ラグビー部
2020.10.26
練習試合 対明大B 10月25日 東京・上井草グラウンド
早大Bは明大Bに敗戦 課題の残る結果に
寒空の下、両チームの選手のみが見守る中、早大Bは明大Bと対戦した。「自分たちはBチームの早明戦ですが、やはりAチームの早明戦につながっていく試合」。CTB高木樹(法4=大阪・早稲田摂陵)が語るように、Bチームの選手のアピールの場としても、明大を宿敵とする早稲田大学ラグビー蹴球部としても、ただの練習試合とは言えないこの一戦。開始13分で先制のトライを得るものの、その後セットプレーから立て続けにトライを奪われてしまう。後半になりメンバーが大きく入れ替わっても、悪い流れは断ち切れず、得点を重ねられ、ノーサイド。14―39で敗戦した。
ジュニア選手権や練習試合が新型コロナウイルスの影響で中止となり、明大Bとは今季初めての対戦。序盤は自陣でディフェンスする時間が長かったものの、前半13分、WTB安部勇佑(スポ4=東京・国学院久我山)が左サイドから抜け出し、SH河村謙尚(社3=大阪・常翔学園)につなぎトライ。「BKのみんなが(ディフェンスの裏に)抜けてくれたので、ありがたかった」(河村)とBKの連携で先制する。しかし、ラインアウトからモールという流れで続けて2本のトライを決められ、逆転を許してしまった。それから、およそ20分間、得点の動かない膠着(こうちゃく)状態が続き、7−12で試合を折り返す。
アタックするCTB竹下日向(教3=神奈川・桐蔭学園)
後半になっても思うようなプレーができない早大は、中盤でボールを回すが、得点にはつながらない。後半17分、安部のインターセプトからトライ。反撃の気運が高まるが、それ以降のラインの揃ったディフェンスにより、前に出ることができない。徐々に点差は開いていき、このままノーサイドかに思われた。しかし、試合終了間際、敵陣でボールを持つ機会を得る。ここは取り切りたい早大であったが、4分間にも及ぶアタックの末、最後は自身のパスミスで試合終了のホイッスル。14−39と課題が残る結果となった。
この日トライを奪取した安部
「自分たちのやりたいことができていた」。ゲームキャプテンであった高木はそう振り返る。37人もの選手が出場したこの試合。数少ないチャンスの中でどれだけアピールができるか。チームとしては来週、関東大学対抗戦1つ目のヤマ場である帝京大戦が控えている。Aチームの練習相手であるBチームのメンバーの成長が、早大躍進の鍵を握っているのは間違いない。
(記事 内海日和、写真 初見香菜子)
コメント
CTB高木樹(法4=大阪・早稲田摂陵)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前半に関しては前に出てプレッシャーをかけることができ、自分たちのやりたいことができていたのですが、ペナルティーが多かったせいで良いディフェンスをしても結局自陣に返されてスコアをされてしまう展開があったので、ペナルティーを減らすことが課題だと感じました。
――どのような気持ちで今日の試合に臨まれましたか
自分たちはBチームの早明戦ですが、やはりAチームの早明戦につながっていく試合だと思っていたので、どれだけ前に出てプレッシャーをかけられるかというのをチーム全体で共有して意識を持って臨みました。
――ゲームキャプテンとして出場されましたが、意識したことはありますか
チームを一つにしてチーム全体で戦いたいと思っていて、前日からそのように話していたのですが、ペナルティーが多くなってきたときにリーダーシップを取れずまとめることができませんでした。後半メンバーが代わって各個人が攻め込まれたときにどんどんバラバラになってしまったので、そういう点でリーダーシップが足りなかったと思いました。
――個人的に修正すべき点はありますか
CTBとSOとして出場したのですが、前に出られるシーンはかなりあったものの、タックルのシーンで受けてしまいました。(相手を)倒せてはいるのですが相手側に前向きに倒せない。早稲田でいう『グッドタックル』ができていないところが、CTBとしての課題です。SOは久しぶりだったのですが、ゲームコントロールなど課題だらけだと思うので、今日の映像を観てしっかり修正したいと思います。
――関東大学対抗戦が続きますがどのようなシーズンにしたいですか
今シーズンはまだ出場できていないので、まずAチームとして試合に出ることが目標です。今日もそのためのアピールの場ですし、練習からどんどん引っ張っていって、対抗戦、全国大学選手権、そして最後の舞台まで出場して活躍したいと思います。
フッカー川﨑 太雅(スポ1=東福岡)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
チームとしては前に出てディフェンスができたので良かったと思うのですが、前に出る意識があったのにペナルティーで下げられた場面があったので、そこは修正していきたいと思います。個人としては、大学に入ってからスクラムの点で高校との違いを感じていたので、明治と少しは対等にプレーできたのかなと思います。また、フィールド面ではアタックが全然ありませんでしたが、ディフェンスでタックルを外された場面があったので、そこは自分がもっと力をつけていかなければいけないと実感しました。
――高校と大学で一番何が違うと感じますか
個人的にはやはり(自分が)スクラムの前3人なので、スクラムの強さや技術の差が大きく違うと思います。
――今日の課題を挙げるとすれば何ですか
ディフェンスの面でコミュニケーションが不足していたところと、相手に圧をかけるようなスクラムを組めなかったところが反省点だと思います。
――スクラムで修正する点はありますか
足が伸び切って押せない状態になっているので、もっと足を前に出してもうひと踏ん張りできる足の位置にしたいと思います。
――対抗戦初出場はいかがでしたか
15分ほどの短い時間だったのですが、僕はずっと福岡でプレーしてきて、大きなビルに囲まれた憧れの秩父宮ラグビー場(での試合)だったので、緊張もしたけれど試合に出るのが楽しみという気持ちの方が大きかったです。
――これからどのようなシーズンにしていきたいか意気込みをお願いします
僕の強みとして、フロントの3枚の中でフィットネスがある方だと思っているので、もっとフィットネスを生かした早いセットをしたいです。また、僕自身あまりラグビーが上手なわけではないので、泥臭いプレーなどでチームの縁の下の力持ちとしてプレーしていけたらと思っています。
SH河村謙尚(社3=大阪・常翔学園)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
チームとして前に出ようという話をしていて、そこはみんな気持ちを入れてできていたと思います。自分たちが主導権を握る時間帯もありましたが、自分たちの反則で苦しむことがあったので、そこは反省点かなと思います。
――今日の課題を挙げるとすれば
レフリーによって反則の取り方が変わってくると思うので、しっかりコミュニケーションをとって自分たちが反則しないようにできたらと思います。
――トライシーンを振り返って一言お願いします
みんながいいボールを出してくれて自分もボールを動かしやすくなったので、そこはよかったです。あとはBKのみんなが(ディフェンスの裏に)抜けてくれたので、ありがたかったです。
WTB今駒有喜(文2=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前半は結構うまくいって、自分もアタックなどができていたのですが、後半になって選手の入れ替えがあってから接点で前に出られずに失点を重ねてしまいました。そこが今後の課題だと思います。
――今日はどのような気持ちで試合に臨まれましたか
1番のライバルである明治との対戦だったので、圧倒するという意識で臨みました。
FB河瀬諒介(スポ3=大阪・東海大仰星)
――(10月17日に行われた慶大とのB戦について)どんな調整をして臨みましたか
腰のけがをしてしまい、そのリハビリをする中で帝京大戦前の試合には出たいと思っていたので、この(Bチームでの)早慶戦早明戦に標準を合わせて準備してきました。
――その2試合について、感触はどうでしたか
両試合ともに80分フルでは出場していませんが、早慶戦に比べて早明戦のほうが試合勘が取り戻せていたというか、自分の中で走れている感覚がありました。
――それぞれの試合を振り返って、チームとして感じたことはありますか
試合中、コミュニケーションが取れていない部分がまだあったのですが、日を重ねるごとにコミュニケーションが増えてきているので、現在はいい状態かなと感じます。
――どんな課題意識を持って慶應、明治との試合に臨みましたか
まず慶應戦は復帰戦ということで、最後に出場したのが3月のジュニア・ジャパンの試合で、そこからずっと試合をしていなかったので、試合勘を戻す部分を意識してコミュニケーションを取っていました。明治戦では、自分の中で試合勘が戻っていると感じていたので、自分から周りを動かしたりする部分をもっとやっていこうと思いながら試合に臨みました。
――実際に試合中に周りを動かすことはできましたか
そうですね、自分から発信してボールを動かすことができたので、できたかなと思っています。
――ディフェンスでもよいバッキングがありました
自分で走るしかないと思って走りました(笑)。トライを取られて苦しい状況になる中で、ここで止めないともっと苦しくなると思ったので、体が勝手に動いていました。
――帝京戦が迫ってきていますが
今年帝京さんは得点をたくさん取っていてとても調子がいいのですが、あまりそういうことは考えずに普段通りにやれたらと思っています。
――Bチームの早慶早明戦は調整という位置づけだったと思いますが、照準は帝京戦に合わせられていますか
そうですね、帝京戦にはしっかりと合わせられると思います。
練習試合 | ||||
---|---|---|---|---|
早大B | スコア | 明大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
1 | 1 | T | 2 | 5 |
1 | 1 | G | 1 | 1 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
7 | 7 | 計 | 12 | 27 |
14 | 合計 | 39 | ||
【得点】▽トライ 河村、安部 ▽ゴール 河瀬(1G)、竹下(1G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
---|---|---|---|
背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 小沼 宏太 | スポ3 | 茨城・清真学園 |
後半13分交代→23木下 | 2 | 川﨑 太雅 | スポ1 | 東福岡 |
後半0分交代→16大平 | |||
3 | 阿部 対我 | 社3 | 東京・早実 |
前半31分交代→17木村 | |||
後半19分交代→25黒田 | |||
4 | 桑田 陽介 | スポ3 | 愛知・明和 |
後半0分交代→18鏡 | |||
5 | 星谷 俊輔 | スポ4 | 東京・国学院久我山 |
後半0分交代→19高吉 | |||
後半28分交代→26山野 | |||
6 | 坪郷 智輝 | 法4 | 埼玉・川越東 |
後半0分交代→20小川 | |||
後半35分交代→27永嶋 | |||
7 | 小柳 圭輝 | 社3 | 東京・国学院久我山 |
後半0分交代→21植野 | |||
8 | 前田 知暉 | 社2 | 大阪・東海大仰星 |
後半13分交代→22宮下 | |||
後半35分交代→28淺沼 | |||
9 | 河村 謙尚 | 社3 | 大阪・常翔学園 |
後半0分交代→33佐々木 | 後半21分交代→36千年原 | ||
後半35分交代→35池本 | |||
10 | 金井 奨 | 人2 | 群馬・太田 |
後半0分交代→32田所 | |||
11 | 安部 勇佑 | スポ4 | 東京・国学院久我山 |
後半19分交代→30村岡 | |||
後半35分交代→31清水 | |||
12 | 竹下 日向 | 教3 | 神奈川・桐蔭学園 |
13 | ◎高木 樹 | 法4 | 大阪・早稲田摂陵 |
後半23分交代→38堀尾 | |||
14 | 今駒 有喜 | 文2 | 東京・早実 |
後半21分交代→29森谷 | |||
15 | 河瀬 諒介 | スポ3 | 大阪・東海大仰星 |
後半13分交代→34遠山 | |||
後半35分交代→37島田 | |||
リザーブ | |||
16 | 大平 純造 | 文4 | 東京・早実 |
17 | 木村 陽季 | 社3 | 東京・早実 |
18 | 鏡 鈴之介 | 法2 | 東京・早大学院 |
19 | 高吉 将也 | 教4 | 神奈川・桐蔭学園 |
20 | 小川 瑞樹 | 文3 | 東京・早実 |
21 | 植野 智也 | 法2 | 東京・早実 |
22 | 宮下 龍樹 | 人3 | 茨城・茗溪学園 |
23 | 木下 隆介 | 文4 | 東京・本郷 |
24 | 武内 陸 | 法2 | 埼玉・早稲田本庄 |
25 | 黒田 瑛大 | 社4 | 埼玉・早稲田本庄 |
26 | 山野 浩暉 | 文講4 | 東京・早実 |
27 | 永嶋 一光 | スポ4 | 福岡・修猷館 |
28 | 淺沼 黎 | 政経3 | 東京・青山学院 |
29 | 森谷 隆斗 | 商3 | 東京・早大学院 |
30 | 村岡 隆貢 | 人4 | 東京・国学院久我山 |
31 | 清水 竜成 | 教3 | 東京・早実 |
32 | 田所 賢汰 | 社4 | 埼玉・早稲田本庄 |
33 | 佐々木 奎介 | 社3 | 東京・早大学院 |
34 | 遠山 拓 | 教3 | 東京・国学院久我山 |
35 | 池本 暖 | 人3 | 愛知・千種 |
36 | 千年原 倭 | 文構4 | 東京・早実 |
37 | 島田 雄大 | 商4 | 東京・早大学院 |
38 | 堀尾 健太 | スポ3 | 茨城・茗溪学園 |
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院) |