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ア式蹴球部

2021.06.14

第95回関東大学リーグ 6月14日 会場非公開

一進一退のシーソーゲーム アディショナルタイムに劇的幕切れ

JR東日本カップ2021 第95回関東大学リーグ戦 第9節
早大 1-1
2-3
桐蔭横浜大
【得点】
(早大)37’大西 翔也、55’加藤 拓己、78’水野 雄太
(立正大)12’松本 太一、48’篠原 友哉、87’小関 陽星、90+3’左部 開斗

 順大の天皇杯出場の影響から、先週末実施予定であった関東大学リーグ第8節が延期となった早大。2週間ぶりのリーグ戦に桐蔭横浜大を迎えた。MF田中雄大主将(スポ4=神奈川・桐光学園)の長期離脱からの復帰戦ともなった一戦は、前半から両チーム点を取り合う展開。78分にMF水野雄太(スポ3=熊本・大津)の得点で逆転に成功し、試合を決めたかと思われたが、86分、90+3分と立て続けにゴールを献上。3―4で悔しい敗戦となった。

復帰戦となった田中

 スターティングイレブンに『8』が戻ってきた。今季主将を務める田中が、昨シーズン末の膝の負傷から今節復帰。さらにはMF平松柚佑(社2=山梨学院)を今季初のスタメンに起用し試合に臨んだ。開始早々から両チームが堅実な守備を見せ、落ち着いた試合になるかと思われた矢先に試合は動く。12分、マンマークとゾーンディフェンスを併用した早大守備の隙を突かれ、コーナーキックから先制点を与えてしまう。

 ビハインドとなったものの、「かなり前線が整理されていた」(田中)と、桐蔭横浜大の統率された前線に気圧され、なかなかゴールへと迫ることのできない早大。30分ごろに両サイドバックのDF大西翔也(スポ4=浦和レッズユース)とDF森璃太(スポ2=川崎フロンターレU18)を入れ替えるとともに、両選手に高い位置を取ることを求める。すると、押し込む時間が顕著に増加。35分には敵陣深い位置で大西が起点となり、MF丹羽匠(スポ3=ガンバ大阪ユース)に好機が訪れると、迎えた38分のコーナーキック。ショートコーナーを選択し、DF鈴木俊也(商3=東京・早実)が供給したクロスボールをニアサイドで平松が逸らすと、最後は大西が詰め、試合を振り出しに戻す。

 後半開始とともにFW加藤拓己(スポ4=山梨学院)を投入し、逆転ゴールをもくろむ早大。しかし、次の1点は桐蔭横浜大であった。47分、最終ラインからのロングボールをサイドバックの背後のスペースへと蹴り込まれ、センターバックのDF西田翔央(商3=東福岡)がつり出されると、コンビネーションから中央への侵入を許し、得点を与えてしまう。それでも58分、自陣からのカウンターを繰り出し、MF安斎颯馬(社1=青森山田)のピンポイントクロスに加藤が反応。相手DFから離れつつ、体をひねりながらゴールにねじ込む、ポジショニングと技術のかみ合ったスーパーボレーシュートで、早大はまたしても同点に追いつく。

チーム3点目を奪った水野

 なおも得点を狙う早大は、69分に水野、76分にMF小倉陽太(スポ2=横浜FCユース)を投入。すると、この交代策がズバリ的中する。78分、小倉が敵の選手間でボールを引き出し、高い位置を取る森へとフリックでボールを届ける。抜け出した森のクロスボールに、ニアサイドで加藤が潰れ、最後は大外から走り込んだ水野。ゴールマウスへと豪快に蹴り込み、早大はついにリードを手にする。

 逆転ゴールを奪っても「謙虚に!」という外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)の声や、「もう1点取るぞ!」という加藤の声がピッチに響いた早大。しかし、勝利の女神は無情であった。86分、自陣でボールを奪われると、ミドルシュートで得点を許し、またしても同点となる。さらには93分、センターバックの鈴木が持ち上がりパスを供給するも跳ね返されると、最終ラインで数的不利の局面となり、絶望的な逆転ゴールを献上。最後まで勝ち点3を目指したものの、勝ち点1すらも失う、苦しく厳しい結果となってしまった。

 結果だけを見れば、課題の多く残る試合のようにも思えてしまう。しかし、状況はポジティブだ。ゴール欠乏症に悩まされていたものの、3ゴールを奪うことに成功。2度同点に追いつき、さらには逆転をすることにも成功をした。勝ち点3か、勝ち点0か。最後を左右したのは、『DRIVE』の姿勢であろう。3失点目に至るまでの過程で、あとわずかに体を寄せられれば。4失点目の場面でも、鈴木の持ち上がりを受けて、わずかにチームが気を遣う余裕があれば。4点目を奪いに行く『DRIVE』の姿勢は体現しただけに、あとわずかの『DRIVE』でチームは好転をするだろう。「悲観的にならずに良い部分をしっかりと見て」(田中)。反省から『1を積み上げ』、愚直に勝利を目指す。

スターティングイレブン

 

(記事 橋口遼太郎 写真 早稲田大学ア式蹴球部提供)

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 46 ヒル 袈依廉 スポ1 鹿児島城西
DF 25 森 璃太 スポ2 川崎フロンターレU18
DF 24 西田 翔央 商3 東福岡
DF 鈴木 俊也 商4 東京・早実
DF 大西 翔也 スポ4 浦和レッズユース
→89分 37 平野 右京 人2 兵庫・滝川
MF 13 平松 柚佑 社2 山梨学院
→76分 小倉 陽太 スポ2 横浜FCユース
MF 33 安斎 颯馬 社1 青森山田
MF 28 丹羽 匠 スポ3 ガンバ大阪ユース
→54分 20 植村 洋斗 スポ2 神奈川・日大藤沢
MF ◎8 田中 雄大 スポ4 神奈川・桐光学園
→69分 19 水野 雄太 スポ3 熊本・大津
MF 34 光田 脩人 スポ1 名古屋グランパスU18
FW 奥田 陽琉 スポ2 柏レイソルU18
→HT 10 加藤 拓己 スポ4 山梨学院
◎=キャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部 順位表
順位 大学名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
法大 20 16
駒大 18 19 18
明大 17 13 12
早大 14 10
流通経大 13 21 13
筑波大 12 16 16
順大 10 14 14
桐蔭横浜大 10 15 19 -4
国士舘大 12 −3
10 拓大 10 12 -2
11 慶大 10 14 -4
12 立正大 16 -7
※6月13日終了時点
コメント

田中雄大主将(スポ4=神奈川・桐光学園)、平松柚佑(社2=山梨学院)

――今日の試合のコンセプト、どういった狙いがあったのかから教えてください

田中 今まで複数得点があまりなかったので、2週間かけてゴールを奪う、ゴールを目指すという部分を特に意識して臨んだ試合でした。

――お二方は今シーズンの初出場になりました。試合を振り返っていかがでしたか

田中 怪我人も何人かいてスタートから出場することが決まりましたが、先週のトレーニングマッチからいい準備をして臨めたかなと思っています。その中で、チャンスもあったので自分が決めてチームを勝たせたかったというのが素直な気持ちです。チャンスで決めきれなかった、まだまだ力不足だなと感じました。ただ本当に、この舞台に戻ってこられた事は個人としてもうれしい事なので、正直悔しい結果になってしまいましたがこれを糧に、この先3連戦があるのでそこに向かっていけたらなと思います。

平松 開幕戦から6節までずっとベンチに入らせてもらっていたのですが、一度も出られず、かなり悔しい思いがありました。今節、今季初めて試合に出場して、シンプルに楽しかったな、という思いが率直にあります。もちろんプレーでミスがあったり、自分の悪い部分も多く出てしまいましたが、それ以上に公式戦に出られるうれしさというか、サッカーの楽しさ、自分がサッカーをしている理由というのをこの試合で再認識することができました。

――今お話がありましたように、平松選手はずっとベンチ入りこそしながら中々出場することが叶いませんでした。また、田中選手もずっとベンチには帯同されていました。ピッチの選手をどのような思いで見ていらっしゃいましたか。平松選手はベンチからかなり積極的に声をかけていたように思います

平松 自分のポジションは大学選抜に入る選手がいたり、代表に選出される選手がいて、すごい選手が沢山います。その中で、自分がこのチームに与えられるエネルギーというのはやはり勢いであったり気持ちの面だなと、去年からずっと考えていました。もちろん出ていない分、選手たちの苦しみまではわかりませんが、外から少しでも背中を押したいというか。そういった思いがありました。

田中 自分はチーム付という立場でこれまで試合に関わってきました。外から見ていても、本当に平松や中谷颯辰(基理2=静岡学園)、奥田陽琉(スポ2=柏レイソルU18)といった、2年生選手はチームを鼓舞する姿勢やチームをいい方向へと持っていく声かけをしてくれていました。そこは本当に頼もしいと感じていました。その反面、自分自身が試合に出場してチームのためにプレーできないという歯がゆさみたいなものはありました。ただその分、必要なものを感じ取る事であったり、チームを俯瞰して見て誰にどういった声をかけてあげることが必要かをなんとなく客観的に見ることができました。今となってはプラスな時期であったかなと思います。

――今日プレーをしていて、田中選手はコンディションや試合勘の部分はいかがでしたか

田中 身体的にはまだ本調子ではないなということはありますが、先週のトレーニングマッチよりも動けてきていると思います。休んでいた分、疲労などは溜まりやすくなっていると思うので、そこはしっかりとケアをしながらやっていきたいですし、試合に出ていかないと戻らない部分もあると思うので、そういった面も自分としっかりと向き合いながらやることをやっていきたいなと考えています。

――平松選手はアンカーのようなポジションで、最終ラインに落ちての組み立てから前線に飛び出していく場面もありました。ご自身のプレーで意識されていた事はありましたか

平松 昨日、いきなり試合に出場することが決まって。とりあえず自分になにができるかと考えるとボールを奪うことくらいしかできないので、相手のカウンターが速いことや強いことはスカウティングでわかっていたので、そこを止めてやろうと思っていました。

――今日の試合の中で、前半の前半はなかなか落ち着いてボールを持てない場面もありました。その中で前半の後半に入り、大西選手と森選手の左右を入れ替えたくらいのタイミングからかなり主導権を握れたように感じました。主導権を握れるようになる頃にはピッチ内でどのような変化が起きていのでしょうか

田中 前半特に、相手の11番の選手(FW寺沼星文、3年)が前線にいて、ロングボールを簡単に入れてくることもあり、跳ね返しきれないというか、競り勝っても相手も強くて大きい選手であったので、スローインや相手ボールになった場面でなかなか跳ね返しきれずセカンドボールも拾いきれずみたいな展開がありました。また、相手の左サイドに14番の選手(MF水野颯太、3年)がいて、かなり前線が整理されていたように感じました。セカンドボールを拾ってそこから攻撃に転じることや、仕掛けるという部分です。相手が用意してきたことを勢いを持ってやってきた中で、その対応を含めて両サイドの大西とりいたを入れ替えて。りいたのコンディションがいいことは本当に見ていてわかりましたし、攻守に渡っての貢献がありました。翔也も攻守のバランスを取りながらやってくれています。どちらかというと攻撃面でうまく優位に立てるようになったのがそれくらいの時間だったのかなと思います。

――最終的には衝撃的なゲームとなりました。この試合の中では2度追いつき、さらには逆転まで一時は持ち込みました。最終的にはひっくり返されてしまいましたが、その中でポジティブなことと、これから改善しなければならないことの2点を教えてください

田中 ポジティブなことから言えば、ここ2週間向き合ってきたゴールを奪うとか、ゴールを目指すという部分は存分に出た試合だったと思いますし、結果的に3点取れました。セットプレーも課題としてあげていた中で得点も生まれ、3点を取れたことはポジティブなことだと思います。そこは継続していかなければならないです。成果として出た部分なのでそこちは自信を持ってやりたいです。課題としてはやはり、どうしてもゴールを目指す、ゴールを奪いに行くという姿勢を持つと、前がかりになってしまう部分も生まれてきますが、その中でどちらかというと今まで出来ていた守備の形が少し崩れているということは、多少ゴールを目指す上でのしょうがない部分だと思います。そこをゴールを目指しつつしっかりとリスク管理をするとか。個々が球際で負けないこと、取り切ること、そういった細かい部分を修正していければ良いかなと思います。これから3連戦があり、アミノバイタルカップと続いていきます。アミノ杯は負けたら終わりです。点が取れてきたというのはプラスの要素として絶対的にあると思うので、悲観的にならずに良い部分をしっかりと見て、そして課題を修正していきたいと思います。

――前日にiリーグが逆転勝利を収め、FCも好調です。開幕前のインタビューで田中選手から、今年はさらに一体感を持って、4年生全員でチームをまとめていきたいという言葉がありました。その辺りのチームの一体感はいかがですか

田中 4年生の色がチームの色になることはシーズン前から4年生としても話してきた中で、完璧とはいいませんがある程度自分たちの色がチームに落とし込めている部分は少なからずあるのかなと感じています。ただ、iリーグにも課題点があり、修正をしながら前に進んでいっている段階です。iリーグは勝てなかった中で昨日勝つことができたのも、その裏にはいろいろな変化や運営面の変化があっての初勝利でした。1勝に対する重みを感じていますし、4年生としても結局は4年生が決めると考えています。それは得点や試合を決めるということではなく、姿勢で示すということでらどのカテゴリーにいても後輩たちは4年生を見ていると思います。4年生がいかにやれるかが、チームの勢いや数値で表せないものに絶対的につながっていると4年生になり実感している部分でもあるので、うまくいくことばかりでは絶対にないですし、うまくいかないことの方が多いと思うのですが、そこをしっかりとその都度修正しながら、無理やりでも前に進めていけるような体制を4年生として取っていきたいと思っています。まだまだシーズンは続きますし、コミュニケーションを取りながらやっていきたいと考えています。

――今シーズンであれば田中選手がいなかった分、杉田将宏(スポ4=名古屋グランパスU18)選手、大西選手、加藤選手とキャプテンマークを巻き、公文翔(スポ4=東農大一)選手や倉持快(人4=神奈川・桐光学園)選手、須藤友介副将(スポ4=FC町田ゼルビアユース)も存在感を見せています。田中選手のお話もありましたが、今季の4年生は平松選手の目にはどのように映っていますか

平松 かっこいいですねやはり。

田中 (笑)。

平松 4年生は今年は優しい人が多くて。去年との違いはやはり優しさの部分、相手を思いやる部分だと自分は感じています。自分が試合に出られない時期に声をかけてくれた先輩もいたり、今日出るとなったときにも自分が出られていないのに応援してくれて、頑張れと言ってくれる先輩がいます。もちろん去年もありましたが、去年以上に密に関わっている先輩と、リーグ優勝、日本一を取りたいと、今強く思っています。

――田中選手は今日が、改めて主将としての開幕戦にもなったかと思います。これからピッチ内外でどのように関わっていくかを教えてください

田中 自分自身ピッチの中では去年から試合に関わらせてもらいました。しかし、チームを勝たせることができる選手になることまではできなかったので、主将とか関係なくそこは向き合っていきたいです。また今まで外から見てきた経験も含めて、ピッチ内でどういう状況の時にどういう声をかけるのかであったり、どういう状況なのかを俯瞰して見たり、ピッチの中でもうまくチームをコントロールしていきたいと思います。ピッチ外でもケガがあったからこそ、カテゴリー関係なくコミュニケーションを取ることができました。そこをしっかりと継続して、遠い存在になってしまう部分があると思うので、Bチームの選手にも目を向けて、チーム全体を見て、コミュニケーションを取りながら、主将としての責任を持ってチームの目標である日本一やリーグ制覇に導けるようにやっていきたいと思います。

――最後に、この試合がスタートとなりましたが、改めて今シーズンどのように取り組んで、積み上げていきたいかを聞かせてください

田中 今節から、やっと戻ってこられた部分ではあるので、チームのために自分が一番泥臭くプレーしていきたいですし、それは試合だけではなく日頃の練習から、自分にとっては1日1日が大学生活のラストになるので、そこに向き合いながら貴重なかけがえのない時間を楽しんでいきたいです。可愛い後輩たちもいて、信頼できる同期もいるので。平松はあんまり可愛くないんですけど(笑)。本当にこのチームで最後優勝をして大学生活を終えられたらいいなと思います。

平松 自分は先ほども言ったように、レベルの高い選手が自分の周りにいて。そのせいで試合に出られないということもあるんですけど(笑)。そういう選手から色々なものを吸収して、個人的にはもっともっと成長していきたいと思っています。あとはやはり、サッカーを楽しみたいという思いがあって。こういう公式戦に出ると、サッカーを楽しむということに気がつきます。もちろん結果は大事ですが、結果にこだわりすぎると楽しめない部分が出てきてしまいます。自分は去年、サッカーが楽しくないということで悩んで、雄大くんにもお世話になったりしました。やはりサッカーは楽しいものなので、楽しみながら。最後の最後に、雄大くんも言っていましたが、この仲間と、この先輩、4年生と、リーグ優勝、全国優勝をしたいなと思います。