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ラグビー部

2020.12.19

全国大学選手権 12月19日 対慶大 東京・秩父宮ラグビー場

慶大に勝利を収め、3年連続の『年越し』を決める!

 全国大学選手権(大学選手権)準々決勝。負けたら終わりとなる早大の戦いが始まった。迎えた相手は慶大。「先を見ずまずは慶応に絶対勝つ」(NO・8丸尾崇真主将、文構4=東京・早実)という意気込みで臨んだ。早大は丸尾のトライを皮切りに試合を優位に進め、24-7で前半終了。後半は、序盤からミスが重なり自陣でのプレーを強いられるが、徐々にペースを取り戻す。前半のリードを守り切り、見事大学選手権準決勝進出。3年連続の『年越し』を決めた。

 前半5分、試合は動いた。敵陣22メートルの位置で獲得したマイボールスクラムから丸尾が上手くボールを持ち出すと、そのままハンドオフで相手を押し倒しながらトライ。先制に成功し、早大が試合の主導権を握る展開となる。続く14分、早大は敵陣深くでのラインアウトからフェーズを重ね、フランカー村田陣悟(スポ1=京都成章)のゲインでゴール前まで迫る。FB河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)が右の空いたスペースを見逃さずパスをつなぐと、WTB槇瑛人(スポ2=東京・国学院久我山)がインゴールに飛び込み、得点を重ねた。さらに20分、フランカー相良昌彦(社2=東京・早実)のタックルを受けて慶大からこぼれたボールに素早く反応したCTB伊藤大祐(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が、50メートル以上を走り切り公式戦初トライ。26分には慶大に一瞬の隙を突かれて失点するが、36分に再び槇が追加点を挙げ点差を突き放し、24ー7で前半を終えた。

 

独走トライを決め実力を示した伊藤

 後半は、序盤から慶大の反撃にあう。9分、ゴールライン際まで迫られるが、前に出るディフェンスでインゴールを割らせない。最後はプロップ小林賢太(スポ3=東福岡)がボールに絡み、慶大のノットリリースザボールを誘った。さらにピンチは続く。12分、スクラムでの反則から自陣深くまで侵入を許し、トライを献上。その後も、ディフェンスでピンチをしのいでも攻撃に上手くつなげられない苦しい展開が続いた。しかし、ここで集中を切らさなかった早大。徐々に敵陣でプレーする時間を増やしていく。迎えた39分、ゴール前でのラインアウトからモールで前進。その後は左に展開し、河瀬が左大外にスペースを見出してパスを放る。ボールを受けたWTB古賀由教(スポ4=東福岡)はディフェンスに捕まりながらもトライを取りきり、勝利を決定づけた。そして、コンバージョンキック直後にホーンが鳴り、29-14で試合終了となった。

 

自慢の快足を発揮し勝利を決定づけた古賀

 二度目の早慶戦でも勝利を飾った早大。丸尾が「最初から仕掛け、『BATTLE』をしにいくと言い続けて試合で出せた」と語るように、試合序盤から積極的に仕掛け続けたことが功を奏した。また、今試合では早大自慢のBK陣の活躍が光る。初スタメンとなった伊藤が独走トライ、槇が2トライを挙げたほか、河瀬がSO経験で培った広い視野で、空いたスペースに的確なパスを供給するなど得点をアシストする場面が見られた。次戦の相手は強力なFWを擁する帝京大であり、セットプレーの精度が試合の鍵を握る。これまでの試合のように「自分たちの力を1日1日どう伸ばしていくかにフォーカス」(相良南海夫監督、平4政経卒=東京・早大学院)して早大のラグビーに磨きをかけたいところだ。赤黒戦士たちは年を越してもラグビーができる幸せを噛み締め、『BATTLE』を続ける。

(記事 初見香菜子、写真 安岡菜月、末次拓斗)

コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 後半波に乗りたいところで自分たちのペナルティが連発して苦しい内容になりましたが、粘り強く勝ち切れたことがよかったと思います。

――早明戦からの反省点、そして今日の試合で得られたことはありますか

 早明戦ではセットプレーでミスが多く流れがつかめなかったので、まずセットプレーに関して春先から積み上げてきたことをもう一度確認して、自分たちのかたちを取り戻すことにフォーカスして練習しました。あともうひとつは早明戦でボールを運ぶ位置で修正が必要なところがあったのでそこにもフォーカスして練習しました。セットプレーは相手が変わればというところもあるのですが、今日の収穫は、ラインアウトでプレッシャーをかけられたし、スクラムも安定して組めたので、そこはよかったと思います。何より今日この試合に臨む姿勢というか、相手より上回るという気持ちが80分間見えたところがよかったです。

――次戦・帝京大戦に向けて

 負ければ終わりというトーナメントなので色々対策を考えなければならないけれど、ここまで自分たちの力を1週間1週間、1日1日どんどん伸ばしていくことを今年のチームはやってきたので、今日出た反省や課題も含めしっかりと修正した上で帝京大にチャレンジしたいと思っています。

――伊藤選手の評価は

 伊藤は試合前に「緊張しています」というようなことを言っていましたが、伸び伸びとボールキャリーで持ち味を出してくれたと思いますし、初出場でトライを取り切るという非凡なところを出してくれたなと、期待通りの活躍をしてくれたと思います。この大学選手権の準々決勝という舞台で80分間ゲーム経験をさせられてそれなりに機能した、というかしっかりと仕事してくれたというのはチームにとっては大きかったと思います。

NO・8丸尾崇真(文構4=東京・早実)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 最初から仕掛け続ける、早稲田が先手を取る、『BATTLE』しに行くというのを試合で出せたことが、前半の内容になったのだと感じています。後半は自分たちのペナルティ、規律の部分でエラーがあり相手に流れを渡してしまった部分があったので、そこは必ず次戦に向けて修正していきたいと思います。

――ラインアウトではどんな対策をしていましたか

 4年生を中心としたBチームが研究してくれて、そのおかげでいいディフェンスができたと思います。試合の中でもコミュニケーションをし続けられて、特にゴール前ではやろうとしていたディフェンスとは違ったこともありましたが、そこは現場の判断で(対応)できたこともありました。

――先制トライのシーンを振り返って

 チームとしても個人としても先手先手で仕掛ける、『BATTLE』しに行くということを考えていたので、自分らしく行けたので良かったと思います。それでも試合中盤後半に関しては自分はあまりボールをもらえなかったので、そこは修正してもっともらえるようにしていきたいと思います。

――後半停滞の理由はどこにあると考えますか

 やはりペナルティ、規律の部分だと思うので特にディフェンスの部分でブレイクダウン周りをもう一度精度高く我慢強くできるようにしていきたいと思います。一発で取りに行こうと早まってしまった部分もあるので、次戦に向けて粘り強くしつこくやっていきたいです。

――帝京戦に向けて

 先を見ず、まず帝京大戦に向けて、帝京に勝つために1日1日積み重ねて戦っていきたいと思います。

WTB槇瑛人(スポ2=東京・国学院久我山)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 練習で日頃から言っている『仕掛け続ける』というところに関しては前半強気で勝負できたと思います。でも後半に慶応さんのブレイクダウン周りの強さが出てきてペナルティが多くなってしまったので、そこは改善できるかなと思います。

――走る場面が多くありましたが、意図的に準備していたのですか

 慶応のディフェンスでは外にチャンスがあるというのは練習でもやって分かっていたので、積極的にボールを呼んで強みを生かしていこうと意識して練習に取り組んでいたので、今日はそこを生かせたのかなと思います。

――帝京大戦に向けて

 1度戦って勝った相手ですがあまりそういうことは気にせず、帝京という勢いのあるすごいチームですが、早稲田の強みをどんどん出していけば絶対に勝てると思うのでそこを信じて練習に取り組んでいきたいと思います。

――吉村選手のキックパスなどは決まっていたプレーだったのですか

 元々慶応の分析として相手の14番が結構上がってくるというのがあったので、そこは練習でも声を出して積極的に動こうと思っていました。

 

全国大学選手権
早大 スコア 慶大
前半 後半 得点 前半 後半
24
29 合計 14
【得点】▽トライ 丸尾、伊藤、古賀、槇2 ▽ゴール 吉村(2G)
※得点者は早大のみ記載
   

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
久保 優 スポ4 福岡・筑紫
  後半31分交代→17横山    
宮武 海人 政経3 東京・早大学院
  後半37分交代→16川﨑    
小林 賢太 スポ3 東福岡
  後半32分交代→18阿部    
桑田 陽介 スポ3 愛知・明和
  後半32分交代→19星谷    
下川 甲嗣 スポ4 福岡・修猷館
相良 昌彦 社2 東京・早実
村田 陣悟 スポ1 京都成章
  後半38分交代→20田中    
◎丸尾 崇真 文構4 東京・早実
小西 泰聖 スポ2 神奈川・桐蔭学園
  後半34分交代→21河村    
10 吉村 紘 スポ2 東福岡
11 古賀 由教 スポ4 東福岡
12 伊藤 大祐 スポ1 神奈川・桐蔭学園
  後半36分交代→22松下    
13 長田 智希 スポ3 大阪・東海大仰星
14 槇 瑛人 スポ2 東京・国学院久我山
15 河瀬 諒介 スポ3 大阪・東海大仰星
リザーブ
16 川﨑 太雅 スポ1 東福岡
17 横山 太一 スポ3 東京・国学院久我山
18 阿部 対我 社3 東京・早実
19 星谷 俊輔 スポ4 東京・国学院久我山
20 田中 智幸 政経3 東京・早大学院
21 河村 謙尚 社3 大阪・常翔学園
22 松下 怜央 スポ2 神奈川・関東学院六浦
23 南 徹哉 文4 福岡・修猷館
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)