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卓球部

2021.07.08

全日本大学総合選手権・団体の部 7月4日 島津アリーナ京都

チーム一丸 2大会ぶり4度目のインカレV

 早大女子部が大学卓球の頂点に返り咲いた。今月1日に開幕した全日本大学総合選手権・団体の部(インカレ)もいよいよ最終日。この日は優勝候補筆頭、専大との準決勝で幕を開けた。4年生のダブルエースがシングルスを落とす苦しい内容だったが、勝負を託された黒野葵衣(スポ3=東京・武蔵野)がフルゲームの末に相手エースを破る大金星。今大会最大のヤマ場を突破した女子部は、決勝で神戸松蔭女学大をストレートで下し、2大会ぶり4度目の優勝を決めた。

 準決勝は関東学生リーグ1部でしのぎを削る専大との対決が実現した。早大の1番手は、ここまで全勝の杉田陽南(スポ1=大阪・香ケ丘リベルテ)。第1ゲームを3失点で切り抜けると、ストレートで貴重な1勝目を挙げた。一方、2番手の笹尾明日香(社4=神奈川・横浜隼人)は、今大会注目の出澤杏佳(専大)に「しっかりきっちりやられてしまった」。ミスが少なく、安定した攻撃をみせた出澤を崩せず、前半のシングルスは1勝ずつを分け合った。続くダブルスは、岩越帆香主将(スポ4=福岡・希望が丘)・笹尾組が息ぴったりのプレーをみせ、木村香純・出澤杏佳組を撃破。試合前も重点的に練習していたというダブルスでチームに2勝目をもたらし、後半のシングルスに託した。

 2台同時に行われた後半のシングルスは、先に5番手の岩越がゲームカウント2-0から逆転負けを喫する波乱の展開。岩越の敗戦後、隣で試合をしていた黒野は「やばい、自分次第だなと思った」。試合の行方は黒野と木村香純(専大)の4番手対決の結果に委ねられた。この時点で2ゲームを取り合い、ゲームカウントは同点。運命の最終ゲームは、序盤からシーソーゲームが繰り広げられた。フォアハンドで緩急をつける相手に対し、黒野はカットで揺さぶりミスを誘う。互いに粘りのプレーをみせ、勝負はデュースにもつれた。重圧のかかる場面に、黒野は「きのうの2試合の負けがある。さすがに負けられない」と自らを奮い立たせる。7度のデュースにも焦れず、最後は相手のスマッシュがオーバーするラッキーにも味方され、18-16で黒野が長い長い激闘を制した。「一番警戒していた」(岩越)という専大を3-1で下し、決勝へ弾みをつけた。

木村からポイントを奪い、ガッツポーズを見せる黒野

 決勝の相手は関西学生リーグ1部所属の神戸松蔭女学大。「足元をすくわれないように一戦一戦、一からの気持ちで」(岩越)。専大との準決勝から間もなく、大学日本一をかけた東西対決が始まった。1番手の笹尾は「勝ちたいという気持ちが強くなりすぎて」とプレーに力が入り最初の2ゲームを落としたが「3ゲーム目からは力を抜いて落ち着いてプレーしようと思ったことが良かった」(笹尾)。本来のプレーを取り戻すと、決定力のあるフォアハンドで流れを手繰り寄せた。11-3、11-5、11-5と大差で3ゲームを連取し、逆転勝ちを決めた。

 笹尾とは対照的に、2番手の杉田はゲームカウント2-0から相手の追い上げに苦しんだ。右肩上がりに調子を上げる相手ルーキー、木塚陽菜(神戸松蔭女学大)のパワフルなドライブに押され、ラリー戦で決めきれない。11-13で第4ゲームを落とすと、ゲームカウント2-2で並ばれた。迎えた最終ゲーム、チームのアドバイスに「何がなんでも優勝してやるぞと気を引き締められた」と、杉田は序盤から強気のプレーを連発。両ハンドのドライブで相手を振り回し、ついに11-8で決着をつけた。

決勝で逆転勝ちを決めた笹尾

 笹尾と杉田がともにフルゲームを制して優勝に王手をかけると、続くダブルスの岩越・笹尾組は、ここまで無敗の枝廣瞳・鶴岡菜月組と対戦。「岩越選手が安定して良いプレーをしてくれるので、自分も自信を持ってやらせてもらえた」(笹尾)と、早大ペアは決勝の舞台でも抜群のコンビネーションをみせた。サーブレシーブから先手を取り、速いラリーで相手を圧倒。順調に2ゲームを取ると、第3ゲームも6-6から5連続ポイントを奪ってきっちり締めた。チームを引っ張り、プレーで支える4年生ペアの手堅い勝利がチームに優勝をもたらした。

 まさにチーム全員の力でつかみ取った優勝。4年生のダブルエースが苦戦しても、黒野と杉田の頼もしい活躍が勝利をつないだ。そして、どの大学にも負けない「チーム力」が最高の結果となって表れた。試合に出た選手だけでなく、あらゆる面で選手を支えたサポートメンバーは、優勝には欠かせない存在だ。主将の岩越は「本当にこのチームで良かったなと改めて思っています」と笑顔で振り返った。今大会、チーム全員で「優勝する流れ」をつかんだ早大女子部。大会を通して、さらにチームワークを強固なものにしたはず。次に控える団体戦は9月に開幕する秋季関東学生リーグ戦。強豪校がひしめく関東学生リーグ1部の制覇に期待が高まる。

(記事、写真 鬼頭遥南)

チームの集合写真

結果

▽女子決勝トーナメント 
準決勝
対 専修大学 〇3-1
〇杉田陽南3-0加藤亜実
●笹尾明日香0-3出澤杏佳
〇岩越帆香・笹尾明日香組3-0木村香純・出澤杏佳組
〇黒野葵衣3-2木村香純
(●岩越帆香2-3船場清華)

決勝
対 神戸松蔭女子学院大学 〇3-0
〇笹尾明日香3-2枝廣瞳
〇杉田陽南3-2木塚陽菜
〇岩越帆香・笹尾明日香組3-0枝廣瞳・鶴岡菜月組

コメント

岩越帆香主将(スポ4=福岡・希望が丘)

――優勝おめでとうございます。いまの率直なお気持ちをお聞かせください

 苦しい試合ばかりでしたが、全員で助け合って、負けていてもお互い助け合って勝利につなげることができて、チーム全員で優勝に向けて準備をしてきたので嬉しいですし、本当にこのチームで良かったなと改めて思っています。

――準決勝のオーダーは予想通りにいきましたか

 そうですね、一晩考えていたんですけど、笹尾(明日香、社4=神奈川・横浜隼人)とも相談して。けっこう当たったので、試合前も頑張ろうという気持ちになりました。

――船場清華選手(専大)との試合を振り返っていかがでしたか

 2-0リードで2-2に追いつかれてしまって、やれることをアドバイスされていたんですけど、自分が追いついてなくてその技術ができなかったので、そこを自分の課題として修正していきたいと思います。

――相手チームの応援はプレッシャーに感じましたか

 それはなくて、早稲田のほうが勝っていると思っていました。チーム力は絶対にどこの大学にも負けていなかったです。

――決勝はどのような気持ちで迎えましたか

 専修大学が本当に強いチームで、一番警戒していた大学でもありますし、そこが決勝戦と言ってもおかしくないくらいでしたが、次の試合も足元をすくわれないように一戦一戦、一からの気持ちで戦っていきました。

――今後に向けて意気込みをお願いいたします

 コロナ禍で他の大会が中止になる中で開催された貴重な大会で優勝できたので、次もいつ行われるかわからないですが、その大会で勝ち上がれるようにいまから準備をしていきたいと思います。今大会で優勝して、優勝する流れがチームのみんなにも伝わったと思うので、秋リーグに向けて修正もしつつ、もっと良い状態のチームで臨めたら良いなと思います。

笹尾明日香(社4=神奈川・横浜隼人)

――優勝おめでとうございます。いまの率直なお気持ちをお聞かせください

 チームの仲間に助けられて、みんなでつかみ取った優勝だと思うので本当に感謝しかないなという気持ちです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

 ダブルスはパートナーの岩越選手(帆香、スポ4=福岡・希望が丘)が引っ張ってくれて安定して良いプレーをしてくれるので自分も自信を持って安心してやらせてもらえてすごくありがたかったです。シングルスに関しては、課題がたくさん見つかったので、日々練習、これから秋リーグ等に向けて頑張って行きたいと思います。

――準決勝では出澤杏佳選手(専大)と対戦されましたが、相手の印象はいかがでしたか

 ミスも少ないですし、プレーもそつなく良いプレーがたくさんあって基礎力も高いですし、卓球に対する姿勢も素晴らしい選手で、しっかりきっちりやられてしまったなというふうに思っています。

――決勝戦のシングルスは、ゲームカウント0-2からの逆転勝利となりましたが、どのような思いでプレーされていましたか

 勝ちたいという気持ちが強くなりすぎてしまって。勝ちたいというより、これだけみんながサポートしてくれて、出たいと思いながらも自分たちが試合で良いパフォーマンスができるようにサポートしてくれた人たちや、早稲田で残っている男子も練習してくれていたので、そういう人たちの分を背負って勝ちたいと思いすぎてしまって、前の試合もそうなんですけど力が入りすぎてしまっていました。3ゲーム目からは力を抜いて力みすぎずに落ち着いてプレーしようと思ったことが良かったかなというふうに思います。

――岩越選手とのダブルスは今大会全勝ということで、振り返っていかがですか

 ダブルスは4年間岩越選手と組ませていただいてすごく息も合ってきましたし、ダブルスを落としたらなかなかチャンスはないと思っていたので、試合前もダブルスの練習を多くして、いろんな人にゲーム練習をしてもらったことがすごく良かったと思います。

黒野葵衣(スポ3=東京・武蔵野)

――優勝おめでとうございます。いまの率直なお気持ちをお聞かせください

 最後の試合(決勝)は出番がなかったんですけど、準決勝の専大戦は最後自分次第だと思ったときは怖かったです。きのうの2試合自分が負けてしまって、チームとしては勝ったのですが、応援してくださっているチームとか、サポートしてくださっている方とか、男子も応援してくれていて、申し訳ないなという気持ちがあったので、全て恩返しできるのがこの試合に勝つことだけだと思って。しっかりそこで勝てて、最後も先輩方や1年の杉田(陽南、スポ1=大阪・香ケ丘リベルテ)がしっかりとってくれたのは良かったし、嬉しいというのがいまの気持ちです。

――3日目の2試合を落としてしまいましたが、最終日に向けてどのように調整されましたか

 きょうの朝くらいまでけっこうへこんでいたんですけど、オーダーを見て木村さん(木村香純選手)はやっぱりすごい強い方なので、逆にそこで思い切ってできたのは良かったかなと思います。

――木村香純選手(専大)とは昨年の全日本学生選抜強化大会でも対戦し、フルゲームの末に勝利されました。オーダーを見て、試合をして、どう感じましたか

 1回勝ったんですけど幻に近い試合だったので、途中までは絶対に勝つというよりは思い切ってやろうという思いが強かったです。隣の試合(同時進行で行われた5番手・岩越主将の試合)が終わってからは、やばい、自分次第だなと思ったのですが、それでもマイナスな感じではなくて、プラスな意味で自分が絶対に勝つんだと思えたことが良かったです。

――プレッシャーはありましたか

 そうですね、だいぶプレッシャーはあったんですけど、きのうの2試合の負けがあるのでさすがに負けられないと思って試合しました。

――木村香純選手に勝った瞬間はどのような思いでしたか

 最後の1球は、自分が仕掛けたというより相手がミスしてくれたというのがあったので、少しラッキーなところもあったんですけど、終わった瞬間にベンチが跳んで喜んでくれていて、目標としては優勝を目指してやってきたので、もちろん勝つべき試合なんですけど、決勝につなげることができたのは良かったです。

杉田陽南(スポ1=大阪・香ケ丘リベルテ)

――優勝おめでとうございます。いまの率直なお気持ちをお聞かせください

 周りの人への感謝の気持ちしかないですね。私、怪我して去年の今ごろ卓球をしてないんです。まずコロナ禍で卓球ができて、そして全国に出られてチームの代表として出させていただいているっていう状況で。そこまで行くのにものすごく多くの人の支えがあって私がここにいて、たまたま勝ったというだけなので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

――大会を通して強気なプレーがとても印象的でした。どのような思いでプレーされていましたか

 団体戦だと雰囲気にのまれやすいので、のまれる前にのみこむくらいの気持ちでいかないと、というのは特に意識していました。出だしの1セット目がとれると一気に勝利に近づくと思うので、出だしの凡ミスの少なさ、最少失点でできるだけ切り抜けながら得点を重ねていくというのは一番意識していました。

――決勝のシングルスは最終ゲームまでもつれましたが、振り返っていかがですか

 私自身2-0から追いつかれるときは余裕があるときが多かったのですが、今回は本当に余裕がなくて。久しぶりにこの感覚だと思いつつ、最後は4-1くらいのときに、優勝するという強い気持ちを持ったほうがいいとアドバイスをしてもらったので、そういったところで、もう1回思い出して、何がなんでも優勝してやるぞと気を引き締められたので最後までリードを守れたのかなという感じです。

――杉田選手は今大会全勝、そしてチームも優勝ということで、ご活躍をどう評価されますか

 団体戦という点で見れば、声も出していたので良いほうに行ってくれたのかなと思いますが、自分個人の点から言うとまだまだ課題だらけですし、正直点数は勝ったけど内容は負けてるみたいな試合ばかりでした。今後、例えば来年再来年ともしかしたらチームの代表やエースとして出させていただく機会もあるかもしれないので、そういったときに向けて質を高めていかないとやられちゃうなというふうに思いましたね。

――具体的にどのような点が課題だと感じますか

 今大会はミスをしないことを一番大きく掲げていて。ミスをしないのはいいんですけど、だからこそボールが甘くなってしまったり、つなぎのボールの質がどうしても低かったので、もっとつなぎのボールの質が高ければ余裕のあるプレーができて、もっとチームに良い影響が与えられたのかなというふうには感じています。