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ラグビー部

2020.11.07

関東大学対抗戦 11月7日 対筑波大 東京・秩父宮ラグビー場

筑波大相手に8トライの猛攻で開幕5連勝

 先週末、昨季王者の明大が慶大に敗れ、大混戦となった関東大学対抗戦(対抗戦)。Aグループ8大学の中で唯一黒星のない早大は、このままトップを走り続けるべく筑波大との一戦に臨んだ。開始8分で筑波大がシンビンを受け数的優位に。この状況を生かしてモールを組み、先制点を奪取。順調に得点を重ね、38−10で前半を終えた。後半は前半とは打って変わって拮抗(きっこう)した展開になる。筑波大のBK陣を止めきれずトライをされるシーンはあるものの、前半のリードを守り切り50―22と勝利を収めた。

 ゲームが動いたのは開始8分。筑波大の選手が危険なタックルによってシンビンを受け、10分間の一時退場になると、優位な状況を生かしてラインアウトからモールを組み、最後はフッカー宮武海人(政経3=東京・早大学院)がトライ。その後、すぐに同点に追いつかれるが、筑波大の選手がもう一人シンビンで一時退場し、一時は15人対13人の状態になる。この好機を逃さない早大は、スクラムからNO・8丸尾崇真主将(文構4=東京・早実)が抜け出してトライを奪う。さらに、32分にはこの試合MOMに選ばれたCTB平井亮佑(スポ4=福岡・修猷館)がインゴール中央を駆け抜けてグラウンディングするなど、終わってみれば前半だけで6トライの猛攻。38―10で試合を折り返した。

スクラムから抜け出しトライを狙う丸尾

 後半開始5分、筑波大のゲインを止めることができずトライを献上してしまう。セットプレーでは終始優勢だったが、パスミスや筑波大のスピードある展開ラグビーに苦しみ、前半のようにはトライを量産できず、得点だけ見れば後半は12―12のイーブン。しかし、後半21分には、ラインブレイクしたSH小西泰聖(スポ2=神奈川・桐蔭学園)からのパスをCTB長田智希(スポ3=大阪・東海大仰星)が受けて前進。最後はサポートに入ったフランカー坪郷智輝(法4=埼玉・川越東)がフィニッシュ。早大らしい細かいパスワークを駆使したトライで連携の強化を見せつけた。最後の20分間は得点が動かず、50―22と前半のリードを守り切った早大に軍配が上がった。

大学入学後初めてSOとしてプレーした河瀬

 堅実な試合運びで勝利を収めた早大。後半のミスの多さやトライを取り切れなかった点に不安は残るものの、対抗戦首位の座を守り切った。1年時からFBとして先発してきた河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)のSO起用も、相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)は「80分やり切ってくれてよかった」と高評価だ。コロナ禍により例年以上に選手層の確保が大事だと言われるこの対抗戦で、新しい選手起用のかたちを実践できたことは大きい。次戦はいよいよ伝統の早慶戦。例年接戦となる慶大戦をどのように戦うか。「今日出た成果と課題を生かしてしっかりと次の慶應大学戦へ準備していきたい」とロック下川甲嗣副将(スポ4=福岡・修猷館)は語る。ここで中15日と次戦まで期間が空くが、このスケジュールの中でどれほど課題を修正し、どのようなチームに仕上げてくるのか。昨年度果たせなかった対抗戦全勝優勝まで、早大は突き進むのみだ。

(記事 内海日和、写真 初見香菜子、細井万里男)

コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 筑波さんのディフェンスやブレイクダウン、BKの展開力はかなり警戒していましたが、その圧に負けずにしっかりと仕掛けていくことを意識した結果、勝利することができうれしく思っています。

――河瀬選手の採点は。どんな声を掛けましたか

 随分本人は辛口でしたが、80分、SOとしてやり切ってくれたので80点。ゴールキックが予想以上に決まったので90点。(河瀬は)元々アウトサイドのプレーヤーなので、慣れないポジションでもありましたが、試合前は「ミスしてもいいから迷わず思い切りやってくれ」と声を掛けていました。ゲームをコントロールする立場として重責だと思いますが、そこは皆で助け合えばいいからと伝えました。80分やり切ってくれてよかったと思います。

――河瀬選手をSOで起用した理由は

 春シーズンもなく、コロナ禍で、色々なことが起こるという想定の中、さらに6週間で5試合というタイトな日程は、本番の対抗戦ではないことなので。毎週毎週、いい状態のメンバーを使っていく中での河瀬の起用となりました。なので、秘策というよりある意味、正攻法というか。状態のいいメンバーを選んだ、というのが最大の理由です。

――適性があると読んでいたのですか

 キックができるということと、ランのオプションがあるプレーヤーがSOの位置にいるのは相手にとっては嫌なことだと思うので、その辺ですかね。いるメンバーを見た時に、河瀬がその1人になったということだと思います。

――今後の起用については

 いわゆる正SOの吉村(紘、スポ2=東福岡)などが軸になってくると思います。ただいつも言うように、けが人や発熱は起こりうる。今年は特にそこに気を遣わなければいけない。色々なオプションが持てて、今日はそれを実践できた。その中で勝利できたのは、我々にとって非常に大きいと思います。

――相良監督が就任以来、筑波大戦は3シーズン連続で50点以上奪っています

 筑波大学さんは我々に似てしつこくひたむきなチーム。この3年間、その部分でどちらが上回るかを意識した結果、我々が上回った。何か相性がいい、やりやすいというのではなく、むしろ泥臭い部分でどっちが上回れるかということをテーマとして戦った結果です。

ロック下川甲嗣副将(スポ4=福岡・修猷館)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 先週帝京大に勝利し、チームとして一戦一戦成長していこうと『一人一殺』というテーマでこの試合に臨みました。アタックではボールキャリーにおいて1対1で勝つことに加え、相手を1キルする(はがす)ことにフォーカスしました。ディフェンスではノミネートを決めて、1人がひとつの仕事を全うするテーマを掲げ、それを80分間通してやろうと話していました。試合を通してよかった面はたくさんありましたが、気が抜けてしまったりコミュニケーションのミスがあったりと、まだまだ課題も見つかったので、そこは修正していきたいと思います。とにかく今日は勝てたことがチームとして前向きに捉えられると思うので。今日出た成果と課題を生かしてしっかりと次の慶應大学戦へ準備していきたいと思います。

――トライシーンではオフロードパスがよく見られました

 オフロードは日頃の練習から放る側ともらう側の意志が統一されているか(を重視しています)。「そこが統一されているならばパスをしていい」という条件を決めて練習をしています。今日の試合でも、するべきところでオフロードがつながって、無理に放らないほうがいいところではしっかりと投げない判断をしてポイントを作ることができていたと思います。

――河瀬選手に声掛けはしましたか

 慣れないポジションだったと思いますが、試合前、河瀬には「リラックスして良さを前面に出したら勝てるから」と言っていました。言った通り河瀬の良さを十分に出していたので、自分としてもすごくやりやすかったです。

SO河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)※記者会見より抜粋

――試合を振り返って

 今週のテーマは下川選手が言ったように『一人一殺』を掲げて準備していて、それを意識してできていた部分もありましたが、後半になるとミスが多かったので、そこは慶應義塾大学さん(との試合)に向けて、修正したいと思います。

――SOとしての出場でしたが、自己採点は

 いつ自分が10番(SO)で出てもいいようにと前から準備はしていました。自分の今日のプレーの採点は60点くらいかなと思います。

――その内訳は

 できたのは、自分の持ち味を出すというところ。ランができたりとか、コンバージョンキックを決められたりとか。あとの40点は、前半特に焦ってしまって、ボールキャリーの数が多くなったり、FWやSHとのコミュニケーションが取れていなかったりしたところがマイナスかなと。

――相手との間合いがないポジションでしたがいかがでしたか

 (相手との)間合いはいつもやっているポジションより近かったですが、そこはあまり気にせず、自分がボールを持った時の相手の位置や味方の位置を見て判断できていたと思います。試合中、(立ち位置が)少し浅くなったこともありましたが、そこは修正できたのでよかったと思います。

――SOの経験は

 高校2年生の時に1度だけやらせていただきました。SOをやっていた時期はちょうど試合がない時だったので、試合は1試合だけです。

――キックを担いましたが、負担はありましたか

 キックの面は普段絋(吉村)がずっとやっていますが、絋がけがをしていなくなった時を想定して普段から練習していたので、緊張することはあまりなかったです。

 

関東大学対抗戦
早大 スコア 筑波大
前半 後半 得点 前半 後半
38 12 10 12
50 合計 22
【得点】▽トライ 宮武、丸尾、平井、田中、小林、坪郷、古賀2▽ゴール 河瀬(5G)
※得点者は早大のみ記載
   

早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
久保 優 スポ4 福岡・筑紫
  後半22分交代→17横山    
宮武 海人 政経3 東京・早大学院
  後半22分交代→16川﨑    
小林 賢太 スポ3 東福岡
  後半14分交代→18阿部    
桑田 陽介 スポ3 愛知・明和
  後半39分交代→19鏡    
下川 甲嗣 スポ4 福岡・修猷館
坪郷 智輝 法4 埼玉・川越東
村田 陣悟 スポ1 京都成章
◎丸尾 崇真 文構4 東京・早実
  前半32分交代→20田中    
小西 泰聖 スポ2 神奈川・桐蔭学園
  後半24分交代→21河村    
10 河瀬諒介 スポ3 大阪・東海大仰星
11 古賀 由教 スポ4 東福岡
12 平井 亮佑 スポ4 福岡・修猷館
  後半34分交代→22安部    
13 長田 智希 スポ3 大阪・東海大仰星
14 槇 瑛人 スポ2 東京・国学院久我山
  後半21分交代→23河瀬    
15 南 徹哉 文4 福岡・修猷館
リザーブ
16 川﨑 太雅 スポ1 東福岡
17 横山 太一 スポ3 東京・国学院久我山
18 阿部 対我 社3 東京・早実
19 鏡 鈴之介 法2 東京・早大学院
20 田中 智幸 政経3 東京・早大学院
21 河村 謙尚 社3 大阪・常翔学園
22 中西 亮太朗 商3 東京・早実
23 安部 勇佑 スポ4 東京・国学院久我山
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
 
関東大学対抗戦Aグループ得点表(11月7日現在)
チーム 勝ち点 試合 得点 失点 得失 トライ
早大 20 5 5 0 0 258 84 174 40
明大 16 5 4 0 1 200 55 145 31
帝京大 12 4 3 0 1 303 72 231 44
慶大 12 4 3 0 1 184 47 137 27
筑波大 8 5 2 0 3 138 163 -25 19
日体大 4 5 1 0 4 47 268 ‐221 7
青学大 0 4 0 0 4 57 283 ‐226 8
立大 0 4 0 0 4 34 249 ‐215 5
勝ち:勝ち点4、引き分け:勝ち点2、負け・不戦敗:勝ち点0、不戦勝:勝ち点4
 
関東大学対抗戦Aグループ星取表
  明大 早大 帝京大 筑波大 日体大 慶大 青学大 立大
明大

12/6 14:00

秩父宮

11/22 13:00

秩父宮

◯33‐17

◯不戦勝

●12-13

◯82‐10

◯73‐15

早大

12/6 14:00

秩父宮

◯45-29

◯50‐22

◯70‐5

11/23 14:00

秩父宮

◯47‐21

◯46‐7

帝京大

11/22 13:00

秩父宮

●29-45

◯54‐17

◯98‐10

12/6 14:00

熊谷

◯122‐0

11/8 14:00

上柚木陸上

筑波大

●17‐33

●22-50

●17‐54

12/6 11:30

熊谷

◯30-19

11/23 14:00

AGFフィールド

◯52-7

日体大

●不戦敗

●5‐70

●10‐98

12/6 11:30

熊谷

●0‐74

◯32-26

11/23 11:30

AGFフィールド

慶大

◯13-12

11/23 14:00

秩父宮

12/6 14:00

熊谷

●19‐30

◯74‐0

11/8 11:30

上柚木陸上

◯78‐5

青学大

●10‐82

●21‐47

●0‐122

11/23 14:00

AGFフィールド

●26-32

11/8 11:30

上柚木陸上

12/5 13:00

大和スポーツセンター

立大

●15‐73

●7‐46

11/8 14:00

上柚木陸上

●7-52

11/23 11:30

AGFフィールド

●5‐78

12/5 13:00

大和スポーツセンター

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、明大Gは明大八幡山グラウンド、上柚木は上柚木公園陸上競技場、大和は神奈川大和スポーツセンター競技場。