メニュー

アーチェリー部

2020.11.01

第62回全日本ターゲット選手権 10月31日・11月1日 愛知・岡崎市龍北総合運動場

独特の緊張感のなか、北海道出身コンビが健闘!

 中学生から社会人まで全国の強豪が集うアーチェリー界日本最高峰の戦い、全日本ターゲット選手権(全日)。ことしは愛知県岡崎市にて開催された。早大からは男子2名、女子4名が出場し、全員が予選突破を目指し奮闘したが、決勝ラウンドへの進出を果たしたのは中村美優主将(スポ3=北海道・旭川北)と棚田歩(スポ4=北海道・帯広三条)の2名。だが、棚田は1回戦で、中村は2回戦で姿を消す結果に。全国の壁は高く、おのおのの課題が浮かび上がる大会となった。

 初日に行われた、72射の合計点数で競う予選ラウンド。2週間後に行われるナショナルチーム選考会の出場にも関わる試合であっただけに、一層の緊張感の中でスタートした。全日は初出場であった高橋優(社2=岐阜・聖マリア女学院)も「周りに強い選手ばかりいたので雰囲気に飲まれたような、体が重い感じの緊張でした」と独特の雰囲気に苦戦。「引き手の肩を痛めていた」(市川遼治、スポ4=群馬・高崎商大付)と調子が上がらないまま臨むこととなったり、「自分の射ち方かと思いながらサイトを変えていたらあとで(中略)下に行く風だったと言われて」(髙見愛佳、スポ1=東京・足立新田)と試合中に時折強まる風への対応に苦慮する選手など、早大勢はなかなか本来の実力を発揮できない。例年は予選を通過していた市川、矢原七海(スポ2=福岡・柏陵)も今回は点数を思うように伸ばせず。その中でも安定して高得点を出し、決勝ラウンドへ進出したのが棚田、中村の2名だった。

初出場となった全日で行射する高橋

 決勝ラウンドは1対1のトーナメント方式。初戦の1/16イリミネーションラウンドでは、棚田は奥村礼矢(星槎国際高)と対戦したが「どこかしっかりスイッチが入っていなかった」と的の黄色部分にまとまらない射に苦笑い。セットカウント1-5と追い込まれてから2ポイントを取り返したものの、追いつけずに敗戦を喫した。一方の中村は、昨年のインカレ(全日本学生個人選手権)王者で東京五輪代表最終選考会の5名にも選ばれている近畿大学の山内梓との対戦。「明らかに格上だと思って」臨んだというが、両者とも譲らずポイントを取り合う展開に。最後まで外さず安定した射を見せた中村が、6-4で勝利を収めた。続く1/8イリミネーションラウンドでの相手は、この大会の前年度王者である入江優(淳風会健康管理センター)。中村はしっかりと時間をかけて矢を放ち、0-4から同点に追いつく粘りを見せた。しかし最後は「8点(の射)がなくならなかった」と1点差に泣き、第5セットを落としてしまう。シュートオフに持ち込めず、ここで姿を消すこととなった。

1/8イリミネーションラウンドで入江と対戦する中村主将(写真左)

 トップ選手が集まるレベルの高さを痛感した今大会。各選手とも本調子であれば予選通過は見込めていただけに悔しさは残る。しかし、出場するだけでなく、ナショナルチーム選考会に参加できるレベルの選手が早大チーム内にいることは大きな強みだ。チーム全体を底上げするための一翼を担うことは間違いない。来年、それぞれのアーチャーが同大会でリベンジを果たすことはもちろん、持ち帰った課題をチームで共有し、団体戦での戦いにつなげていきたい。

(記事 朝岡里奈、写真 布村果暖、大滝佐和)

結果


▽男子

◇予選ラウンド  ※上位32名が決勝ラウンドへ進出

棚田 12位 657点

市川 61位 623点


◇決勝ラウンド

1/16イリミネーションラウンド

●棚田 3-7 奥村礼矢(星槎国際高)


▽女子

◇予選ラウンド  ※上位32名が決勝ラウンドへ進出

中村 22位 622点

矢原 43位 600点

髙見 52位 592点

高橋 66位 553点


◇決勝ラウンド

1/16イリミネーションラウンド

〇中村 6-4 山内梓(近大)


1/8イリミネーションラウンド

●中村 4-6 入江優(淳風会健康管理センター)


コメント

中村美優主将(スポ3=北海道・旭川北)

――試合を終えて率直な感想をお願いします

もう少し、できたこととかやらなきゃいけないことがあったんじゃないかなというのが、一番の感想です。

――今大会の目標は

まず1日目に、ナショナルチームの選考がかかっていたので、それを通過しようと思っていました。今日(2日目)のトーナメントは、ベスト8に入ろうと思って臨んでいました。

――昨日の予選は、調子が良いように見えましたが、35点のエンドもありました

昨日は野村コーチ(野村翼、平31スポ卒=愛知・岡崎北)にずっとついていただいて、ぽんぽん射てていたかなと思います。でも途中から風もだんだん強まってきて、自分の弱点である取りかけが滑ってきてクリッカーが切れなくなって、エイムオフと取りかけ両方を気にすることができなくなってしまって。自分の中で少しパニックではないですけど、風もあるのにどうしたらいいんだろうという感じになって、うまく切り替えられなくて、そのエンドは痛かったかなと思います。

――今日の1回戦は、両者高得点で拮抗(きっこう)していました

(相手は)オリンピックの代表になるかもしれないという方で、明らかに格上だと思って臨みました。後ろで遠藤さん(遠藤宏之監督、平4政経卒=東京・早大学院)とかが見ていてくださったり、昨日も試合が終わってから指導者の方にアドバイスをいただいたりして、自分のやるべきことは最低限できたかなと思います。

――2回戦はいかがでしたか

(相手は)前年度の優勝者で、私は昨日の予選でナショナルチームの選考会は同点でおそらく行けないとなっているのですが、そのときの同点の方で。自分の中で、因縁ではないですがそういうものを感じながら臨みました。相手ももちろん全然外さない中で、私の射が8点がなくならなくて、どうしても自分のミスがなくせなかったかなと思います。

――今日の課題点は

昨日と同じで取りかけはあまり良くなかったです。永遠に一射目が8(点)で、練習しなきゃなと思います。

――天気は選手の調子に影響を及ぼすのですか

あります。公式練習もひどい風で、立ってフラフラするとみんな言っていました。今日はほぼ風がなかったので射ちやすかったです。だからみんな矢が中心に集まるので、外したら負けるという感じでした。

――中村選手は、他の選手と比べて射つまでにより長く時間をとっていました。その理由はあるのですか

風もある状況なので、本当は他の選手みたいに時間を短く射った方がいいのは分かっているのですが、緊張もする試合なので「絶対に決めるぞ」となるまでに時間がかかるというか(笑)。時間に追い詰められて「絶対に入れる」となった方がどうしても当たる気がして。良い言い方をすれば、気持ちを作っている時間という感じですね。(射つタイミングが相手と)被っちゃうのを避けているのもあります。私はそういうミスをしやすいので(笑)。

――今後への意気込みをお願いします

まずは、近い目標である早慶戦は、70メートルのエイト戦になったのでしっかり勝ち切っていきたいなと思います。来年のリーグ戦、王座に向けては、今自分の弱点がはっきりしている状態なので、しっかり調整を重ねていきたいと思います。


市川遼治(スポ4=群馬・高崎商大付)

――今大会の目標は

最近試合が入る予定だったんですが、それがキャンセルになってしまったりしてこの試合前の調整用の試合が取れなくて、最近の練習量で実際の試合で何点射つのかが分からない状況だったので、今回は目標点というよりかは自分の射ち方に集中しようという感じでした。射ち方としては今回の目標的には押しの肩を下ろす、押すといった押し手側をしっかり意識しようと思ってやっていたんですが、昨日の時点からどうもうまくいかなくて、無理に引っ張った結果引き手の肩を痛めてしまって。ここ1週間くらいで最初は(肩が)張ってるなと思っていたんですが、この試合はけっこう張ってるというよりかは痛いかなというくらいで。それを意識しながら射っていたらぼろぼろになってしまって、耐えられなかったなという感じでした。

――意識はしたものの点数につながらなかったという感じでしょうか

そうですね、最後まで意識はしていたんですが、自分の意識と体の動きが連動していなくて。意識以上に体がうわぞったりですとか、思うようにいかないことが多くて最後までずるずるとうまくいかないまま終わってしまったという感じですね。

――今日良かった点を挙げるとするならどのような部分ですか

自分なりにこの2日間で意識してもうまくいかない、じゃあ射ち方を変えてみよう、と今の自分の良くない射ち方の中でも、ラインを通すということを意識してできたとは思います。

――次の試合は早慶戦になりますか

そうですね、2週間後なんですが、今回の結果で大丈夫かなという心配はあります。70メートルでショートハーフよりは好きな距離ではありますが、けがとは言わないんですが体力的にも技術的にも最近落ちている傾向があるので、その中で今回反省していたことはしっかり解消していきたいかなと思います。


棚田歩(スポ4=北海道・帯広三条)

――今大会を振り返っていかがですか

今回の全日本選手権は、このあとあるナショナルチームの選考会の申請に使う点数が(予選で)かかっていたので、どちらかというとそこをメインで考えていました。その面ではまだ正式な結果は出てませんが今のところ選考会に通れそうなので、予選の点数はとりあえず良かったかなという印象です。逆にトーナメントはそれが一安心したせいで1回戦でまた負けてしまったので、反省もあるという感じです。

――予選について、序盤は首をかしげるような場面も見られましたが、徐々に納得の表情が見られました。感覚などはいかがでしたか

最初はそれこそ選考会の点数がかかっていて2週間前くらいから緊張していて。でも前日から急に落ち着いて、緊張が一周していけるなと思っていたんですが、本番始まったら気持ちはそれほどでしたが体が緊張していて。硬くなるし足も震えるしという感じで最初はちゃんと的を狙えなくて。それで最初なかなか当たらなかったんですが、1回いろんな人に後ろからアドバイスをもらったりして立て直すことができてからは、気持ち自体は落ち着いていたので自分のいつも通りで射てたという感じですね。

――点数についてのご自身の評価はいかがですか

今回の試合は選考会の点数のためにも660点以上は欲しいなと思っていたので、660点に届かなかったことは悔しいんですが、この緊張した場面で落ち着いてそれなりの自分の点数を射てたという点ではよかったかなと思います。

――今日のトーナメントは振り返っていかがですか

昨日で一安心してしまったのが大きくて、その面で気持ちが緩んだというか。集中していなかったわけではないんですがどこかしっかりスイッチが入ってないというか。今日のトーナメントもずっと1射目を外していて、緊張はせず落ち着いてたんですがちゃんと当て切れてないというのがずっと続いていたという感じでしたね。

――今回の収穫でいえばどのような点でしょうか

それこそ予選だったら緊張した場面でもそれなりに自分の射ち方ができて、自分の点数に持っていけたというのは良かったと思っています。

――次の試合に向けてどのように調整していきますか

次はおそらくナショナルチーム選考会になるんですが、72本2回が2日間あってまずこの1週間は本当に体力が必要なので、本数をたくさん射って体力をつけるのをメインにして、その場面でも当てきることが必要なのでしっかり点数も取りながら調整してきたいです。


高橋優(社2=岐阜・聖マリア女学院)

――今回が全日本選手権初出場でしたが、いかがでしたか

ドキドキする緊張ではなく、周りに強い選手ばかりいたので雰囲気に飲まれたような、体が重い感じの緊張でした。点数は最近の練習で射てたのと同じくらいで。ちょっと調子が落ちていたのを上げ切れなかったという感じでした。体の動きもすごく悪く気持ちも落ちていて、苦しかったです。

――一番の反省点はどんな部分ですか

弓を引いているときの風が、背中からの、的に向かって右から来る風だったのですが、左利きの私としては受けにくいもので。それをいやだなと思ってしまったのがそのまま暗い気持ちで進むきっかけになってしまいました。風自体はそこまで強くなかったのですが精神的にけっこう影響しました。

――その中でも良かった点はありますか

6本射ち終えて矢取りから戻って来たときは切り替えて、「次の6本頑張ろう」と思えたので、引きずらなかったとは思います。

――今後の目標は

部内戦の後に早慶戦があり、それは70メートルの試合なのでリベンジということで、気持ちの持っていき方をしっかり反省して次に生かしたいと思います。


矢原七海(スポ2=福岡・柏陵)

――今日の目標は何でしたか

予選通過でした。でも達成できなかったので、来年出直します。あとはポーカーフェイスとか、楽しもうというのはいつも通り心掛けていました。1エンド目に大きく外してしまってそこからは本当にすごく気分が下がってしまったのですが、そんなふうには見えなかったと他の人から言われたので、楽しみはできませんでしたがポーカーフェイスはできたかと思います。

――最近の調子はいかがでしたか

インカレ(全日本学生個人選手権)の後はずっと悪くて。不安だし点数も出ないしでめちゃくちゃ練習してきたのですが、それが良かったのか悪かったのか。ただ風がある中で600点が出たのは、低いですが、今の自分の調子としてはできた方かなと思います。

――それでも途中9点に固まり、55点をマークするエンドもありました

びっくりしました。粘れました。今回は最後まで諦めなかったという点は良かったかなと。高校生のときとかは結構投げ出してしまったこともあったんですが、今日は最後までしっかり射てたので良かったです。

――早立定期戦はショートハーフでしたが、どのように調整してきましたか

早立戦は公式戦ではないし自分の中ではやはり全日本選手権に重きを置いていたので、早立戦のショートハーフを射たなきゃいけないときだけ射って、あとは試合の前日に調整するぐらいで、他は70メートルというふうにしていました。

――今後の目標をお聞かせください

今年は70メートルの公式戦はもう終わりで、コロナでブランクはあったのですが、来年は緩和されると思いますし、3年生にもなるのでもっと強くなって、しっかり点数を出します。


髙見愛佳(スポ1=東京・足立新田)

――今大会の目標は何でしたか

今年で全日は3回目の出場なんですが一度も予選を通ったことがなくて、予選通過を目標にしていました。

――目標達成への自信はありましたか

例年が620点くらいがボーダーで、620くらいだったら練習でも記録会でも普通に出していた点数だったので今年は正直行けると思っていたんですが、前半が案の定当たらなくてだめでした。練習もそこまで悪くなくていけると思っていた部分もあっただけに悔しさはあるんですが、なんだか終わった感じがなくて実感があまり湧いていないです。

――前半が当たらないというのはどういう原因が考えられるでしょうか

いつもなんですが、最初に外してしまうという考え方が頭にあって。毎試合最初の2エンドが悪いんですがそれをずっと克服できていなくて頭にあるので、今日はそんなに緊張していなかったんですが硬くなって結局当たらないという感じでした。

――これまでの調子は悪くなかったということでしょうか

調子は良くはなかったんですが、1週間前に射ち方を変えてまっすぐ強く射つ感覚がいい感じにつかめてこの試合に来ていました。なのであまり不安はなかったんですが、まだ甘かったですね。

――射ち方はどのような部分を変えたのですか

それこそ(中村)美優さんや野村(翼)さんに言われたのですが、グリップを深く入れるのと、押し手が最終的に逃げちゃうので最初から逃がしておいたら肩が、押しが楽になって。もともと押し重視の人間だったので押し手がしっかり使えるようになって、射った瞬間にまっすぐ射つ感覚が結構よかったので変えたんですが、今日は当たらなかったです。最初はずっと強く射っているのに下に行ってて、ずっと自分の射ち方かと思いながらサイトを変えていたら、あとで前の監督さんに聞いたら下に行く風だったよと言われて・・・。気にしなきゃよかったと思いました。難しかったです。

――今日は引き戻す場面がよく見られましたが

伸びてるつもりが、伸びてるんじゃなくて力が入っているだけになっていて。結局そこで止まっているだけになってしまって、きつくてきつくて引き戻すしかなかったです。

――では見つかった課題というのは

それこそ力が入っちゃって射てないというのが一番の課題で。あとは試合の最初の入り方の考え方を変えていかないと絶対これからも当たらないので、それを頑張って変えていきたいと思います。

――最後に今後の目標や意気込みをお聞かせください

最終的な目標としては大学の団体としては王座(全日本学生王座決定戦)で、もちろんそれに懸けている部分があるのでそこに合わせていくのと、個人は1年後また選考会があるのでそれに向けて点数を上げていこうと思います。