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漕艇部

2021.10.31

全日本選手権大会兼全日本大学選手権 10月27日~31日 埼玉・戸田ボートコース

エイトがインカレ2位の快挙 他種目は大学TTと予選の壁を越えられず(漕艇男子)

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 1か月以上の延期を経て、全日本選手権大会(全日本)と全日本大学選手権(インカレ)が併催となった本大会。出場枠を争う大学タイムトライアルが行われた3種目ではこの壁を越えられず。また全日本予選に出場した舵手なしフォア、舵手なしクォドルプルも次のステージに進なかった。それでも男子エイトは、全日本A決勝に、2015年以来となる進出を果たす。そのA決勝の結果、全日本5位、インカレ2位という好成績を収め、今大会を締めくくった。

出艇する男子舵手付きフォア

 シングルスカルの筆島一輝(先理4=東京・早大学院)、舵手付きフォア、舵手なしペアは、27日の大学タイムトライアルに出場。翌日以降の全日本選手権への出場権を得たいところであったが、舵手なしペアはあと4秒ほど届かなかったなど、いずれも翌日以降へ進むことは叶わなかった。また大学タイムトライアルが行われなかった舵手なしクォドルプルでは、28日の予選タイムトライアルに出場するも組6着となり、次のステージには進めず。また敗者復活戦に臨んだ舵手なしフォアも、組4着となり、準決勝進出とはならなかった。「ケガをおしながらの出場もあり、充分なトレーニング量を確保できなかった」(内田大介監督(昭54教卒=長野・岡谷南))。ケガとの向き合いが続いた多くのクルーでは、ベストな状態で今大会を迎えることはできなかった。

 一方の男子エイトは、予選では仙台大に敗れ、敗者復活戦へ回った。キャッチのタイミングを修正して臨んだという翌日の敗者復活戦では、盤石のレース展開で1着となり、準決勝へ。そして次なるA決勝に進むためには、30日の準決勝のレースで3着以内が条件だった。その準決勝B組では、社会人2チームが引っ張るレース展開に。そして明大にも先行を許していた。このままではA決勝進出ができない状況であったが、コックス川野柊(法4=東京・早大学院)から「追いつくまでスパートいこう」とのコールが入り、猛烈な追い上げをみせた早大。「クルーのみんなが底力を見せてくれた」と船木豪太主将(スポ4=静岡・浜松北)が振り返るように、終盤に明大を追い抜くことに成功。見事3着で全日本A決勝進出を決め、この時点でインカレ3位以内が確定した。



準決勝B組で3着となり、A決勝進出を喜ぶ男子エイト

 最終日のA決勝は、大学日本一の座をめぐって日大、慶大と争うレース構図となる。インカレ優勝を目指し、序盤から攻めるレースをした早大。「同じ相手に2回も負けられない」(船木)と春の早慶レガッタで敗れていた慶大を、中盤以降引き離すことに成功した。だが終盤で日大に先行を許してしまい、全体で5着、インカレ順位は2位に。悲願のインカレ優勝とはならなかったものの、昨年のインカレ4位を上回る成績を残してみせた。
 今大会をもってmこれまで部をまとめてきた内田監督は退任され4年生も引退となり、早大漕艇部は新体制へ移行する。現エイトメンバーの多くは3年生であることからも、インカレ優勝への期待が高まるところだ。まずはケガを完治させ、新たなるシーズンへ。さらなる高み、そして頂点に立つ未来へ突き進むーー。

決勝で大学日本一とはならず、悔しさを示す男子エイト。これからにも期待だ!

(記事 樋本岳、写真 早大漕艇部提供 内海日和)

結果

▽エイト

C:川野柊(法4=東京・早大学院)
S:青木洋樹(スポ2=東京・成立学院)
7:森長佑(スポ3=福井・若狭)
6:濵野圭吾(商3=埼玉・春日部)
5:阿部光治(スポ3=愛知・猿投農林)
4:船木豪太主将(スポ4=静岡・浜松北)
3:松並大智(基理1=静岡・沼津東)
2:越智竣也(スポ3=今治西・愛媛)
B:小林里駆(スポ3=静岡・浜松西)

 ▽予選

6分5秒98(A組2着)敗者復活戦へ

 ▽敗者復活戦

6分19秒36(D組1着)準決勝進出

 ▽準決勝

6分6秒18(B組3着)A決勝進出

 ▽A決勝

5分58秒97 全日本5位、インカレ2位

 

▽舵手付きフォア

C:片倉潤樹(法2=早稲田佐賀)
S:飯島温人(基理4=東京・早大学院)
3:岡本真弘(商4=東京・早大学院)
2:市ヶ谷成真(スポ3=早稲田佐賀)
B:川名航平(政経3=東京・早大学院)

 ▽大学タイムトライアル

7分14秒59(26位)

 

▽舵手なしフォア

S:菅原陸央(政経3=秋田・本荘)
3:牟田昇平(商4=兵庫・三田学園)
2:遠矢陸人(スポ1=熊本大付)
B:三浦武蔵(商3=山梨・吉田)

 ▽予選

7分8秒61(B組5着)敗者復活戦へ

 ▽敗者復活戦

6分49秒29(C組4着)

 

▽舵手なしペア

S:村岡浩旗(文構2=東京・早稲田)
B:岩松賢仁(スポ4=熊本大付)

 ▽大学タイムトライアル

7分40秒09(全体21位)

 

▽舵手なしクォドルプル

S:植原佑太(商3=埼玉・本庄東)
3:峯龍生(政経3=東京・国際基督教大学)
2:瀬口篤優(社2=東京・早実)
B:白仁隆介(社3=東京・早実)

 ▽タイムトライアル

7分8秒57(C組6着)

 

▽シングルスカル

筆島一輝(先理4=東京・早大学院)

 ▽大学タイムトライアル

8分5秒54(全体29位)

試合後インタビュー

内田大介監督(昭54教卒=長野・岡谷南)

――まず本大会について振り返っていただきたいと思います。男子エイトはA決勝に進出し、インカレ2位の結果を残しましたが、どのように振り返りますか

コロナ禍の影響からか、全体的にいつもの強豪校ではなく、エイトでは仙台大など、地方の国公立大が強い大会となりました。常連校が次々と準決勝で脱落する中、A決勝に早大と慶大が残れたということは、コロナ禍でも正しいことを積み上げられたのかなと振り返っています。

――男子エイトがうまくいった要因はどんなところでしょうか

今大会への布石は、1ヶ月前に行ったタイムトライアルだと思います。1日に2本行ったのですが、1本目は慶大に大差で負けてしまいました。それでもその様子から見えた改善点を2本目の前に提案したところ、同日の2本目で大きく変わることができました。ここで一つ階段をポンと気がします。そこから日々進化し、今日に至ったと思います。

――一方で男子の他種目に関しては、大学タイムトライアルや予選の壁を突破することはできませんでした

まず、シーズンの長期化でケガ人が多く出てしまいました。ケガをおしながらの出場もあり、充分なトレーニング量を確保できなかったと思います。本来であれば、なしフォアも順位を残せたと思いますが、難しかったですね。それぞれのクルーで主力になるべき人が、ケガで乗ることができなかったこともあり、思うようには振るわなかったですね。

――女子についても伺います。4艇がA決勝に進出した一方で、頂点には届きませんでしたが、どのように振り返りますか

昨年に比べると、今年は1年生も入れ込んだクルーだったので、全体的にまだ経験値が足りなかったと思います。フィジカル面ではレベルをキープできていたのですが、テクニック面では、クォドやペアなど、まだ研ぎ澄ませられたのかなと思います。精度を高められなかったことから、予選で勝ったクルーに続くレースで敗れてしまうなど、レースによって善し悪しが出てしまったなと思いますね。

――本大会は監督にとって最後の大会となりましたが、まとめるとどのような大会になりましたか

3か月前からレースモードに入りましたが、監督任期のカウントダウンは絶対にせず、平常心でここまでやってきました。男子は予想を若干上回り、女子は若干下回ったような結果となり満足はできませんが、部員と共によく頑張ったかなと思いますね。

――また同じく4年生も本大会をもって引退となります。どのようなメッセージを送りたいですか

総勢13名という少ない代でしたが、僕自身が歳を重ねて体力的に足りないところやできないところを、よくサポートしてくれました。今回は、監督や選手個人の力量ではなく、まさに4年生が早大漕艇部の組織力を作り、今日に至ったと思います。本当によく頑張ってくれたと思います。

――これからは現3年生と木目田健二新監督(平22法卒=東京・早大学院)が新たに部を牽引していきます。今後への期待も込めて、新体制となる早大漕艇部へメッセージをお願い致します

今年の男子エイトメンバーの大半は残りますし、今ケガでリハビリ中の選手もオフシーズン以降復帰し、頂点を目指す体制は整うと思います。女子も4年生が一生懸命に後輩を育ててくれたので、来年の頂点に向けた準備が出来ているところだと思います。男女ともに今年を上回る成績が十分期待できると思いますので、頑張ってほしいです。ただ長いシーズンで男女ともにケガが多かったので、暫くはゆっくり休んで。気持ちだけでなく、体も十分にメンテナンスしてもらってから、次のシーズンに挑んでほしいですね。

――これまでの8年間、本当にお疲れ様でした!

 

【男子エイト】

4:船木豪太主将(スポ4=静岡・浜松北)

――今大会を全体的に振り返っていきたいと思います。まず予選レースは、仙台大に敗れる形となりましたが、振り返っていかがですか

予選は大会で一番緊張するレースです。というのも、予選は各大学の実力が分かるレースであり、自分たちの位置も分かるレースだからです。予選では仙台大に敗れてしまいましたが、手応えも感じていました。しっかり切り替えてそれからのレースに臨めました。

――予選からは、どのようなことを修正されたのでしょうか

キャッチのタイミングが少し遅れていたということが課題としてクルーの中で挙がっていたので、船のリズムを良くして、船を早く進めるために、キャッチをすばやく入れることを改善していきました。敗者復活戦ではそこがうまく改善できて、次の準決勝に進めたと思います。

――準決勝は明大と、A決勝進出をかけて3着の座を争うレースでしたが、振り返っていかがですか

明大は力のあるメンバーが乗っているということは分かっていて、大会前からメダルを争うライバルになるだろうと覚悟していました。準決勝で当たると決まった時には、やはりきたかという感じだったのですが、自分たちの漕ぎをして力を100%出し切れば大丈夫だと思っていました。クルー9人でも今までやってきた漕ぎを出そうという話をして準決勝に臨みました。

――レースは明大にリードされる展開が続きましたが、どのようなことを意識されていましたか

1500メートルまでずっと(明大に)先行されていたのですが、僕の乗っている位置からギリギリ見えるところに(明大が)つけていて、コックス川野が「追いつくまでスパートいこう」というコールをしてくれました。負けてしまったら終わりのレースなので、漕手8人がまとまって、レートもアップして、そこで一気に追いつきました。最後の250メートルで抜き去って、しっかり差したというかたちでしたね。途中焦りは少しあったのですが、最後に自分たちの力を出せば抜き返せると思っていました。

――ゴールされた時の気持ちはいかがでしたか

今回は全日本と併催ということから、A決勝に進めるとインカレでのメダルが確定するというレースでした。なので、本当に大一番だと感じていました。そこをしっかり勝ちきれたというのは、クルーのみんなが底力を見せてくれたのだと感じます。とてもうれしかったですし、ほっとした気持ちでした。

――また今日の決勝のレースを振り返っていかがですか

大学の中で1番になって優勝しようということは話していましたし、やはり慶應義塾大学に関しては春の早慶レガッタで、隅田川で悔しい思いをしたということもあったので、同じ相手に2回も負けられないという思いは強くありました。スタートから思いっきりとばしてくることは分かっていたので、自分たちもそれに置いていかれないよう、スタートから攻めて攻めて攻めて後半は粘っていこうということを話していました。日大に最後先行されて敗れてしまったのですが、慶應義塾大学には意地で勝つことができて、悔しさ半分うれしさ半分というところですかね。

――今大会をもって引退となります、ここまで長い時間を共に過ごした同期へのどんなメッセージを送りたいですか

僕は昨年11月から主将になって、部をまとめる立場になりました。しかし、いざ主将という立場に立ってみると自分の能力不足をすごく実感して、このままで大丈夫かと不安に思ったこともありました。そんな時に実務的な面でも、メンタル的な面でも(同期のみんなは)支えてくれて、なんとか1年間今日までやってこれたので、本当に感謝しています。

――最後に後輩たちへのメッセージをお願いします

昨年は男子エイトは4位という結果で、僕自身悔しい思いをしましたし、先輩もメダルが取れなかったという悔しさがあったと思います。今年は2位という結果で、昨年よりもレベルはアップできたのですが、頂点まであと一歩届かなかったという悔しさもあります。4位、2位ときたら、来年はもう優勝しかないと思っています。後輩たちは力のある人材がそろっているので、来年なら優勝できると期待しています。

 

C:川野柊(法4=東京・早大学院)

――予選のレースを振り返っていかがですか

自分たちとしては内容の良かったレースで、レースをプラン通りに運べました。仙台大学と2秒の差がありましたが、レース全体を振り返ってみると次に向けて上げていこうと話していました。

――その後のレースに向けてどのようなことを修正されましたか

オールを入れるキャッチのところで止まってしまうということが散見されたので、そこを修正していこうという話になりました。

――準決勝では明大とA決勝進出を争うかたちとなりました。振り返っていかがですか

準決勝はどのレースの中でも一番大事だと自分たちで認識していたので、とにかく覚悟を持って前半の1000メートルをとばしていこうと話していました。

――その準決勝は後半まで明大に先行される展開となりました。そこで「追いつくまでスパートいこう」というコールをされたとのことでしたが、どのような意図があったのでしょうか

ボートは相手に先行されてしまうと、相手が見えなくなってどんどんきつくなってしまいます。とにかく勝ち切らないといけないレースだったこともあり、(前に)出られるまでアタックをかけ続けました。一度レースをフラットな状態に戻して、自分たちのレースに持ち直そうという意図だったと思います。

――そして明大に競り勝ち、A決勝進出を決められた時はどのような気持ちでしたか

素直にうれしい気持ちでした。やはり2015年以降、エイトが全日本の決勝にいくということはなかったですし、自分たちは一カ月前の演習レースで明大にも負けてしまっていて、本当に苦しい中でこの1カ月練習してきました。その成果が出てすごくうれしい気持ちでしたね。

――また本日の決勝レースを振り返っていかがでしょうか

(インカレで)優勝することしか考えていなかったので、正直日大に負けてしまったことは悔しかったです。先手をとっていくというレース展開で慶應さんを第3Qで引き離すことができていたのですが、日大さん1レーン、自分たちは6レーンということもあって、なかなか日大さんのペースがつかめずに、最後のスパートで先に行かれてしまいました。そのまま差しきれずに終わったというレースだったと思います。

――ここまで長い時間を共に過ごした同期へ、どんなメッセージを送りたいですか

僕たちの同期の中にボートエリートは一人もいなくて、スーパースターもいなくて、自分たちが1年生の頃を振り返ってみると、実力がない中で各自の目標を立てながら進んでいった4年間だったと思います。同期に対して僕が言うのもおこがましいですが、よくここまで一緒に頑張ってこれたなと思います。

――最後に後輩たちへのメッセージをお願いします

エイトという種目は本当に難しくて、強い人が8人乗っても勝てません。逆に実力はそこそこでも気持ちをそろえて毎日練習に取り組んで、試合に臨めればどんな大学でも倒せるという競技だと思います。なので、ぜひ来年乗る選手たちには気持ちの面で絶対に負けないといいますか、前で漕いでいる人の背中を信じて、後ろで漕いでいる人に背中を預けるというボートの醍醐味を存分に楽しみながら、緊張感のあるレースに臨んでほしいと思います。

 

5:阿部光治(スポ3=愛知・猿投農林)

――予選レース振り返っていかがですか

僕自身の感想としては、今シーズン公式戦として初めてのレースだったので、レースに挑むという気持ちが足りなかったと思います。だからこそ、仙台大に先行されてしまいました。

――敗者復活戦や準決勝にむけて、どのような修正を加えたのでしょうか

僕自身強く感じているのが、「勝ちたい」という気持ちがレースを経るごとに増えていったということです。敗者復活戦は勝って当たり前の組でしたが、準決勝は明治との勝負でしたが、そこでみんなの勝ちたいという気持ちが強かったです。そこが修正されてきたと思います。

――今日のレースは全体で4着となり、インカレ2位という結果になりました。この結果をどのように受け止めていらっしゃいますか

やはり(このレースには)「優勝する」という気持ちが全員入っていて、序盤から攻めていったレースでした。大学勢の中ではリードしていたのですが、最後は日大に負けてしまってとても悔しかったのですが、ここまでの結果を残せましたし、レースの内容もすごく良かったです。来年はよりレベルアップして、日大を倒せるように、そして優勝できるようにしたいです。

――今回の大会で4年生は引退されます。改めてどのような先輩方でしたか

下級生の心の支えのような存在でした。エイトに乗るのは二人でしたが、一人は精神論的な面で引っ張ってくれて、一人は理論的な面で引っ張ってくれて、とても頼もしい先輩方でした。

――阿部選手は最上級生となります。最後に今後の意気込みをお願いします

気づいたらあっという間に4年生です。ここ数年、優勝というものから遠ざかっていて、特にエイトでは2015年を最後に勝っていません。人材はそろっているので、それをどう生かすかを意識して、優勝を狙っていきたいです。