜(スポ3=埼玉・浦和実)が芸術的なシュートで会場を沸かせ、続けて山田和直(スポ3=群馬・富岡)も得点。3年生の活躍で徐々に勢いを取り戻すと、奥村陸生(スポ4=神奈川・法政二)がサイドシュートでゴールネットを揺らし渾身のガッツポーズを見せる。さらに、応えるようにディフェンス陣も躍動。この日再三のファインセーブでチームを救った中村、福田を中心に相手の攻撃を見事に封じ、完全に流れをつかんだ。ベンチがより一層盛り上がる中、途中出場した長谷川靖幸(法4=東京・早実)が立て続けにロングシュートを決めると、ムードは最高潮に。終盤は慶大も食い下がり点を取り合う展開となるが、早大は自分たちのペースを崩さない。残り時間がわずかとなる中、鈴木雄大(政経4=東京・早実)が力強いポストシュートを叩き込み、青沼もミドルシュートで得点を重ねるなど最後まで勝負強さを見せた。28-17で試合終了。点差以上に、その内容が4年生の存在感を物語っていた。

ゴールを守る中村

 熱戦の余韻が残る試合後、保護者や友人と話す選手たちの表情に笑顔が広がった。今の状況下で、有観客での開催は当たり前のことではない。マネジャーの藤嶋佑季(商3=東京・早実)も、この試合の準備に奔走した。多くの人の尽力で実現した晴れ舞台。この試合をもって引退する4年生にとっては最高の花道となったことだろう。青沼主将は「次の年は次の年なりの正解を見つけて戦ってほしい」と語った。今年度から試合に出ていたメンバーが多く残る来年度。偉大な先輩たちの意思を受け継ぎつつ、新しい正解を探す。さらなる高みを目指す彼らの今後が楽しみだ。

(記事 澤崎円佳、写真 杉原優人、小澤慶大、落合俊、宮島真白、板東萌、安岡隼人、横山勝興、澤崎円佳)

集合写真

 

早慶定期戦
早大 28 13ー7
15-10
17 慶大
GK 中村匠(スポ4=千葉・市川)
CP 遠近拓海(教4=東京・早実)
CP 青沼健太(社4=千葉・昭和学院)
CP 永橋優太朗(スポ3=千葉・市川)
CP 福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)
CP 佐藤法俊(スポ4=長野・屋代)
CP 村井達也(スポ4=富山・高岡向陵)
コメント※4年生全員のコメントを掲載しています

青沼健太主将(社4=千葉・昭和学院)

――試合を振り返っていかがですか

今までずっとやろうとしてきた堅いディフェンスが見せられましたし、退場がその分増えてしまったのですが、守ってやろうという気持ちがすごく強く出ていました。5人のときも運動量を保って中村(匠、スポ4=千葉・市川)もよく止めてくれたので、すごく良い試合だったと思います。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

僕の個人的なところで言うと、今まで1年間チームのことを考えてプレーしていたのに、インカレ(全日本学生選手権)で意気込みすぎて自分のプレーに集中しすぎてしまい、最後にエゴが出てしまったことが1番の反省点でした。なので、最後はしっかりチームのことを考えられるようにということを最後の1週間くらいはずっと考えながら練習していました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、その点についてはいかがですか

中学高校とノリで勝っていくようなチームでやっていたので、最後しっかりと観客と一体になりながら早稲田の良さを出せればいいかなと思っていました。なので、観客の方に向かってガッツポーズしたりとか、鼓舞したりとか。もちろん味方にもそうなのですが、そういうところは意識してやろうと思っていてやっぱり楽しいなと試合中に感じました。それが今日は良い結果につながって良かったかなと思います。

――主将として1年間チームを率いてこられましたが、振り返っていかがですか

ハンドボールに1番向き合った時間だったかなと思います。ハンドボールの技術的な部分ではなくて、チームとして何をしていくか、チームがどう見られているか、自分がチームからどう見られているか、自分が外部の人にどう見られているか、自分が早稲田のハンドボールに還元できることを常に探すような1年間だったので。はたから見れば自分のプレーができていないと思われることもあったかもしれないですが、僕の中ではすごく成長させてもらった良い1年間だったと思います。

――4年間を振り返っていかがですか

ハンドボールへの考え方が変わった4年間でした。僕は今まで、個で勝てないから集団で勝つという風に考えていたのですが、早稲田は「個で勝てないと集団でも勝てない」という考え方で。やっぱり個が一つ一つ突出すればするほど簡単に相手を崩すことができて、個の力っていうのはすごく大切になってくると思うので。今まで培ってきた集団でしっかり戦うというところと、早稲田で培ってきた個で勝ち切るっていうところを将来生かしていければいいかなと思います。

――後輩にはどのようなプレーを期待しますか

今年は3年生以下にすごく助けられて、高いディフェンスとか0-6のディフェンスとか、3年生中心に基盤は固まっていると思うのですが、キーパーも変わるし僕のポジションも変わるし、今まで4年生が出てきたポジションも変わってくると思うので。基盤は基盤でもちろんあっていいのですが、今年やってきたことを正解にしないように、次の年は次の年なりの正解を見つけて戦ってほしいなと思います。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

やっぱり1番は感謝です。僕は、学業とかチームのことを考えてきたとは言いつつ、自分が1番ハンドボールで活躍したいと思って向き合ってきて。その中でのチームづくりだったと思うので、まずチームのみんなには、僕がやろうとしてきたことを信じてくれてありがとうと言いたいです。親には、ずっと実家から通わせてもらって、毎日家に帰るのが遅いのにご飯を作ってくれたり、2年生で成人したときには飲み歩いたりすることもよくあったのですが、そんな中でも「ちゃんとハンドボールと向き合えるなら、自分の時間を自由に使いなさい」と優しい言葉をかけてくれたので。良い意味では自立できたし、悪い意味では自由奔放な感じだったのですが、キャプテンという重責を背負う中で精神的なサポートも親はしてくれたので、ありきたりではあるのですが感謝しかないかなと思います。

福田友貴副主将(スポ4=神奈川・法政二)

――今日の試合を振り返っていかがですか

とても楽しくて、4年生みんな得点できて、今までやってきたことが全部出せたかなと思います。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

やっぱり最後なので、最後は楽しみたいなという気持ちでやってきました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、その点についてはいかがですか

僕の友人とかも見に来てくれて、親にも自分が試合に出ている姿を見せることができて、最後こういったかたちで終わることができて本当にうれしいです。

――今年度は副主将としてチームを引っ張ってこられましたが、どのような1年でしたか

僕はみんなの前で言葉で引っ張るというのではなくて、とりあえず自分のやるべきことをやって頑張っていこうとは思っていたのですが、あまりうまくいかないこともあったので難しい1年だったかもしれないですね。

――4年間を振り返っていかがですか

早稲田大学という組織が学生主体でやっていて、監督が毎日来るわけではないのですが、みんな一生懸命に練習しているのがとても魅力的なチームだなと思いました。

――後輩にはどのようなプレーを期待しますか

今年から試合に出ている選手も多かったので、今まで通りの強い早稲田というのと、盛り上がりもすごいと思うので、お祭りみたいなプレーを連発してくれればなと思います(笑)。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

この大学4年間も含めて13年くらいハンドボールをやってきたのですが、それを支えてくれた親には感謝しかないので、それだけですかね(笑)。

村井達也副主将(スポ4=富山・高岡向陵)

――試合を振り返っていかがですか

早慶戦では4年生で出たいという思いがチーム内であって、ほとんど4年生で出られたので、そういう意味では良い結果に終わったのかなと思います。

――久しぶりの有観客試合でしたが、その点についてはいかがですか

僕自身は試合中楽しもうと思ってやっているタイプなので、お客さんが入っているからと言って何か気が変わるようなことは無かったのですが、こうやって見てくださる方がいることは力になりますし、背中を押してくれるものだなと改めて感じました。

――今年度は副主将としてチームを引っ張ってこられましたが、どのような1年でしたか

色々な面で青沼(健太、社4=千葉・昭和学院)がキャプテンとして引っ張ってくれていて、僕は表立った仕事はあまりやってこなかったので、副キャプテンらしいかと言われると多分そうではないです。さっきも言いましたけど、楽しむことを優先してしまっているので、周りから見ると締りのない副キャプテンだったと思います(笑)。なので、その役割としては務めきれていないということを謝罪しておきます(笑)。

――4年間を振り返っていかがですか

苦しい時期とか色々ありました。入学した時点で「大学のハンドボールってこんななんだ」っていう自分の中で一つ壁があって。それに適応するのに結構時間がかかりましたし、周りへ合わせることも苦労した部分があるので、順調に4年間過ごしてきたかと言われるとそうではないのですが、終わり方としては良かったのかなと思います。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

高校のときから感謝の気持ちが大切だと言われてきて、僕自身、周りにそういうことは伝えるようにしているので、感謝を伝えたいと思います。

中村匠(スポ4=千葉・市川)

――試合を振り返っていかがですか

とても楽しかったです。チームが一つになったからこそ勝てた試合だと思いました。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

インカレが不甲斐ない結果で終わってしまったこともあり、早慶戦には絶対に勝つという気持ちをもって臨みました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

最高でした。これが試合だなと久しぶりに思い出しました。

――随所に良いキーピングが見られましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

100点です。今までで1番止めた試合だったかもしれないです。止めたときに仲間が喜んでくれたことがすごくうれしかったです。

――4年間を振り返って、印象に残っている試合はありますか

2年生の春リーグの法政大学戦は、初めてリーグに長時間出て勝利に貢献出来た試合なので、印象に残っています。

――GKの後輩にはどのようなプレーを期待しますか

智宇(塚本智宇、スポ2=富山・高岡向陵)には、責任を感じすぎずに楽しみながらプレーしてほしいです。航平(渡辺航平、人科2=神奈川・桐光学園)には、智宇に任せきりになるのではなく、支えながら2人で早稲田のゴールを守るんだという気持ちをもって頑張ってもらいたいです。ポジション上責任を感じるかもしれないですが、2人ともとても上手なので伸び伸びプレーしてほしいです。応援しています。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

10年間応援してくれた両親、4年間お世話になった同期、先輩後輩、今までありがとうございました。最高の環境に恵まれたからこそ、いい結果で終わることができたと思います。これからは応援する側に回るので、早稲田の活躍を楽しみにしています。

佐藤法俊(スポ4=長野・屋代)

――試合を振り返っていかがですか

試合前からチーム全体がやる気に満ち溢れていました。ただ、それによって気持ちが空回りすることはなく、4年生を中心に各々が自分の役割を全うできた結果、最高のかたちで終えることができたと思います。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

目標としていたインカレは本意ではない結果に終わってしまったので、集大成となる早慶戦は絶対に勝って笑顔で終えられるようにと思って臨みました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

シュートが決まったとき、ナイスセーブをしたとき、フリースローを取ったとき。一つ一つのプレーに対して、温かい声援や拍手を送ってくださる観客の皆さんがいてこそのスポーツなんだなと改めて実感しました。最後の最後にこのような舞台で試合をすることができ、感謝の言葉しかありません。

――開始直後に得点を挙げてチームを盛り上げていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

今日は開始10分で全てを出し切るくらいの気持ちで試合に臨んでいたので、序盤から積極的なプレーをすることができていたと思います。特に後半のロングシュートは自分でもびっくりするくらい綺麗に決めることができ、最後のシュートがこれで本当に良かったです(笑)。

――4年間を振り返って、印象に残っている試合はありますか

ケガに悩まされて苦しい時期の方が長かったですが、素晴らしい先輩、後輩、そして同期に囲まれてとても充実した4年間でした。

――後輩にはどのようなプレーを期待しますか

今年の秋リーグ、インカレで悔しい思いをした分、是非優勝してほしいです。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

振り返ってみると、部員や家族、友人をはじめとして、沢山の方々に支えられてきたからこそ今の自分があるのだと感じました。今まで本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。

長谷川靖幸(法4=東京・早実)

――試合を振り返っていかがですか

まず勝てて良かったです。その上で4年生全員がしっかりと役割を果たし活躍することができたので最高に楽しい試合でした。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

インカレが終わった後にこのままでは終われないと思い同期に話をしました。その後同期で話し合い、早慶戦は4年の力で勝利しようと決めたのでその覚悟を持って臨みました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

最高の雰囲気でした。やはり観客がいると盛り上がりますし、プレーしていて楽しかったです。観に来てくれた家族や友人の方々、ありがとうございました。

――後半、立て続けにシュートを決めてチームを盛り上げていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

前半は力が入りすぎて周りが見えなくなってしまっていたので、後半はハンドボールとこの試合を楽しむ方向に気持ちを切り替えました。なので、後半は良い感じに力が抜けて自然体でプレーすることができました。シュートを決めたときチームメイトが祝ってくれたことがうれしかったです。

――主務としてもチームを支えていたと思いますが、この1年間を振り返っていかがですか

名目上主務という立場をやらせていただきましたが、チームを支える仕事は全てマネージャーである藤嶋(佑季、商4=東京・早実)がやってくれました。彼女がいなければチームの活動が成り立たなかったのでとても感謝しています。

――4年間を振り返っていかがですか

この4年間は本当に辛い4年間でした。なかなか試合に出場することができず、悔しい思いもたくさんしました。特に後半の2年間は新型コロナウイルスによって試合が減ったり大事な時期に怪我をしたりと全く思い通りにいきませんでした。それでも、小中高大とハンドボールをしてきた中で1番成長できた4年間だったと思います。

――後輩にはどのようなプレーを期待しますか

今年は後輩にたくさん助けられたので本当に感謝しています。技術力が高くハンドボールの知識と経験が豊富な選手が多いので期待していますし、彼らならやってくれると思います。あとはみんなで仲良くハンドボールを楽しんでほしいです。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

まずこれまでハンドボールを通して関わっていただいた全ての方に感謝したいです。その上で、ここまでハンドボールを続けさせてくれた両親、そして僕を引っ張ってくれた兄には心の底から感謝しています。本当にありがとうございました。

金龍洙(スポ4=兵庫・須磨学園)

――試合を振り返っていかがですか

自分にとっても今年のチームにとっても最後となる試合を最高のかたちで締めくくることができてとてもうれしいです。自分のハンドボール人生の中で1番思い出に残る試合になったと思います!

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

最後なので自分の今までやってきたことを出し切ろうという気持ちで臨みました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

一つ一つのプレーに対して、試合に出ている選手、ベンチにいる選手、観客の方々が一体となって盛り上がっていました。そういった光景を見て自分も自然と気持ちが高揚しました。最後にこういった経験ができて最高です。

――持ち前のサイドシュートも見られましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

サイドシュートは自分の強みである考え、この1年間やってきました。なので試合前から自分のやってきたことを出し切るという意味でも、サイドシュートで得点したいという思いがありました。決めた2本のシュートは空いているところに気持ちが入った分、強く腕を振って打ちこむことができたと思います。自分のやってきたことは出し切れたと思います。

――4年間を振り返っていかがですか

多くのことに気づかせてもらった4年間だったと思います。同期、先輩、後輩といった周りの人達、この部活で過ごさなければ味わうことができなかった数々の経験が自分に多くの気づきを与え、今の自分がいると感じています。

――後輩にはどのようなプレーを期待しますか

後輩たちはそれぞれ強い良い個性を持っている人達が揃っていると思います。みんなが一つになれればとても強いチームができあがると思うのでチーム一丸となって戦い、リーグ、インカレで優勝してほしいです。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

まず同期、今まで関わってくださった先輩方、後輩。自分は皆さんに引っ張ってもらいここまで来られました。みなさんがハンドボールの技術、戦術を教えてくれたり、モチベーションを上げる言葉をかけてくれたりしたことにとても感謝しています。ありがとうございました。そして家族。活躍する姿を見せることができた瞬間は少なかったかもしれないけど、この4年間は自分にとって大切な4年でした。そんな環境に居させてくれて、4年間支えてくれてありがとう。

鈴木雄大(政経4=東京・早実)

――試合を振り返っていかがですか

最高に楽しい試合でした。試合の最初から最後まで、コートに立った選手もベンチの選手も含めてチームが一つになっていたと思います。前半に吉田(京平、政経4=東京・早稲田)が相手エースからフリースローを取ってベンチが総立ちになったのは印象深いです。4年生は最後の試合ということで気合の入ったプレーをしていましたし、後輩たちがコートの内外でそれを盛り立ててくれました。本当に感謝しています。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

今年の慶應は2部優勝やインカレ出場を果たすなど数十年ぶりの結果を数多く残したチームでした。一方で早稲田はインカレで下馬評を覆される結果に終わり、今年の早慶戦はもしかすると…という期待感が慶應側はもちろん、大学ハンドボール業界にあったと思います。それを絶対に裏切ってやろうという気持ちでした。あとは、やはり現役最後の試合だったので気持ちを出して前のめりにプレーしようと思っていました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

選手だけでは出せない盛り上がりが会場全体から伝わってきて良かったです。一部ではありますがお世話になった方々や友人の前でプレーできたことは一生の思い出です。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

試合を通してミスもありましたし技術的には反省するところはたくさんあります。ただ、要所で自分の得意なプレーや4年間練習してきたことを表現することができたのではないかなと思います。この試合、4年生で僕だけ点を取れていなかったので終盤に得点できて良かったです。

――4年間を振り返って、印象に残っている試合はありますか

同期と戦ったミニミニ、初得点した順天堂大学戦、最後のインカレは特に印象に残っています。うれしいことも悔しいこともありましたが、たくさんの学びを得ることができました。

――部員や親御さんなど、周囲の人たちに伝えたいことはありますか

僕が今まで部活を続けてこられたのは、両親はもちろん、周囲の部員たちの支えがあったからだと思います。4年間を通して、先輩だけでなく、後輩たちからもたくさんのことを教わりました。本当にありがとうございました。そして、何よりも4年間一緒にやってきた同期に感謝します。みんな今までありがとう。青沼が閉会式でも言っていましたが、これからは早稲田ハンドボール部を支える側として恩返ししていきましょう。よろしくお願いします。

奥村陸生(スポ4=神奈川・法政二)

――試合を振り返っていかがですか

結果的には、4年間の中で1番楽しい試合となりました。4年生の全員得点やこの4年間の中で1番の点差をつけての勝利、2年ぶりの有観客の中での試合など、私のハンドボール人生の中で記憶に残る試合トップ3に入るかなと思います!

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

私自身、今まで途中出場が多く出場時間が短い選手でした。インカレでも後半の途中出場で、チームを盛り上げていく役割を担っていると思いながら出場したのですが、結果はシュートを外してしまい、もうハンドボールができなくなるくらい落ち込みました。そのようなインカレでの悔いをこの早慶戦で全部晴らしてやるという思いと私の10年のハンドボール人生の集大成だと思って臨みました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

綺麗な会場で1階にも2階にも観客がいて、いい感じの暗さの照明で久しぶりに高揚感を感じました。ただ、自分は練習試合の前でもお腹が痛くなるくらいプレッシャーに弱いタイプなので、早慶戦のコートに立ったときにとてつもない重圧を感じました。でも、後半にシュートを決められたときや同期がナイスプレーをしたときに、チームメイトだけでなく保護者やOBの方々が一緒になって喜んでくれて、とても嬉しかったのと同時に有観客試合の楽しさを実感しました。

――後半、続けて得点を挙げてチームを盛り上げていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

本気で振り返るならシュート確率50%はいいとは言えないかなと思っています(笑)。早慶戦が終わって家の布団に入って目を瞑ったときにあのときにあーすればよかったなとか考えてしまいます…。でも、無得点で終わらなかったことに関しては良かったなと思っています。最初にシュートを外してハーフタイムにシュートを打っていたときに後輩たちが近寄ってきてくれて、「顔が死んでる」とか「体が固い」とか声をかけてくれて少し楽になることができました。そうしてシュートを決めたときに、ベンチのみんなが立ち上がって喜んでくれている姿や観客の声援が聞こえてきて一気に体が軽くなりました。決定率100%で終わりたかったのですが、完璧な終わりを迎えられないのもまた自分らしいかなと思っています。

――4年間を振り返っていかがですか

この4年間は本当に大変な4年間だったと感じています。1年生のときは、基礎的な練習が終わったらコートの横で見ているだけ、2年生のときはなかなかベンチに入れない日々、3年生では前十字靭帯断裂でほぼハンドボールの記憶が無く、4年生になってやっとチームの中での役割を見出し、ベンチ入りすることができました。一つだけ良かったなと思っていることは、4年間、コツコツと自主練をしていたことです。練習が終わった後に自分でサイドシュートをひたすら打っていました。キーパーの機嫌がいい時はシュートを受けてもらったりして自信をつけていくことができました。そうした結果、4年生でベンチ入りを果たすことができたのかなと思っています。

――後輩にはどのようなプレーを期待しますか

後輩たちは自分の代でも出場していた選手が多いですし、うまい選手や大きい選手もいるのですごいプレーを期待しています。また、早稲田ではバックチェックやルーズボール、声を出すなどの誰でもできることを泥臭くやるという習慣があります。自分はたまにできていなくてめちゃ怒られたりしますが(笑)。来年もこれからもその「早稲田らしさ」を大切にしてプレーをしていただきたいです。あとは、自分と同じポジションの選手たちには頑張ってほしいなと期待しています。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

同期のみんなには本当に助けられた4年間でした。怪我をしたときも励ましてくれて、辞めずに4年間やり切ることができました。1年生のときからの先輩方も自分が目標として追いかけた大きな存在です。今でもご飯に連れて行ってくれる先輩もいて、とても感謝しています。後輩のみんなは自分に気を使わずに仲良く接してくれてありがたかったです。こんなへっぽこな自分でしたが、サイドシュートの打ち方を聞きにきてくれてうれしかったです。そして、両親には本当に感謝しても仕切れないです。中学の頃からハンドボールを始めて、中3のときから県外遠征や合宿などで多額なお金がかかったり、高校のときの2L弁当や洗濯などを毎日してくれたり。とても感謝しています。また、大学では寮に入っていたのですが、仕送りや、怪我をしたときには励まし続けてくれました。両親のサポートがなければ今の自分はないと思っています。これからの時間をかけて恩返しができればいいなと思っています。

遠近拓海(教4=東京・早実)

――試合を振り返っていかがですか

とても楽しかったです。同期のメンバーが今まで以上に輝いていたので、最も燃えた試合でした。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

負けてはいけない試合であることは間違いないため、スタートメンバーでどれだけ点差をつけて後続のメンバーにつなぐことができるかを意識していました。結果、同期メンバー全員でコートに立つことができて、良い思い出になりました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

やはりシュートの盛り上がり方が桁違いで、自分も早くシュートを決めたいと焦りました。今回の勝利は応援に来てくださった父兄やOBの方々のおかげであると思っています。

――速攻から得点を挙げてチームを盛り上げていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

速攻で点数を決めようと目標を立てていたので、とても満足しています。またディフェンスにおいて、簡単にサイドに飛び込まれないように守ることができ、相手にプレッシャーを与えたため簡単に速攻に行けたと感じています。

――4年間を振り返っていかがですか

順風満帆とは言えない4年間でしたが、様々な人生観・ハンドボール観に触れることができ、確実に自身の成長につながった4年間でした。

――後輩にはどのようなプレーを期待しますか

山田君(和直、スポ3=群馬・富岡)はグループワークやウエイトの班が一緒でよくコミュニケーションとっていて、しっかりとした目標意識とハンドボールを楽しむ姿勢があるため、ぜひ試合で活躍してチームを引っ張っていただきたいです。他の後輩たちもそれぞれの武器を理解した1年だったと思うので、その武器に磨きをかけて勝利をつかんでいただきたいです。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

ありがとう、その感謝の一言に尽きます(笑)。

吉田京平(政経4=東京・早稲田)

――試合を振り返っていかがですか

まずチームとしては、「シューターに強く当たって逆速攻」というチームの軸を徹底できたことが大きかったと思います。途中後輩の力も借りつつ、青沼、福田友貴(スポ4=神奈川・法政二)らを中心に4年生全員がそれぞれの強みを見せつけて勝つ理想的な展開でした。また、自身のプレーを振り返ると、率直に言ってできすぎた試合だったと思います。2部得点王の畠山さんとマッチアップということで、そこの一対一をどれだけ潰せるかが勝負になるとは思っていました。相手のフェイントの出だしに関しては様々な試合動画から何度も見返してきたのですが、完璧に守れるイメージは最後までできていなくて。しかしながらそういった試合前の準備、そして4年間の気の遠くなるようなフットワークトレーニング、全てが噛み合った結果として、自分の持ち味であるディフェンスの強い一対一を表現できた試合になったと思います。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

大学から競技を始める上で覚悟はしていたものの、出場機会がなかなか得られなかったことについてはやはり自分の成長を実感しづらい苦しさがありました。そんな中で迎える早慶戦には、勝たなくてはならない、というプレッシャーもありながら、自分のこれまでの努力を証明する最後の場になるんだな、と試合が近づくにつれてワクワクもしていました。練習試合ですらガチガチになる自分が、今回の試合前には緊張よりも楽しみな気持ちが勝っていて、「これ、空回りしないといいな」とちょっと不安にも感じていたことを覚えています。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

今までベンチやコート外からコート内の選手を応援することが多かったのであまり観客を気にかけることがなかったのですが、応援される側になって初めてその心強さを感じました。会場の全員が一つのプレーに集中し、一喜一憂する、あの歓声があったからこその早稲田の勢いが生まれたのかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

達也(村井達也、スポ4=富山・高岡向陵)からあまりに完璧なパスが来たので「ヤバい、これ逆に外すやつだ」と思ったところまでは覚えているのですが、正直肝心のシュートについて記憶があまりなくて(笑)。振り返ったときにベンチのみんなが総立ちで喜んでいたのと、福田が珍しくうれしそうにしていたあの景色は一生忘れないと思います。

――4年間を振り返っていかがですか

本当に苦しかったです。様々な人に迷惑をかけたし、結果につながるかわからない努力を続ける苦しさと常に共にあった4年間でした。支えてくださった周囲の方々あってのプレーだったことはもちろんですが、まずは途中でくじけなかった、負けなかった自分を褒めてあげたいと思います。

――後輩にはどのようなプレーを期待しますか

自分は誰かにプレーを期待するほどのすごい選手でもないのですが、結果への責任感は忘れてほしくないな、とは思います。試合に負けたとき他人や環境に原因を求めず、自分にもっとやれることがあったのではないかとどれだけ心の底から思えるか。僕を含めそこの責任感を持ちきれず、主将の青沼にしわ寄せが行ったことが今年の苦しい戦績につながったのかなと常々考えていました。「仲間と協力する」とか「総力戦」というのはもちろんですが、それとは違う次元で「自分がチームを勝たせるんだ」というようないい意味でのエゴを持てるとよいのかなと思います。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

お世話になりました。特に休日にも関わらず早起きしてご飯を作ったり、2部練期には1日8枚という怪異的な枚数の練習着を毎日洗ってくれたりと、日々の生活を支えてくれた両親には感謝しています。1時間ちょっとの試合では返しきれない量の恩は、これからしっかりと周囲に還元していきたいと思います。1年間ありがとうございました。

藤嶋佑季マネジャー(商4=東京・早実)

――ベンチからご覧になって、今日の試合はいかがでしたか

4年生が一体となった試合だと感じました。今まで出場機会があまりなかった選手たちも、この早慶戦にかけている気持ちがプレーに表れていて、その気持ちをベンチにいる私たちも感じ取ることができました。4年間、本当に多くの試合を見てきましたが、1番楽しくて忘れられない試合になると思います。このような試合を見せてくれた4年生、後輩たちに心から感謝したいです。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

マネジャーとして、早慶戦の運営を担っていたので必ず成功させたいという思いで臨んでいました。早慶戦という大きな舞台だからというのはもちろんですが、何より4年間一緒に過ごしてきた同期たちに感謝の気持ちを込めて、心から楽しめるような晴れ舞台を作りたいという思いがあったからです。4年間で1番忙しかったですが、当日のことを考えて準備をする時間は本当に楽しむことができました! このようなご時世で、観客の人数に制限もあり、やりたかったことを全て実現できたわけではないですが、同期たちが本日の早慶戦に満足してもらえていたら嬉しいです。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

全く違いました。普段のリーグではベンチも盛り上がってはいけないので、厳しい場面でベンチや応援など、気持ちで流れを作ることができませんでした。しかし、今回有観客になり、ベンチ、コートにいる選手たち、観客、全員が一体となる久しぶりの感覚を味わうことができました。また、2年前の有観客で試合ができていた雰囲気を思い出したことで、早慶戦は心から楽しむことができていたのではないかと思います!

――4年間を振り返っていかがですか

一言で言うと、本当に大変でした。しかし、自分が仕事ができなくて辛いときも、仕事量が多くて辛いときも、私の話を聞いて正面からぶつかってくれた同期や、支えてくれた方々のおかげで続けてくることができました。周りに恵まれた4年間だったと感じています。また、4年間で自分自身も段取りをとることや円滑に動くように考えて企画する能力がついたように感じます。今後もハンドボール部で学んだことを生かすことができればと思います。

――マネジャーの後輩にはどのような働きを期待しますか

選手とチームのことを1番に考えた働きです。これから、自分が損したり自分が大変になったりするけれど、選手たちにとってはこの方法が1番良いというような選択肢が出てくるときがあると思います。そのときは、自分よりもチームにとって良い方法を常に選択してほしいです。仕事ができる、できない関係なく、そうしたチームに対する想いを持って働くことが最も大切だと思います。ただ、追い込むことは元も子もないので、辛いときは誰かに助けを求めて抱え込まないように頑張ってほしいです。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

とにかく感謝を伝えたいです。選手たちが私に仕事という存在意義を与えてくれたので、チームで勝つ喜びや楽しさを味わうことができました。また、高校から7年間マネジャーをする私を支えてくれた両親にも感謝を伝えたいです。ありがとうございました。

村田恭平トレーナー(スポ4=長野・屋代)

――ベンチからご覧になって、今日の試合はいかがでしたか

年内最高レベルの試合展開だったと思います。ディフェンスがうまく機能して自分達のペースに持っていけていたと思いますし、チームが一体となって戦えていたのではないかと思います。また、4年生全員に活躍の場があり、えも言われぬ気持ちになりました。

――どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

最後というのもありましたが、特にいつもと変わらず落ち着きつつも楽しもうと考えていました。

――久しぶりの有観客試合でしたが、会場の雰囲気はいかがでしたか

今シーズン初の有観客で少し慣れない感じもありましたが、チームのメンバーだけでなく観客の方々も一緒になって盛り上がれていてとても良かったと思います。

――4年間を振り返っていかがですか

インカレ前の対談でも申し上げましたが、まずはこれまで自分に役割を与えてくれた選手達やその他のスタッフに感謝をしたいです。学生スタッフという選手とは違う立場で、葛藤することも多々ありましたが、それも含めていい思い出です。多くを学び多くを経験させてもらいました。

――トレーナーの後輩にはどのような働きを期待しますか

技術も知識も追いつかないことがしばらくは続くと思いますが、信念だけは曲げずに貫き通して欲しいと思います。知識や技術を身につけながら同時に人間性にも磨きをかけて頼り甲斐のある学生トレーナーになってほしいです。

――周囲の人たちに伝えたいことはありますか

ここまで支えてきてくれたことに感謝したいです。ありきたりかもしれませんが、決して自分1人では4年間部活動を続けられていたとは思えないですし、応援してくださるみなさんの支えがあってこその4年間でした。ありがとうございました。