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空手部

2021.06.04

関東学生選手権 5月30日 帝京大学八王子キャンパス蔦友館

新体制初陣で、3人が全国へコマを進める

 6月末に開催される全日本学生選手権(全日本)への出場を懸けた第49回関東学生選手権が、帝京大学八王子キャンパス蔦友館で行われた。学生規模では1年半ぶりの個人戦となり、団体戦とは異なる緊張感に包まれた今大会。早大からは男女組手で合わせて3名が全日本へ駒を進めた。

回し蹴りを仕掛ける長沼

 男女組手には総勢12人が出場。男女ともに試合時間が1分半に短縮され、序盤のリードが重視される展開が目立った。男子では吉田翔太主将(スポ4=埼玉・栄北)らが初戦で姿を消す波乱があったが、長沼俊樹(スポ3=東京・保善)が唯一ベスト32に進出し、全日本へ出場を決めた。

 長沼は対戦した全員がナショナルチーム経験者、特に2・3回戦は高校総体の覇者という厳しいヤマに入った。1・2回戦を僅差で制し、3回戦で迎えたのは池澤海(国際武道大)。長沼とは昔から試合を重ねてきた相手であり、手の内を知る中での対戦である。長沼は威力ある攻めで主導権を握ろうとするが、池澤も巧みにかわし続け、カウンターで応戦する。互いの持ち味が出る展開となったが、池澤の反撃が勝り0-2で試合終了となった。

中段突きで攻めあう天本

 女子組手では天本菜月(スポ2=宮崎第一)と藤平梨沙(スポ1=埼玉・花咲徳栄)が出場決定戦を勝ち抜き、40人の全日本出場枠に滑り込んだ。天本は初戦こそ強敵相手に硬さが見られたが、時間の短さを生かした試合運びで勝ち進む。3回戦では、同世代の強豪・嶋田さららと対戦。日本トップクラスの強豪の独特のプレースタイルに苦戦し、先制点を挙げられてしまう。しかし天本も突きを決め返し、同点のまま一進一退の攻防が続く。先取を取られた天本としてはあと1本が欲しい所だったが、嶋田の体さばきを攻略できずそのまま試合終了。3回戦の敗者同士で行われる出場決定戦では、相手の猛攻をしのぎ反撃を決めて勝利を収めた。

 藤平もリーチの長さを武器に勝ち進んだが、3回戦で宿敵・慶大のエース格・富田ちなつに先取の差で惜敗。天本と同様に出場決定戦に回ったが、上段蹴りをはじめテンポよく技を決めて快勝。大学デビュー戦で存在感を発揮した。

藤平は大学デビュー戦で好成績を収めた

 前回に続き、3人を全日本に送り出した早大空手部。例年は男子組手での全国出場が多かったが、今回は2名が女子組手からであり、チーム総出で戦う早慶戦に向けて好材料と言えるだろう。また、今回は全日本に進出する藤平を始め、多くの新人が出場した。長沼が「こっちも負けられないな、という気持ちを強く持てている」と語るように、新人の加入がチームに活気を生み出している。次戦の全日本、さらには秋シーズンの団体戦に向けて、新チームのこれからの歩みに目が離せない。

(記事・写真 名倉由夏)

結果

▽男子個人組手

長沼 ベスト32

▽女子個人組手

天本 ベスト40

藤平 ベスト40 ※上位入賞者のみ掲載

コメント

長沼俊樹(スポ3=東京・保善)

――新体制となりましたが、チームの様子は

長沼 新入生で有望な子が何人か入ってくれたので、こっちも負けられないな、という気持ちを強く持てています。1回の練習の意識が高くなったり、自主練も皆でする機会が増えたので、チームの雰囲気も練習環境もいい感じだと思います。

――今大会の自身のコンディションは

長沼 1週間前からしっかり調整していたので、良かったとは思います。

――今大会の目標は

長沼 最低条件が全日本(全日本学生選手権)出場で、1番の目標が優勝でした。

――試合全体を振り返って

長沼 自分が負けた相手とは高校時からずっと試合していて、インターハイの準決勝でも当たっていました。その時は自分が負けて相手が優勝しました。大学に入ってからは1度も当たっていなくて、今回当たるということでリベンジしてやろうかなと思ったのですが、そこで負けてしまって悔しいです。

――池澤選手にはどんな対策を立てていましたか

長沼 結構ちっちゃい時からずっと対戦してきたので、得意技とかは分かっていました。向こうは自分が攻めてきた技を上体を倒して避けることが上手くて、そこからカウンターを打ってくるので、それを対策しようと思っていました。自分のワンツーの攻めをワンツースリーまで行けるように練習していたのですが、試合ではワンツーで終わってしまったのでいつも通りのパターンで負けてしまう状況だったので、悔しかったです。

――1・2回戦も接戦となりましたが

長沼 今回自分の入った山が結構きつくて、対戦した全員が元ナショナルチームで顔見知りだったので、やりにくかった印象です。1回戦目の選手は自分が部活外で練習している所にたまに来てくれて、一緒に練習もする仲のいい後輩です。2回戦目は1つ下の世代のインターハイチャンピオンで、2連続でインターハイチャンピオンとの対戦でした(笑)。

――これまでやってきたことは出せましたか

長沼 試合全体として落ち着いて戦おうと思っていて、振り返ってみると落ち着いて戦えた印象です。1回戦では最初に点を取られてしまって、先取を取られると弱いんですよ。逆転することがあまりなくて。今回の試合も1分半と短かったので、そこで焦ってしまうと相手にどんどん点数を取られてしまうので、そこを落ち着いて逆転できたのは良かったと思います。

――次戦の意気込みをお願いします

長沼 6月から大会が続いていて、来週の国体予選都大会は負けられないですし、関東大会にあたるミニ国体もあります。この二大会は都代表での出場となりますが、そこでしっかり勝って、早大所属として出る全日本学生に繋げたいと思います。

天本菜月(スポ2=宮崎第一)

――今大会の自身の状態は

天本 去年この大会がコロナの影響でなくなって今回が初めて(の出場)だったので、それも含めてすごく緊張してました。初戦の相手から有名で強い選手だったので、そういうことも意識して全然自分の組手ができなかったのですが、徐々に緊張もほぐれて自分の組手が出せるようになったと思います。

――大学初の個人戦とのことですが

天本 高校の時から団体戦はすぐ後ろに応援してくれる人がいることで心強さがあって、力強く戦えてたんですけど、個人戦はなかなか自分の思い通りに行かなかったので、大学でもそれがあるんじゃないか、すぐ負けてしまうんじゃないかという不安がありました。団体と個人では違う緊張がありますね。

――その気持ちとの折り合いはつけられましたか

天本 戦っていくうちに緊張が抜けて「やってやる」という気持ちが出てきて前向きになれたので、それはすごく良かったかなと思いました。これからにも生きてきそうな気がします。

――3回戦の嶋田選手をはじめ、厳しい当たりとなったことは意識していましたか

天本 試合当日に色々考えると動けなくなってしまうので、練習でやってきたスタンスでやろうという強い気持ちだけを持って戦いました。

――1回戦からロースコアでの接戦が続きましたが、振り返っていかがですか

天本 最初は自分でたくさん点数を取ろうと思っていたのですが、1回戦が終わったあとにコーチに「時間が短い※から自分が1〜2ポイント取ったらリードを大切にするように」と言われたので、無駄な動きをせず、相手に点を取られないことを意識しました。だから点数が取れなかったことに悔しさはなくて、これで良かったかなと思います。

――初戦・2回戦を振り返って

天本 初戦の相手がナショナルチームの選手で国際大会にも出場経験があり、それを意識しすぎてあまり動けなかったというのもありますね。

――3回戦の嶋田選手とは体格差もかなりありましたが、どのように戦いましたか

天本 大きい相手には基本的に中段を狙うのですが、相手の動きが上手く、他の選手にない駆け引きや独特の動きがあり、技が合わせづらかったです。中段のカウンターを狙ったのですがタイミングをずらされてしまい、点にならなかったことがありました。相手の動きが本当にすごくて。他にない独特の動きをするので、間合いもタイミングも合わせづらかったです。最初に構えた時から前後左右の動きがすごくて、やりづらいなと思っていました

――先取の差で惜敗という結果となりました

天本 強い選手にあと1点取れば勝てる所まで行けたことは、もちろん悔しい気持ちはあるんですけど少し自信になったかなと思います。これを次の全日本に繋げて行けるように頑張って行きたいです。

――出場者決定戦を振り返って

天本 相手がすごく攻めてくる選手で、自分の組手が出せなかったり、上手く技を出せなかったので、勝ちはしたんですけど心残りというか、やり切った感は無かったです。

――次戦への意気込み

天本 あと1ヶ月しかないので、今回出た課題に取り組んで行きたいです。(動きに関しては)じっと止まってしまうことがあるので、嶋田選手みたいに相手を翻弄させる動きを参考にしたいです。技に関しては数を多く出しても当たらないことがあったので、正確性を上げて次の全日本に生かして行きたいです。