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水泳部

2020.11.03

第96回日本選手権 10月31日 東京辰巳国際水泳場

再び立ちはだかった学生王者――。後輩に託した悲願

TEAM 1P 2P 3P 4P
日体大 20
早大 10
▽得点者
田中4、樋爪3、都田2、土橋玄

 水球日本一を決める大会・日本選手権もついに最終日。2日目の準決勝で、社会人チームのKingfisher74に敗れた早大はこの日、3位決定戦に臨んだ。相まみえたのは、学生王者・日体大。日体大は、早大がこれまで何度も悔しい思いをさせられてきた因縁の相手だ。「勝って先輩たちの分までリベンジをしようと思い試合に臨みました」(田中要主将、スポ4=埼玉・秀明英光)。日体大とは9月の日本学生選手権(インカレ)準決勝でも対戦し敗れており、まさにこの試合がリベンジを果たす絶好の機会。田中を中心に並々ならぬ思いで挑んだ早大だったが、第1ピリオドで相手に3点のリードを許す苦しい立ち上がり。その後も強力な日体大の攻撃陣を前に早大は流れをつかめず、10-20で敗戦。またも王者の牙城を崩すことはできなかった。

 序盤に先制され迎えた第1ピリオド1分、田中が得意の角度からシュートを決め、すぐさま追いつく。しかしその後、相手に3連続得点を与えてしまう。早大は都田楓我(スポ1=鹿児島南)などのゴールで1点差まで追い上げるが、またも終盤に連続得点を奪われ、流れをつかめないまま3-6で第1ピリオドを終えた。第2ピリオドに入っても、日体大の勢いを止めることができない。3分間で4点を奪われ、相手に大きく突き放されるが、第2ピリオド終盤に早大が反撃。しかし点差を縮めるには至らず、7-13と6点差で前半終了。

最終戦でゴールを決めた土橋玄(教4=埼玉・秀明英光)

 「ディフェンス重視からの堅守速攻を考えましたが、相手の実力が勝り、こちらのペースに持ち込めなかった」(中嶋孝行監督、平13教卒=福岡工)と語るように、第3ピリオドも依然日体大ペースのまま試合は進行。田中、樋爪吾朗(スポ3=埼玉栄)、都田などといった早大の得点源が封じられ、なかなか得点を挙げることができない。一方のディフェンスも、日体大の高さを生かした、浮かせたパス中心の攻めに対応できず、失点を重ねていく。第4ピリオド終盤、田中がゴール右隅にシュートを突き刺し意地を見せるが、反撃には遠く及ばず。10-20でゲームセットとなり、早大は日本選手権を4位で終えることとなった。

この日チームトップの4得点を挙げた田中

 田中、土橋玄の4年生2人はこれで引退となる。2人にとってラストシーズンとなった今季は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で関東学生リーグ戦(リーグ戦)が中止になるなど、決して完全燃焼したと言えるものではなかった。しかし各自が自粛期間中にも鍛錬を積んだことにより、今季対戦した大学のうち日体大以外には全勝するなど、「充実した結果を残すことができた」と土橋玄は言う。また早大は今年1月に、①リーグ戦2位以上、②早慶戦勝利、③インカレにおいてシード権獲得、④日本選手権出場、の4つの目標を掲げ、中止となったリーグ戦を除いてその他の目標は全て達成した形となった。その要因を田中は、「後輩たちが主体的に練習してくれたから」と語る。自分ではなく周りを第一に考える、この主将の謙虚な思いが後輩を動かし、チームを躍動させ、インカレ3位、日本選手権4位という輝かしい結果をもたらしたに違いない。「後輩たちに日本で最もレベルの高い大会でメダルをプレゼントしてあげたいという気持ちで臨んだ」(田中)。「日本選手権ではメダル獲得を達成してほしい」(土橋玄)。4年生2人の悲願は後輩へ――。「今年の4年生が残した成績を1つでも上回れるように」(樋爪)。田中、土橋玄と攻守の柱とも言うべき活躍を見せてきた2人が抜ける早大が、来年どのような戦いを見せるのか。早大はまた新たな一歩を踏み出そうとしている。

(記事 長村光、写真 日本水泳連盟提供)

コメント

  

中嶋孝行監督(平13教卒=福岡工)

――今日の試合、どのような戦略で臨まれましたか

得点源はある程度絞れているので、その点をチームでケアすることなどを考えていました。

――試合の総括をお願いします

ディフェンス重視からの堅守速攻を考えましたが、相手の実力(特に個々の実力)が優り、こちらのペースに持ち込めなかったと思います。

――ハーフタイムではどのような言葉をかけたのでしょうか

ディフェンス、攻撃両面で上手くできていない点の修正と個人的にできていない点を確認しました。

――4年生はこれで引退となりますが、どのような代でしたか

4年生男子は2人で、2人とも高校からのチームメイトでしたし、マネージャーの野本さんも含め仲の良さが全体のチームワークにも反映されていたのではと思います。コロナ禍においてチームの戦術面から目標への意思統一など大変なこの数ヶ月を見事に乗り切ってくれた、頼もしい代でした。

――これから新チームとなりますが、どのようなチームを目指していきますか

先代の良き点を踏襲しながらも、樋爪新主将を中心にチームの良き点がハイブリットされた進化したチームの形を模索しながら、最後には笑顔で終えるようにしたいですね。

田中要主将(スポ4=埼玉・秀明英光)

――日本選手権最終予選会を1位で通過し、見事本戦出場を決めました。その時の心境を教えてください

「日本選手権出場」はチームで掲げていた最後の目標でした。安堵感と選手権でメダルを取る為に残りの1ヶ月を頑張っていこうと思いました。

――今日が学生最後の公式戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

日体大に勝利して、メダルを獲得したかったです。今日は15年の水球人生を締め括る試合でした。長かった水球人生を有終の美で終わりたいという想いもありました。しかし、それ以上に後輩たちに日本で最もレベルの高い大会でメダルをプレゼントしてあげたいという気持ちで臨みました。

――相手は日体大でしたが、何か特別な思いはありましたか

日体大には、大学1年の頃から苦渋を舐めさせられ、先輩たちが涙を飲むのを間近で見てきました。このような経緯もあり、勝って先輩達の分までリベンジをしようと思い試合に臨みました。

――今日の試合を振り返っていかがですか

第1ピリオドから早稲田の持ち味であるディフェンスを崩され、試合全体の流れを持って行かれてしまいました。オフェンスでは得点源のプレーヤーを封じる作戦にはまってしまいました。終始早稲田のやりたいことができない試合となってしまいました。

――今年度は4つの目標を掲げ、中止となったリーグ戦以外の目標は達成した形となりました。その点はいかがですか

掲げた目標を全て達成できたのは後輩達が主体的に練習してくれたからだと思います。昨年の10月に開催された新人戦では慶應大学に大差での敗北を喫し、今年は厳しい年になるだろうと覚悟していました。しかし、後輩達が練習中に指摘されたことを受け止め、克服するために練習後の自主練習を一生懸命取り組んでくれました。この様な姿があったから目標を達成できたと思います。後輩達には感謝しています。

――ラストシーズンがイレギュラーな日程となり、順風満帆なシーズンではなかったと思います。そこを含めて、改めてどのような4年間でしたか

多くの人に支えられた4年間でした。今年はコロナの影響で3ヶ月ほど各々の実家で自主練習をしている期間がありました。部活動再開の目処も立たず、大会も開催されるか定かでは無い中、毎日トレーニングする事に抵抗を感じる部員も多かったと思います。そんな中で、自分に鞭を打ち毎日妥協せず練習してくれた後輩やそれを支えて頂いていた親御さん、土日の練習や大会に来て頂いた、スタッフの方々に感謝しています。また、コロナの影響で大会を断念している競技も多い中、徹底した感染対策の元、大会を運営して頂いた方達にも感謝しています。

――最後に、後輩に向けてメッセージをお願いします

伝えたいことは最後のミーティングで伝えることができました。今の1、2、3年生なら今年よりもいい結果を残すことが出来ると思います。頑張ってください!

土橋玄(教4=埼玉・秀明英光)

――今日が最終戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

最後の試合ではありましたが、特に意識はしていませんでした。試合の時はいつも通りを心がけているので今回の試合でもそこは変わりませんでした。ただ、このチームでプレーするのが最後だと思うと少し寂しくなっていました。

――今日の試合を振り返っていかがですか

個人的にはもっとディフェンスで貢献したかったです。周囲のカバーなどもっと視野を広げてディフェンスができていれば、失点を減らすことができたのではと痛感しています。しかし、早稲田らしい個の強さを要所要所で出すことができた試合だったと思います。

――これで引退となりますが、今のお気持ちは

特に大きな怪我などもなく、無事に終えることができたのでほっとしています。また、今シーズンの目標を全て達成することができたことなど非常に充実していたと感じています。

――インカレ、日本選手権ともに日体大に阻まれる形となりました。その点はいかがですか

まず、今シーズンの敗戦は、日体大とそのOBチームでもあるKingfisher74の3敗だけでしたので悔しいですね。彼らは絶対的な練習量、泳力など素晴らしく偉大なチームであったとリスペクトしています。今年は勝つことはできませんでしたが来年は勝ちにいくと後輩たちは意気込んでいましたので期待しています。特に塩原柊(政経2=東京・早大学院)には注目して欲しいです。来年の鍵を握っています。

――早大で過ごした4年間はどのような4年間でしたか

4年間をここでうまくまとめることは難しい、それほど濃いものでした。その中でも寮生活が1番印象に残っています。早稲田にはトップレベルの選手から高校や大学から水球を始めた選手など様々ですが先輩、同期、後輩と一緒に暮らしていたことで早稲田の持ち味でもあるチームワークの良さにあらわれていると感じています。とにかく、寮生活はばり楽しいですよ。水球の面では、悔しい思いをした時の方が多かったですが、その経験があったからこそ今年の結果に繋がったのだと思いますのでこれまでの先輩方には感謝しています。ありがとうございました。

――最後に、後輩に向けてメッセージをお願いします

良い意味で今年の事は忘れて欲しいです。たしかに今年は幸いにも充実した結果を残すことができましたが、そこで満足をして欲しくはないのです。具体的に言うとインカレ優勝、日本選手権ではメダル獲得を達成して欲しいです。さらに、日本水球界を牽引するKingfisher74やブルボンWPC柏崎などのチームでプレーする選手が出てきて欲しいと願っています。本当に頼もしい後輩たちなのであまり心配はしていません。勝敗はもちろん大切ですが、納得のいくかたちで大学水球を終えることが1番なので後悔をしないようにね☆と伝えたいです。応援に行ける日を楽しみにしています。私たち4年生についてきてくれてありがとう!

樋爪吾朗(スポ3=埼玉栄)

――勝っても負けても4年生が引退するという試合でしたが、どのような気持ちで臨まれましたか

日本学生選手権や日本選手権最終予選でも負けたら最後という気持ちで全力で試合に臨んでいましたが、本当の最後となると余力を残すことなくプレーすることが4年生やチーム、無観客試合となり最後の勇姿を直接みることができなかった保護者の為に出来ることだと思い、全力でプレーをするとともに最高の舞台を楽しみました。

――今日の試合を振り返っていかがですか

日本学生選手権の反省を生かして、戦術を練ったのですが、思う様なゲーム展開が出来ず、修正できないまま常に追う形になってしまった。

――日本選手権では、高校王者、昨年覇者、そして学生王者、と様々な相手と対戦されました。ご自身の中で何か収穫はありましたか

日本一大きい大会で4位になったという目に見える結果からの自信だけでなく、日本代表が在籍する昨年覇者にも個人技術で通用する部分があり自信をつけることができました。しかし、日本代表選手と対戦して多くの面で劣る部分があったので、これからのオフシーズンの課題としてトレーニングを積んでいきたいと思います。

――4年生への思いを教えてください

寮や練習など3年間の生活を通して、とてもお世話になりました。競技面ではお手本の様なプレーをして、生活面では信頼が厚く、常に優しく尊敬する先輩でした。

――来年は最高学年としてチームを引っ張っていく立場になりますが、チームとしての目標はありますか

今年の4年生が残した成績を1つでも上回れる様に、また0からスタートをしていきます。