メニュー

野球部

2020.08.15

東京六大学春季リーグ戦 8月15日 神宮球場

粘りを見せるも1歩及ばず 宿敵に敗れ、優勝の可能性が消滅/慶大戦

TEAM 10
慶 大
早 大
(早)早川、柴田、●山下―岩本
◇(本塁打)熊田1号ソロ(3回)

 3ー5で迎えた10回裏2死満塁。代打・村田大誠(文構4=福井・高志)の放った打球は相手投手のグラブに収まる。一塁にボールが送られ、ゲームセット。この瞬間、早大の9季ぶりVへの道は閉ざされた。

  前回の法大戦で逆転負けを喫し、後がない中で迎えた『華の早慶戦』。早大はエースの早川隆久主将(スポ4=千葉・木更津総合)に先発のマウンドを託した。早川は序盤からボールを低めに集め、初回、2回をいずれも三者凡退に抑えるなど幸先のよい滑り出しを見せる。しかし3回、不運な内野安打から2死三塁のピンチを招くと、打席には好調の1番・新美貫太。2ストライク1ボールと追い込むものの、迎えた4球目。やや甘く入った150キロの直球を捉えられ、左翼スタンドへの先制2ランを許してしまった。

リーグ戦初本塁打を放った熊田

  ただその裏、打線がすぐに反撃に出る。リーグ戦初先発の相手左腕・増居翔太に対し、1死から熊田任洋(スポ1=愛知・東邦)が内角の厳しい球を一閃(いっせん)。これが右翼スタンドに飛び込むリーグ戦初本塁打となり、1点差に詰め寄った。さらに6回、先頭の瀧澤虎太朗副将(スポ4=山梨学院)がセカンド左へゴロを放つと、「絶対塁に出てやる」と気迫のヘッドスライディングでこれを内野安打にする。その後犠打とけん制悪送球で1死三塁とし、蛭間拓哉(スポ2=埼玉・浦和学院)の二ゴロの間に瀧澤が生還して同点に追い付いた。さらに2つの四球で再び好機を迎え、打席には8番・早川。追い込まれながらも高めの球を中前に運ぶと、二塁走者の吉澤一翔副将(スポ4=大阪桐蔭)は一気に本塁へ突入。しかし慶大の中堅手・新美が矢のような送球を見せて吉澤を捕殺し、早大はあと一歩のところで逆転を逃した。

早川の中前打で本塁を突くも憤死した吉澤

 すると直後の7回、4回以降無安打投球をしていた早川が、1死から代打・藤元にスライダーを左翼スタンドへと運ばれてしまう。再びリードを許すと、その裏には相手エース・木澤尚文が満を持して登板。2死から中川卓也(スポ2=大阪桐蔭)が相手の失策で出塁したが、続く瀧澤が倒れて無得点に終わった。慶大に流れが傾く中で迎えた8回、早川が2本の安打で1死一、二塁とされ、打席には2番・瀬戸西純主将が入った。追加点を許せば試合が決まりかねないこの場面、主将対主将の対決は8球に及び、最後は一ゴロに打ち取った。早川は続く下山悠介も遊ゴロに封じ、このピンチを無失点で切り抜けた。その裏打線は無死から相手の失策で走者を出し、今度は早大の反撃ムードに。しかし、続く蛭間が犠打を決められない。2球続けて失敗し、迎えた3球目。バスターで強攻に出たものの打球は一塁手の正面を突き、併殺打となって得点機を逸してしまった。

8回のピンチを抑え、ガッツポーズの早川

  そして試合は9回へ。早大は早川に代え、守護神の柴田迅(社4=東京・早大学院)を投入する。柴田は背中に背負うエースナンバー『11』にふさわしく、慶大打線を三者凡退に切って取った。裏の攻撃、無死からリーグ戦初出場の代打・太田雅之(商4=東京・早大学院)が四球で出塁。途中出場の丸山壮史(スポ3=広島・広陵)がスリーバント失敗を喫して1アウトを献上するものの、続く熊田が犠打を決めて2死二塁と一打同点の好機を迎える。ここで打席には昨秋の早慶3回戦でサヨナラ打を放っている金子銀佑(教4=東京・早実)。1ボールからの2球目、低めのボールに食らい付くと打球は三遊間を抜けて左前に転がり、二塁走者の太田が生還。金子に2季連続となる劇的な適時打が生まれ、土壇場で同点に追い付いた。さらに金子は送球間に進塁しており、再び2死二塁に。しかし続く中川卓は二ゴロに倒れ、サヨナラの好機は逸した。

土壇場で同点打を放ち、ガッツポーズを見せる金子

  迎えた延長10回。タイブレーク制のため無死一、二塁から始まるという中、小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)は柴田に代えて山下拓馬(法3=埼玉・早大本庄)を起用した。慶大の先頭は犠打要員として送り出された代打・田中巧だったが、3球目に捕手・岩本が痛恨の捕逸。無死三塁とピンチが広がったところで、慶大は代打の代打・橋本典之を打席に送る。左の好打者との対決はフルカウントにもつれ込み、迎えた9球目。浮いたチェンジアップを捉えられると、打球は右中間を深々と破って2点適時三塁打に。5-3とまたもやリードを奪われてしまった。さらに無死三塁とピンチは続いたが、山下も意地を見せる。2死からは好調の新美を迎えたが、三飛に打ち取って2失点のみで踏みとどまった。その裏、早大の先頭は3番・瀧澤。2点差を追い付くため1死二、三塁をつくりたいところだったが、またしても犠打が決まらない。2ストライクからバスターで強攻するも浅い左飛となり、好機を広げられなかった。続く岩本が四球を選んで満塁とするが、蛭間が見逃し三振に倒れて2アウト。早大ナインは最後の望みを代打・村田に託したが、投ゴロに倒れてゲームセットとなった。

橋本典に2点適時三塁打を許した山下

  これで早大は1勝2敗となり、優勝の可能性は完全に消滅。開幕4連勝を飾った慶大とは対照的な結果になってしまった。だが、まだ東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)は終わっていない。明日16日には立大戦、3日後の18日には延期となった東大戦を控えている。またそればかりか、約1カ月後には早くも秋季リーグ戦の開幕を迎える。「去年までにはない粘りや手応えを少しずつつかんできている」(瀧澤)と好材料も出てきている中、残り2試合をいかに実りあるものにするかが重要だろう。秋季リーグ戦での10季ぶりVへの一歩目として、まず明日の立大戦で勝利を収めたい。

(記事、写真 池田有輝)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前 10
(二) 金子銀佑 1 1 .357 遊ゴ   右飛   左飛   三ゴ   左安  
2 (三) 中川卓也 5 0 0 .167 中飛   左飛   一ゴ   捕失   二ゴ  
(左) 瀧澤虎太朗 5 3 0 .308 右安     中安   二安 遊ゴ     左邪
(捕) 岩本久重 3 0 0 .273 左飛     遊飛   投犠   遊失   四球
(右)中 蛭間拓哉 4 0 1 .250   遊飛   死球   二ゴ   一併   見三
6 (一) 吉澤一翔 3 0 0 .100   中飛   一ゴ   四球   見三    
柴田迅 0 0 0 .—                    
山下拓馬 0 0 0 .—                    
村田大誠 1 0 0 .000                   投ゴ
7 (中) 鈴木萌斗 2 0 0 .300   空三   二ゴ            
打中 福本翔 0 0 0 .—           四球        
打右 太田雅之 0 0 0 .—                 四球  
8 (投) 早川隆久 1 0 .333     一ゴ   四球 中安        
  丸山壮史 1 0 0 .000                 見三  
9 (遊) 熊田任洋 2 1 1 .250     右本   投犠   三ゴ   一犠  
早大投手成績
名前
早川隆久 2 1 0 8 5 0 7 3 3 2.12
柴田迅 2 0 1 1 0 0 1 0 0 0.00
山下拓馬 2 0 1 1 1 0 1 2 0 0.00
東京六大学春季リーグ戦星取表
順位   慶 大 法 大 立 大 早 大 明 大 東 大 勝率
慶 大   ◯6-4 ◯5-3 ◯11-2 ◯5x-4 1.00
法 大     ◯2x-1 ◯3-2 ◯6-3 1.00
立 大 ●4-6     ◯4-3 ◯12-2 .667
早 大 ●3-5 ●1-2x   ◯5-1   .333
明 大 ●2-11 ●2-3 ●3-4 ●1-5   .000
東 大 ●4-5x ●3-6 ●2-12     .000
関連記事

好調の宿敵をこの手で沈め、歴史に残る1勝を/早慶戦展望(08/14)

試合展開に暗雲垂れ込める中、実際に暗雲が襲来し試合中止に/東大戦(中止)(08/13)

徳山、拙守拙攻に泣く 痛い逆転負けで優勝戦線から1歩後退/法大戦(08/12)

コメント

瀧澤虎太朗副将(スポ4=山梨学院)

――今日の試合を振り返ってみていかがですか

このようなコロナ禍の中で、さらに(故・石井連蔵元早大野球部監督と故・前田祐吉慶大野球部監督の)殿堂入りの表彰式の後に行うということでとても特別な早慶戦でした。何とか勝ちたかったですが先制された後に粘り強く追いついたものの最後は勝ち切れず悔しかったです。

――これまでの試合ではあまり本調子ではないように思えましたが、どのような気持ちで早慶戦に臨みましたか

前の2試合であまり安打を打てておらず、調子が良い悪いということをいろいろな方面の方から言われていました。しかし自分としては2試合打てなかったから調子が悪いとは思っていなくて。しかし結局打てないと調子が悪いと言われてしまいます。それに、秋(東京六大学秋季リーグ戦)が終わってから9カ月の間自分なりにしっかり準備してきたのに打てないと、今まで何をやってきたのかという思いが自分の中で出てきてしまいます。そのような思いをするのは嫌なので、自分がやってきたことは間違いではないということを見せたいという思いでこの試合に臨みました。

――第1、2打席とともにヒットを打ちましたがそれぞれの打席を振り返っていただけますか

自分は木澤(尚文)か関根(智輝)が(先発に)来ると踏んでいたので左投手の増居(翔太)が来るとは予想していませんでした。増居だとわかってからはデータなどを見て研究し直していました。第1打席目は左投手は苦手ではないので食らいついていきました。2打席目は簡単に追い込まれてしまったのですが3球目で幸いにも甘い球が来たので仕留められました。良かったです。

――第3打席ではヘッドスライディングで内野安打になる場面がありました。どのような気持ちでヘッドスライディングを決めましたか

1点ビハインドの場面だったのでまず自分が出塁しなければいけないという思いが強くあり、また自分が出ると良い打者が続くので絶対(塁に)出てやるという気持ちで決めました。

――今日の試合では常にリードを許す展開でしたがチームの雰囲気はいかがですか

エースで主将の早川(隆久、スポ4=千葉・木更津総合)が打たれてしまったのですが、すごく頑張っている姿勢を皆わかっているので、早川を助けたいという思いでチーム全体で慶應にぶつかることが出来たと思います。

――タイブレークで打席が回ってきましたがその打席を振り返っていかがですか

あのバントが決まっていればその後の流れもどうなっていたかわからないので、本当にチーム全体に迷惑を掛けました。

――優勝の可能性が無くなりましたがあす以降チームとしてどのように戦っていきたいですか

試合後のミーティングでも話しましたが、去年までにはない粘りや手応えを少しずつつかんできていると思います。自分たちの代は本当に優勝した経験がなく、今回も逃してしまいました。しかし補助に回ってくれる同級生や練習をしてくれる下級生は本当に自分たち以上にもどかしい思いをしていますし、そのような選手たちは自分たちが試合で勝たないと報われないと思うので、まず明日勝って早稲田の野球を相手に見せつけられたらなと思います。

――最後に明日の立大戦への意気込みをお願いします

立教は勢いのあるチームなのでその勢いに押されないように、今から準備をして備えたいと思います。