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スケート部

2021.10.14

東京選手権大会 10月8〜10日 東京・ダイドードリンコアイスアリーナ

東京選手権に総勢7名が出場 石塚と川畑が東日本出場を決める

 12月に行われる日本選手権の東京予選となる東京選手権大会が、10月8日から3日間、東伏見のダイドードリンコアイスアリーナで行われた。早大からは1年生3名を含む総勢7名が出場。男子部門の石塚玲雄(スポ 4=東京・駒場学園)が2位、女子部門の川畑和愛(社2=東京・N高)が4位にそれぞれ入賞。その2名が10月28日から開催される東日本選手権大会への出場権を得た。

★川畑が総合4位、他はフリー進めず(女子、ジュニア女子)

 初日にショートプログラム(SP)、2日目にフリースケーティング(FS)が行われた女子競技。早大勢1番手で登場したのはジュニア女子部門の千葉紫織(文構1=東京・筑波大附)。華やかな衣装で演じるプログラムは『Sheherazade』。アラビア調の音楽に乗せて滑り出し、冒頭はコンビネーションジャンプ。6分間練習では成功していたジャンプだったが、1本目のルッツで転倒してしまう。次の2回転アクセルは着氷するが、続くスピンの入りでバランスを崩し、0点の判定に。曲の世界観に合った振り付けのステップでは表情晴れやかに舞い、最後のジャンプも加点の付く出来。後半にかけて見せ場は作ったが、序盤のミスが響いて点数は伸びず、フリー進出はならなかった。

スタートの位置につく千葉

 川畑はシニア女子全体の2番目で登場。今シーズンのSPは『シェルブールの雨傘』。水色の衣装を身にまとい氷上に現れる。最初のエレメンツは鍵となるコンビネーションジャンプ。約1カ月前に負った右足のケガの影響で3回転+3回転の連続ジャンプは回避したが、高さのある3回転ルッツ+2回転トウループを綺麗に決めた。続く2回転アクセルも流れるように着氷。後半の3回転ループではバランスを崩してしまったが、すぐに切り替えた。スピンは全て最高評価のレベル4を獲得。終盤のステップシークエンスでは体を大きく使い、スピード感のある滑りを見せた。時折笑顔もみせ、情感たっぷりに演じきった。長引いてしまっているというケガの影響を感じさせない、持ち前の高さのあるジャンプと磨き上げた表現力が存分に生かされたプログラム。演技後、「少し3回転ループの軸が外れてしまったが、予定して練習してきたものはできたと思う」と振り返った。

情感たっぷりに演じる川畑

 馬場はるあ(社2=東京・駒場学園)のSPは『Within/Nero』。紺色にスパンコールが散らされた夜空のような衣装を身にまとい、やや緊張した面持ちでスターティングポジションにつく。力強い曲に合わせて滑り出したが、冒頭の3回転サルコウで転倒。続くジャンプも回転が抜けて1回転トウループになってしまい、コンビネーションジャンプにすることができず無得点となってしまった。しかし、冒頭2つのミスを引きずらずに後半の2回転アクセルを軽やかに決めた。終盤のステップシークエンスではピアノ曲『Nero』の音にぴったり合った丁寧なスケーティングを見せた。最後のスピンでは最高評価のレベル4を獲得。序盤のエレメンツでは精彩を欠き、焦りも感じられたものの、立て直して最後まで壮大な曲の世界観を表現して演じきった。スケーティングで魅了したがジャンプのミスが響きSPの最終順位は26位。フリー進出は叶わず、課題が残る演技となった。

丁寧なスケーティングを見せた馬場

 コーチの言葉に大きくうなずき、リラックスした表情で演技を開始した木南沙良(人通1=東京・日大一)。冒頭の3回転トウループ、続く3回転サルコウはどちらも転倒となったものの、指先まで神経の行き届いた演技で作品の世界観を見事に表現する。続くチェンジフットコンビネーションスピン、その後のフライングシットスピンはともに最高評価のレベル4を獲得するなど、着実に加点を重ね、基礎点が1・1倍となる後半の2回転アクセルを見事に着氷。少し足が重くなり疲れを見せる様子もあったが、のびやかで力強いスケーティングで滑り切り、今シーズン自己最高得点となる、38・51点をマークした。惜しくも、上位24名が進出するフリースケーティングに駒を進めることはできなかったが、演技後は笑顔を見せてリンクに一礼。コーチとキスアンドクライにつく前に振り返りを行う姿も見られ、次戦に向けて、収穫の多い試合となったに違いない。

力強い表現を見せる木南

 白と水色の衣装に身を包み、入念にジャンプを確認してスタート位置についた小室笑凜(スポ3=東京・開智日本橋学園)。しなやかな腕使いで演技をスタートすると、重心を低く保った一歩の伸びるスケーティングで観客を魅了する。冒頭の3回転トウループが2回転に、後半の2回転アクセルが1回転になり、両足着氷となった3回転サルコウもダウングレード判定を受けるなど、技術点を十分に伸ばすことができなかった。しかし、回転速度とポジションを一定に保ったスピンや、作品の世界観を繊細に表現したステップではプラスの評価を受けるなど、魅力の詰まった2分50秒であった。記憶に残るプログラムにしたいという小室自身の強い思いのもと選んだ『エデンの東』。演技後も表情は険しく、コーチと対話をする場面も見受けられた。憧れのプログラムでの完璧な滑りへ、期待は今後に持ち越される。

繊細な演技で曲の世界観を表現した小室

  早大女子勢で唯一のFS進出者となった川畑は競技2日目、FS『ヴァイオリン協奏曲第一楽章』を初披露。冒頭、SPでも綺麗に決めた3回転ルッツ+2回転トウループの連続ジャンプを完璧に着氷する。続く2回転アクセルも決め、いいスタートを切った。スケーティングも緩急があり伸びやか。柔和な表情で、SPとは打って変わった曲の世界観を表現する。しかし後半、スケーティングで転倒。さらに終盤2つのジャンプは回転が抜けて1回転になってしまった。ジャンプのミスが響いて得点は伸びず、SPから順位を落として表彰台を逃した。右足のケガの影響もあり、不安があった中の演技。演技後、「最後まで踊りきる体力と、練習が思うようにできない中でも4分間集中して乗り越えられる頑張る力が足りなかった」と振り返った。ケガの影響で調整に苦しんだ中のFSだったが、スピンは全て最高評価のレベル4を獲得するなど、ジャンプ以外の要素では持ち味を発揮した。今大会で川畑は東日本選手権への出場権を獲得。全日本選手権への切符がかかる大事な試合に向けて治療をしながら練習を重ね、「しっかりノーミスの演技をしたい」と意気込んだ。

柔らかな表情で演じた川畑

(記事 及川知世、松澤咲季、吉本朱里 写真 及川知世)

★石塚が2位表彰台、廣田は惜しくも東日本出場を逃す(男子、ジュニア男子)

 男子競技は2日目にSP、最終日にFSが行われた。シニア男子全体の1番滑走で登場したのは、ラストシーズンのブロック大会を迎える石塚。演技開始数秒後、右足で氷を力強く打ち鳴らし画面越しの観客を『The Beatles Concerts』の世界へと誘う。冒頭の3回転フリップは、スピードに乗って跳び上がったものの途中で回転がほどけてしまい転倒。しかし、続くジャンプ要素ではダイナミックな2回転アクセルを決め、ジャッジ全員から出来栄えにおける加点評価を受けた。ジャンプやスピンといった要素間の繋ぎの部分でも、細かな音のひとつひとつを丁寧に拾った振り付けに石塚のこだわりが感じられる。自他ともに認める得意要素であるスピンの正確性と美しさはこの日も一段と光っていた。東京夏季競技大会後に修正したいと話していたが、その練習が功を奏したのか、スムーズにポジション変更を行い、軸がぶれることもなく全てレベル4と判定された。演技後半に入ると、音楽の盛り上がりに合わせて得点源となる3回転トウループ-3回転トウループの連続ジャンプを着氷。フライングコンビネーションスピンを回り切るとそのまま演技はクライマックスのステップへと移る。壮大な音楽に合わせてリンク全体を大きく使い、情感たっぷりに演じ切った。演技後は冒頭のジャンプミスが悔やまれたのか、氷上での笑顔は見えなかった。得点は57・46で演技構成点は全体のトップ。ショートプログラム2位で折り返した。

スタートの位置につく石塚

  FSは最終グループの5番滑走で登場。空を見上げ、雨を降っているかを確認すると石塚の『雨に唄えば』の4分間が始まる。冒頭の3回転-3回転の連続ジャンプは高さもあり、ダイナミックに決まるが、1本目のフリップでロングエッジの判定をとられてしまう。終盤の3回転フリップでも同様の判定を受け、フリップジャンプには課題が残る。前半ではジャンプが二度、回転が抜けてしまうミスが出るなど、やや精細を欠いた。しかし石塚の良さが存分に発揮されるのがコレオシークエンス。ポケットに手を入れて滑ったり、傘を回したりする振り付けで『雨に唄えば』の主人公になりきる。終盤、サルコウからの3連続ジャンプを合図に曲のテンポが上がると、その速いテンポに乗せて、これもまた石塚らしい要素である回転速度の速いスピンが披露される。続くステップでは腕を大きく横に広げ、雨を浴びながら踊っているかのような振り付けが印象的だ。終盤は、今大会でも全てレベル4を獲得したスピン。笑い声につられてこちらまで笑顔になってしまうナンバー、『Make ‘Em Laugh』の曲の終わりと共に両腕を大きく広げてフィニッシュ。演技後のお辞儀は、SPとは異なり、腕を一回転させて胸の前に持ってくるもの。お辞儀の仕方までこだわりの詰まった石塚のFS。点数は、前回FSを披露したげんさんサマーカップから点数を10点近く上げて115・51点の1位。総合ではトップにわずかに及ばなかったが、シニアの東京選手権では自己最高成績となる2位で大会を終えた。

曲に合わせた振り付けで魅了した石塚

  廣田聖幸(スポ1=千葉・東邦大東邦)はジュニア男子部門に出場した。ショートプログラムで披露したのは『Overtake』。やや緊張した面持ちで登場するも、曲がかかるとその雰囲気は一変。冒頭の手の振り付けで観る者を惹きつけると、これまで転倒が多く、苦戦してきた3回転フリップを見事決めた。その後、スピンでは1つ減点を受けるも、課題だったステップではレベル2を獲得。しかし後半、3回転トウループ+2回転トウループのコンビネーションジャンプでバランスを崩し、続く2回転アクセルでも手を付いてしまうなど終盤にはジャンプのミスが続く。夏の大会から、構成を変えて挑んだプログラム。演技を終え、氷を降りると悔しそうにジャンプの着氷動作を確認する姿が見られた。点数は自己ベストにあと0・7点と迫る43・01点。東日本に進出できるのは12位まで。射程圏内の13位で折り返した。

冒頭で特徴的な手の振り付けを見せる廣田

 翌日の廣田のFSは『JONGARA』。緊迫感のある音楽に乗せて滑り出すと、最初のエレメンツである3回転サルコウは高さ充分に決まる。しかし、次の3回転ルッツでは転倒、続く2回転アクセルでも着氷が乱れてしまう。中盤以降もジャンプのミスは目立ち、二度の3回転フリップは二度とも転倒。最後の2回転アクセルからの連続ジャンプも、1本目のジャンプの着氷が乱れてコンビネーションと認定されないなど、ジャンプでの減点が積み重なった。ステップでは、体を大きく使ってストリングスの悲しい調べに乗せた雄大なスケーティングを見せ、終盤まで勢いを失わずに滑り切った。しかしジャンプミスの多さからか、演技後はフィニッシュポーズを直ぐに解いて顔を手で覆い、悔しさをにじませた。結果は76・33点の13位。SBをマークするも、今シーズン第一目標として掲げていた東日本選手権の出場条件の12位には惜しくも手が届かず、大学1年目のブロック大会はほろ苦い結果で終わった。

体を大きく使った演技を見せた廣田

(記事 及川知世、中島美穂、中村凜々子 写真 及川知世)

結果

▽男子


石塚玲雄

SP 2位 57・46点

FS 1位 111・51点

総合 2位 172・97点


▽女子


川畑和愛

SP 2位 66・26点

FS 4位 104・16点

総合 4位 170・42点


木南沙良

SP 25位 38・51点


馬場はるあ

SP 26位 37・85点


小室笑凜

SP 29位 31・58点


▽ジュニア男子


廣田聖幸

SP 13位 43・01点

FS 14位 76・33点

総合 13位 119・34点


▽ジュニア女子


千葉紫織

SP 44位 25・55点


コメント

石塚玲雄(スポ4=東京・駒場学園)

――今大会を振り返っての感想をお願いします

悪いところもあったし良いところもあった、という感じです。1週間前くらいから気合が入りすぎて力が入り気味だったことが反省点です。演技の面でももう少し伸び伸び演技したかったと思います。でも良かった点もあり、全てのスピンでレベル4を取れたことやジャンプのリカバリーもできました。2位入賞も嬉しいです。

――今シーズンの今後の試合への意気込みをお聞かせください

そうですね、もちろん結果は残したいです。でも、気持ちがそればかりになってしまうと余裕がなくなってしまうと思うので、一戦一戦『練習してきたことを発揮する』、それができれば良いと思います。その上で結果もついてくれば最高ですし、仮についてこなくてもしっかりとやってきた練習だったら後悔はないはずです。SPもFSも観ている方々に楽しんで頂けることが僕にとって1番大切です。そこを忘れずに今後の試合で演技していきたいと思います。

川畑和愛(社2=東京・N高)

※Zoom囲み取材より抜粋

S P後

――演技を振り返ってみていかがでしたか

ジャンプは、少し3回転ループの軸が外れてしまったのですが、予定して練習してきたものはできたと思います。

――コンビネーションジャンプに関してはいかがですか

少し前に右足の捻挫をしてしまって、少しだけ休んでからブロック大会に向けて練習を始めたので、今回は3回転+3回転のコンビネーションジャンプはしないと決めました。

――差し支えない範囲で、いつ頃ケガをされたのかを教えてください

1カ月くらい前に捻挫をしてしまったのですが、やはり練習をするたびに着氷で右足に負荷がかかってしまっているため、自分で思っていたよりも長引いてしまっています。

F S後

――今日の演技の感想をお聞かせください

練習からあまり思うような演技ができていなくて、不安がありました。しかし、最後の2つのジャンプは飛び上がってしっかり締めるところまでは気持ちで持っていくことができたと思うので、今日は集中力と思い切りが足りなかったかなと思います。

――ケガの影響はどのくらい感じていましたか

ケガが自分でも思ったより長引いてしまっていて、しっかり練習してこられたのが2週間くらいでした。走ることもできなくて、最後まで滑りきる体力と、ケガをして練習が思うようにできない中でも試合の4分間を集中して乗り越えられる頑張る力が足りなかったかなと思います。

――この後足を休めて回復するということと東日本選手権に向けての練習を両立しなければならないと思いますが、どのように準備を進めていきたいですか

協力してくださる方がたくさんいるので、治療と練習を両方しながら、もっとジャンプの確率を上げて、体力も戻して、東日本選手権ではしっかりノーミスの演技をしたいです。