ハンドボール部
2021.10.06
関東学生秋季リーグ 10月3日 東京女子体育大学体育館
前半からオフェンスで圧倒し、国士舘大に快勝
前日に関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)初勝利を挙げた早大が連勝を目指した一戦。相手は秋季リーグで強豪・日体大を撃破している国士舘大。1勝同士の対決で拮抗(きっこう)した展開が予想されたが、それに反して序盤から早大が多彩な攻撃で国士舘大ディフェンスを翻弄(ほんろう)する。さらに、早大はディフェンスでも国士舘大オフェンスを苦しめた。大量リードで折り返し、後半は危ない時間帯があったものの、粘り勝ち。最終戦に向けて連勝で弾みをつけた。
前日に苦しんだ前半に見事に相手を圧倒した。国士舘大ボールで試合開始したが、前日無得点で終わったLW木村百花(スポ1=東京・白梅学園)がサイドシュートで先制。幸先よい立ち上がりを見せると、LB浦野詩織(スポ2=愛知・旭丘)が速攻とカットインで連続して相手ゴールを破る。さらに、無失点を続けながら、速攻で抜け出したCB村上楓(スポ2=福岡・明光学園)が4点目を決めると国士舘大はたまらずタイムアウト。序盤の流れを完全に掴んだ。その後も、PV紅林詩乃主将(スポ4=東京・佼成学園女)のポストシュート、RW青木里奈(スポ2=東京・白梅学園)のサイドシュートやダブルポストを用いた相手に的を絞らせない多彩なセットオフェンスで幻惑。開始15分で10得点と順調に積み重ねていく。また、ディフェンスではGK川村夏希(スポ2=東京・佼成学園女)が2本のペナルティスローをセーブ。国士舘大の追い上げを許さず、7点リードで前半を終えた。
サイドシュートを放つ木村
後半も国士舘大を圧倒するかに思われたが、結果的には国士舘大の意地を見ることになった。村上の退場中に速攻で先制されると、相手のクイックスタートや左サイドのシュートで失点を重ねてしまう。さらに、紅林が退場となりピンチに。この場面は何とか川村のナイスキーピングで乗り切ったが、RB阿部美幸(スポ4=東京・佼成学園女)、紅林というチームの要2人が連続退場。この試合最大のピンチを迎える。このファウルによるペナルティスローを連続で沈められると、2点差に。この状況で早大は「とにかくボールを守りにいく意識で」(村上)ディフェンスをして、1失点で踏みとどまる。1点差に迫られたが、紅林に代わって途中出場していた山本桃虹(スポ1=東京・佼成学園女)がポストシュートで連続得点。寸前で国士舘大を振り切る。直後にも村上が華麗なディスタンスを含む連続得点を挙げて、体勢を立て直した。そして、終盤に差し掛かるところで、国士舘大が7人攻撃を仕掛けてきたが、堅いディフェンスでシャットアウト。最後は村上のミドルシュートで締め、31-26で勝利を収めた。
シュートを決め、ガッツポーズを見せる村上
後半に苦しみながら、粘りを見せて勝利した国士舘大との対戦。「全員で粘って勝ち切れたのは昨日と比べて修正できた」と村上が振り返ったように、前日の試合からの成長も見せた。さらに、前日より得点者の偏りが少ない中で31得点。特に木村のサイドシュートが効果的に相手ディフェンスの間を広げた。木村は「バックプレイヤーの方々がディフェンスを寄せてくれて角度が狭くなくて余裕を持って飛ぶことができた」と振り返ったが、試合を重ねるごとにその成長は著しい。最終戦となる次戦の相手は桐蔭横浜大。連勝の勢いを生かして勝利し、全日本学生選手権への良いスタートを切りたいところだ。
(記事 杉原優人、写真 小澤慶大)
関東学生秋季リーグ | ||||
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早大 | 31 | 18-11 13-15 |
26 | 国士舘大 |
GK 川村夏希(スポ2=東京・佼成学園女) LW 木村百花(スポ1=東京・白梅学園) LB 浦野詩織(スポ2=愛知・旭丘) PV 紅林詩乃(スポ4=東京・佼成学園女) CB 村上楓(スポ2=福岡・明光学園) RB 阿部美幸(スポ4=東京・佼成学園女) RW 青木里奈(スポ2=東京・白梅学園) |
コメント
CB村上楓(スポ2=福岡・明光学園)
――率直な試合の感想は
昨日に引き続き連戦を勝ち切ることができたので、すごくうれしかったです。
――前回は課題が残る試合でしたが、今回の試合で修正できた部分はありましたか
昨日は前半にもっと離すことができる場面で離すことができなくて苦しい展開に自分たちでもっていってしまいましたが、今日の試合は前半からしっかりエンジンかけることができて、後半危ない場面もあったんですが、全員で粘って勝ち切れたのは昨日と比べて修正できた点かなと思います。
――後半、数的不利やマンマークなどの場面も見られましたが、そういった状況ではどのような意識でプレーしていましたか
4人になってしまって、点を取ることも守ることも難しい場面だったので、オフェンスではできるだけ時間を使うという意識をもっていました。自分はマンツーに付かれてしまってあまりオフェンスに参加できなかったので、他の人に動きながらボールをもらってと声掛けをしました。ディフェンスはとにかくボールを守りにいく意識でやって、GKも(相手のシュートを)取ってくれていたので、そこは粘れてよかったかなと思います。
――今回は個人で6得点、チームも30点以上取りましたが調子のいい要因は
どんな展開になったときでも、自分の中では落ち着いてプレーできていたかなということと、やるべきことをやるべきときにできていたから得点につながったかなと思います。チームとして得点が取れたのは誰かが大量得点するのではなく、全体的に全員がしっかり得点を取れたから、チームとしての得点が多くなったのかなと思います。
――次戦の桐蔭横浜大戦に向けた意気込みをお願いします
最終戦になるのでしっかり全員で勝ち切って最後楽しんで試合ができるように頑張ります。
LW木村百花(スポ1=東京・白梅学園)
――率直な試合の感想は
昨日の試合は勝てたのですがあまり楽しめなかったゲームだったんですが、今日の試合は自分たちのペースで試合を運んで、前半からリードできていたので、焦りもなく楽しめて勝てたので良かったです。
――今回の試合では7得点を挙げ、チームの勝利に貢献しました。好調だった要因は
まずはサイドシュートが多かったのですが、サイドシュートに行くまでにバックプレイヤーの方々がディフェンスを寄せてくれて角度が狭くなくて余裕を持って飛ぶことができたので、GKをよく見て(シュートを)撃つことができました。それが点に繋がったのかなと思います。
――ここまでの試合ではフル出場は叶っていませんが、自身の課題はどのようなところだと思いますか
ディフェンスの部分で劣る部分があって、そこを狙われてしまっていると思うので、ディフェンス力を高めていかなければいけないと思います。
――連勝となりましたが、この2試合で得たチームとしての課題と収穫は
チーム力が結構通用していると思います。自分たちの実力を発揮することができれば、それなりに戦えていると思うし、ディフェンスで守ってしっかりと速攻まで持っていくことができれば自分たちの流れを作ることができるので、そういう展開にできたら上位のチームとも戦える力はあるなと思いました。課題は、今日の試合はできていたのですが、前の試合や負けた試合だと、ギアを上げるところを全員で共有できていなくて連続失点してしまったときに、そのまま流れが相手に行ってしまい押されてしまう部分があるので、そこちゃんと全員が切り替えていくことができればいいなと思います。
――次戦の桐蔭横浜大戦に向けた意気込みをお願いします
最終戦でもあるし、桐蔭(横浜大)戦に勝つかどうかで順位も変わってくると思うので、自分のできることを最大限発揮したいなと思います。サイドシュートも速攻の走り出しも意識して、点につなげられたらいいなと思います。