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水泳部

2020.08.31

第92回早慶対抗大会 8月28日 東京辰巳国際水泳場

無観客の早慶戦 久々の実戦は上々の結果に

 4月初旬の日本選手権が中止になり、5ヶ月もの間大会に出場できていなかった部にとって待望の実戦が訪れた。練習ができない期間も1ヶ月ほどあり、新型コロナウイルス感染予防のため無観客で実施されるなど、例年とは異なる状況で臨んだ早慶対抗大会(早慶戦)。チームにようやく1年生も加わり、各々がきちんと成果を出して盤石の男子22連覇、女子14連覇を果たした。

無観客で実施された早慶戦

 部内での日本学生選手権(インカレ)の出場権争いもあり、チーム全体として「かなり大事にしてしっかり調整していた」(今井流星主将、スポ4=愛知・豊川)という今大会。その言葉通り、久しぶりの試合ながら、ベストを更新する選手も多かった。そんな中特筆すべき活躍を見せたのは、出場した男子100メートル平泳ぎ、男子200メートル平泳ぎの両方で3年ぶりに自己ベストを更新した大﨑威久馬(スポ3=神奈川・桐光学園)。欠点の克服に注力するあまり「自分の良さを見失っていた部分があった」(大﨑)という状態だったが、自粛期間を経て改めて「テンポの良い泳ぎ」を意識して練習するようになった。更にメンタルトレーニングや練習の仕方などでも全体的にアプローチを変更。その後練習でも良いタイムを出せたことで、今大会には自信を持って臨めたという。結果、今大会の出場両種目で1秒以上ベストを更新。男子200メートル平泳ぎで世界ジュニア記録を持つ佐藤翔馬(慶大)には及ばなかったものの、日本選手権の決勝やインカレの表彰台も十分狙えるところまで一気に飛躍した。

佐藤とレース後称え合う大﨑(右)

 また1月に男子4×50メートルフリーリレーで日本学生記録を更新したスプリンター陣は、調子が上がりきらない中ではあったものの村上雅弥(スポ3=香川・坂出)、伊藤新盛(スポ3=岐阜・中京学院大中京)、伊東隼汰(社3=東京・早大学院)がまずまずのタイムで1位から3位を独占。更にオープン参加の今野太介(スポ2=山形・羽黒)も自己ベストを更新して22秒台に突入し、インカレでの男子4×100メートルフリーリレー制覇にも期待を持てる結果となった。一方で早慶戦最終種目である男子4×200メートルフリーリレーは慶大に接戦を制され悔しい結果に。しかしメンバー入りした選手はいずれも個人では良いタイムを記録しており、特に1年生の菅野遼(スポ1=大分・佐伯鶴城)は「今年に入ってからタイムをかなり伸ばしている」(今井)そうで、個人で出場した2種目では着実に自己ベストを更新。昨年のインカレではA決勝に進めなかった男子4×200メートルフリーリレーだが、総合3位という男子部の目標のためには順位を上げていきたいところ。リベンジを果たせるか、注目したい。

 女子部は実施種目が限られるため、今年も専門種目とは異なるレースへ出場する選手が多く見られた。その中で佐藤千夏(スポ3=埼玉栄)、牧野紘子(教3=東京・東大付中教校)らは自身の強みも見せながら種目を制し早大の得点を積み上げる。また唯一の1年生である今牧まりあ(スポ1=長野・飯田)も躍動。競泳部門最初の種目だった女子4×100メートルメドレーリレーでは第4泳者として自由形を泳ぎ、早大の圧勝に貢献する。また個人種目の女子50メートル自由形では大会記録も更新する自己ベストを出し、女子100メートル自由形でも最初の25メートルから体1つ分抜け出し、自己ベストに0秒01と迫る好タイムでフィニッシュ。女子4×200メートルフリーリレーでも第一泳者を務め、1日で4種目に出場するタフな試合をこなした。身長175センチメートルとトップ選手の中でも恵まれた体躯が強みで、練習では男子にも引けを取らないスピードを見せているといい、今後の活躍にも期待の持てる早慶戦デビューとなった。

スプリンターとしてのポテンシャルが伺えた今牧

 今大会は新型コロナウイルス感染予防のため、初めて観客を入れずに開催し、例年のような声援は見られなかった。しかし一方でOBでオリンピアンの瀬戸大也(平29スポ卒=現ANA)や渡辺一平(平31スポ卒=現TOYOTA)なども出場し、部としても広報活動を活発に行ったことで昨年度に比べて「映像を通して見てくれる人は寧ろ増えたのではないか」(今井)と、新しい形式での試合は無事成功に終わった。10月初旬にはシーズンの締めくくりにも位置付けられるインカレが開催される予定だ。他大学の対抗戦は中止となった大会がほとんどであり、その中で「チームのために泳ぐという気持ちでできたことはインカレに向けて良い経験だったと思います」と今井。残り1ヶ月、チーム一丸となって突き進む。

(記事 青柳香穂、写真 日本水泳連盟提供)

結果

◇タイム決勝

男子50メートル自由形

村上雅弥 23秒03【1位】

伊藤新盛 23秒12【2位】

伊東隼汰 23秒24【3位】

今野太介 22秒93【OP】

須田悠介 23秒41【OP】

男子100メートル自由形

田中大寛 50秒16【1位】

伊東隼汰 50秒43【2位】

須田悠介 51秒44【4位】

菅野遼 50秒80【OP】

今野太介 51秒08【OP】

田中航希 51秒25【OP】

村上雅弥 51秒49【OP】

伊藤新盛 52秒09【OP】

男子200メートル自由形

蓑田圭太 1分50秒70【2位】

田中大寛 1分51秒37【3位】

田中航希 1分52秒35【4位】

菅野遼 1分52秒24【OP】

福岡清流 1分52秒31【OP】

古畑海生 1分53秒16【OP】

武井凜太郎 1分55秒53【OP】

男子400メートル自由形

蓑田圭太 3分57秒23【2位】

古畑海生 3分58秒22【3位】

田丸敬也 4分02秒56【4位】

武井凛太郎 3分59秒01【OP】

男子100メートル背泳ぎ

丸山優稀 55秒76【1位】

米山毅 56秒90【2位】

男子200メートル背泳ぎ

丸山優稀 2分02秒25【1位】

米山毅 2分04秒39【2位】

男子100メートル平泳ぎ

大﨑威久馬 1分00秒71【2位】

平河楓 1分01秒27【3位】

今井流星 1分02秒97【5位】

白石崇大 1分02秒37【OP】

男子200メートル平泳ぎ

大﨑威久馬 2分10秒14【2位】

平河楓 2分11秒54【3位】

白石崇大 2分12秒11【4位】

今井流星 2分15秒88【OP】

男子100メートルバタフライ

幌村尚 52秒35【1位】

峯野友輔 54秒70【2位】

浅野健 58秒50【6位】

男子200メートルバタフライ

浅野健 2分11秒04【2位】

男子200メートル個人メドレー

竹内智哉 2分01秒42【1位】

田丸敬也 2分04秒26【2位】

髙野大祐 2分06秒06【4位】

男子4×200メートルフリーリレー

早大(蓑田、田中航、菅野、田中大) 7分25秒89【2位】

男子4×100メートルメドレーリレー

早大(米山、平河、幌村、伊東) 3分40秒94【1位】

女子50メートル自由形

今牧まりあ 25秒94【1位】

常盤怜以 27秒64【2位】

女子100メートル自由形

今牧まりあ 57秒19【1位】

佐藤千夏 58秒52【2位】

常盤怜以 1分00秒14【4位】

女子400メートル自由形

佐藤千夏 4分19秒94【1位】

松浦優美奈 4分37秒26【3位】

中道穂香 6分04秒72【4位】

女子100メートル背泳ぎ

中道穂香 1分28秒32【1位】

女子100メートル平泳ぎ

浅羽栞 1分10秒13【1位】

斎藤千紘 1分14秒38【2位】

松浦優美奈 1分12秒95【OP】

女子100メートルバタフライ

牧野紘子 59秒24【1位】

佐々木杏奈 1分01秒55【3位】

女子200メートル個人メドレー

牧野紘子 2分13秒20【1位】

佐々木杏奈 2分17秒74【2位】

浅羽栞 2分21秒01【3位】

斎藤千紘 2分21秒32【OP】


女子4×200メートルフリーリレー

早大(今牧、牧野、佐々木、斎藤) 8分22秒52【1位】

女子4×100メートルメドレーリレー

早大(佐々木、浅羽、牧野、今牧) 4分13秒23【1位】

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コメント※このインタビューは後日リモートで行われたものです

今井流星主将(スポ4=愛知・豊川)

――久しぶりの試合でしたがいかがでしたか

試合の緊張感であったり空気というのが、半年間しか空いてないんですけど、すごく懐かしく感じました。やっぱり試合は面白いなというのを僕以外のみんなも感じていたと思います。

――チームとしてはどのような雰囲気で臨んだ大会だったのでしょうか

位置付けとしてはインカレまでに早慶戦しか全員で出られる試合がないということで、レギュラー選考もかかっていましたし、かなり大事にしてしっかり調整していたのでそういう面では非常に、結構タイムも出ていましたし良い試合だったのかなあという感じです。

――選考をかけて臨んだ結果、皆さんベストが出たという感じだったのでしょうか

チーム目標が自己ベストの98%以上は必ずクリアするというところと、狙える選手はベスト更新を狙っていくと。あとは早慶戦なのでまず慶大に負けないということを前提にやっていました。

――例年の早慶戦とは違ったところもあったと思います

早慶戦は結構特殊な試合で、飛込も水球も競泳も全部が同じ会場で同じ日にやるっていうなかなかないものだと思うので、そういう面での盛り上がりというのはやっぱり観客がいなかったから盛り上がりもだいぶちょっと変わった形にはなりましたけど。やっぱり観客がいた方が盛り上がるかなという風には感じました。ただ映像を通して見てくれる人は寧ろ増えたのではないかと思いますし、YouTubeも大也さん(瀬戸大也、平29スポ卒=現ANA)らが出ていたことや、僕たちも広報活動として色々早慶戦の前からずっと宣伝していた効果もあったのか分からないですけど、結構見ていただけたのかなと。そういう面で違ったやり方で試合が成功したのかなと思います。

――この早慶戦をきっかけにまたチームの空気感も変わっていくのではないでしょうか

早慶戦があるってなったときに早慶戦でタイムを狙いにいくぞという風になりましたし、現に3ヶ月弱くらいはチームでの練習もできていなかったんですけど、自粛開けて練習積んで早慶戦で結構かなり良いタイムが続々と出てきているのでそういったところで不安があった部分が自信に変わっていったりとかそういう選手が結構多いと思うので残り1ヶ月でできることは限られてくると思うんですけど、こういう特別なインカレ、どうなるか分からないんですけどやれることをしっかりやっていくしかないと思っています。

――チームとしてのインカレの目標は

男子はインカレは総合3位を目標にしています。

――ポイントとなってくるのはどういったところでしょうか

もちろんリレーは得点が倍になるので4継(男子4×100メートルフリーリレー)とメリレ(男子4×100メートルメドレーリレー)は優勝したいなという風に考えていて、完全に狙える位置にいるのでしっかりと狙っていって、8継(男子4×200メートルフリーリレー)に関しては去年B決勝に落ちているのでしっかりA決勝に残って上の順位を狙っていくというのがまずは大事だと思います。

――今大会では8継を競り負けてしまいました

8継は慶応が結構本気で来ていて。去年もなんですけど、8継負けたら早慶戦に負けてしまったみたいな、慶応が総合で勝ったみたいな雰囲気にもなっちゃうので少し後味は悪かったですね。結構1年生もプレッシャーを感じていて、そういうところはあと1ヶ月でもっと強くなっていく必要があるのかなと思いました。

――これを糧としてインカレに繋げていきたいですね

対抗戦をインカレ前にやれたのは早稲田と慶応だけなので、他の大学と比べてプラスになる部分だと思いますし、チームのために泳ぐという気持ちでできたことはインカレに向けて良い経験だったと思います。

大﨑威久馬(スポ3=神奈川・桐光学園)

――自己ベストを大きく更新されましたが、手応えはいかがでしたか

元々のベストは高校3年生、早稲田大学に入学する前に記録したタイムだったので、今年この早慶戦で3年ぶりくらいのベストタイム更新ということだったので、かなり長い間記録を更新できなかったり上手く泳げなかったりという時間があったのでその中でかなり大幅なベスト更新なんですけど、自分としては手応えもありますし、嬉しい結果になりました。

――練習から記録更新できそうな感じがあったのでしょうか

活動を再開してこの試合に向けてというところで、ちょっとこれまでのやり方とは違うアプローチを試みていて、それが練習で1回かなり良いタイムが出たので自分の中で形になったのかなとか自信になった部分がかなり大きくて、この試合もベストは出るかなという確信がかなりあったので上手くはまって良いタイムが出たのかなと思います。

――具体的にどんなところを試行錯誤したのでしょうか

泳ぎの部分も含めて全体的にですね、自分の泳ぎの良さを生かすような、今までは自分の欠点をなくしていくような作業をずっとしていたんですけど、それをしていくことで大学に入ってから自分の良さを見失っていた部分が結構あって、自分はプルが速いタイプでもキックが速いタイプでもなくて身長もあまりなくて体格に恵まれているタイプでもないので、大きいストロークで大きな泳ぎというよりは、中間的なテンポで上手い手と足のタイミングで泳ぐというのが強みだったのでそこにもう一度フォーカスし直してそこから自分の泳ぎをどんどん作っていく過程と、あと練習の取り組み方も、どうしても苦しい練習、頑張る練習では泳ぎがどんどん崩れていってしまう可能性が高いので泳ぎが崩れた時にはそこで上手くスイッチをして違う練習だったり泳ぎに変えて、試合のための泳ぎを常に準備するというのをこの2、3ヶ月ずっとチャレンジしてきてあとは試合に臨むメンタルの部分で去年1年間かなり苦しんで試合にも、競技から離れたこともあったのでそういった部分もフォーカスし直して試合で発揮できるメンタルというのに重きを置いてトレーニングを積んでいたので、それらが形となってタイムに表れたのかなと思います。

――ここからまだタイムをあげていけそうな感じはありますか

インカレまで5週間なので、ここから大幅に記録を伸ばすには少し足りないかなという感じなんですが、小さな詰めの部分、試合で試してできたこと、できなかったことを振り返って小さな積み重ねを続けることで良くしていけることはあると思うのでこの試合ほどの大幅なタイム更新はちょっと難しいとは思うんですけれども、少しの積み重ねで全然改善の余地はあると思うのでそういった部分をインカレに向けてやっていければいいなと思います。

――男子200メートル平泳ぎでは世界ジュニア記録を持つ佐藤翔馬(慶大)の隣を泳ぎました

彼が速いのはわかっていて、今回もベストほどではないけれど8秒か9秒かで泳ぐだろうというのを頭に入れて、大体この差くらいで泳げば良いペース、彼のレースプラン、泳ぎというのも大体わかっているので、それを頭に入れて事前にレースのイメージができていたので焦らずに良い泳ぎができたのではないかと思います

――インカレの目標を教えてください

インカレの目標としては、今回のタイムを上回るということ。それから今回は200メートルの平泳ぎで2分10秒14というタイムを出したんですけど、オリンピックの強化選手の指定タイムが2分10秒03であと僅かのところまで迫っていて、それを切るとナショナルトレーニングセンターにトレーニングに行ける資格だったりとか日本代表の指定強化選手の認定を貰えるようになってくるのでそこを目指して、少しずつの積み重ねでタイムを必ずあげたいと思います。