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ラグビー部

2021.01.01

全国大学選手権 1月2日 対帝京大 東京・秩父宮ラグビー場

「明日の試合にすべてを出し切りたい」(下川)/大学選手権準決勝前日練習レポート

 早大ラグビー蹴球部の2021年が始まった。『帝京』と掲げられた東京・上井草グラウンド。雲一つない快晴の元旦、選手たちは全国大学選手権(大学選手権)準決勝に向けて調整を行った。午後はB・Cチームによる部内マッチ。明日の試合に出場しない選手たちの熱い戦いを観戦し、Aチームの面々も気持ちが高まったに違いない。最後はグラウンドに円になり、出場する23人一人一人が試合に向けての決意を表明。選手それぞれの真摯な言葉が、全体の緊張感をより高め、引き締まった雰囲気で練習を終えた。

 

「帝京」の文字

 次戦で迎え撃つのは帝京大。大学選手権で帝京大と対するのは、2013年度の第50回大学選手権の決勝以来、実に7年ぶりとなる。今シーズンにおいて、帝京大との対戦は2度目。対抗戦では19-19の同点で迎えた後半に点差を突き放し、45-29で白星を挙げた。だが、前回とは「(帝京大の)メンバーが大きく変わっている」(WTB槇瑛人、スポ2=東京・国学院久我山)。加えて早大も、早明戦での敗戦をばねにチーム力がさらに向上している。対戦相手が同じでも、決して毎試合同じようにはいかない。前回とは全く様相の異なる試合が展開されるはずだ。

 

伝統の「押し込みタックル」

 1月2日12時20分キックオフ。東京・秩父宮ラグビー場で、またはご自宅のテレビの前で、新年のラグビー始めをしよう。

(記事 山口日奈子、写真 細井万里男、塩塚梨子、横澤輝)

 

決意表明をする部員たち

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)

――前節の慶大戦を経てどのようなことに取り組んできましたか

 相手が帝京大に決まって、セットプレーというのがひとつの鍵になってくると思うので、その精度をもう一度確認しました。あとはフィジカルの強い相手だと思うので、ブレイクダウンのスキルをしっかり確認しました。

――慶大戦の勝利は、早明戦から立ち直った結果だったのでしょうか

 そうですね。この前の慶応戦で、特に前半にああいう結果が出たというのは、「自分たちから仕掛けていく」というマインドが表現できた結果だったと思います。

――結果に対して「選手たち自身が向き合うことが大事」とおっしゃっていましたが、主将からの声掛けなどがあったのでしょうか

 まあ明治戦が終わってから1週間くらいはなんとなく落ち込んでいる感じでしたが、慶応を迎えるにあたって「自分たちがやらなくてはいけない」というマインドにはだんだん変化していったと思うので、そこはやはりキャプテン中心に発信はしていたと思います。

――残すところ最大2試合となりました

 そうですね、負けたら終わりなので今持っているものをしっかり出そうという雰囲気で(練習が)できていると思います。あとは秩父宮のピッチに立った時にそれを出せるかどうかというところだと思います。

NO・8丸尾崇真(文構4=東京・早実)

――前節の慶大戦、スクラムからの先制トライは強みのアタックが生かされたかたちですか

 そうですね。最初にああいうアタックができたのは、チームとしても(最初から)仕掛けようとしていたので、それを表せたように思いますし、いい勢いを持ってこれたと思います。

――ご自身のプレーを振り返って評価はいかがですか

 分かりやすい8単があったのでよさそうには見えますけど、やはり後半の方はまだいいアタックができていなかったので、80分間通していいアタックができたらと思います。後半が課題ですかね。

――早明戦からの気持ちの変化は

 まあやはり(気持ちが)落ちた部分はあったのですが、その中でも立て直して慶応に勝てたのは本当に大きいと思いますし、明治戦で何が足りなかったのかというのも明確になったのであとはそれをやるだけかなと思います

――「決勝に向けてしり上がりに状態を上げていく」とおっしゃっていました。現状いかがですか

 そうですね、上がっていると思います。ただもう負けたら終わりなので、まずは帝京に出し尽くして、勝ってからまた次のことを考えたいと思います。

――帝京大戦に向けて具体的に取り組んだことは

 特別何か変えるということはないので、これまでのことをもっと研ぎ澄ませるということを重視してきました。その中でもやはりセットプレーがキーになってくると思うので、スクラム・ラインアウト両方で早稲田のペースに持っていきたいと思います。

――明日への意気込みをお願いします

 最初から仕掛けて80分間戦い続けて、勝ちたいと思います。

ロック下川甲嗣(スポ4=福岡・修猷館)

――前節の慶大戦を振り返って、良かった点・改善点をそれぞれ教えてください

 良かった点は最初に早大から仕掛けることができたところです。改善点は後半の入りに規律が乱れてしまった部分があったので、そこで欲張りすぎずに自分で冷静に判断してプレーしなければいけないというところだと思います。

――その慶大戦でのセットプレーの評価はいかがですか

 ディフェンスでは上手く相手にプレッシャーをかけられていたと思うので、そこは良かったと思います。アタックはノットストレートだったり、相手のプレッシャー云々というより自分たちのスキルの部分でミスがあったので、そこはまだまだだと思います。

――帝京大戦に向けて今までどんなところにフォーカスして練習してきましたか

 帝京大は対抗戦で対戦してきたチームの中でも接点の強さや勢いでは一番だと思うので、その接点で絶対に引かずに仕掛けるというところをテーマにやってきました。それ以外にもやってきたことはありますが、根本は接点で仕掛けることを一番大事にやってきたと思います。

――次戦のポイントはやはりセットプレーだと思います。ラインアウトはどのように対策されましたか

 昨日メンバーが出て対抗戦とメンバーが違うので、そのメンバーのビデオを観て対策もしましたし、あとは自分たちのスキルの部分をしっかりやっていきたいと思います。

――最大残り2試合となりますが、心境はいかがですか

 勝てば2試合できるので、今は先を見ずに目の前の1試合に集中したいです。勝っても現在こういう(新型コロナウイルスの)状況で、もしかしたら決勝戦がないという可能性もゼロではないと思うので、本当に明日の試合にすべてを出し切りたいと思います。

――最後に意気込みをお願いします

 キックオフから自分が前に出続けて、自分の姿勢でチームを引っ張っていきたいと思います。

FB南徹哉(文4=福岡・修猷館)

――次戦の帝京大は強力なFWが武器ですが、BKとしてどのような対策をしてきましたか

 80分間通して相手の重たいFWを動かして疲れさせるように、しっかりスペースに動かしてエリアを取るというのを頭に入れてずっと練習していました。

――慶大戦を終えて、チームとしてどこに力を入れてきましたか

 チームとしては本当に細かいところにこだわろうというのを言ってきて、細かいコミュニケーションだったり、これまで大事にしてきたところをもっとこだわろうと練習してきました。

――大事にしてきたところとは具体的に何ですか

 接点でバトルし続けて絶対に引かずに戦うところだったり、サポートや低い姿勢などの意識ひとつで変わるところです。

――個人としてはいかがですか

 特に変わったことはないのですが、これまでずっとやってきた後ろから声を出すこととか、自分が入ってアタックを良くするというところを意識してきました。

――最大残り2試合となりますが、心境はいかがですか

 4年生としてと考えると、本当にあっという間だったなと思います。今年の日本一になるためのあと2試合、とはいってもまず目の前の1試合に集中しようと考えています。

――帝京戦に向けて意気込みをお願いします

 とにかくチーム全員で戦って、絶対に勝ちたいです。

フランカー村田陣悟(スポ1=京都成章)

――『年越し』となりましたが、今の気持ちを教えてください。去年の京都成章高の時と比べていかがですか

 絶対に負けたくない、というのと、1年生で『荒ぶる』を獲りたい、というのが今の気持ちです。去年、京都成章の時はすごく悔しい思いをしていました。去年の借りを返すではないですが、去年負けた悔いを大学で晴らそうという目標があるので、それを果たして『荒ぶる』を獲りたいなと思います。

――前節の早慶戦での自身のプレーを振り返っていかがですか

 自分の強みのタテ突破が目立ったかなという印象です。前進することでトライにもつながったので、明日の帝京大戦でも攻撃の起点になれたらと思います。

――チームでの自分の役割、自分の持ち味はどういった部分だと考えていますか

 (チームでの自分の役割は)1年生ということもあるので、ミスを恐れずにどんどん積極的にボールに絡みに行くこと、あとは先輩とのコミュニケーションを積極的に取ることです。普通の1年生ではできないようなことをできたらと思います。

――明日は帝京大との対戦ですが、特に意識していること、警戒していることはありますか

 この前(対抗戦)の帝京大戦でも自分ではあまり圧力を感じなくて、なのでこれといってはないです。ですがやはりスクラムが強い、フィジカルが重いと言われているので、スクラムで押し負けても負けないようなメンタルで、フランカーとして頑張っていきたいと思います。

――明日の準決勝へ向けて意気込みを

 誰よりも強いボールキャリーで攻撃の起点となって、チームを勢いづけるというのが僕の仕事だと思うので、それを全うして、『荒ぶる』に貢献できるように頑張っていきたいです。

WTB槇瑛人(スポ2=東京・国学院久我山)

――早慶戦では2トライを挙げる活躍を見せました。ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

 自分の強みであるアタックでのランの部分で積極的に外からスペースを読み、大外でトライを取り切れたので、今後に向けても大きな収穫となる良い試合でした。

――帝京大戦に向けて対策されていることはありますか

 (帝京大の)メンバーが前の試合から大きく変わっているということもあるのですが、結局最後は自分たちのプレーをするということが肝になってくるので、新しいこともやっているのですがチームとして重点を置いて行っているのは1個1個のプレーを磨いて、精度を高めるということです。

――帝京大戦で見せたいご自身の強みはありますか

 相手にも大きい選手や速い選手がいると思うのですがそこで気負いすぎず、自分のプレーをするだけだと思っているので、慶大戦と同様に外勝負をしっかりしてトライを取り切りたいと思っています。

――BK全体として次戦で大事になるのはどのような部分だと考えていますか

 早稲田のアタックの強みというのはやはりフェーズアタックの部分だと思っています。FWがいい球出しをしてくれた時にBKが精度高くプレーを続けることが出来ればフェーズ中にトライを取り切れると思うので、BKで取り切るということを意識したいと思います。

――大学選手権は残り2試合となりましたが、これからどのように戦っていきたいですか

 明日勝てば決勝ということはあるのですが、まずは決勝のことは考えずに明日の準決勝に集中したいです。1度勝った相手ではあるのですがそのようなことは考えずしっかりと自分たちのプレーを出し切りたいと思います。

FB河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)

――早慶戦での収穫や課題はどんな点ですか

 前半の仕掛けるマインドであったり、そういった部分は良かったところです。修正する部分は後半の入り、15分~20分ぐらいはすごくペナルティーが多かったので、そこは修正すべき点だと思います。

――トライにつながるパスが多かったですが、自身の早慶戦でのプレーの評価はいかがですか

 スペースを見てスペースにボールを運ぶところと、あとはカウンターでしっかりと前に出ることができたので、個人的にはいいプレーができた試合だったと思います。

――SOやCTBでの経験が生かされた部分はありますか

 SOがいなくなった時にパッとSOの位置に入ってプレーをしたり、他の選手を動かせたり、あとはCTBの位置に入ってFWに指示を出したり、そういったことができたので、そこはとても生かされていると思います。

――3年連続の『年越し』となりました。明日勝利すれば残り2試合ですが、気持ちはいかがですか

 明日勝たないと次につながらないので、とりあえず明日しっかり勝って、次につなげられるように頑張りたいと思います。

――明日の帝京大戦への意気込みをお願いします

 FBとして、最後尾からチームに勢いをもたらせられるように頑張りたいと思います。