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ア式蹴球部

2021.09.18

第43回関東女子選手権(兼)皇后杯第43回全日本女子選手権関東予選 9月18日 会場非公開

夢、破れる… 準決勝は6失点で失意の敗戦

皇后杯関東予選 準決勝
早大 0-3
2-3
日テレ・メニーナ
【得点】
(早大)73分 廣澤真穂、80+2分 髙橋雛
(メニーナ)6,7,31分 土方麻椰、48分 大山愛笑、71,80分 土方麻椰

 準々決勝で筑波大(○2−1)を下し、皇后杯本選への出場権を獲得したア式蹴球部女子(ア女)は、準決勝に日テレ・メニーナを迎えた。目標の『四冠』を果たすべく、絶対に負けられない戦いであったが、開始早々の6分、7分と立て続けに失点。その後も失点を重ね、一時は5点のリードを許す苦しい展開。終盤にFW廣澤真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)らにゴールが生まれるも、反撃は及ばず。皇后杯関東予選優勝の夢が破れる、厳しい敗戦となった。

 

失意のホイッスルを聞いた直後の選手たち

 

 あまりに早い時間での先制点献上であった。6分、ドリブルで左サイドを突破され、ゴール付近までの侵入を許す。最後はゴール前に供給されたパスを冷静に流し込まれ、失点。さらには続く7分にも、セットプレーのセカンドボールを起点に失点。開始10分を待たずに2点のビハインドを背負ってしまう。「なかなか自分たちも解決策を見つけられなかった」とDF後藤若葉(スポ2=日テレ・メニーナ)は振り返る。その後は守備の変更を行い、徐々にペースを奪い返したア女。しかし31分、先制を許した場面同様に左サイドを突破され、3点目を献上。前半の30分ほどでFW土方麻椰(日テレ・メニーナ)にハットトリックを許し、一方的な試合展開となってしまう。

 選手交代で反撃に出たいア女だが、48分に左サイドからのFKが直接ゴールに吸い込まれ、4失点目。さらには71分、スルーパスに抜け出され5失点目。正確な足元の技術、高い組織力に加え、切り替えの素早さも見せるメニーナを前に、主導権を握られる時間が続いた。それでも73分、MF笠原綺乃(スポ2=横須賀シーガルズJOY)の浮き球のパスに廣澤が反応。「(難しい体勢から)ゴールを見てしっかり狙えたというのは自分としては収穫になった」と1点を返す。80分には6点目をメニーナに与えるも、80+2分にFW髙橋雛(社3=兵庫・日ノ本学園)にゴールが生まれる。かろうじて大学生の意地をみせ、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

 

2得点目を決めた髙橋のドリブル

 

 「相手の思うようにやらせてしまった(近澤)」。「まずは自分たちがもう一回やるべきことを見直さないといけない(後藤)」。選手たちの目からは涙があふれた。屈辱的な試合展開となり、目標としていた『四冠』の夢もついえた。その胸に抱く思いは想像に難くない。しかし、立ち止まることは許されない。「きっちり勝って3位で締めたい(近澤)」。明日のジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18戦で、悔しさを晴らす1勝を手にすべく、ア女は走り続けるだろう。

(記事 橋口遼太郎、写真 手代木慶、前田篤宏)

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK ◎1 近澤澪菜 スポ3 JFAアカデミー福島
DF 2 船木和夏 スポ3 日テレ・メニーナ
DF 5 後藤若葉 スポ2 日テレ・メニーナ
MF 6 ブラフ・シャーン スポ3 スフィーダ世田谷FCユース
FW 9 廣澤真穂 スポ3 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
FW 11 髙橋雛 社3 兵庫・日ノ本学園
MF 18 三谷和華奈 スポ2 東京・十文字
MF 19 笠原綺乃 スポ2 横須賀シーガルズJOY
DF 20 浦部美月 スポ2 スフィーダ世田谷FCユース
→40分 4 堀内璃子 スポ2 宮城・常盤木学園
DF 22 夏目歩実 スポ2 宮城・聖和学園
MF 26 木南花菜 スポ1 ちふれASエルフェン埼玉マリ
→47分 30 築地育 スポ1 静岡・常葉大橘
◎=ゲームキャプテン
監督:福田あや(平20スポ卒=神奈川・湘南白百合学園)

 

GK近澤澪菜(スポ3=JFAアカデミー福島)

――試合が終わった後、目頭を押さえていました

あんなに失点するとは思っていなくて、試合中からしんどい部分がありました。それを我慢していたので、終わってからあふれてしまいました。

――ゲームキャプテンということで、先輩たちの思いも背負っていた分、今日の試合展開は苦しかったのではないですか

後ろから声を出してチームを引っ張っていかなきゃいけなかったのですが、前半から相手のペースに飲まれてたくさん点を取られてしまいました。その中で、自分たちからもっとアクションを起こして変化をつけていかなければならなかったのに、自分たちも苦しくて声が出ていなかったり、フィジカルも個の部分で負けてしまいました。結局、相手の思うようにやらせてしまったかなと思います。キャプテンを任せてもらっている身として、流れを変えることができなかったのは、すごく悔しいです。

――焦りからか普段は見られないようなパスミスが多かったですが、後ろから見ていて実感はありましたか

ミスは起きてしまうので仕方ないものですが、それでも何度も同じボールの失い方をしているという部分では、修正しなければならないと思います。今日のように雨でピッチコンディションが悪く、ボールが伸びてしまうというのもチームとして話していたので、それを頭に入れていたにもかかわらず、そこを修正できなかったのは今日一番良くなかったと思います。

――飲まれたとおっしゃっていましたが、格上という印象はありましたか

たしかに前回の関東リーグ(関東女子リーグ)でも今回も(皇后杯関東予選)でも負けた相手ですが、自分たちが格下だとは思っていません。むしろ勝れる部分は多かったのに、どうしても今日は相手に飲まれて、自由にやらせてしまったのが大きかったと思います。

――どういう想定で臨んだのですか

(日テレ・)メニーナはロングボールを蹴ってきたり、8番の大山愛美選手がゲームメイクをすると想定していました。そこで、いつもより引いてスタートして、サイドに追い込んで(ボールを)取りきることをチーム内で確認していました。それも、チームで連動して取りきるところができていなかったかなと思います。

――あえて今日の試合で評価できるところを挙げるとすれば、どこでしょうか

なんだろう、難しいですね。最後まで声を出し切る選手がいました。苦しくても最後まで声を出す選手がいたのは良かったと思います。

――残り『三冠』ということですが、意気込みを聞かせてください

やるしかないですね。『三冠』になってしまうけれども、切り替えて次の『冠』に向けて動き出すしかないですね。今日は引きずっちゃうけど。明日の試合はきっちり勝って3位で締めたいです。あとはそれぞれのリーグで『冠』を獲れるように課題を修正して頑張っていきたいです。

 

 

FW廣澤真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ) 

――試合全体を振り返って率直な感想はいかがですか 

悔しいというか、情けないというか。上手いのは分かっていたうえですが、2世代も下だし負けるわけにはいかなかったというのがあったので、ここまで想像以上にやられてしまったので本当に情けないです。

――前半は押し込まれていてチャンスも数少なかったですが後半は2得点と前半より良い流れを作っていました。意識的に変えたことはありましたか

最初は守備から入るっていう意識があったのですが、ここまで失点してしまったら獲りに行くしかないというのが頭の中にありました。ハーフタイムの時にとりあえず前に走って相手のディフェンスラインを下げろっていう話をされていたので、それを意識してとにかく前に行こうと思って1点でも多く点を返しに行こうと思ってプレーしていました。

――その中でチームとしては最初の得点を決めました。難しい体勢でのシュートとなりましたが振り返っていかがですか

良い体勢でシュートを打てることはなかなか無いのであの状況でゴールを見てしっかり狙えたというのは自分としては収穫になりました。

――得点以外のところでも1列下がってボールを受けてドリブルで持っていくシーンもありましたが、相手選手とのぶつかり合いで感じることはありましたか

体もフィジカル的にも自分たちの方が強かったので1対1や1対2では負けない自信はあったんですけど。チームとして戦うっていう中で前半からもうちょっとうまく試合を運べたんじゃないかって思うので、修正していかなければなって思います。

――相手のビルドアップのシステムにはめていく形から奪ってシュートにもっていくシーンもありました

相手に持たせて奪った後にカウンターというのが狙いとしてあったので、そういう意味ではしっかりスカウティングした内容の通りにできていたかなとは思います。でもやっぱり失点が多すぎたっていうのが1番という感じですね。

――今大会優勝は無くなりましたが、明日3位決定戦が控えています。意気込みをお願いします

『四冠』という掲げていた目標が途絶えてしまったっていうのはすごい悔しいことなんですけどこの結果をしっかり受け止めて、本選出場も決まっているので、そこに活かせるようにします。明日の試合も同じ高校生なのでもう一回切り替えて頑張っていきたいと思います。

 

DF後藤若葉(スポ2=日テレ・メニーナ)

――今日の試合のプランを教えていただけますか

メニーナはパスを下から回してビルドアップをしてくるので、自分たちはそれを耐えて取りどころで取ったら、大学生ならではのパワーでカウンターで勝負していこうというプランでした。でも前半に相手が特殊ビルドアップがをして、アンカーが1枚落ちたりするので(対応できるまで)手間取ってしまって、上手くはまらないまま2失点しました。それでメンタル的にも身体的にもちょっときて、解決策を見つけられなくてそのままズルズルいってしまったっていう感じです。

――早い時間帯での失点はいかがでしたか

サイドの選手が速いことは分かっていたのですが、正直こんな展開は予想していませんでした。目標にしていた皇后杯(関東)予選優勝は逃してしまったのですが、年下を相手に個の部分では絶対負けてはいけないと思うので、この先まだ関東リーグ(関東女子リーグ)、関カレ(関東大学女子リーグ)、インカレ(全日本大学選手権)があるので、もっと個の部分を上げていかないといけないという課題が見つかったかなとは思います。

――特に左サイドは個で破られてしまったのはチームとしても苦しい部分がありましたか

正直苦しかったのですが、そこを一人の責任ではなくてチームで守らないといけなかったと思います。同じかたちで2失点してしまったというのはディフェンスラインで改善しないといけない部分でもあると思います。

――途中から守備の形も変えて2トップ気味にやっていたと思いますが

最初は相手が1枚落ちて3枚で回してくるところを、(ア女は)2枚で見させていました。自分たちも1枚押し上げて見るかたちにしてから少し上手く行って、後半からは自分たちのウイングをセンターバックに外からプレスを掛けるようにしたら上手く行きました。試合の中で改善策は見つけられたので、もっと早く見つけられれば5失点する前に改善して自分たちの流れにできていたと思います。

――個人としてはインターセプトを狙う場面もありました

自分も日テレ・メニーナでやっていたので、選手の特徴だったり、自分も戦術が(頭に)入っています。1対1の場面では後輩っていうのもありますが、年下の相手に負けるわけにはいかないので、2失点してもプレーで示していこうと思いました。自分個人としてはあんまりやられたという気持ちは無いので、悔しさはあまりなかったのですが、チームとして高校生にやられて悔しくないのかっていう。そこが悔しいです。

――自分自身が古巣だからというよりかはそちらの方が強いですか

個人としては古巣だから負けたくないという気持ちはありました。個人としては潰すところは潰せていた。でもディフェンスとしては5失点もしている。そこは責任がとても大きいですが、そこよりも選手一人一人が年下の相手にあれだけやられてどう思っているんだろう。これから先WEリーグ(撃破)を目指す前に、年下に負けてどうすんだろうっていう気持ちが強くて。でもそれは自分がメニーナの気持ちも分かるから戦い方とかが分かっているから、なんで取れるのに取り切れないんだろうと思う時もありました。そこを共有できなかったのは自分の責任でもあると思います。これからもう一回見直さないといけないところがあるんじゃないかって、こんなところで気づくのではだめだと思うけれど、これから先もっと大事な試合が続いていく上では気づけて良かったのかなとは思います。

――ある意味皇后杯予選で良かった部分もありますね

今年の目標として『四冠』を目指していた中で、伏見に残っている4年生たちの思いも背負って戦った11人なのに、こんな結果で帰らなきゃいけないというのが本当に申し訳ないです。こんなかたちで気付くのでは絶対にダメだと思うのですが、皇后杯に出れるので、これから先WEリーグ(撃破)なんて言っている場合ではなくて、まずは自分たちがもう一回やるべきことを見直さないといけないなと思います。

――今日の試合からポジティブな点を探すとしたらどこですか

大学生のチームがいろいろある中で、自分たちは蹴るだけではなくてつなぐサッカーを継続していけば、メニーナの守備を打開していける部分はあったと思います。あとは粘り強い守備で取ってからのカウンターっていう勢いはあると思うので、粘り強い守備、全体で連動した守備っていうのはポジティブに捉えています。やっぱり個の部分っていうのをもっと一人一人が上げていかないといけないなと思いました。

――伏見に戻って何がしたいですか

激しいプレーと危ないプレーが違うと今日の試合で分かったと思うので、もっと要求しあって激しいプレーをしたいです。足を動かさないと高校生のように機敏だったり、WEリーガーはもっと足元うまかったりしたら止められないと思います。アジリティ要素はもっと上げていかないといけません。あとは個人で目の前の相手に勝たないといけない。休んでる場合ではないと思うし、もうすぐ関カレも始まるので、もう一回チームとしても個人としても成長っていう部分を伏見に帰ったらやっていきたいです。