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競走部

2021.11.06

第53回全日本大学駅伝対校選手権 11月7日 愛知・熱田神宮西門前~三重・伊勢神宮内宮宇治橋前

出雲6位からの巻き返しへ 伊勢路に挑む/全日本展望

 3大駅伝2戦目の全日本大学駅伝対校選手権(全日本)が11月7日開催される。愛知県・熱田神宮から三重県・伊勢神宮までの8区間106・8キロを27色のタスキが駆け抜ける今大会。3冠を目標に掲げながら、初戦の出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)で前半の好スタートを活かせず6位に終わった早大は、雪辱を期して伊勢路へと挑む。

 まずは出雲の結果を振り返りながら今大会の勢力図を見ていく。出雲で初優勝を成し遂げ、勢いに乗る東京国際大、エースの田澤廉を7区に据え連覇を狙う駒澤大、出雲準優勝で層の厚さが光る青学大が強力だ。また東洋大や三浦龍司擁する順天堂大も警戒したい。各校の実力が伯仲する中、優勝を目指す早大はどのような布陣で挑むのか、区間エントリーを見ていく。

7月の早大競技会3000メートルを走る中谷

2、3、7、8区は昨年と同じメンバーがエントリー

 優勝に向けて出遅れの許されない1区には、ルーキー伊藤大志(スポ1=長野・佐久長聖)が抜てきされる。出雲では強い向かい風に苦しみ、区間12位と悔しい大学駅伝デビューとなったが、各校のエース級が当日変更で配置される可能性もある1区で、リベンジなるか。

 2区には、昨年同区5位の井川龍人(スポ3=熊本・九州学院)が配置された。出雲では2区6位とまずまずの走りを見せたが、本調子ではなかったと振り返る。1万メートル27分台のベストを持ち、チームの柱ともなる井川が2番目に短い区間での起用となっているが、チームに勢いをもたらす走りを見せるだろうか。

 エース級が集うことも多い3区に配置されたのは中谷雄飛(スポ4=長野・佐久長聖)。昨年もここで区間賞の走りを見せ、チームを首位に押し上げた中谷。日本学生対校選手権(全カレ)を途中棄権し、出雲ではアンカーとして区間6位、最後は駒大の田澤にかわされ苦しい走りとはなったものの、経験のあるこのコースでエースの貫録を見せつけたい。

 前半の締めくくりとなる4区には安田博登(スポ3=千葉・市船橋)の名前が。夏は順調に練習を積み、先月の早大競技会で1万メートルの自己ベストを更新するなど上り調子だ。メンバー入りのかなわなかった出雲の分も、気持ちをこの一走にぶつけてほしい。

9月末の早大競技会5000メートルで、チームトップでゴールする鈴木

 

最長2区間の鈴木・山口の状態やいかに

 後半戦に突入する5区は、諸冨湧(文2=京都・洛南)がエントリー。3000メートル障害で前半シーズンに自己ベストを更新するなどまずまずの状態を維持している。持ち前の力強い走りで、一つでも前で次につないでほしい。6区は、走ることとなれば大学駅伝デビューの佐藤航希(スポ2=宮崎日大)。佐藤航は今季5000メートルで13分台に突入し、関東学生対校選手権(関カレ)ハーフでも6位と確実に力をつけている選手。駅伝でも高3時の全国高校駅伝4区3位と好走をした経験もあるだけに、どのような大学駅伝デビューを飾ることになるか注目したい。

 17キロを超す7区には鈴木創士(スポ3=静岡・浜松日体)が起用予定。9月の早大競技会では5000メートルで自己ベストを更新するなど、長期離脱の影響を感じさせない走りを見せていた鈴木。10月上旬の1万メートルでは30分を要したが、駅伝復帰となる一戦でどのような走りを見せてくれるだろうか。優勝のためにはこの7区終了時に他校にある程度リードをもってアンカーへとつなぎたい。

 最終8区を任されるのは山口賢助(文4=鹿児島・鶴丸)。9月末に、実に半年ぶりのレースで復帰すると、先日の早大競技会では1万メートルで28分台の好タイムを出しており、状態はいいといえるだろう。昨年も8区を務めた山口、コースのことは熟知しているはずだ。4年生として最後の全日本、伊勢に一番早くエンジのタスキを持ってくることはできるだろうか。

 

補欠選手にも注目 当日変更はあるか

 補欠選手には、昨年4区で区間新記録をマークし、1万メートルでは27分台のベストタイムを持つ太田直希(スポ4=静岡・浜松日体)、そして秋の早大競技会にも出場している室伏祐吾(商4=東京・早実)。また、先日の出雲1区2位と素晴らしい走りを見せた菖蒲敦司(スポ2=山口・西京)、昨年1区区間新の辻文哉(政経2=東京・早実)、出雲4区区間賞と鮮烈な大学駅伝デビューを果たしたルーキー石塚陽士(教1=東京・早実)ら強力なメンバーも控えている。当日3人まで認められている区間変更も、戦略の一つだ。

 出雲の結果にも表れたように、新勢力も急成長している昨今の大学駅伝。出雲は不本意な結果に終わったが、距離が伸び、一人一人の力とチームの総合力がより試される全日本で簡単に負けるわけにはいかない。並みいるライバル校を抑え、エンジにWのユニフォームが、先頭で伊勢神宮にそのタスキを届けることを期待したい。運命の号砲は11月7日午前8時5分に熱田神宮で鳴り響く。

(記事 出口啓貴、写真 布村果暖、及川知世)

 

第53回全日本大学駅伝対校選手権
区間 距離 名前 学部・学年 出身校
1区 9・5キロ 伊藤大志 スポ1 長野・佐久長聖
2区 11・1キロ 井川龍人 スポ3 熊本・九州学院
3区 11・9キロ 中谷雄飛 スポ4 長野・佐久長聖
4区 11・8キロ 安田博登 スポ3 千葉・市船橋
5区 12・4キロ 諸冨湧 文2 京都・洛南
6区 12・8キロ 佐藤航希 スポ2 宮崎日大
7区 17・6キロ 鈴木創士 スポ3 静岡・浜松日体
8区 19・7キロ 山口賢助 文4 鹿児島・鶴丸
補欠    太田直希 スポ4 静岡・浜松日体
補欠    室伏祐吾 商4 東京・早実
補欠    菖蒲敦司 スポ2 山口・西京
補欠   辻文哉 政経2 東京・早実
補欠    石塚陽士 教1 東京・早実

選手紹介(区間順)

1区 9・5キロ:伊藤大志(スポ1=長野・佐久長聖)

5000メートル 13分36秒57

1万メートル 29分42秒24

ハーフマラソン なし

5000メートル13分36秒57と高校生トップクラスの成績で、佐久長聖高校から早稲田に入学した大物ルーキー。トラックシーズンで経験を積み、出雲では5区に起用された。期待を背負い出場したが、苦手とする暑さと風に阻まれ、区間20位中12位と悔しい結果に終わる。レース後には優勝を断ち切る走りをしてしまったと振り返った。出雲での悔しさをバネに18歳の大器は全日本での捲土重来を目指す

2区 11・1キロ:井川龍人(スポ3=熊本・九州学院)

5000メートル 13分45秒30

1万メートル 27分59秒74

ハーフマラソン 1時間04分50秒

4月に1万メートルで27分台をマークし、学生陸上界・部内にもインパクトを与えた。関カレ5000メートルでは8位入賞するが、満足はしていない様子。夏合宿は下級生の取り組みに刺激を受けながら、4年生に代わって練習を引っ張るなど上級生らしさも見えてきた。秋は好調とはいえず、16位の全カレ5000メートル、一時先頭を走りながら2区6位に終わった出雲には悔しさを残したが、万全な状態で勝負できるかが伊勢路制覇のカギとなりそうだ

3区 11・9キロ:中谷雄飛(スポ4=長野・佐久長聖)

5000メートル 13分39秒21

1万メートル 27分54秒06

ハーフマラソン 1時間03分31秒

出雲ではエースとしてはアンカーを任される。昨季1万メートルで27分台をマークし、一躍学生長距離界を代表する存在になった。ついにラストイヤーとなった今季、日本学生ハーフ、関カレ1万メートル8位入賞と着実に結果を残す。しかし、佐久長聖高時代より、世代トップに君臨してきた中谷がいるべき位置はもっと上。この伊勢路では4年連続となる3区で、区間賞の激走を、そして4年生としての責任を果たしたい

4区 11・8キロ:安田博登(スポ3=千葉・市船橋)

5000メートル 14分08秒22

1万メートル 29分49秒85

ハーフマラソン なし

ケガの多かった昨年までとは異なり、今は大学に入ってから一番練習を継続できているそう。春先から早大競技会に多く出走し、5000メートルを中心に安定した成績を残している。9月に満を持してAチームに上がり、10月には1万メートルでベストを更新。コツコツと積み上げた力を発揮し、大学駅伝デビュー戦でチームに貢献する走りをすることはできるか

5区12・4キロ:諸冨湧(文2=京都・洛南)

5000メートル 14分07秒20

1万メートル 30分07秒86

ハーフマラソン なし

トラックシーズンでは3000メートル障害を主戦場とした。開幕戦となった東京六大学対校大会では悪コンディションながら優勝を果たすと、5月に行われた織田記念では自己ベストを約5秒更新する8分45秒74を記録。その後も安定した成績を残し、関カレ、全カレではともに入賞した。駅伝シーズンとしては、昨年度の箱根のリベンジを果たしたい

6区12・8キロ:佐藤航希(スポ2=宮崎日大)

5000メートル 13分59秒96

1万メートル 29分42秒98

ハーフマラソン 1時間05分42秒

今シーズン前半は継続して練習を積むことができ、得意とするロードでは、関カレハーフマラソンで6位入賞を果たす。トラックでも4月に5000メートルで13分台を記録し、スピードにも磨きがかかった。夏合宿中の故障もあり、出雲のメンバー入りはかなわなかったが、全日本で華々しい駅伝デビューを飾ることはできるか

7区17・6キロ:鈴木創士(スポ3=静岡・浜松日体)

5000メートル 13分54秒40

1万メートル 28分40秒24

ハーフマラソン 1時間05分07秒

3月の日本学生ハーフ以降、7月頃まで長らくケガに苦しんでいた。夏合宿もほぼ一人で練習し、他メンバーより走り込みが遅れていた分、9月まで走り込んだという。全日本への通過点として出場した9月29日の早大競技会5000メートルでは、自己新かつ最終組チームトップの13分54秒40でゴール。10月13日の早大競技会1万メートルでは30分を要したが、駅伝にはしっかり合わせてくるか

8区 19・7キロ:山口賢助(文4=鹿児島・鶴丸)

5000メートル 14分01秒15

1万メートル 28分20秒40

ハーフマラソン 1時間04分50秒

長い距離を得意とし、昨年は3大駅伝デビューでこの8区を務めた。箱根以降はケガが相次ぎ戦線離脱していたが、夏合宿で距離を踏んできた。9月末にレースに復帰すると、5000メートルで14分03秒09、1万メートルで28分42秒77と自己ベストに迫るタイムを出し、調子は右肩上がり。昨年もケガ明けから全日本・箱根で好走しており、今年も長距離区間でチームを支える走りが見られそうだ

補欠:太田直希(スポ4=静岡・浜松日体)

5000メートル 13分56秒48

1万メートル 27分55秒59

ハーフマラソン 1時間03分48秒

トラックシーズンは本来の実力を発揮しきれないまま終わったが、出雲では3区区間4位とまずまずの成績。「春の調子からいえば戻ってきている」と復調の兆しを見せていた。駅伝ではほとんど外さないのが魅力の太田。全日本は昨年、4区区間新でトップを独走している。持ち前の安定感で、今年もチームを勢いづけられるか

補欠:室伏祐吾(商4=東京・早実)

5000メートル 14分15秒75

1万メートル 29分04秒18

ハーフマラソン 1時間07分13秒

直近の成績は、10月13日の早大競技会1万メートルでの29分47秒91。レース中は、一時前と差が開いても終盤に再度追い上げる姿が見られ、同組の早大勢の中でトップでゴールした。最終学年として、その粘り強さを、駅伝で発揮できるか。

補欠:菖蒲敦司(スポ2=山口・西京)

5000メートル 13分52秒46

1万メートル 28分58秒10

ハーフマラソン 1時間05分18秒

トラックシーズンでは、関カレ2種目表彰台、5000メートルでも2度の自己ベスト更新など、好調を維持。出雲でも勢いそのままに、1区2位の好走を見せた。「(全日本では)チームを引っ張って勝ちたい」と、頂点へ導く活躍を誓う

補欠:辻文哉(政経2=東京・早実)

5000メートル 13分49秒31

1万メートル 28分54秒74

ハーフマラソン 1時間04分11秒

昨年の全日本1区で区間6位の経験を持つ。トラックシーズンは、「一つ一つの試合(対校戦)に向かっていくので手一杯」だったと、全体的に反省点を多く挙げた。しかし、夏合宿からは大きな故障なく練習を積む。前半区間に起用されれば、昨年からの課題であるロングスパートを「大学レベルでの大きな武器」として確立するか。あるいは単独走で己に打ち勝てるか

補欠:石塚陽士(教1=東京・早実)

5000メートル 13分55秒39

1万メートル なし

ハーフマラソン なし

大学駅伝初陣の出雲で区間賞。自身の強みを、トップには食い込まずとも大外ししないことと表現していたが、早々に区間「1位」を獲った。安定感としては主戦場の1500メートルで六大学対校大会、関カレでも入賞している。距離の長くなる全日本でも、安定感、あるいはもう一皮剥けた姿が見られるか