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ラグビー部

2020.12.06

関東大学対抗戦 12月6日 対明大 東京・秩父宮ラグビー場

明大に完敗 2年連続対抗戦Vを逸する

 今季初めて、早大に土がついた。「本当に悔しい」(NO・8丸尾崇真、文構4=東京・早実)。関東大学対抗戦(対抗戦)優勝、さらには早大の13年ぶり全勝優勝を懸けて臨んだ早明戦。注目の集まる大一番は、セットプレーや接点でのミスから明大に主導権を握られたまま、14-34に終わった。この結果により早大と明大は6勝1敗で勝ち点が並ぶ。当事校の直接対決勝者を上位とする順位決定方法により、明大の対抗戦2連覇を目前で見届けることとなった。

 開始早々、明大の猛攻を浴びた。前半7分、14分と続けてゴールラインを越えられる。ディフェンスで粘りトライは防いだが、直後、自陣ゴール前5メートルスクラムから展開され、ライン際での攻防に競り負けて失点。先制点を献上した。これを機に勢いづいた明大は、19分にも巧みなパスワークでラインブレイクし、0-14と点差を広げる。さらに、23分にもモールからトライを許し3連続失点。なんとか反撃したい早大は、FB河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)やフランカー相良昌彦(社2=東京・早実)らの積極的なボールキャリーで前進を図った。何度か敵陣深くまで攻め入る好機を得るものの、ラインアウトやスクラムなど、度重なるセットプレーのミスで自ら流れを断ち切ってしまう。前半終了間際の39分、SH小西泰聖(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がパスダミーで明大の防御網に風穴をあけ、ボールを受けたプロップ小林賢太(スポ3=東福岡)が中央を突破してグラウンディング。意地を見せつけ7-21で折り返した。

後半唯一のトライを挙げた小西

 後半も、明大ペースで試合は進む。自陣でのプレーが長く続き、時折敵陣に攻め入っても、勝負所でミスを犯してアタックを継続できない。これまでの試合で立ち返ってきたディフェンスも思うように機能せず、明大の攻撃を受けることしかできなかった。27分、ゴール前での密集から小西が自らラックサイドを突破してインゴールに飛び込み14-26とするが、後半の得点はこの1トライのみ。その後は試合終了が迫る焦りからかますますミスが頻発する。最後まで課題を修正できないまま、ダメ押しのPGと1トライを献上して、14-34でノーサイド。観客席では、紫紺の旗が揺れていた。

明大の強烈な推進力に圧倒された

 全ての局面で劣勢に立った早大。「セットプレーをはじめとする自分たちのミスで流れを引き寄せられないところがあった」と相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)が振り返るように、好機でのミスが特筆すべき課題だろう。全国大学選手権(大学選手権)の早大初戦は12月19日、今日と同じ東京・秩父宮ラグビー場にて、慶大と京産大の勝者との対決だ。残りの13日、自分たちにフォーカスを当て、どれだけプレーの精度を高めることができるか。質の高い練習が求められる。優勝を懸けた早明戦で敗北する、という昨年度と似た状況。「(昨年度と)同じストーリーがあるとは思いません」と監督が語る通り、今年は今年。昨年度とは違う。だが、この敗戦は今年も選手たちの『荒ぶる』への原動力となるに違いない。

(記事 山口日奈子、写真 細井万里男)

コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 対抗戦の最終戦、そして早明戦ということで多くのお客さんがいらっしゃる中、この日を迎えられてよかったと思います。我々も対抗戦13年ぶりの全勝優勝がかかっていましたが、残念ながら明治の力が上回り、スコアを上回ることができなかったので非常に残念だと思っています。しかし、これからまた大学選手権が始まるので、今日学んだことを生かし、しっかり課題を克服して大学選手権に臨みたいと思います。

――(対抗戦の早明戦で敗北という)昨年度と同じ展開となりました。決勝を見据えた上でどんな修正をしていきますか

 (昨年度と)同じストーリーがあるとは思いませんが、今日はやはり自分たちのミスが要因となって流れを切ってしまったところがあると思うので、常日頃言っていますが、今後の練習での試合を想定した精度をもう一度突き詰めて練習していきたいと思います。

――前半の戦いぶりの課題をどうとらえ、ハーフタイムにどんな話をしましたか

 セットプレーをはじめとする自分たちのミスで流れを引き寄せられないところがありました。こういうビッグゲームにおいてミスが起きることは想定した中で練習をしてきたので、そこはディフェンスで取り返せばいいじゃないかという話をハーフタイムにしました。それから、2トライ2ゴール差だったので、一個一個返していけばいいから、40分終わった時にどうなっているかを信じてやりきろうという話をしました。

――小西選手の得点に対する意識はどう評価しますか

 小西に限らず皆得点を取ろうとしてやっていたと思いますが、ああいう仕掛けの部分は彼のプレーの特徴だと思うので、そういった意味では持ち味を出してくれていたし、実際にトライに結び付くプレーをしていたので良かったと思います。

――今後どう成長していってほしいですか

 ああいうスピードやブレイクダウン周りの仕掛けという部分にひとつ武器もありますし、ゲームのテンポも作れるプレーヤーなのでそこにさらに磨きをかけてもらいたいと思います。

NO・8丸尾崇真(文構4=東京・早実)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 コロナ禍で早明戦という伝統の一戦を迎えられて本当にうれしく思います。結果として明治に負けてしまい本当に悔しい気持ちがあります。これを糧として、1日1日積み重ね、最後大学選手権優勝を目指して頑張りたいです。

――ラインアウトは相手に対策された印象ですか

 そうですね。プレッシャーがかかってはいました。

――マイボールラインアウトが上手くいかなかった要因は

 マイボールラインアウトに関しては、明治のプレッシャーというよりも自分たちの細かいエラーが起きていたというのが事実なので、そこはもう一回見直して修正したいと思います。

――スクラムは組んでみていかがでしたか

 本当に重い、強いスクラムを組まれ、自分たちのやりたいようなスクラムを組むことができなかったのが押された要因だと思います。

――選手権に向けてどのような日々を過ごしたいですか

 1日1日全て出し切り、決勝まで積み重ね続けるしかないと思うので、本当に1秒1秒を大事にしたいと思います。

――明治の想定以上だった部分は

 接点の部分とスクラムの部分。そこは想定以上のものだったと思います。

――立ち返るべき部分はディフェンスだとこれまで何度もおっしゃっていました。前半思うようにいかない中で修正すべき点はありましたか

 二人目の寄りの早さと強さ。接点を前に返すことができていなかったのでそこが大事だなというのと、(相手より)早くセットしてこっちから先に仕掛けるということができていなかったので、そこを修正したいと思います。

――箸本主将(明大)が対面でした。互いにキャプテンとして早明戦を戦って、相手のパフォーマンスをどう感じていますか

 彼を前に出した結果明治が勢いづいたと思うので、もし再戦があるとするなら、1歩も前に出させない、そういう強い意志を持って臨みたいと思います。

 

関東大学対抗戦
早大 スコア 明大
前半 後半 得点 前半 後半
21 13
14 合計 34
【得点】▽トライ 小林、小西 ▽ゴール 吉村(2G)
※得点者は早大のみ記載
   

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
久保 優 スポ4 福岡・筑紫
  後半28分交代→17横山    
宮武 海人 政経3 東京・早大学院
小林 賢太 スポ3 東福岡
  後半38分交代→18阿部    
大﨑 哲徳 文構3 東京・国学院久我山
下川 甲嗣 スポ4 福岡・修猷館
相良 昌彦 社2 東京・早実
村田 陣悟 スポ1 京都成章
◎丸尾 崇真 文構4 東京・早実
小西 泰聖 スポ2 神奈川・桐蔭学園
  後半28分交代→21河村    
10 吉村 紘 スポ2 東福岡
  後半38分交代→23松下    
11 古賀 由教 スポ4 東福岡
12 中西 亮太朗 商3 東京・早実
  後半25分交代→22伊藤    
13 長田 智希 スポ3 大阪・東海大仰星
14 槇 瑛人 スポ2 東京・国学院久我山
15 河瀬 諒介 スポ3 大阪・東海大仰星
リザーブ
16 川﨑 太雅 スポ1 東福岡
17 横山 太一 スポ3 東京・国学院久我山
18 阿部 対我 社3 東京・早実
19 桑田 陽介 スポ3 愛知・明和
20 田中 智幸 政経3 東京・早大学院
21 河村 謙尚 社3 大阪・常翔学園
22 伊藤 大祐 スポ1 神奈川・桐蔭学園
23 松下 怜央 スポ2 神奈川・関東学院六浦
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
 
関東大学対抗戦Aグループ得点表(12月6日現在)
順位 チーム 勝ち点 試合 得点 失点 得失 トライ
1 明大 24 7 6 0 1 273 92 181 42
2 早大 24 7 6 0 1 294 129 165 45
3 慶大 20 7 5 0 2 303 96 207 45
4 帝京大 16 7 4 0 3 459 148 311 68
5 筑波大 16 7 4 0 3 259 192 67 37
6 日体大 8 7 2 0 5 84 330 ‐246 10
7 立大 4 7 1 0 6 84 395 ‐311 11
8 青学大 0 7 0 0 7 89 463 ‐374 12
勝ち:勝ち点4、引き分け:勝ち点2、負け・不戦敗:勝ち点0、不戦勝:勝ち点4
 
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  明大 早大 帝京大 筑波大 日体大 慶大 青学大 立大
明大

◯34‐14

◯39‐23

◯33‐17

◯不戦勝

●12-13

◯82‐10

◯73‐15

早大

●14-34

◯45-29

◯50‐22

◯70‐5

◯22‐11

◯47‐21

◯46‐7

帝京大

●23‐39

●29-45

◯54‐17

◯98‐10

●27-30

◯122‐0

◯106‐7

筑波大

●17‐33

●22-50

●17‐54

◯41-14

◯30-19

◯80‐15

◯52-7

日体大

●不戦敗

●5‐70

●10‐98

●14-41

●0‐74

◯32-26

◯23‐21

慶大

◯13-12

●11-22

◯30-27

●19‐30

◯74‐0

◯78‐0

◯78‐5

青学大

●10‐82

●21‐47

●0‐122

●15‐80

●26-32

●0‐78

●17‐22

立大

●15‐73

●7‐46

●7‐106

●7-52

●21‐23

●5‐78

◯22‐17

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、明大Gは明大八幡山グラウンド、上柚木は上柚木公園陸上競技場、大和は神奈川大和スポーツセンター競技場。