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バレーボール部

2020.11.17

早慶定期戦 11月15日 慶應義塾大学日吉記念館

歴史に刻んだ1年間の軌跡 早慶定期戦で勝利を収め、現体制は終幕

 秋季リーグ戦代替大会の最終戦から一夜明け、現体制最後の試合となる早慶バレーボール定期戦が行われた。女子戦は今年37回目を数える伝統の一戦で、早大は1年間目指してきた繋ぎのバレーを見事に展開。セットカウント3-0(25-9、25-15、25-10)で勝利を収め、受け継がれてきた連勝記録を34に更新した。悩み、苦しみながら歩んできたこの1年に、まぶしいほどの笑顔で幕を下ろした。

 

 開会式で両校主将によるペナント交換・選手宣誓が行われると、いつもより人数の多いウォーミングアップが始まった。ベンチに入る全員の出場が明言されていたこの試合、これまでボール拾いに回ってきた1年生たちも試合前の練習に参加した。4年生にとって最後の試合が、1年生たちにとっての初陣。伝統を引き継ぐ意味合いも持った一戦は、スタメン7人中5人が4年生という布陣で幕を開けた。先制したのは早大。村山果菜(教4=東京・国際)のスパイクが決まると一気に勢いづいた。2-2から怒涛の7連続得点で9-2。吉内文(スポ4=山口)がライトから鋭いスパイクを打ち込むと、植松知里(文構4=香川・高松第一)も短い助走ながら速攻を決めた。その後は粘って相手のミスを誘い16-4とするが、慶大も気持ちのこもった攻撃で応戦し17-8。流れを渡したくない場面で存在感を放ったのは、エースの中澤恵(スポ2=大阪・金蘭会)だった。自らバックアタックを決めて前衛に立つと、相手コートを見渡し上がってくるトスのほとんどを得点にしてみせる。井上裕利惠主将(スポ4=岡山・就実)が精密なレシーブで後衛から支えローテーションをなかなか回させなかった早大は、25-9で第1セットを先取した。

 

笑顔でチームを引っ張ってきた井上主将(写真中央)

 

 第2セット序盤も梨本未央主務(社4=東京・駒場)らの丁寧なレシーブから攻撃へ繋ぎ、7-1と早大がペースを握る。直後、真骨頂の粘り勝ちで長いラリーを制しスコアを8-3とすると、1年生を二人投入。10-8と迫られるが、ここは村山のブロックが相手の脅威となった。幾度となく強打をはね返して両翼を封じ、17-8と引き離す。タイムアウトが明けるとセッターの橋本美久(社3=福島・郡山女大附)は、レフトに入った神戸彩有(文構1=長野・松本県ヶ丘)に何度もトスを上げた。ついに神戸のスパイクが決まったとき、4年生たちは自分のことのように大きく腕を上げて喜んだ。それは思いやりに溢れる最高学年の面々が、どのようにこのチームを引っ張ってきたかを象徴しているようだった。終盤光ったのは植松のスパイクとサーブ。主導権を渡さず、早大が25-15でこのセットも取った。そして第3セット。序盤にコートに入った山下日和(社2=千葉・市船橋)と中澤、次世代の早大を担う二人が躍動し11-2とリードする。すると中盤は4年生の攻撃陣が、積み重ねてきた努力をプレーで示した。井上、村山らが得点すると、ピンチサーバーの池田華(社4=韓国・ヨンサンインターナショナル)が昨日に引き続きサービスエース。コート、ベンチにいる全員が天に拳を突き上げた。24-10、ついにマッチポイントとすると最後のトスは吉内がライトから打ち切った。試合終了。歓喜の輪ができ、それが解け、早大は現体制最後の一戦を終えた。

 

最後の1点が決まると、歓喜の輪ができた

 

 試合後に4年生は皆、周りの人たちへの感謝を口にした。「支えてくれてありがとう」(井上主将)。屈託なくそう語れる思いやりの強さもまた、他の誰かの支えとなってきたのだろう。コートの外から支えてきた学生トレーナーらが試合後に流した涙を見れば、早大が周囲の人々にとっても誇れるチームになったことは明らかだ。例年にない厳しい状況下に置かれ、苦しみながらも目指すバレーに一歩ずつ近づいてきた。その1年間の軌跡を最後、早慶定期戦の連勝記録に確かに刻み、現体制はこれまでを象徴する笑顔とともに終幕した。 (記事、写真 平林幹太)

 

 

セットカウント
早大 25-9
25-15
25-10
慶大
スタメン
レフト 中澤恵(スポ2=大阪・金蘭会)
レフト 井上裕利惠(スポ4=岡山・就実)
センター 吉内文(スポ4=山口)
ライト 村山果菜(教4=東京・国際)
ライト 植松知里(文構4=香川・高松第一)
セッター 橋本美久(社3=福島・郡山女大附)
リベロ 梨本未央(社4=東京・駒場)

 

 

有終の美を飾り、充実した表情を浮かべた

コメント

井上裕利惠主将(スポ4=岡山・就実)

――最後の試合を終えました。率直なお気持ちは

この1年間はコロナの影響で公式戦がなくなり悔しい思いをしてきたのですが、最後までこうして全員で戦い抜けたのは本当に嬉しいことだと思います。自分自身苦しい中でも色んな人に支えられて最後までやり切れたことは、今後の自信に繋がるなと思います。

――終わったという実感はありますか

今まで私は本当にバレーボールしかしてこなくて、しなくなったことがまだ無いので実感はないです。これからどうなるかな、という感じです。

――特に代替大会が始まってからの1ヶ月で、チームとして成長できたと感じる点はありますか

攻撃力がない分一度の攻撃で点を取りきれるという場面はなかなか無かったのですが、リーグ戦で試合を重ねるにつれて、決まらなくても全員で拾って繋いで最後に決め切るということができるようになりました。バレーだけじゃなくて後輩との繋がりだったりという部分も成長できたので、本当によかったなと思います。

――どんなチームを目指してきましたか

全国大会に出た人から初心者まで色んなメンバーがいるのが早稲田の女バレなので、ぞれぞれの良さを生かしたいと思ってやってきました。例えば試合で負けてレギュラーが暗くなっているときに1年生が前向きな声がけをしてくれたり、ベンチの人が盛り上げてくれたりと本当にみんなに助けられてここまで来られました。本当に感謝しかないです。

――主将としての1年間は振り返っていかがですか

目標としてきた試合が全部無くなってすごく苦しい時期もあったのですが、どういう風に進んで行けばいいのか男子部のスタッフさんなどにも話を聞いてもらいました。同期がすごく支えてくれて、後輩もいつも明るく声をかけてくれて、本当に色んな人に支えてもらったからこそ1年間やってこられたんだなと思います。

――残る後輩たちにかけたい言葉はありますか

今年まず一部昇格のチャンスすら無かったのですが後輩たちには長所があり、それを叶える力があると思っているので、それぞれの良いところを伸ばしていってほしいと思います。

――どんな同期の皆さんでしたか

本当に一人ひとり、心がある人たちです。強い高校でやってこなかった人もいっぱいいてプレーに不安を抱えていた部分もあったと思うのですが、4年間最後まで努力して、こうして戦えたというのはすごいことだと思います。また私や他の同期が苦しんでいるときは話を聞いてくれました。誰も一人にせず、9人でチームをつくっていくという姿勢を貫いた団結した同期です。

――最後に、同期の皆さんに送る言葉はありますか

本当に今の4年生が同期でよかったなと、ずっと思っています。苦しいときにも支えてくれてありがとう、と伝えたいです。

梨本未央主務(社4=東京・駒場)

――試合を終えた今どのようなお気持ちですか

今はきっとまだ実感がないのですが、この一年本当に長かったので、そのうち「終わってしまったのだな」と「やっと終わったな」の両方の気持ちが来ると思います。明日もどうせ部活なんだろうな、みたいな感じです。

――特にこの1ヶ月を振り返って思うことはありますか

リーグ戦の最初の方に二つ負けたのが苦しくて、拾っても決まらなくて裕利惠(井上主将)たちもすごく苦しんでいました。ですが中澤たちに頼るのではなくて、4年生が頑張ろうという意志の統一ができた1ヶ月でした。最後までやり切ろうという気持ちで練習から取り組めた結果、形になったのかなと思います。

――どんなチームになれたと思いますか

上手い選手がいっぱいいるチームではないし、何でもできる人はいなくて、全員に何かしらの苦手なことがありました。みんな不完全だけど、それを補い合って繋ぎ合わせるチームというのに近づけたのかなと思います。チームをつくっているのはプレーヤーだけじゃなくて、声を出してくれる1年生や広報・データ出しをしてくれる部員、身体のケアをしてくれるトレーナーの存在がありました。バレーだけやっていればいいチームではなかったので、プレーだけではないそれぞれのできることを探して補い合える集団に慣れたのかな、そうであってほしいなと思います。

――今日は後輩の皆さんも多く出場しました。4年間を終えた今後輩にかけたい言葉はありますか

きっとこれから上級生になるにつれて、自分を守ってくれていた壁のようなものがなくなっていくと思います。特に最高学年になると色々考えさせられて本当にきついのですが、その中でも頑張れば絶対成長できるし、みんなならできるとも思っています。これからどんな辛いことがあっても一人じゃないし、OB・OGさんなど応援してくれる人は絶対いるので、そういう存在を忘れずに、早稲田バレー部の伝統を胸に頑張っていってほしいです。あとは自分たちの果たせなかった一部昇格を託したいと思います。

――どんな同期の皆さんでしたか

同期は自分以外のことを考えすぎる人たちで、主語がいつも「自分が」じゃなくて「みんなが」になってしまうぐらいでした。人のことを思いやって色々なことをやってくれてすごく助けられましたし、本当にこの9人でよかったなと心の底から思います。

――最後に一緒に戦ってきた仲間たちに一言

主務という立場をやらせてもらって、仕事とプレーの狭間で自分の立ち位置が分からなくなってしまうこともありました。自分がしっかりしていないとチームとしてもブレてしまうのは分かっていたのですが、なかなか気持ちの整理が難しく、みんなにも辛い思いをさせたこともあったかもしれません。ですが、苦しいなかでも主務を1年間やらせてもらえて本当によかったなと思います。主務はユニフォームの手配が大きな仕事で、リーグ戦の1日目にみんなのユニフォーム姿を見たとき「やっとここまで来られたんだな」ともう泣きそうになりました。全然まとまらないのですが、とにかく主務をやらせてもらって本当によかったですし、みんなの大好きなチームのために何か自分ができていたならよかったと思います。今までありがとう、と伝えたいです。

吉澤唯(学生トレーナー、スポ4=東京・都立三田)

――試合が終わって率直なお気持ちは

今年1年は特に大変な年だったので、最後楽しんで笑顔で終われたのがよかったなと思います。同期も全員揃い、4年生だけでなく後輩もコートに入って勝利をつかむことができたので、観ていてすごく嬉しかったです。

――学生トレーナーという立場から見て、今年のチームはどんなチームでしたか

例年よりトレーニングに対してやる気をもって取り組んでくれる子が多かったです。同期はもちろん後輩の子たちも意欲的に取り組んでくれたのが、自分の中では非常に嬉しかったです。

――この1ヶ月でチームに変化を感じることはありましたか

桜美林大戦で負けた後にスタッフさんから、4年生がもうちょっと頑張らないといけないと厳しい言葉をもらって、そこから4年生でミーティングをしました。後輩にいい形で繋ぐことができるようもう一度一つになって、楽しんでバレーをやろう意気込んできたので、桜美林大戦以降の3戦と今日の1戦その通りになって本当によかったなと思います。

――どんな同期の皆さんでしたか

一言で表すのは難しいのですが、本当に人のことを考えられる同期でした。大変なこともあったのですが、それぞれが人のことを支えられるみんなで、サポート役の自分も選手たちに支えられることがありました。一緒に(学生トレーナーを)やってきた諒(谷内尾、スポ4=兵庫・国際)も大変なときに支えてくれて、本当に支えてもらった4年間だったなと思います。

――最後になりますが、一緒にやってきた仲間にかけたい言葉はありますか

私たちの学年はスポーツ推薦がいなくて、他の代と違って絶対的なエースなどはいませんでした。本当に色々なことを言われてきて苦しかったと思うのですが、一生懸命練習してきたその成果が最後試合に出ていました。みんなにはお疲れ様と言いたいです。