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ラグビー部

2021.01.12

全国大学選手権 1月11日 対天理大 東京・国立競技場

連覇ならず、『荒ぶる』への道潰える。天理大に完敗し、準優勝で終幕

 「天理大学が本当に素晴らしいラグビーをした」。相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)は何度もそう言った。それほど圧倒的な天理大の勝利だった。ブレイクダウンを制圧され、強力かつ緻密な連続攻撃を断ち切れずに失点を重ねる。連覇をかけて臨んだ早大と初優勝を狙う天理大の最終対決は、28-55と大学選手権決勝史上最多得点を記録して完敗。『荒ぶる』への道はあと一歩のところで閉ざされ、準優勝でシーズンを終えた。

 「最初からフルスロットルで行きたい」(相良監督)という狙い通りにはいかなかった。前半3分、流れるように先制点を献上すると、10分にも追加点を許し試合の主導権を握られる。奇しくも、早大の連続得点で好スタートを切った昨年度の準決勝・天理大戦と逆の展開になった。20分、CTB長田智希(スポ3=大阪・東海大仰星)のゲインからプロップ小林賢太(スポ3=東福岡)が力技でインゴールへボールを持ち込むが、その後は好機でミスを犯して攻めきれず、前半の得点はこの1トライのみ。勢いを増す天理大のアタックに押されて劣勢が続き、ここから1PGと2T1Gを献上して7-29でハーフタイムを迎えた。

 

後半、ビッグゲインでトライをアシストした小林

 後半も先制点を奪われるが、早大が粘り強さを見せた。12分、ラインアウトから展開すると、最後はFB河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)が細かいステップワークで相手をかわしトライを挙げる。その後、天理大の素早い攻撃を受け連続でインゴールを明け渡し、迎えた27分。小林がダミーを織り交ぜながら軽やかなステップで大きくゲインを切ると、パスを受けたSH河村謙尚(社3=大阪・常翔学園)がサイドライン際を駆け抜け、会場を沸かせる鮮やかなトライを演出した。しかし、得点するとすぐさま反撃にあう。33分に失点し、21-55。すでに、逆転は絶望的なほど点差が開いていた。

 試合終了間近の40分、ディフェンスラインのギャップを突いてCTB伊藤大祐(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がインゴールに飛び込んだ。1年生にして大学選手権決勝という大舞台で得点を挙げたにもかかわらず、伊藤に笑顔はない。ホーンが鳴り、ラストワンプレー。プレッシャーをかけられた河瀬がターンオーバーされ、天理大が蹴り出してノーサイド。ボールを追うように駆け出し、そのまま崩れるように地面に膝をついた河瀬は、しばらく立ち上がることができなかった。

 

天理大のアタックを止めきれなかった

 「ブレイクダウンやセットの部分で、少しずつ想定を上回られた」とNO・8丸尾崇真主将(文構4=東京・早実)は振り返る。あらゆる部分における少しずつの想定外が、自分たちのラグビーを崩し、大きな点差へとつながった。日本一だけを目指してきた4年間。やりきれなさはもちろんあるが、「いつかこの経験があったからこそ前に進めたんだと言えるような人生を歩みたい」と丸尾は殊勝に語った。

 

最後まで毅然とした態度を崩さなかった丸尾

 「優勝と2位というのはこんなにも違うのかということを見せつけられた」(SO吉村紘、スポ2=東福岡)。「自分のやるせなさ、力のなさに今日で気づけました」(伊藤)。「悔しいという言葉で収めていいのかというくらい、悔しいしか出てこない」(河瀬)。早大フィフティーンのうち、4年生は4人。若いチームだったからこそ、悔しさをばねにした成長の幅は限りない。この舞台を経験した下級生たちが、再び日本一に向けて歩み始める。

(記事 山口日奈子、写真 早稲田大学競技スポーツセンター)

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コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 国立競技場に2年連続で来ることができて、日本一にチャレンジする舞台に立てて、お客さんのいる中で戦えたことを本当にうれしく思います。結果としては、天理大学が今日は本当に素晴らしいラグビーをしたと思います。我々も1年間やってきたものをやり切るのがこの場所だと思ってグラウンドに立ちました。選手はやり切ったと思いますが、天理大学の圧力に(よって)自分たちの力を出させてもらえなかったというところだと思います。(ただ)勝負事なので、天理大学が今日は本当に素晴らしかったの一言に尽きます。この悔しさを来年以降につなげてまた頑張りたいです。

――タッチキックからのカウンターで、河瀬選手が相手FWに正面から当たってしまって勢いが出せなかったように感じます。リスタートの部分の難しさなどはありましたか

 そもそもタッチキックに関しては、あそこに行こうというのが我々のプランの中にありました。しかし予想以上に(プレッシャーを受けた)というか、結果的にあそこで何本かスコアを取られた中で、用意したことをやり続けたことが逆にあだになったと思います。その後は少し変えたのですが。質問を少し超えてしまいますが、そういう部分やブレイクダウンでのプレッシャーの強度などが、想定していたよりも天理が素晴らしかった、力があったので、そういう部分(の想定の不足)は私が選手に申し訳なかったと思っています。

――早明戦から1カ月経ちましたが、学生たちの成長をどう感じていましたか

 急激に成長したというよりも、早明戦は「自分たちはやれる」という勘違いのもと受けてしまって、全然攻めもしないし戦ってもいなかった。『BATTLE』というスローガンを掲げているのにそれをやりきれなかったので、(それ以降)とにかく一個一個積み上げようというのをキーワードにやってきました。何か新しいことをするというよりも積み上げてきたことの精度を上げていくだとかやってきたことを信じてやりきるという。早明戦のあとは1週間くらいショックから立ち直るまでムードが暗い時間も続きましたが、そのあとはふっきれて、そういう部分に(立ち)返って毎日やってくれたなと(思います)。そういう部分では成長してくれたなと、マインドが戻ったことが成長だと思います。

――今の4年生を3年間見てどう感じますか

 自分のわがままとかでなく自分がこうしたい、こうなりたいという意思表示、気持ち、感情というのが出てくるようになったと思うし、それがチーム力を上げてきたのかなというのが、一番自分の中で評価を感じている部分です。

――ディフェンスのどういうところが足りなかったと思いますか

 今日は天理が素晴らしかったというか、我々があれくらい前に接点を持って行けばボールをスローにできるのかなという想定があったとしても、そういう中でも早いボールを出されてしまいました。そういう意味ではうちが悪かったというより想定の部分(での不足)かと思います。あれくらいできればもう少しうちのディフェンスができるかなと思ったのですが、これもやはりコロナ禍ですかね。色々なチームと切磋琢磨し合ってゲームができなかったことで、引き出しが足りなかったのかもしれません。選手のというより我々の(引き出し)です。

――この1年で得たもの、早稲田の文化として残していきたいものは

 どこ(の大学)も一緒なのですが、早稲田にとっても難しい1年だったと思います。(早稲田は)春夏とトライアンドエラーを出しながら色々なことをやって引き出しを増やして成長していくようなチームで、そういう経験しかしてなかったので実は不安でした。しかし対抗戦を通じて成長すればいいと腹をくくって、序盤は色々なメンバーを使いながら本当に1試合1試合成長する中で、うちの部員は皆問題を解決する能力を持っていると感じたので、そういうものをカルチャーとして残していければと思います

NO・8丸尾崇真主将(文構4=東京・早実)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 本当に大変な時期に大学選手権決勝を迎えられたことをうれしく思います。結果として、本当に素晴らしい天理大学のラグビーに負けてしまいましたが、来年以降下級生がこの悔しさをばねにまた日本一をつかみ取ってくれると思います。

――天理大は序盤から勢い強くブレイクダウンで圧力をかけていました。実際に体を当てて感じたことがあれば

 やはりブレイクダウンのところで圧力を受けて、早い球出しやいい球出しができなかったところはあったと思います。とにかく強いキャリー、2、3人目の寄りを増やして強いブレイクダウンを作ろうと話していました。

――ラインアウトディフェンスに誤算はありましたか

 ラインアウトディフェンスに関しては、取れればラッキーくらいにしか思っていなかったので、取れなかったことは悲観していません。ですが、マイボールラインアウトに関してはミスが何本かあったので、そこは修正しなければいけなかったと思います。

――天理のプレーに関して想定外の部分はありましたか

 プレーに関して想定外の部分はなかったのですが、やはりブレイクダウンやセットの部分で、少しずつ想定を上回られたのかなと思います。

――スカウティングによる分析よりも想像以上でしたか

 スカウティングでは分かり切れない部分もあるので、準備の段階でもう少し足りなかったのかなと思います。

――ディフェンスについては

 前で接点を起こしてブレイクダウンの球出しを遅くさせたかったのですが、天理の激しい強さとテンポの速さが自分たちのディフェンスを上回ったのかなと思います。

――この1年は丸尾さんにとってどんな1年でしたか

 正直、コロナで苦しいと思ったことはなかったですね。コロナの中でラグビーができるだけで本当に幸せなことでしたし、対抗戦を無事終えられて、選手権も無事終えられて、本当に幸せでした。協会含め関係者の皆様、全国のラグビー部員の皆様、そして最前線で奮闘している医療関係者の皆様など全ての人に感謝しています。

――ラグビー人生を振り返っていかがですか

 つらいこともありましたし、うれしいこともありました。やはりここで優勝することを目標としてずっとラグビーをやってきたので、それがかなわず競技から離れるということは心残りというかやり切れなかった部分はあります、正直。ですが、いつかこの経験があったからこそ前に進めたんだといえるような人生を歩みたいと思います。

プロップ小林賢太(スポ3=東福岡)

――今日の試合はFWとしていかがでしたか

 FWとしては、準備してきたことが全部出し切れず天理大学がすごく圧力をかけてきて、自分たちのかたちにできませんでした。

――最初にブレイクダウンで2本(ボールを)取られるシーンがありました。プレーしていていかがでしたか

 正直あそこは想定外でした。(天理大が)そこまでボールにプレッシャーをかけてくるという印象がなかったので、そのままボールを見せたかたちでキャリーをしてしまい、そこを相手のFWのプレーヤーにうまく取られてしまったのだと思います。

――スクラムに関してはいかがですか

 スクラムは前半もすごくプレッシャーを受けていましたが、セットアップや『早稲田スクラム』などを今までやってきてよかったなと、スクラムを組んでいるときに感じました。自分たちのセットアップができているときには上手く相手にプレッシャーを与えることができて、逆にそこを崩されてしまったときが相手にプレッシャーをかけられてしまいました。

――ご自身でゲインする場面もありました

 正直この試合に向けて準備してきて全てぶつけてやろうという思いでやった中で、こういう風に天理大学の圧力を受けてしまって、結果としては本当に悔しい気持ちが残っています。相手に与えるプレッシャーなどの部分で早稲田大学が天理大学に下回ってしまった。決して誰も「戦わない」という気持ちがあったわけではなくて、その(戦う)気持ちが相手の方が上回っていたのかなと思います。

――今日のゲームテーマは何でしたか

 『仕掛ける、仕留める』ということです。12月の早明戦で負けて、そこを明治大学から学びました。やはり自分たちから仕掛けていかないとチームの流れやセットプレーの流れが全て飲み込まれてしまうので。仕留めでいうと、トライを取り切ることであったりターンオーバーするであったりというところにテーマを置いていました。

――天理大学と戦って、関東のチームとの違いを感じた点はありますか

 試合中のエネルギーの部分は、本当に対抗戦で試合する中では味わうことのないものを感じました。決勝に向けて準備する中で、相手よりエネルギーの部分で上回ろうと言っていたのですが、実際に試合してみると想像を超えるエネルギッシュなプレーやコミュニケーションがあって、プレッシャーに感じました。

――試合の中で悔いが残る部分があるとしたらどこですか

 1年間『早稲田スクラム』をやってきたのに、ゴール前ああいうかたちでプレッシャーをかけられて、スコアにつなげられてしまったというところは本当に不甲斐なくて、あの瞬間は悔しかったです。自分たちのやられたくないことを(相手に)やられました。

――来年に向けて今日の試合の意義は何だと思いますか

 3年間大学選手権に出た中で、今日の試合は不完全燃焼で終わってしまって、結果としても負けで。早稲田は勝たなければいけない、荒ぶるを獲らなければいけないチームだというプレッシャーもあるのですが、早稲田でラグビーするからにはやはりそこを目指して、自分たちの目標に向かってこれから上井草での練習をひとつひとつ積み重ねて、来年またこの舞台でリベンジ、荒ぶるを獲るために日々練習を頑張っていきたいと思います。

SO吉村紘(スポ2=東福岡)

――試合の入りの部分について

 相手のロングキックでカウンターを仕掛けようと思ったのですが、天理のチェイスダウンだったりディフェンスの圧力が想像以上でした。

――試合中どのような点の修正に苦しみましたか

 天理大学さんのディフェンスが前に出てきていたので、その部分でプレッシャーを感じて、僕のところで判断に時間を使いすぎて外側の選手の時間を奪ってしまったというところはあります。また、コンタクトの部分でボールキャリーが硬くなってしまって相手のディフェンスに対して受けてしまったというのはあると思います。

――相手のプレッシャーは想定以上でしたか

 ゲームが終わったばかりなので明確な分析はできないですが、最初の入りを大事にしていた分、その点で天理大学さんの方が勝っていたということが前半後手に回って連続失点につながった原因だと思います。

――ディフェンスのどんな部分がうまくいかなかったと思われますか

 天理大学さんは10番からのアタックが多くて、そこでオーバーラップを何度か作られて僕たちが走らされていた状況が多々ありました。もちろんそこの対策はしていたんですけど、コンタクトの部分で受けていたり、相手のテンポでアタックされてこっちのディフェンスがセーブされないままディフェンスがスタートというサイクルでやられてしまったので、ペナルティも増えましたし、ラインブレイクも増えたんじゃないかなと思います。

――なかなかボールを奪えなかったように見えました

 そうですね、天理大学さんのアタックの読みも良かったですし、僕たちはこれまでそういった押し返すシーンを連続で出せていたんですけど、そこが一回で終わってしまったりという単発なオフェンスになっていたと思うので、そこの部分は次のシーズンの課題かなと思います。

――ディフェンスのノミネートの部分で13番に寄ってしまっているシーンもありました

 13番の選手はマークするべき選手ではありますが、天理のアタックシェイプのムーブだったり、シンプルに13番に渡すというよりかは裏表を使ったりする渡し方だったので、そこがマークしずらくて寄ってしまったんじゃないかなと思います。

――オフロードも正確に遠くにつながれていました

 そこは、自分たちのタックルの精度を見直すべきだと思います。大きい相手でも倒す準備はしてきたので、スコアの部分から後手に回って受けに回ってしまったんじゃないかなと思います。

――そういった点からだんだんとズレが生じていったのですか

 そうですね、さっきも言った通り天理大学は10番からのシェイプを中心に攻撃をしてきて、どうしても外側が余ってきてしまうので、(球出しの)時間を遅らせたかったんですけど、コンタクトで受けて、相手のテンポで(ボールを)出されてこっちのセットができないまま(ディフェンスが始まる)というサイクルだったので、その接点の部分をもう一回来年準備していきたいと思います。

――天理のディフェンスとディフェンスブレイクダウンの圧力についてはいかがですか

 僕がボールを持った時には外側のオプションが使われているような感じでした。もしかしたら使われてなかったのかもしれないんですけど、僕に結構プレッシャーがかかってたのでそこで僕の判断が遅くなったりミスした判断のところでブレイクダウンをかけられたり、すごくプレッシャーの強いディフェンスだったと思います。

――今日の課題をこれからにどう生かしていきますか

 見つかった課題というよりも、優勝しないと意味ないなと思いました。決勝に出るだけじゃなくて。この厳しいシーズンの中でやってきたことに自信はありましたけど、でもやっぱり優勝と2位というのはこんなにも違うのかということを見せつけられたので、もう一回もっと突き詰められたんじゃないかというところを見直して、また1年間ここに戻ってこれるように、そしてリベンジできるように毎日準備していきたいなと思います。

CTB伊藤大祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)

――今日の試合を振り返って

 すごく悔しかったですし、自分のやるせなさ、力のなさに今日で気づけました。これから全てにおいてレベルアップしないと通用しないんだなと思ったので、切り替えて明日からまたやっていこうと思います。

――天理との差を感じた部分はどこですか

 個々のスキルの差もあったかもしれませんが、やはり仕掛ける部分が甘かったというか。天理さんの方がずっと仕掛けてきましたし、心技体でいうマインド、心の部分が負けていたと思います。その部分はスキルが伴っていないと出てこないと思うので、そういった意味では完敗だったなと思います。

――後半からの出場になりましたが。どんな指示がありましたか

 後半はとにかく外を攻めるからスペースを見て、という感じでしたね。

――前半を見ていてこうしようと思ったところはありましたか

 ずっと攻められていてあまりアタックできていなかったので、自分がアクセントになればいいなと思ったのですが、それもあまり果たせず、という感じですね。

――トライを取った時の気持ちは

 特に何も感情はなかったです。

――来年以降のポジションなど、どのような点で勝負していきたいですか

 僕はどこのポジションでもやりたいと思っているので、どのポジションでもできるようにオフシーズンでスキル、体力ともにあげていきたいなと思います。

――自分の力をより発揮するためにはこれから何が必要だと思いますか

 もっと信頼を勝ち取らないと、ボールももらえないですし、そこを勝ち取ってもっとアグレッシブにどんどん積極的にいきたいなと思います。

――1年生でメンバー入りをして難しい環境での1年だったと思います

 けがもあってシーズン序盤は試合に出れない時期もありましたが、最終的に出させてもらったので(よかったです)。これはこれで終わったことなので、自分の悪かったところをしっかりと見直して次につなげたいなと思います。

FB河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)

――終わった瞬間から涙が止まりませんでしたが、どういうお気持ちでしたか

 悔しいというか、悔しいという言葉で収めていいのかというくらい、悔しいしか出てこないです。

――最後のプレーは、河瀬選手はボールに絡んでいましたか

 僕がキャリーして、あまりよく覚えていないんですけど、誰に蹴られたのか当たってしまったのか、ボールが浮いてしまって終わりました。

――終わったときどう思いましたか

 そうですね、やってしまったなというような。

――チームとしてうまくいかなかったことと、個人的にうまくいかなかったことを教えてください

 チームとしては、前に出てディフェンスをするというところで、上体が起きてしまって胸でタックルしてしまうという場面が多かったので、そこはきちんとやれていればなと思います。自分もカウンターのところだったりボールキャリーのところで、もっとチームに勢いを与えられたらよかったんですけど、それがなかなかできませんでした。

――河瀬選手のトライで勢いを与えられたと思いますが

 あそこでトライできたのは、よかったかなとは思います。

――天理がトロフィーを掲げるときに、古賀選手(古賀由教、スポ4=東福岡)からビジョンを指されながら何か声を掛けられていましたが、どういう言葉があったのでしょうか

 しっかりこれを見て、来年この悔しさを忘れずに頑張ったら絶対日本一になれるからと、声を掛けてもらいました。

――タックルの時に上体が起き上がってしまった原因は

 セットの時点で上体が起き上がってしまっていたというのが原因だと思います。

――カウンターでFWのところに行って失敗している場面がありました

 最初の分析ではミドルエリアのところがディフェンスが厚いところだったので、そこに行くんじゃなくて蹴られたところに仕掛けてからこういうアタックをしようと言っていました。

――本来であればカウンターで、河瀬選手が持ち込んだところからよりステージを重ねていくというプランだったのですか

 そうですね、アタックしながらスペースにボールを運ぶというところで、裏が空いていればキックも蹴りますし、違うところにスペースがあればそこにボールを運ぶというプランでやっていました。

――あそこの圧力は結構強かったですか

 そうですね、結構強かったです。

――ノーサイドの直後に、丸尾選手(丸尾崇真、文構4=東京・早実)に肩を抱かれて何か声を掛けられていたと思いますが

 「顔を上げろ」というのはずっと言われていました。

――キャプテンは泣いていませんでしたが、それを見ていかがでしたか

 頭が真っ白になってしまってあまり覚えていないんですけど、この1年間コロナという状況の中でも引っ張ってもらったので、本当に4年生には感謝しかないです。

――一番感じた天理との差は何でしたか

 決勝に向けた思いですかね。僕たちも勝ちたいという思いはすごく強くて、どの試合も『BATTLE』できたんですけど、それ以上に『BATTLE』されたというか。

――今回のことをどのようにつなげていきたいですか

 この悔しさを糧にして、3年生以下の(決勝に)出ていたメンバーが次の1年どれだけ目の色を変えてできるかだと思うので、その悔しさをチームに伝えながらやっていけたらいいなと思います。

――スタンドが去年とは違う雰囲気だったと思いますが

 あまりスタンドを気にせずにやっていましたが、去年よりは人も少ないですし歓声も自粛ということで無かったので、グラウンド内の声は聞き取りやすかったかなと思います。

 

全国大学選手権
早大 スコア 天理大
前半 後半 得点 前半 後半
21 29 26
28 合計 55
【得点】▽トライ 小林、河瀬、河村、伊藤 ▽ゴール 吉村(4G)
※得点者は早大のみ記載
   

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
久保 優 スポ4 福岡・筑紫
  後半28分交代→17横山    
宮武 海人 政経3 東京・早大学院
  後半35分交代→16川﨑    
小林 賢太 スポ3 東福岡
  後半28分交代→18阿部    
大﨑 哲徳 文構3 東京・国学院久我山
  後半19分交代→19桑田    
下川 甲嗣 スポ4 福岡・修猷館
相良 昌彦 社2 東京・早実
村田 陣悟 スポ1 京都成章
  後半42分交代→20田中    
◎丸尾 崇真 文構4 東京・早実
小西 泰聖 スポ2 神奈川・桐蔭学園
  後半25分交代→21河村    
10 吉村 紘 スポ2 東福岡
11 古賀 由教 スポ4 東福岡
12 平井 亮佑 スポ4 福岡・修猷館
  後半0分交代→22伊藤    
13 長田 智希 スポ3 大阪・東海大仰星
14 槇 瑛人 スポ2 東京・国学院久我山
  後半38分交代→23南    
15 河瀬 諒介 スポ3 大阪・東海大仰星
リザーブ
16 川﨑 太雅 スポ1 東福岡
17 横山 太一 スポ3 東京・国学院久我山
18 阿部 対我 社3 東京・早実
19 桑田 陽介 スポ3 愛知・明和
20 田中 智幸 政経3 東京・早大学院
21 河村 謙尚 社3 大阪・常翔学園
22 伊藤 大祐 スポ1 神奈川・桐蔭学園
23 南 徹哉 文4 福岡・修猷館
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)