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アーチェリー部

2020.11.15

2021年ナショナルチーム選考会 11月14・15日 静岡・つま恋リゾート彩の郷

棚田が健闘するも、ナショナルチーム選出はならず

 気持ち良い秋晴れの空のもと、アーチェリーのナショナルチーム選考会が静岡県のつま恋リゾートにて行われた。全日本選手権の成績や申請点を踏まえて選出された男女各17名が出場。2日間の競技で、選考対象となる12名のうち上位9名が2日目の競技に進み、さらに6名に絞られてナショナルチームが決定する方式だ。早大から出場したのは棚田歩(スポ4=北海道・帯広三条)。棚田は1回目を終えて2日目通過圏内の9位につけたが、2回目での伸び悩んだ点数が響き、最終順位はボーダーと7点差の11位。惜しくも2日目進出はならず、ナショナルチームへの道は閉ざされた。

 

 アーチェリーの聖地とも名高い、つま恋での一戦。風は時折弱く吹く程度の絶好のアーチェリー日和となった。東京五輪最終選考会に残る特別シード(オープン参加)5名を除く12名が今回の選考対象。1日で70メートル72射を2回行うというハードな試合だが、日本トップレベルでの選考に棚田は「憧れもあった」という。緊張が高まる中始まった1回目の第1エンド、56点を出して幸先の良い滑り出しを見せた。その後も的の中心部分である9点、10点にほぼまとめる素晴らしい射を続ける。「緊張で足も手も震えていた」というが、それでもぶれないのが棚田の強さ。常に上位を維持する戦いを見せ、前半を5位で折り返す。後半は若干失速したが、1回目を通して「いつも通りの実力が出せた」と655点の9位で終えた。

落ち着いた行射を見せる棚田

 

 昼休憩を挟んで2回目がスタート。しかしここで初めて6点を射ってしまう。「最初の準備不足」だったと振り返り、この射が響き10位に。その後は徐々に立て直し、第5エンドでは60金まであと1点の59点をたたき出す。だがその勢いは続けられず、後半第1エンドで「1本目に5点を射ってしまった」ことで動揺し、痛恨の45点。なんとか切り替えて9点平均を出し続けるが、周りのレベルは段違いで少しの失敗も許してくれない。ほとんどの選手が中心部分にグルーピングし、数点差で大きく順位が入れ替わる争いで、取り返すことは容易ではなかった。最後までそのエンドが響き、最終順位は2日目進出ボーダーの9位と7点差の11位。1日目で姿を消す結果となった。

 

 ハイレベルであるがゆえに、1射1射の重みが増し、小さなミスも許されない試合であった。1回目に関しては棚田自身も評価しており、最後まで普段通りの実力が発揮できていれば通過は目前であっただけに、ミスのあったエンドが悔やまれる。日本トップレベルの争いはやはり厳しかった。だが、緊張感が漂う中でも自らの実力を発揮し、十分に戦えたことは大いに称賛すべきである。自身の最高のパフォーマンスを出し続けることが求められた経験は、彼をより強くさせるに違いない。ここから戦いの舞台はインドアに移る。大学での残りのアーチェリー生活、悔いを残さず終えられるか。棚田の真価が試されている。

 

(記事、写真 朝岡里奈)

結果

ナショナル男子

棚田歩 1回目 655点

    2回目 643点

    合計 1298点 11位

コメント

棚田歩(スポ4=北海道・帯広三条)

――今日を振り返って、一番の感想は

1日目で敗退となってしまったのが悔しいなというのが一番の感想です。

――全日本選手権(全日)から2週間ありましたが、どのような調整をしてきましたか

全日が終わってから1週間は本数をたくさん射って(うって)、その次の1週間は同じような形式で午前と午後に72射ずつ射つ練習をして、本番に合わせて練習していました。

――試合を振り返って、ずっと表情が硬い印象でした。緊張はされていましたか

けっこうバクバクで。午前中の最初の1、2エンド目は足も手も震えてというような、終始追い込まれたような状況で射っていました。途中で落ち着いたタイミングもあったんですが、午後の始まりなどボーダーがだんだん分かってきた時にまた緊張し始めたり、永遠に波があったような感じです。

――1回目はほぼ9点にまとまっているような様子でしたが、感覚としては

前半に関しては自分のいつも通りの試合の実力を出せていたかなという感じです。

――2回目の前半は、1回目で6点の射もあり、一方59点のエンドもありました

自分としては最初の準備不足というか、波に乗るのが後半のタイプなので、前半やらかしてしまってその時は焦りはあったんですが、落ち着いてまた自分の射型で射つことができたので、そういう意味では59点も射てたのかなと思います。

――2回目の後半、45点のエンドは

最初の1本目に5点を射ってしまったんですが、それに関しては自分の中で射つ瞬間に射型がゆるんでしまって下に飛んでしまって。その5点を射ってから自分の中で落ち着けていなくて焦りながら射っていたら、あんな点数になってしまいました。

――そのあとのエンドはいかがでしたか

いつも通りの自分の実力ほどではなかったんですが、それこそ野村さん(野村翼コーチ、平31スポ卒)にずっとコーチングしてもらったので、落ちてからそのまま引きずり続けることなく午前から来られたのは野村さんがいろいろサポートしてくれたからというのはあります。

――どのようなアドバイスをもらったのですか

けっこう前からなんですが、しっかりバシッと射てたら風にも流されず射てるので、バシッと射つためにしっかり押し手を押すことや体の重心がぶれないようにするなど、本当に小さなことを言ってもらって。実際にそれで何度も点数を戻すことができました。

――後半に入って疲れはありませんでしたか

体力的な疲れよりかは精神的な疲れの方が大きくて。体力的には練習量も増やしていたのと、弓も変えて楽に引けるようになったのもあって、体力的にはそこまで限界で射つという感じではなかったんですが、ただ精神的な疲れが大きかったです。

――弓はどのように変えられたのですか

白い弓だとリムとかで引きが硬くて、ここ(アンカーの位置)で射つのがきついというのがいろんな方から言われてて、今のMKの弓の方がアンカーから射つときが柔らかく引けるので、その意味では自分に合った弓というのもあって、落ち着いてちゃんと射ててはいたかなと思います。

――今日の試合を100点満点で表すと何点でしょうか

午前中は70点くらいで、午後は0点です。反省を込めて0点です(笑)。それこそこの間のインカレ(全日本学生個人選手権)や全日のトーナメントで、決めなきゃいけないところで決められなかったり最後崩れるというのがあったんですが、今回も結局最後にそうしたいつもの自分の悪いところがいろいろ出て崩れてしまったので、そこが反省です。

――それでも今回ナショナルチーム選考会に出られたのは自信になったのではないですか

そうですね。もともと野村さんが2年前に出られていて憧れもあって、最初は自分は(選考に)かかるレベルではなかったんですが、野村さんみたいな身近な方が出ていていいなと思えるようになって、実際にこのレベルまで自分が来られたのもかなり自信になりました。

――棚田選手は昨年力をつけて今年は安定感が増してきた印象があります。ご自身でその要因は何だと考えますか

それこそいろんな方にサポートしていただいたのが一番だと思っています。コロナの期間を挟んだ後とかは、練習も本当に全然できていなかったのでモチベーションも皆無といった感じだったんですが、そこからコーチの方や先輩、同期、後輩といろんなサポートしてもらいましたし、大学外部の方、今回の選考会に出られている方にもアドバイスをいただいたりしました。自分の中で、点数が安定してきたのはそういう方々のおかげかなと思います。

――最後に、今後の目標などあればお願いします

全国のタイトルをまだ取っていなくて、去年のインカレインドア(全日本学生室内個人選手権)も2位で悔しかったので、まずトーナメントで勝ってタイトルを取りたいというのが大学の中での目標です。