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ハンドボール部

2021.11.12

全日本学生選手権 11月7日 山梨県・緑が丘スポーツ公園体育館

激闘の末、敗戦 楽しむ姿勢 悲願達成は後輩たちの手へ/2回戦・対関学大

 最後まで得点を狙い続けた早稲田。しかし、聞こえてきたのは無情にも試合終了のブザー。その瞬間、スコアボードには24-27と敗戦を示す文字が光っていた。 

 「出し切れず終わった」(RB阿部美幸、スポ4=東京・佼成学園女)。大事な場面でシュートミスが出てしまった試合だったが、立ち上がりを完全に制し、勝利を予期させた。幸先よくCB村上楓(スポ2=福岡・明光学園)が速攻からオープニングゴールを決めると、約8分間無失点のディフェンスに加えて、村上が2度のペナルティスロー獲得とサイドハンドからのミドルシュートと大爆発。しかし、相手退場時に得点できなかったことが流れを引き寄せられなかった要因か。その後も阿部美やLB浦野詩織(スポ2=愛知・旭丘)が得点し、GK川村夏希(スポ2=東京・佼成学園女)もポストシュートを阻むビックセーブ。さらにループシュートで村上がゴールを奪うと、5点リードと突き放す。だが、終盤6分間で無得点のまま、4連続失点を喫し、わずか1点のリードで前半を終えた。 

試合前に緊張している木村に声を掛ける桐林(画面右)

 前半に掴み切れなかった流れ。その代償が後半に入り、大きくなっていく。幸先よく先制に成功したが、相手フローター陣のロングシュートに苦しみ、逆転される。この日初めて追いかける展開に。ここで、攻め手が少なくなった早稲田は立て続けに阿部史歩(スポ2=岩手・不来方)、桐林香奈(商4=静岡・清水東)を投入。すると、阿部史が果敢なカットインで2枚目DFを振り切ってペナルティスローを獲得し、浦野がそれを沈めて同点に追いつく。さらに、2点差になった場面では桐林が浦野からの飛ばしパスに反応し、GKの内側を貫く鋭いシュート。「復帰してプレーできてすごく良かった」と振り返った桐林が大舞台で貴重なゴールを決めた。しかし、時間に進むにつれて関学大ペースに。3点差が付いた場面からは紅林をトップに据えた1-5ディフェンスに変更。何とか流れを変えようとしたが、失点が重なり、6点差に。後がなくなった早稲田はタイムアウト明けにオールコートマンツーマンディフェンスを仕掛ける。残り時間が1分を切り、苦しい展開。だが、厳しい体勢から阿部美がゴール左上隅へ捻じ込むと、村上のパスカットを起点に浦野が執念のゴールを決める。さらには、紅林詩乃主将(スポ4=東京・佼成学園女)がGKの虚を突くループシュート。時間を忘れさせる猛攻を見せ、あっという間に3点差に。しかし、ここでタイムアップのブザー。悲願達成への挑戦は終わりを告げた。 

浦野とハイタッチを交わす阿部美(画面左)

 試合終了の瞬間を迎えると、選手たちはそれぞれの反応を見せた。晴れやかな顔を見せる者、肩を落としうつむく者、涙をこらえ顔を覆う者――。主力が下級生となり、個々の確立が求められた今年の早稲田。『楽しむ』ことを第一に、全員で勝利を目指した。悲願のベスト4には届かなかったが、「最後までみんな諦めないで頑張る姿勢」(TR石毛明日香、スポ4=千葉・稲毛)は画面の前の多くの観客を沸かせたに違いない。 

試合後、村上を励ます紅林(画面中央)

 シュートを決め、全力で自陣へ戻った。前を向くと、そこには相手の笑顔。この瞬間にブザーが鳴り、敗戦を悟った紅林は溢れそうになるものを抑えるようにユニホームで顔を覆った。すぐに顔を上げると、うつむく村上に駆け寄り、見せたのは主将としての姿。チームを最後まで支え続けた。「苦しかった一年間」と今年一年を評した紅林。様々な苦境に立たされ、逃げ出したくなった日もあるかもしれない。それでも、4年生が口々に「楽しかった」と言えるチームは数多くないだろう。どこよりも最後まで試合を『楽しんだ』早稲田は山梨を後にした。 

試合後には笑顔が溢れた

(記事 杉原優人、写真 小澤慶大、杉原優人)

全日本学生選手権
早大 24 11-10
13-17
27 関学大
GK 川村夏希(スポ2=東京・佼成学園女)
LW 木村百花(スポ1=東京・白梅学園)
LB 浦野詩織(スポ2=愛知・旭丘)
PV 紅林詩乃(スポ4=東京・佼成学園女)
CB 村上楓(スポ2=福岡・明光学園)
RB 阿部美幸(スポ4=東京・佼成学園女)
RW 青木里奈(スポ2=東京・白梅学園)
コメント

PV紅林詩乃主将(スポ4=東京・佼成学園女)

――率直な試合の感想をお願いします

 悔しいのが一番ですし、このチームでもっともっと試合がしたかったというのが感想かなと思います。

――今年一年は主将として歩んだ一年間でしたが、どんな一年でしたか

 苦しかった一年間でした。人数もなかなかいなかったり、思うような練習ができないし、試合形式の練習もできないし、3年生もケガでなかなかいなかったりで、2年生や1年生に頼るしかないという状況が自分たちで何もできないというのがすごく悔しくて苦しくて、なかなか結果も出なくてどうしたらいいかわからない時期が多かったです。自分としては、自分の代になってから主将という重みがあって、思うようにプレーができないことがすごく悔しくて、もう少し主将らしくみんなのことをプレーで引っ張ってあげたかったなと振り返って思います。

――4年間一緒に歩んできた同期の仲間へメッセージをお願いします

 支えてくれてありがとう。と頑張ってくれてありがとう。と伝えたいです。人数も少ないし、私も回せなかったこともあったりして、主将として足りなかった部分もたくさんあったと思うんですが、そこを同期は支えてくれたし、選手2人はケガが多くて試合や練習に居なかった時期も多かったんですが、その中でもチームのためにできるだけコートにいられるように選手もトレーナーも頑張ってくれたので、本当にチームのために頑張ってくれてありがとうと伝えたいです。

――これから先も戦っていく後輩たちへメッセージをお願いします

 人数はこれからも変わらないと思うし、選手主体であることも変わらないので、苦しいこともたくさんあると思いますが、今年一年は『楽しむ』と言ってやってきて、楽しんだ方が自分たちの流れへ持って行けることが証明されたと思うし、試合に関しては勝てるという強い気持ちを持って、全部の試合を戦ってほしいなと思います。あとは、一番上が少なくなるので、下級生の力も絶対に必要だと思うので、全員の力を使いながら練習も試合も臨んでほしいと思います。

――最後に、早稲田での4年間のハンドボールは楽しめましたか

 存分に楽しめました!

RB阿部美幸(スポ4=東京・佼成学園女)

――率直な今の心境をお聞かせください

自分たちのシュートミスが原因で負けたので、出し切れず終わったという感じです。やれることをやって負けたなら悔しいですが、悔しいと言えない試合だったのかなと思います。

――4年生として集大成であったインカレはいかがでしたか

このチームとのハンドボールを楽しもうということを4年4人で決めて、中々1年間を通して楽しめていない部分の方が多かったんですが、昨日も今日も本当に楽しかったなと思える試合ができたので良かったです。

――今年のチームはどのようなチームでしたか

人数が少ないからこそまとまっていたと思いますし、シュートミスが続いてしまうとか良い流れが来たら持っていけるとかそういうことも含めていい意味でも悪い意味でも影響力が強かったなと思います。すごく良いチームだったと思います(笑)。

――4年間一緒に歩んできた4年生へメッセージをお願いします

ハンドボールを始めたときが小学生で、小学6年生の時に同期が誰もいなくて、さみしかったなと思うんですが、 最後に最高の同期に巡り合うことができて、3人じゃなかったら練習とかもだらけていたところを、3人が頑張っているから私も頑張らなきゃと思えることができたので、大好きです(笑)。

――後輩たちに向けて一言お願いします

頑張れ! ですね。早稲田のチームは監督が毎日いらっしゃるわけではないので、圧倒的に大変だとは思うのですが、だからこそいい意味で自由にできると思うので、そこを活かせられれば、もっともっと勝てるようなチームになると思うし、自分たちの頑張り次第で変わっていくと思うので、とりあえず頑張れと応援しています。

桐林香奈(スポ4=静岡・清水東)

――率直な試合の感想をお願いします

 やっぱり悔しいし、もっとこのチームでプレーしたかったというのが率直な感想なんですが、個人的な話になるんですが、6月に前十字靭帯を切って、医者には最後の大会に出られるか微妙かもしれないと言われている中で、リハビリを明日香(石毛明日香トレーナー,スポ4=千葉・稲毛)やいろんな人が協力してくれて、復帰してプレーできてすごく良かったし、最後の最後に詩乃(紅林詩乃主将、スポ4=東京・佼成学園女)と美幸(スポ4=東京・佼成学園女)と一緒にコートに立つことができて、4年間やってきてよかったなと思います。

――今年一年を振り返っていかがでしたか

 下級生がよく頑張ってくれたなと思います。私は試合に全然出られていなかったし、上級生が少ない中で、2年生や1年生が責任重大な状況でもチームの勝利を懸けて戦ってくれたことは感謝しかないです。きつい練習もあったんですが、最後は楽しくできたので、悔しいけどやりきったなという感じです。

――4年間一緒に歩んできた同期の仲間にメッセージをお願いします

 私はしゃべらないし、4年生としてチームのためにできたかどうかは分からないですが、それでも詩乃や美幸は私ができていないところはちゃんと厳しく言ってくれるし、シュート決めたときはめっちゃ喜んでくれるし、本当に心強かったです。明日香に関してはケガした後もプレイヤーには言えないような弱音を明日香に言っても受け止めて前向きな気持ちにさせてくれたので、この4人が同期で良かったし、すごく大好きです。

――これから先も戦っていく後輩たちへメッセージをお願いします

 今まで戦ってきた分は経験として力になっていると思うので、頑張ってほしいです。本当に本当に応援してます!

――最後に、早稲田での4年間のハンドボールは楽しめましたか

 楽しかったです!

TR石毛明日香(スポ4=千葉・稲毛)

――率直な今の心境をお聞かせください

もう1試合、みんなが元気に頑張る姿を見られなくて悔しいですが、最後までみんな諦めないで頑張る姿勢を見ていて、すごく良いなと思ったのでこのチームを支えることができて良かったなと思います。

――試合中の早稲田ベンチの雰囲気は見ていていかがでしたか

ベンチの人数も少ないのですが、シュートを決めたときとか良いプレーがあった時にはみんなで盛り上がることができていて、すごく良い雰囲気でできたなと思います。

――トレーナーという選手とは違う立場での4年間はいかがでしたか

少ない人数の中、同期では3人がコートプレーヤーで私1人だけがスタッフだったので、みんなが頑張っていて自分に何ができるのだろうって寂しく思うときもありました。それでも3人がみんな頑張っていたので、3人と同期であることを誇れるように頑張ろうとしてきました。最初の1・2年生のときはチームにできることが何もなくて、3年生になりトレーナーとして一番上になることでできることが増えて、一番の目標であった(ケガによる)脱落者をなくすことは叶わず、中々うまくいかないことも多かったですが、それでもみんなが頑張る姿を見られたので、頑張れたなと思います。

――4年間一緒に歩んできた4年生へメッセージをお願いします

香奈(桐林香奈、商4=静岡・清水東)は6月にケガをしてしまって、自分も高校の時に試合の前に膝のケガをして出られないことがあったので、自分の当時の心境と勝手に重ねてしまったのですが、それでも香奈はつらい状況でもずっと人よりも覚悟を決めて努力し続けていて、最後にコートに立ってシュートを決めることができて良かったなと思います。美幸(阿部美幸、スポ4=東京・佼成学園女)は何度も何度もケガをして、1年生の頃はリハビリとかをちゃんとやらなくて困るなと思うこともあったのですが、それでもどんどん成長していって、4年間近くで見ていてすごく成長している選手だなと思いました。美幸はこれから先もハンドボールを続けると思うので、1番応援していたいなと思います。詩乃(紅林詩乃主将、スポ4=東京・佼成学園女)は一緒にいることが多く、友達の中ですごく尊敬するってあまりないんですが、尊敬する部分がすごく多くて。チームの中で私が最悪な状況だと思うときも、詩乃はポジティブにみんなを引っ張っていてすごいなと思いました。このチームを支えたいなと思えたのは詩乃が前を向いて引っ張ってくれたからかなと思います。

――後輩たちに向けて一言お願いします

今年一年苦しいことの方が多く、色々な経験をしたと思うのでそれを生かして、来年はもっと人数が減ってしまうので大変な状況だとは思うのですが、みんなならきっとできるので頑張ってください!