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漕艇部

2021.04.18

第90回早慶レガッタ 4月18日 東京・隅田川

これぞ大学スポーツ、東京・隅田川で繰り広げられた伝統の一戦

 昨年の中止からいくつもの困難を乗り越え、ついに第90回早慶レガッタが開催された。突風が吹き波も荒れている条件下での戦いとなったが、早大は第二エイト、女子エイトを制す。最後の対校エイトは、序盤から慶大に先行を許す展開に。残り800メートルで並ぶも、わずか4分の1艇身届かず悔しい敗北となった。

 

ゴール直後の第二エイト

 大学部門でまず先陣を切るは、第二エイト。早大はスタートでミスオールがあり、慶大を追う展開となる。だが「今まで自分たちがやってきたことをやるだけだ」(岡本真弘、商4=東京・早大学院)と落ち着いた漕ぎで、徐々に差を詰めていった早大。中盤で慶大が腹を切り大幅なブレーキとなった間に、一気に抜きさった。その後も基本に忠実に1本ずつ漕ぎ進めた早大。5艇身差をつけ勝利を手にした。

 

今年の女子エイトも強かった

 早慶レガッタで30連覇中の女子部。だが、今日を迎えるまでケガに悩まされメンバー変更も余儀なくされた。また前大会から距離が200メートル短縮され、800メートルのレースとなり緊迫した展開が予想されていた。それでも、「スタートダッシュから出ていく」(宇野聡恵主将、スポ4=大分・日田)と、出場したそれぞれの早大選手が息を合わせて漕ぎ進め、序盤から慶大とのリードを着実に広げることができた。5艇身差をつけ、見事31連覇を達成。早大女子部の総合力の高さを見せつけた。

 

意地と意地のぶつかり合いとなった対校エイト

 早大の4連覇がかかった対校エイト。両校順調なスタートとなったが、両国橋付近のカーブで慶大が見事なコーナリングを見せ2秒ほど先行される。巻き返したい早大であったが、荒波が影響し「オールをとられてしまうことが多かった」(川野柊、法4=東京・早大学院)と、慶大に動向を見られながらのレース展開に。それでも底力を発揮し、残り800メートルほどで早大は慶大と並ぶ。ここからは両者の意地のぶつかり合いとなった。ゴール直前の桜橋通過時点でも、勝者が全くわからない大接戦。ラストスパートで頭一つ慶大がリードし、わずか4分の1艇身、秒数にして0・9秒、早大は勝利に届かなかった。

 

死力を尽くした対校エイト

 両校が0からつくりあげた早慶レガッタ。対校エイトは悔しい結果となったが、無事開催されたこと、そして両校の勝利を目指し死力を尽くして漕ぐ姿に「ありがとう。これが大学スポーツだ!」こう伝えたい。これからも先の見えないコロナとの戦い、不安の日々は続いていく。それでもこうして早慶レガッタが開催され、これほど熱い戦いが繰り広げられたという、この事実が、多くの大学生そして社会を勇気づけたことだろう。

(記事 樋本岳、写真 長村光、内海日和、平林幹太)

 例年当会が発行している早慶レガッタ号ですが、本年度は試合後に製作いたします。そちらもぜひご覧ください。4月末の発行を予定しております。

結果

【第二エイト】

C:片倉潤樹 (法2=早稲田佐賀)
S:越智竣也(スポ3=愛媛・今治西)
7:飯島温人(基理4=東京・早大学院)
6:植原佑太(商3=埼玉・本庄東)
5:岩松賢仁(スポ4=熊本学園大付)
4:村岡浩旗(文構2=東京・早稲田)
3:市ヶ谷成真(スポ3=早稲田佐賀)
2:岡本真弘(商4=東京・早大学院)
B:牟田昇平副将(商4=兵庫・三田学園)

14分30秒30【1位 5艇身差】

【女子エイト】

C:勝又真央 (スポ3=東京・小松川)
S:大崎未稀副将(スポ4=福井・美方)
7:中尾咲月(スポ3=三重・津)
6:武井愛奈(スポ2=長野・諏訪清陵)
5:郡磨璃(スポ2=東京・文京学院大女)
4:大槻のりか(スポ4=宮城・佐沼)
3:加藤沙也花(スポ2=愛知・猿投農林)
2:宇野聡恵主将(スポ4=大分・日田)
B:茂内さくら(社3=秋田)

3分06秒17 【1位 5艇身差】

【対校エイト】

C:川野柊(法4=東京・早大学院)
S:阿部光治(スポ3=愛知・猿投農林)
7:森長佑(スポ3=福井・若狭)
6:中島湧心(スポ3=富山・八尾)
5:青木洋樹(スポ2=東京・成立学園)
4:小林里駆(スポ3=静岡・浜松西)
3:濵野圭吾(商3=埼玉・春日部)
2:三浦武蔵(商3=山梨・吉田)
B:船木豪太主将(スポ4=静岡・浜松北)
12分25秒01 【2位 4分の1艇身差】

試合後インタビュー

内田大介監督(昭54教卒=長野・岡谷南)

――最後のレース、対校エイトは惜しくも4分の1艇身差で敗北となりましたが、どう受け止めていますか

 悔しいですね。単にうまく漕げたかどうかだけではなく、総合力で対校エイトでは負けてしまったと思います。詰め切れなかった悔しさがあります。

――強い突風が吹き波も高かったと思いますが、どのようなことを意識して臨むようにと選手に伝えていましたか

 すべてを想定内にして対応できるように、練習でも準備でも取り掛かるようにと伝えていました。慶大に先行される展開も想定して練習してきていたので、最後の最後で絶対ひっくり返せると思っていましたね。

――実際のレースと想定で異なっていた点はありますか

 桜橋過ぎたあたりで引っ掛けてしまったこともありますが、両国橋までのコース取りに関して慶大が非常にうまかったことですね。

――対校レースで勝敗に関して、どのようなことがポイントとなりましたか

 中盤で慶大と長く並んでいてしまったことですね。早く(慶大の)頭を抑えられていたらなと思います。

――この結果を踏まえ、今後に向けてどう動いていかれますか

 総合力で星を落としてしまったので、メンタルを含めてすべてを改善していきたいと思います。

――第二エイトについても振り返っていただけますか

 第二エイトは本当によく頑張ったと思います。技術的に改善すべき点はたくさんありましたが、(努力が)結実したと思います。

――女子エイトについてもお願いします

 ケガ人が多く何度もメンバーを入れ替えましたが、乗り越えてきて仕上がりはよかったです。チームの総合力が女子は高かったと思います。

――最後にこの舞台を共に戦った慶大、そして大会運営を支える関係者の方々に向けてメッセージをお願いします

 こういった情勢が長く続くと、スポーツそのものがどうしても下火になる危惧があります。そういった中で、この大会が開催でき、最後まで結果がわからない接戦のレースができたことは、コロナの中でのスポーツ界にとってマイルストーンになったと思います。

【対校エイト】

B:船木豪太主将(スポ4=静岡・浜松北)

――今のお気持ちをお願いします

 1秒以内の差で負けてしまったということで、スタートからずっと並んだレース展開だったのですが、最後勝ち切れなかったというのは僕たちの実力不足だったし、慶應義塾大学の方が一枚上手だったということです。まずはこの負けを受け止めたいです。そこからこの夏、全日本大学選手権で男子エイトは優勝という目標を掲げているので、もう一回練習していきます。

――試合を振り返って、ポイントになったところはありましたか

 ずっと並んでいたレース展開で、どうしても先に出たいという思いはあったのですが、それはおそらく向こう(慶大)も同じだったと思います。レートを37でいこうというレースプランを立てていたのですが、結果的には36くらいだったと聞きました。その1枚の差がスパートの出るべきところで出られなかった原因なのかなと思います。

――隅田川のコンディションを見て、意識した点はありますか

 今日は荒れているということが前日の予報から分かっていたのですが、荒れている時にオールが深く潜ってしまうと、腹切りの可能性が高くなってしまうと練習の段階から予想できていました。今日のレースでは特にオールが深く潜らないように意識しました。

――見通しと実際の試合を終えての違いはありましたか

 もちろん勝つ気でいたので、レースプランだと両国橋までにしっかり慶應義塾大学に水をあけて頭をとって、オールで水をかけるというレースをしようとずっと言っていました。実際は、なかなか差がつかなかったというか、両国橋過ぎたあたりで同じくらいで、そこでまずプラン通りにいかなかったということが1点あります。あとは、コンスタントでずっと並んでいたところで、コックスのコールに反応して、必ず前に出ようと意識していたのですが、レートが上がらず、スパートの出るべきところで慶大の頭をとれなかったというのが事前のプランとの食い違いがありました。

――レートが37まで上がりきらなかった原因は何だったのでしょうか

 荒川で練習していた、静水のコンディションだと37というレートが出ていました。そこでは、38くらいのレートを4000メートル通すことができていたのですが、やはり今日のような波が大きいコンディションでハイレートをキープすることができなかったのは練習不足でしたし、僕の見通しが甘かったのかなと反省しています。

――第二エイトと女子対校エイトを見てどんな思いで対校エイトに臨みましたか

 第二エイトはレース前のアップ中にライブで見ていて、いいレースをしてくれたので、非常に勇気づけられたというか、僕たちも頑張ろうという気持ちになりました。女子も水上アップをしている時にちょうど僕たちの前を通過して、勝っているところを見て、勝利のバトンをしっかりつないでくれているなと感じました。しかし最後自分たちが勝ち切ることができなかったというのがとても悔しく思っています。

――最後に、慶大クルーや大会運営に携わった人にどのような声をかけますか

 まず大会運営に関わってくれた方には、コロナ禍で例年以上に大変なことがあったと思います。その中で、こうやって無事開催できたことは感謝したいです。全日本選手権や全日本大学選手権で、早稲田と慶應が優勝争いをして、ボート界の中でも二校はトップだなと思われることが、早慶戦の価値をさらに高めていくことだと思っています。今回負けてしまったのですが、僕たち早稲田大学が全日本大学選手権で優勝することができれば、ボート界でも早慶戦はトップクルーの勝負なんだなという位置付けになると思います。慶應義塾大学の皆さんとは今後決勝でいいレースができればと思います。

C:川野柊(法4=東京・早大学院)

――本日の対校エイトを迎えるまでの時間を振り返ると、どんな時間でしたか

 スピードにこだわり、1モーション1モーション慎重にかつ常に進化を遂げていたクルーだったのですが、振り返ってみると慶大さんと比べて、隅田川の想定が甘かったのかなと痛感しています。

――強風の中での試合ということで、どんなことを意識して試合に臨まれましたか

 事前のミーティングでは「基本に忠実に、シンプルにいこう」というのを話していました。

――実際に漕いでみて、想定と違った点はありましたか

 思っていた以上に波が強くてオールをとられてしまうことが多かったというのと、自分たちの持ち味である軽いリズムが作り切れず、力で持っていく展開になってしまったなと感じています。

――慶大にリードされる展開となりましたが、ここで仕掛けようというポイントはありましたか

 できれば自分たちがスタートで前に出て展開したかったのですが、思った以上にオールをとられてしまって、自分たちの持ち味であるスタートを生かせませんでした。なので、そうなったときに自分たちが一番武器にしていたのがコンスタントのときにいかに船を楽に進められるかというところだったのですが、前に出られた慶大さんにずっと見られながら漕いでしまったので、レース展開としてはかなり厳しかったのかなと感じています。

――この1戦を共にした対校エイトのメンバーにどんなことを伝えたいですか

 第一にコックスとして勝利に導けなかったので、本当にメンバーに対しては申し訳ない気持ちですね。

――この結果を踏まえて、これから夏にどのように向かっていきますか

 自分としてはまだ整理がついていないのですが、自分の実力不足がかなりあるなと感じました。4年生ではありますがもう一度新入生のような気持ちで新たに努力を始めて、夏の選考に勝てたらいいかなと思います。自分がもう一度ボートに乗せていただけるチャンスがあるように頑張ろうという思いです。

――最後に共に戦った慶大のエイトや、大会運営を支えた関係者の方々にメッセージをお願いします

 早慶レガッタはいろいろな人の支えで成り立っている大会で、僕自身も過去4、5大会ほどサポートメンバーとして出させていただいていました。未熟ではありますがサポートの大切さを、身をもって実感していた立場であったので、こういう厳しい社会情勢の中でも開催に導いてくれた早慶両校のマネジャー、OB会をはじめ多くの方々に本当に感謝しています。

【女子エイト】

B:宇野聡恵主将(スポ4=大分・日田)

――優勝おめでとうございます。今の気持ちを教えてください

 純粋にうれしいという気持ちと、安心したという気持ちがあるかなと思います。

――この優勝を誰に伝えたいですか

 私たちはケガ人が出たことなどが影響しして、代走に乗ってもらえたということもあるので、そのようなメンバーを始めとして運営してくれた皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。

――今日のレースはプラン通りでしたか

 アップの時に、予想よりも風と波が強く、そこで隅田の現実を突きつけられたというか(笑)。予想以上に苦しい状況だったのですが、レースではイメージ以上で逆に良い状態だったので、良かったです。

――具体的なレースプランを教えていただけますか

 800メートルなので、しっかり船をのばすということもそうでしたが、やはりスタートダッシュから出ていくというような攻めるレースを心がけていました。

――800メートルは実際にやってみてどう感じられましたか

 あっという間だったなと思います。さらに、今日は川の流れも進行方向と同じだったので、一瞬でラストスパートという感じでした。余裕があるというよりも必死な間に終わってしまったというのもありますね。

――勝利を確信したのはどの時点でしょうか

 序盤から出ていたことは自分たちでも分かっていたのですが、やはりそこで油断できないというのが隅田の特徴です。全員が確信というよりも出ている分をそのまま次につなげようという意識はあったので、本当に安心できたのはゴールした後ですね。

――今シーズンはどのようなシーズンにしていきたいですか

今ケガをしているメンバーもいるのですが、チーム力というところはあると思うので、各学年関係なく、これからのシーズンは昨年以上の成果を出せるように頑張りたいと思います。

【第二エイト】

2:岡本真弘(商4=東京・早大学院)

――まず第二エイトについて伺います。今日を迎えるにあたっての3カ月間はどのような時間でしたか

 最初の頃からメンバーも変わり、アクシデントもある中でその都度対応が求められることが多かったです。3回ほど隅田川での練習もしてきました。全員で協力し合って、助け合って円滑に準備してこれたな、という印象があります。

――今日は強風で波も高かったと思いますが、どのようなことを意識されて臨まれましたか

 波が高くてコンディションが最悪なのは我々も認識はしていました。そのような中でも、普段からやっているようなポイントや全員でまとまらなければならない部分を、意識することができるように考えて臨んでいました。

――前半は慶大にリードを奪われていましたが、どのように切り替えられたのですか

 僕のミスもあって、慶応に差をつけられてしまったのですが、その後はみんなの粘りとガッツで慶応に迫っていったのが勝利につながったのだと思います。

――今日を振り返って「ここはうまくいったな」と思う部分は他にありますか

 「自分たちのできることはやろう」。「まとまってやろう」。あとは「地に足をつけて落ち着いてやろう」と繰り返し言ってきたのですが、全員落ち着いていてできました。そこはしっかりできていてよかったと思います。

――落ち着いて臨めた要因は

 普段の練習からも言っていきましたし、ポイントをしっかり決めてまとまってやろうと常日頃からやってきたからだと思います。実際に波を確認してみて、漕ぎづらい波のコンディションではありましたが、今まで自分たちがやってきたことをやるだけなんだということを話して出場しました。これが結果に表れたのだと思います。

――今日の勝利という結果を今後どのようにつなげていきたいと思いますか

 夏のトップシーズンに向けて全日本選手権が控えていますし、この結果を糧にしてもう一段階、二段階ステップアップして臨むことができれば部全体にとっても良い結果につながっていくと思います。そこを目指して頑張っていきます。

――今日共に戦った慶大や、大会運営を支える関係者の方々に向けて、メッセージをお願いします

 まずは第90回早慶レガッタを作り上げてくださった運営やOBの方々、僕たちのレースに携わってくださったすべての方々に感謝したいと思います。また、このような夢のような、憧れの舞台で戦い合えた慶大の選手にも良きライバルとして敬意と感謝を表したいと思います。改めてありがとうございました。